模擬試験(20251228)
皆さん、こんにちは。師走の慌ただしさも少しずつ落ち着き始め、仕事納めを迎えた方も多いのではないでしょうか。学生の皆さんは待ちに待った冬休みがスタートし、ホッと一息ついている頃かもしれませんね。
年末年始は何かと飲食の機会が増え、胃腸に負担がかかりやすい時期でもあります。漢方では「脾胃(ひい)」と呼ばれる消化器系の働きを大切にします。この休暇中、ゆっくりと食事を味わい、胃腸に優しい生姜湯や山査子(さんざし)を取り入れてみるのも良いかもしれません。
また、年末の大掃除で体を酷使された方は、身体の「気」の巡りが滞っているかもしれません。少し温かい部屋でストレッチをしたり、深呼吸をして体をほぐすことも漢方的な健康法のひとつです。
それでは、今年最後の模擬試験、どうぞお楽しみください。
他の模擬試験はこちら。
設問1 年末年始の食べ過ぎによる消化不良や胃もたれに適した漢方薬はどれか。
香蘇散(こうそさん)
平胃散(へいいさん)
葛根湯(かっこんとう)
八味地黄丸(はちみじおうがん)
設問2 乙字湯(おつじとう)の主な適応症として最も適切なものはどれか。
急性の風邪の初期症状
痔核や裂肛による出血や痛み
めまいや耳鳴りを伴う頭痛
女性の冷え症や月経不順
設問3 葛根湯(かっこんとう)に関する記述で誤っているものはどれか。
風邪の初期で、首筋や肩のこりがある場合に用いる
汗が既に多く出ている場合にも効果的である
末梢血管を拡張させる解熱作用がある
寒気と発熱を伴う症状に適している
設問4 滑石(かっせき)を含む漢方処方はどれか。
八味地黄丸(はちみじおうがん)
五苓散(ごれいさん)
猪苓湯(ちょれいとう)
六君子湯(りっくんしとう)
設問5 栝楼根(かろこん)の効能として最も適切なものはどれか。
体内の余分な熱を冷まし、喉の渇きを鎮める
血行を促進し、冷えによる痛みを緩和する
消化を助け、食欲不振を改善する
咳を抑え、痰を切る作用がある
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設問1 年末年始の食べ過ぎによる消化不良や胃もたれに適した漢方薬はどれか。
正解:平胃散(へいいさん)
解説:平胃散は、食べ過ぎや飲み過ぎによる消化不良、胃もたれ、胃部膨満感などの症状に用いられます。始まりの挨拶にあるように、年末年始は飲食の機会が増え胃腸に負担がかかりやすい時期です。平胃散は「脾胃(ひい)」の働きを整え、消化促進や胃の不快感を改善する効果があります。また挨拶で触れられている山査子(さんざし)も、消化を助ける生薬の一つです。
設問2 乙字湯(おつじとう)の主な適応症として最も適切なものはどれか。
正解:痔核や裂肛による出血や痛み
解説:乙字湯は痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)などの痔疾患に用いられる代表的な漢方薬です。特に出血や痛みを伴う症状に有効です。乙字湯には、収れん作用のある大黄や黄柏、止血作用のある地楡などが配合されており、痔の炎症や出血を抑える効果があります。
設問3 葛根湯(かっこんとう)に関する記述で誤っているものはどれか。
正解:汗が既に多く出ている場合にも効果的である
解説:葛根湯は風邪の初期症状、特に「悪寒・発熱があり、首筋が凝って痛い」状態に適した漢方薬ですが、汗が既に多く出ている場合には適していません。クラシエの情報によると、「すでに汗をかいている方には向いていません」とあり、汗が出始めている場合には桂枝湯など別の処方が適切です。葛根湯は発汗作用により体内の熱を発散させる働きがあるため、既に汗が出ている状態では不向きです。
設問4 滑石(かっせき)を含む漢方処方はどれか。
正解:猪苓湯(ちょれいとう)
解説:滑石(かっせき)は利尿作用を持ち、尿路の熱を取り除く効果がある鉱物性生薬です。猪苓湯には滑石が配合されており、主に膀胱炎や尿路感染症などの尿路系疾患に用いられます。滑石の清熱・利尿作用により、排尿時の痛み、頻尿、残尿感などの症状を改善します。五苓散も利水剤ですが、滑石ではなく猪苓、沢瀉、茯苓、桂皮、白朮を含みます。
設問5 栝楼根(かろこん)の効能として最も適切なものはどれか。
正解:体内の余分な熱を冷まし、喉の渇きを鎮める
解説:栝楼根(かろこん)は、瓜の一種であるカラスウリの根を乾燥させた生薬で、清熱生津(体内の熱を冷まし、津液を生成する)作用があります。特に、熱による口渇や喉の渇きを鎮め、肺の熱を冷まして咳を鎮める効果があります。天花粉とも呼ばれ、白虎加人参湯などの処方に配合されています。栝楼根は冷性の生薬で、体内の余分な熱を取り除く効果に優れています。
皆さま、お疲れさまでした。今年最後の模擬試験はいかがでしたか?
年末年始に役立つ「平胃散」や痔の症状に効果的な「乙字湯」、風邪の初期症状に用いる「葛根湯」の特徴など、日常生活に身近な漢方の知識を確認していただきました。生薬の「滑石」や「栝楼根」の働きについても学んでいただけたと思います。
漢方の素晴らしさは、2000年以上も前から人々の暮らしに寄り添ってきたその知恵にあります。年末年始の慌ただしさの中でも、ぜひ「脾胃」を労わる意識を持ち、ゆっくりと食事を味わう時間を大切にしてください。また、新年を迎えるにあたり、漢方では「未病を治す」という考え方があります。病気になる前に体調の変化に気づき、早めに対処することが大切です。
これからも、note記事の更新を通じて、皆さまにより楽しんでいただける表現方法や内容を模索し、新しい試みにも挑戦していきたいと思っています。漢方の知恵を、より身近に、より分かりやすくお届けできるよう、工夫を重ねてまいりますので、引き続き応援いただけますと幸いです。
来年も皆さまの健康に寄り添える漢方の知恵をお届けしていきますので、ぜひまたこの場所でお会いしましょう。どうぞ良いお年をお迎えください。心と体の調和がとれた、健やかな新年となりますように。
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