黒に魅せられて「エド・イン・ブラック 黒からみる江戸絵画」板橋区立美術館
タイトルのあれだよね感とチラシのかっこよさで楽しみにしていた展覧会。3月最後の日曜日に行ってきました。
※タイトル画像は展覧会チラシから
片道2時間くらいかけて行った甲斐のある、予想よりもずっと面白い展覧会でした。
後期も行きたいけれど、会期が短く行くタイミングがないのが残念です。
展覧会概要
「黒」は何にも染まらない特異な色といえます。日本絵画においては、古くから欠かすことのできない要素の一つでした。多くの人が絵を楽しむようになった江戸時代には、絵画表現が広がり、黒は多様に用いられました。本展覧会では、黒に焦点を当て、江戸絵画にみる黒の表現とともに、当時の文化や価値観などもご紹介します。
黒と聞いて夜を思い浮かべる人も多いでしょう。月夜の情景や人々の暮らしの様子といった夜を描いた作品の中でも、影や暗闇などの描写に注目し、黒がどのように用いられたのか探ります。また、背景を黒く塗り込んだ作品や、黒を基調とした「墨彩色(すみさいしき)」「紅嫌い(べにぎらい)」と呼ばれる趣味人たちに好まれた浮世絵などから、それらが何を象徴するのか検討します。
暗闇の中でわずかな灯りとともに作品を鑑賞するコーナーでは、普段の美術館では味わえない金屏風の柔らかな輝きによる美しさをご堪能ください。
江戸時代の人々は「黒」に対して何を見出し、何を感じていたのでしょうか。様々なテーマから江戸絵画における「黒」を探究し、その魅力に迫ります。
今回は写真撮影はNGのため、印象に残った作品を備忘録としていくつかあげておきます。
長沢芦雪《月夜山水図》と《月竹図》
《月夜山水図》はかすむ山と紙の色を活かした月で明るい月夜を感じる作品。
《月竹図》はとても細長い作品。誰かに依頼されたのか、本人が描きたくて描いたのか、とても気になる作品でした。幅が細いのがこんなに目立つとは。
鈴木其一《暁桜夜桜図》
暁と夜の桜が対になっていて、暁の桜の精緻さも去ることながら、夜桜のシルエットが秀逸。
月岡芳年《牛若丸弁慶図》
酔っても描けるんだぜ、というようなことが書いてある席画。簡単に描いてそうに見えるけれど、画力がないと描けないよなと思った作品。
与謝蕪村《闇夜漁舟図》
闇夜と光の描きわけが面白い。民家から漏れる光の描き方が漫画っぽい。
狩野了承《二十六夜待図》
月が出てくるのを待つ行事を描いていて、海の向こうに日の出かなと思うくらいの眩い輝きの月が見える。初めに離れて見ていた時は気がついていなかったけど、近くでよく見ると三尊が月の中にいてよく見ないとダメだなと思った作品。
森一鳳《星図》
夜空の星だけを描いているのが珍しい。北斗七星とカシオペア座のようです。
伊藤若冲《乗興舟》
ポスターやチラシに使われている黒を背景にしたかっこいい作品。文字の配置や墨の濃淡がとにかく上手い。
喜多川歌麿《朝顔を持つ美人図》
黒を基調とした美人画が並ぶ中、いちばん光ってたのがこれ。歌麿の美人画は素敵。
鳥文斎栄之《三福神吉原通い図巻》
大黒、恵比寿、福禄寿が吉原に行くの巻。神様は黒で描かれていて神性を示しているとか。
籠に乗っている三福神を袋と小槌、鯛と釣竿、籠に入らない頭で表現しているところがユーモアがあってクスッとする。
《玄圃瑤華》を見ていて、今回の展示とは描かれているものが違うけれど、東京国立博物館の総合文化展で見たのを思い出した。黒と白がかっこいいと思って印象に残っている。カメラロールを遡ったら3つ出てきた。

玉蜀黍・葵鬘


今回のハイライトは、狩野了承《秋草図屏風》の蝋燭のような灯りで見られる展示。
点滅の速さと明るさを調節ができて、蝋燭の灯りで見るとこんな感じだったのかなと想像するのが楽しかった。速度や明るさを変えるのも実験みたいで面白い。
たっぷり楽しめたけれど、帰りにちょっとお茶でもというお店がないのが残念。
乗り換え駅の神保町まで行って、お茶したのでした。

ハコ推しか!
