第5話 「人生はいつからでも変えられる」と、私が思えるようになるまで
人生は、いつからでも変えられる。
いまでは、心から思える言葉です。
でも、40代半ばまでの私は、そんな言葉を信じていませんでした。
私の人生は、子供のために耐えるもの。
お金のために、走り続けるもの。
私に幸せは、やってこない。
自分のために生きる、という発想すらなかったのです。
そんな私が「私も、幸せになっていいのかもしれない」
そう初めて思えたのは、意外な場所でした。
それは、42歳ごろの出来事です。
いつものように、お客さまのお宅へ訪問し、話をしていました。
するとお客さまが突然、ご自分の身の上話を始めました。
シングルマザーとして、苦労しながら男の子を育てていたこと。
縁あって、今のご主人と3年前に再婚し、
子供さんも可愛がってもらい、とても幸せだという話。
そして、
『あなたも再婚したら?』
と、勧めてくれたのです。
私はそれまで、再婚を考えたことは一度もありませんでした。
元の主人との生活で、懲りていたからです。
「一度失敗したのに、また結婚を考えるなんて」
そう思う人もいるかもしれません。
私自身も、その時は同じ気持ちでした。
お客さまから再婚を勧められたときは、
笑いながら否定しました。
その時は否定したのですが、
心の片隅に、その言葉が薄く残りました。
それから時々、
その言葉が浮かんでくるようになりました。
私の人生は、ずっと周りの人のものでした。
私のことを中心に、考えたことすらありませんでした。
夢のような話でしたが、現実でした。
実際に経験した人の笑顔が、そこにありました。
ご主人に守られている安堵感。
親子三人で過ごす、暖かな空気。
それらが、目の前に満ち溢れていました。
自分にも人生があって、
自分を中心に物事が動く。
そんな人生が、私にも許されるかもしれない。
体力の限界と共に、
その思いは、少しずつ心の中に広がっていきました。
いまから考えると、おかしなことです。
自分の人生を決めるのに、
誰の許可もいりません。
周りのことだけを考えて、
自分で自分を、がんじがらめにしていました。
その呪縛から抜け出すのに、
三年近くかかりました。
長い時間でしたが、あの時間があったからこそ、
今の私があるのだと思います。
人生は、誰のものでもありません。
自分自身のものです。
それに気づけたとき、
私の人生は、静かに動き始めました。
この記事は、私の人生を振り返りながら書いている連載です。
離婚、貧困、母の借金、再婚、介護。
いろいろな出来事がありましたが、人生はいつからでも変えられると、今は思っています。
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私が「全部背負う人生」に入ってしまった日
毎週火曜日に記事を出します。
感じたことがあれば、
そっと教えてください。
静かに続けます。
また、ここで。
