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#おせち風呂/毎週ショートショート


初夢をみた。
黄金にかがやくお風呂。甘い香りとうずまき。足を踏み入れると、そこはかとなく、魚介類のにおいもただよう。
よく見れば、水が出ているところは立派なエビだ。頭のついたやつ。大好きな栗の甘露煮が浮かんでいる。
しあわせだ。
僕はそっと身を沈める。



ふっと横を見ると、誰かと目が合う。誰か?あれはイワシじゃないか。


イワシ?

そのイワシは独特なタレを身にまとい、こちらに向かって言った。
「…残すなよ、ことしこそ」


ひっ。
僕はそこで目をさました。



目覚めて、首をかしげながら帰省した。実家ではいつもと同じ父と母。こたつには、いつものおせちがどんと、存在感を放つ。

たわいない会話と流しっぱなしのテレビ。
飽きてきた僕はふととなりでお雑煮をすする母さんに聞いた。

「そういや母さん、おせちってさ、毎年あまってたよね?あれ、最後どうしてたの?」

「やあね。お母さん、田作りとか黒豆とかばっかり最後食べてたんだから。ほんとはね、伊達巻が好きなのよ。ほらお父さんは数の子ばっかりだし」

はは、そうだったな、と父さんは出てきた腹をなでる。



母さんは歌うように言った。

そうそう、たくや、お風呂がわいたわよ。

…残すなよ、ことしこそ。
田作りと、目があった気がした。





新年一発目のショートショートです。今日もお付き合いいただきありがとうございます😊

うちも毎年同じのが残るんだよなあ…。お母さんが食べるのは大体どこの家も同じじゃないかしら。

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橘 ゆず だいすきなチーズケーキと小説につかわせていただきます!よりよい作品のエンジンにいたします。