髭は恋をする。/#毎週ショートショート


俺はとあるバーの店長のカイゼル髭。カイゼル髭って知ってるか?
かつてはドイツ皇帝のヴィルヘルム2世がこのカイゼル髭の持ち主だったそうだ。おっと、マニアックだったか?


「全くお前は自由だな。でも、いい相棒だ」
俺にとっては唯一無二の存在。主人のトメオさん45歳。渋い俺の存在を心から愛し、トレードマークとして毎朝の手入れは欠かさない。
トメオさんのバーは、俺の名前からとって「カイゼル」って言うんだ。格好いいだろ。

トメオさんは散歩にでる。俺は知っている。
いまだに独身のトメオさんはバーに出勤前、必ず花屋の前を通る。
バーに花を飾ることを口実に、たびたび寄っては店長のリナさんに話しかけるのだ。
「あら、トメオさん。今日はね、ガーベラがいい感じよ」
40も過ぎて少女漫画のように顔を赤らめるトメオさん。
リナさんは今日も赤いエプロンときゅっと結んだポニーテールがよく似合う。
実に可憐だ。ガーベラのようにパッと周りを明るくする。

トメオさんは気づいてないようだ。

…恋に落ちてるのは、あなただけじゃないんたぜ?
ライバルは身近にいる。

俺はトメオさんの口元で、ぴょんと跳ねた。




今日もお付き合いいただきありがとうございました。
にかさん、いつもお題をありがとうございます!今回人生ではじめて、髭の種類を本気出して調べました笑
サムネイル画像はカイゼル髭だと思います✨素敵な画像をお借りしました。

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橘 ゆず だいすきなチーズケーキと小説につかわせていただきます!よりよい作品のエンジンにいたします。