家事が死亡リスク減に
米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームが、興味深い報告を発表しました。家事や軽い散歩といった軽強度の運動が、メタボリックシンドロームなどの心血管・腎・代謝(CKM)症候群に該当する人の死亡リスクを低下させる可能性があるというのです。7,246人を対象とした調査では、軽強度運動を1日1時間多く行うことで、14年間での死亡リスクが14〜20%低下することが明らかになりました。特に注目すべきは、CKM症候群のステージが高い人ほど、軽強度運動の恩恵が大きいという点です。

このコラム記事は、元の研究論文とは直接的な関係はございません。下記の東洋医学的視点は、研究結果を踏まえた上での補完的な健康情報としてご理解いただければ幸いです。
東洋医学から見た軽強度運動の意味
気血の巡りを整える穏やかな動き
東洋医学では、体を構成する「気・血・水」の巡りが健康の要と考えます。メタボリックシンドロームのような状態は、気血の巡りが滞り、痰湿(たんしつ)と呼ばれる病的な水分や脂質が体内に蓄積した状態と捉えることができます。
激しい運動は確かに効果的ですが、すでに体調に不安を抱えている方にとっては負担が大きく、かえって気を消耗させてしまうこともあります。一方、ウォーキングや家事といった軽い動きは、気血を穏やかに巡らせ、痰湿の停滞を少しずつ解消していく力があります。

日常の中に組み込める養生法
東洋医学の養生では「無理をせず、継続できること」を重視します。特別な時間を作らずとも、日常の家事や散歩の中で体を動かすことは、まさに理にかなった養生法といえるでしょう。
庭の手入れをしながら季節の移り変わりを感じたり、近所を歩きながら深い呼吸を意識したりすることで、心身のバランスが整っていきます。気の巡りが良くなれば、代謝も改善し、体内の余分な湿や熱が自然と排出されやすくなります。

メタボ体質に適した漢方処方
メタボリックシンドロームの傾向がある方には、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)という処方がよく用いられます。この処方は、体内の余分な熱や湿を取り除き、気血の巡りを改善する働きがあります。便秘がちで、お腹周りに脂肪がつきやすい方に適しています。
また、むくみやすく疲れやすい方には、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)が選ばれることもあります。水分代謝を整え、気を補いながら余分な水を排出する処方です。
編集後記
家事や散歩が命を救うという研究結果に、少しほっとしました。ジムに通う時間がなくても、毎日の掃除や買い物、庭の水やりといった何気ない動きが、実は大切な養生になっているのですね。私も朝の散歩を続けていますが、無理なく続けられることこそが一番の薬なのだと、改めて感じています。
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