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【保存版】ロープウェイ・バスで登れる高山7選|高山デビューを、データで選ぶ

はじめに

こんにちは、YuYaです! 普段は登山やドローン映像などを中心に、アウトドア情報を発信しています。

「アルプスの絶景は見てみたいけど、自分の体力じゃまだ無理だよなあ」
——そう思って、写真を眺めるだけで諦めていませんか?

最近は、ロープウェイやバスなどの整備が進み、文明の利器で標高を一気に稼げば、登山を始めたばかりの人でも、標高3000m近い世界にぐっと近づける山は存在します。

今回の記事を読むと、標高3000m近い絶景に「自分の体力でも届く一座」を、データを見ながら選べるようになります。 ただ、アクセスが楽でも、高山そのものは低山とは別物。そこも含めてしっかりお話ししていきますね。



1. ロープウェイ・バスはなぜ「初めての高山」に効くのか

「標高を稼ぐ」は、いちばんコスパのいい一歩

登山のしんどさって、けっきょく「標高差」と「歩く時間」でほぼ決まるんですよね。 ゼロから3000mを自分の足で登るのは、体力的にも時間的にも、かなりの投資が必要です。

ところがロープウェイやバスを使うと、その投資の大部分を一気にショートカットできます。 標高2000mや2700mまで、座っているだけで運んでくれるわけです。

図解:「標高を買う」労力対効果

山選びは「3つの数字」で見るとブレない

どの高山を選ぶか迷ったら、僕はまずこの3つの数字を見ています。

ひとつめが「終点の標高」
ロープウェイやバスがどこまで運んでくれるか、です。

ふたつめが「そこからの標高差」
終点から山頂まで、あと何メートル登るか。

みっつめが「コースタイム」
終点から山頂までの、標準的な歩行時間です。

この3つを並べると、「楽に届く山」と「ちょっと頑張る山」が、感覚ではなく数字で見えてきます。 この記事でも、紹介する山ごとにこの数字を必ず添えていきますね。

ただし「楽に着く」と「楽に登れる」は別の話

ここで先に釘を刺させてください。
終点まで楽に着けることと、そこから先が楽なことは、まったくの別物なんです。

標高2700mの世界は、真夏でも空気が薄く、天気も街とは別の理屈で動きます。 このあたりは最後の章で、大事な話としてまとめます。
まずは「どの山が、どんな絶景か」を見ていきましょう。


2. 終点から山頂までひと登り

この章で紹介する2座は、終点からの標高差が小さく、文字どおり"ひと登り"で山頂に立てる山です。 高山デビューの一座目に、僕がよくおすすめするのがこの2つだったりします。

北横岳|ロープウェイを降りて1時間で、八ヶ岳の展望台へ

最初は北八ヶ岳の北横岳(きたよこだけ)。
北八ヶ岳ロープウェイ(旧ピラタス蓼科ロープウェイ)で、標高2237mの坪庭(つぼにわ)まで一気に上がれます。

・標高:2,472m(北峰)
・ロープウェイ終点:2,237m(坪庭/山頂駅)
・そこからの標高差/コースタイム:約235m/片道 約1時間
・運行:通年(夏は登山、冬はスノーシューで人気。最新は公式で確認を)
▶北八ヶ岳ロープウェイ公式ページ

坪庭は、溶岩が固まってできたゴツゴツの自然庭園で、降りた瞬間からもう別世界。 そこから木道と少しの急登を1時間ほど登ると、北横岳の頂上です。

北横岳は南峰と北峰のふたつの頂を持つ双耳峰(そうじほう=頂が2つある山)で、南峰からは南・中央・北アルプスの三大アルプスがずらり。
北峰に移ると、今度は目の前にどーんと蓼科山。
たった1時間の歩きでこの展望は、正直ずるいくらいです(笑)。

僕は夏も冬も登っていますが、稜線は年間を通して風が強いことが多い印象。 裏を返せば、しっかり防寒すれば冬でも安全マージンを取りやすく、雪山デビューの一座としても人気の山なんですよね。


乗鞍岳|日本一高いバスターミナルから、3000m峰へ

次は、いきなり標高3026mの乗鞍岳(のりくらだけ)。 マイカー規制のため、ふもとからシャトルバスに乗り換えて、標高2702mの畳平(たたみだいら)まで運んでもらいます。ここ、日本一高いところにあるバスターミナルなんです。

・標高:3,026m(剣ヶ峰)
・バス終点:2,702m(畳平バスターミナル)
・そこからの標高差/コースタイム:約324m/片道 約1時間30分
・シャトルバス:おおむね初夏〜10月末(マイカー規制区間。長野側・岐阜側で開通時期が異なるので、最新は公式で確認を)
▶乗鞍 畳平シャトルバスの公式運行情報

紹介しておきながら、実は僕は乗鞍岳には雪の時期しか登ったことはないので、「夏にバスで畳平まで上がる楽ルート」自体は、僕もこれから歩きたい側の人間です。

朝日に燃ゆる乗鞍岳

それでも夏の乗鞍をおすすめするのは、畳平から剣ヶ峰までの道が、3000m峰とは思えないほど整っているから。 道中ではライチョウ(高山にすむ国の特別天然記念物)や高山植物に出会えることもあって、「日本でいちばん手軽な3000m峰」と呼ばれるのも納得なんですよね。


3. もうひと頑張りで稜線へ|歩く量が増えるぶん、展望も一段上

次に紹介する3座は、終点からの標高差が500m前後。 ここまでの山よりは歩きますが、そのぶん「自分の足で登り切った」という手応えと、展望が一段上がるんですよね。高山デビューの次のステップにおすすめの山たちです。

木曽駒ヶ岳|日本最高所のロープウェイ駅から、氷河地形のカールへ

中央アルプスの最高峰、木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)。 駒ヶ岳ロープウェイで、標高2612mの千畳敷(せんじょうじき)駅まで一気に上がれます。ここ、日本でいちばん高いところにあるロープウェイ駅なんです。

・標高:2,956m(中央アルプス最高峰)
・ロープウェイ終点:2,612m(千畳敷駅/日本最高所のロープウェイ駅)
・そこからの標高差/コースタイム:約344m/登り約2時間(往復約4時・間)
・運行:通年(登山適期は7〜10月。11〜6月は雪山装備が必要。最新は公式で確認を)
▶リンク:駒ヶ岳ロープウェイ公式の運行情報へ

千畳敷駅を出ると、目の前にいきなり千畳敷カール(氷河に削られてできた半円形のくぼ地のこと)が広がります。 背後にそびえる宝剣岳(ほうけんだけ)の荒々しい姿と合わせて、降りた瞬間からもうアルプスのど真ん中なんですよね。

実はこの山も、僕は夏にはまだ登ったことがありません。なので、僕の記憶の千畳敷は、お花畑ではなく、白く凍てついた静かなカールだったりします。夏はここが高山植物のお花畑になるので、夏に行く人はぜひ、雪のない千畳敷も僕の代わりに目に焼きつけてきてください(笑)。

カールから先は、八丁坂(はっちょうざか)という急坂をひと登り。 そこを越えて乗越浄土(のっこしじょうど)という稜線に出れば、あとは比較的なだらかな道で山頂です。標高3000m近いので、ゆっくり歩いて高山病を防ぐのがコツです。


西穂独標|ロープウェイから、北アルプスの岩稜に片足だけ

次は、北アルプス・穂高連峰の入口にあたる西穂独標(にしほどっぴょう)。 新穂高ロープウェイで、標高2156mの西穂高口(にしほたかぐち)駅まで運んでもらいます。

・標高:2,701m(西穂独標)※その先の西穂高岳2,909mは上級者向け
・ロープウェイ終点:2,156m(西穂高口駅)
・そこからの標高差/コースタイム:約545m/登り約2〜2時間30分
・運行:通年(ロープウェイ・西穂山荘とも。最新は公式で確認を)
▶リンク:新穂高ロープウェイ公式の運行情報へ

西穂独標

「独標」というのは独立標高点の略で、ざっくり言うと「ここまではふつうの登山者でも歩ける区切りのピーク」という意味だったりします。 西穂高口から樹林帯を抜けて西穂山荘へ、そこから丸山を越えて独標へ。たどり着くと、目の前に穂高連峰の岩稜(がんりょう=岩の尾根)がずらりと並んで、笠ヶ岳や上高地まで見渡せます。

西穂独標からの下山路の景色

僕がここを歩いたのは夏で、穂高をぐるっとつなぐ縦走の途中でした。 ただ、あらためて思うのは、ロープウェイから独標だけを日帰りで往復するコースも、それ単体で十分すぎるほど楽しいだろうなということ。
実際に、僕が縦走路から下山するなら、本当に多くの日帰り登山者に出会いました。

ひとつだけ大事な注意を。 独標から先(ピラミッドピーク〜西穂高岳)は、本格的な岩稜歩きで、明確に上級者向けの世界です。 高山デビューの段階では、独標で引き返すのが正解。独標の直下にも岩場があるので、ここは慎重にいきましょう。

西穂独標から穂高連峰方面は経験者向け

日光白根山|関東以北の最高峰に、ゴンドラで一番手軽に

最後は、関東より北でいちばん高い山、日光白根山(にっこうしらねさん)。 日光白根山ロープウェイ(ゴンドラ式)で、標高2000mの山頂駅まで一気に上がれます。

・標高:2,578m(関東以北の最高峰)
・ゴンドラ終点:2,000m(山頂駅)
・そこからの標高差/コースタイム:約580m/登り約2時間30分(往復約4・時間30分)
・運行:5月下旬〜11月上旬(最新は公式で確認を)
▶リンク:日光白根山ロープウェイ公式の運行情報へ

山頂駅には天空テラスや足湯まであって、ここだけでも十分に楽しめる場所。 ここから樹林帯を抜けて登っていくと、関東以北の最高地点に立てるわけです。

僕が登った日は、山頂はすっぽりガスので、 真っ白で展望ゼロでした(笑)

でも晴れた日は360度の絶景パノラマが広がるので、これはリベンジ確定なんですよね。 ちなみに日光白根は活火山で、現在は噴火警戒レベル1。
登る前に気象庁の最新情報をチェックしておくと安心です。

図解②:終点標高×標高差で見る「高山の難易度マップ」を挿入

4. もう一歩チャレンジしたい人へ|バスで入る南アルプスの日帰り

ここからは、さらにギアが上がります。
実は僕が特に好きな山域が、この南アルプス。
だからこの章は、ちょっと贔屓が入っているかもしれません(笑)。

これまでの山と違うのは、「バスで登山口まで入る」けれど、そこから先は自分の足で7時間前後しっかり歩く、という点。 ロープウェイのように頂上のすぐ近くまで運んでくれるわけではないんですよね。でもそのぶん、登り切った先のパノラマは、ここまでの5座とはまた違う格の絶景だったりします。

向かうのは北沢峠(きたざわとうげ/標高2032m)という登山口。
マイカー規制のため、ふもとの仙流荘からバスに乗り換えて、約55分で入ります。ここを起点に、南アルプスを代表する2座へ登れるんです。

仙丈ヶ岳|「南アルプスの女王」のやわらかな稜線

・標高:3,033m(「南アルプスの女王」と呼ばれる)
・バス終点(登山口):2,032m(北沢峠)
・そこからの標高差/コースタイム:約1,000m/往復 約6〜7時間
・南アルプス林道バス:例年6月中旬〜11月上旬(マイカー規制。最新は公式で確認を)
南アルプス林道バス公式の運行情報へ

仙丈ヶ岳(せんじょうがたけ)は、なだらかで伸びやかな稜線が美しい山。 氷河が削ったカール(半円形のくぼ地)を抱いた山容が、女王と呼ばれる所以なんですよね。道はよく整備されていて危険箇所も少なく、3000m峰の中ではやさしい部類。南アルプス入門としても定番です。

甲斐駒ヶ岳|白い花崗岩がまぶしい、男前の一座

・標高:2,967m
・バス終点(登山口):2,032m(北沢峠)
・そこからの標高差/コースタイム:約935m(途中に登り返しあり)/往復 約7〜8時間
▶南アルプス林道バス:同上

仙丈ヶ岳がやわらかな女王なら、甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)は男前。 白い花崗岩(かこうがん=白っぽい岩)に覆われた山肌が陽に輝いて、遠くから見ても一発でそれと分かる存在感があります。摩利支天(まりしてん)という岩峰を従えた姿は、何度見ても惚れ惚れするんですよね。

山頂直下には仙丈ヶ岳よりも急な登りがあって手応えは抜群。同じ北沢峠を起点にしていて、仙丈ケ岳と兄弟のように並ぶ南アルプスの山と覚えておくとよいです。

天気が良ければ甲斐駒ヶ岳山頂からは富士山も

この章だけは「下山後」に落とし穴がある

ここでひとつ、いちばん大事な注意を。 この南アルプス、最大の難所は実は岩場ではなく、「駐車場から登山口までの往復バスの確保」だったりします。

林道バスは本数が限られていて、最終便も夕方には出てしまいます。 山頂でのんびりしすぎて最終便を逃すと、自家用車も入れない山奥に取り残される——つまり下界に戻れなくなるわけです。(ちなみに麓まで徒歩だと4時間程かかります)

だからこの2座は、ほかの山以上に「計画」が重要です。週末は始発バスに行列もできるので、心配なら前日に北沢峠へ前乗りして山小屋に泊まり、両方の山を2日でゆっくり、という登り方もおすすめ。実際、これがいちばん安全マージンを取りやすい組み方だったりします。


5. 楽でも"高山リスクは本物"

最後に、この記事でいちばん伝えたい話をします。 ここまで「楽に届く」を散々語っておいてなんですが、最後だけはしっかりブレーキを踏ませてください。

アクセスが楽なことと、その山が安全なことは、まったくの別物です。

真夏でも、3000m近くは「別の気候」

標高が上がるほど気温は下がり、3000m近い山頂は、ふもとの街より15〜20℃ほど低いことも珍しくありません。 下界が真夏日の30℃でも、山頂は10℃前後。そこに風が吹けば、体感はぐっと下がって、夏でも凍えるような寒さになります。

しかも山の天気は街とは別の理屈で動きます。 さっきまで晴れていたのに、急にガスに包まれて雷……というのは高山では日常茶飯事。

だから、ロープウェイ高山ほど「装備は本格」で

「観光地の延長」のつもりで軽装で来てしまう人が、実はいちばん危ない。 ロープウェイで楽に上がれる山ほど、装備はむしろ本格的に、と考えてちょうどいいくらいです。

最低限そろえてほしいのは、レインウェア(上下)、防寒着、帽子・手袋、そして登山靴。このあたりは低山以上に効いてきます。

▶他にも登山ギアの選び方やレビューを紹介している記事はこちらのマガジンで随時更新中です。

▶登山靴の選び方はこちら

高山病は、誰にでも起こりうる

もうひとつ大事なのが

高山病(こうざんびょう)

標高2500mあたりから、頭痛・吐き気・めまいといった症状が出ることがあります。

そして少し意外かもしれませんが、ロープウェイやバスは「短時間で一気に標高を上げる」ぶん、体が高度に慣れる時間がなく、むしろ高山病が出やすい一面もあるんです。 楽に上がれることの、数少ないデメリットですね。

対処の基本は、ゆっくり行動して水分をしっかり摂ること、そして「合わないな」と感じたら無理せず下りること。 ただ、症状の感じ方も対処も人それぞれなので、ここで僕が断定的なことを言うのは控えます。心配な人は、登山医学の専門情報や医療機関の案内を事前に確認しておくと安心です。

▶図解③:「楽に登れる ≠ 軽装でOK」高山リスクのレイヤー図を挿入

おわりに

最後に、今回紹介したコースタイム・運行期間は目安です。個人によっても異なりますし、最新は必ず各公式でご確認をお願いします。

ロープウェイやバスは、少ない労力で大きな絶景に届く、最高に「コスパのいい」一歩です。 "アルプスなんてまだ無理"と思っていた人ほど、最初の一座を登り終えたとき、世界の見え方が変わると思います。

ただ、装備と天候判断だけは、低山とは別物。 そこさえ押さえれば、あとは絶景を楽しむだけです。安全第一で、最高の一座を選んでくださいね。

それでは、よい山旅を!


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