共通テストの問題を変えてみた(金融教育)
こんにちは。
今回の記事は、2023年度共通テスト数学Ⅱ・B第4問の問題を変えて、問題作成してみました。
もし、中学生や高校生のお子様がいらっしゃれば、「こういう問題を解いているんだ」と知っていただきたいですし、社会人の方であれば、最近注目されている積立NISAを始める際の知識にもなると思います。
最後まで読んでいただけるとうれしいです。
1 2023年度共通テスト数学Ⅱ・B第4問
問題はとても長いので、大学入試センターが発表している資料から、出題の趣旨のみ紹介します。
もし問題をご覧になられたい場合は、URLを貼っておくのでご参考にされてください。
https://www.dnc.ac.jp/albums/abm.php?d=432&f=abm00003626.pdf&n=2023_ot_21_sugaku2B.pdf
出題の趣旨
複利計算による預金を考察する問題において、事象の特徴を捉えて数学化する力や、数学的な問題を解決するための見通しを立て、数学的な見方・考え方を基に的確かつ能率的に処理する力を問うた。また、得られた結果を基の事象に戻してその意味を考えたり、解決仮定を振り返り、統合的・発展的に考えたりする力を問うた。
2 なぜこのような問題が出題されたのか
いわゆるお金の問題が出題されたのですが、現在の日本ではお金について以下のような問題が上がっていますね。
老後2000万円問題
年金問題(もらえる額や時期はどうなるのでしょうか)
実質賃金15か月マイナス
物価高
円安ドル高が止まらない
などなど。。。
このような時代に、お金を貯めるだけではなく、運用して増やしてほしいという意図があったのではないかなと思います。
特に来年から始まる新NISA。
非課税期間と運用期間が恒久化されますね。
日本政府としても、運用して増やせる国民になってもらうためにも、金融リテラシーは必要だと考えていると思います。
このような状況だから、こういった問題が出題されたのだろうと予測します。
3 共通テストの問題を変えるポイント
私は、以下の3点を変える・追加します。
月利に変更する
目標金額を変える
積み立てる金額を3万円
積立金を定数、月利を変数
毎年初めに36万円入金する場合を考える
順番に説明します。
・月利に変更する
共通テストで出題された問題は、年利1%でした。
しかし、有名な資産運用の積立NISAの場合は、1年の始めにお金を入金するのではなく、毎月決まった日にお金を入金します。
なので、年利より月利を使います。
・目標金額を変える
共通テストの問題では、目標金額は30万円でした。
しかし、30万円だと自動車学校の授業料くらいにしかなりません。
なので、500万円に設定してみます。
500万円あれば大学4年間の学費も払えます。(医学部などの高額な学部は除いて)
・積み立てる金額を3万円
共通テストでは、毎年1万円を積み立てる設定でした。
しかし積立NISAは毎月の積立になるので、
毎年初めに1万円入金から、毎月初めに3万円入金変更に変更します。
・積立金を定数、月利を変数
共通テストでは、年利が定数で、積立金を定数にしていました。
しかし積立NISAでは、積立金を一定にして、年利が違うファンドを選ぶ場合が多いので、定数と変数を変えます。
・毎年初めに36万円入金する場合を考える
毎月3万円ずつ入金する場合と、年の初めに36万円入金する場合では、数年後どちらが収益が多いか比較する問題を入れます。
入金力に関する問題ですね。
以上の変更・追加をします。
4 作成した問題
めぐみさんは、毎月初めに積立口座に3万円(年間36万円)入金することにした。この入金を始める前のめぐみさんの積立口座に入っている積立金は0円である。積立金には月利$${p}$$%で利息がつき、ある月の初めの積立金が3万円であれば、その月の終わりには$${3(1+0.01p)}$$万円となる。次の月の初めには$${3(1+0.01×p)}$$万円に入金額を加えたものが積立金になる。
入金を始めてから$${n}$$か月目の初めの積立金を$${a_n}$$万円とおく。ただし、$${p>}$$とし、$${n}$$は自然数とする。
例えば、$${a_1=3, a_2=3(1+0.01p)+3}$$である。

(1) $${a_n}$$を求めるために二つの方針で考える。
$${n}$$か月目の初めの積立金と$${n+1}$$か月目の初めの積立金との関係に着目して考える。
問1 $${a_3}$$を、$${p}$$を用いて表しなさい。
問2 すべての自然数について、
$${a_{n+1}=( ア )a_n+( イ )}$$
が成り立つ。これは、
$${a_{n+1}+( ウ )=( エ )(a_n+( ウ ))}$$
と変形できる。
アからエにあてはまる式を答えなさい。
毎月の初めに入金した3万円について、$${n}$$か月目の初めにそれがいくらになるかに着目して考える。
問3
1か月目の初めに入金した3万円は、$${n}$$か月目の初めには$${3×(1+0.01p)^{( オ )}}$$万円になる。
2カ月目の初めに入金した3万円は、$${n}$$か月目の初めには$${3×(1+0.01p)^{( カ )}}$$万円になる。
$${n}$$か月目の初めに入金した3万円は、$${n}$$ケ月目の初めには3万円のままである。
これより
$${a_n=3×(1+0.01p)^{( オ )}+3×(1+0.01p)^{( カ )}+・・・+3}$$
$${=3\displaystyle\sum_{k=1}^n (1+0.01p)^{( キ )}}$$
となることがわかる。ここで、
$${\displaystyle\sum_{k=1}^n (1+0.01p)^{( キ )}=( ク )}$$
となるので、$${a_n}$$を求めることができる。
オ~クに当てはまる式を答えなさい。
問4 めぐみさんは、月利1%の場合、何年目の初めに積立金が500万円以上になるか考えた。
$${n}$$年目の初めに積立金が500万円以上になるとすると、
$${( ケ )\geqq 500}$$となる。
この不等式を$${n}$$について解くと、
$${n \geqq ( コ )}$$
ケ~コに当てはまる式を答えなさい。
問5 めぐみさんは、毎年の1か月目の初めに36万円だけ入金する場合を考えた。月利を$${p}$$%、入金を始めてから$${n}$$か月目の初めの積立金を$${b_n}$$万円とおく。ただし、$${p>}$$とし、$${n}$$は自然数とする。
例えば、$${b_1=36, b_2=36(1+0.01p)}$$である。

10年間積み立てたとき(120カ月目の終わり)の積立金を求める。
$${b_{120}×(1+0.01p)}$$
だから、
$${36(1+0.01p)^{120}+36(1+0.01p)^108+・・・+36(1+0.01p)^{12}}$$
$${=36\displaystyle\sum_{k=1}^{10} (1+0.01p)^{( サ )}}$$
ここで、
$${\displaystyle\sum_{k=1}^n (1+0.01p)^{( サ )}=( シ )}$$
である。
月利1%、$${1.01^{12}=1.1, 1.01^{120}}$$としたとき、
$${b_{120}}$$と$${a_{120}+3}$$の大きさを比べると、( ス )の方が大きい。
5 解答
答えのみ示します。
ア $${1+0.01p}$$
イ 3
ウ $${\frac{3}{0.01p}}$$
エ $${1+0.01p}$$
オ $${n-1}$$
カ $${n-2}$$
キ $${k-1}$$
ク $${100(1+0.01p)^n-1}$$
ケ $${300×1.01^n-3}$$
コ $${\frac{\log_{10}503-\log_{10}3-2}{\log_{10}101-2}}$$
サ $${12k}$$
シ $${\frac{(1+0.01p)^{12}((1+0.01p)^{120}-1)}{(1+0.01p)^{12}-1}}$$
ス $${b_{120}}$$
6 解くだけではなく、問題を見直す
私は共通テストの問題にしても、私が自作した問題にしても、問題を見直すことが大事だと思います。
私が自作した問題のメッセージ(気付いてほしいこと)は2点です。
小さく見える月利1%でも、5年続ければ大きな額になる。
毎月積み立てるより、毎年の初めに1年分積み立てる金額を入金した方が複利の恩恵に預かれる。
そして実際には、月利1%を長期的に出せるファンドはほぼありません。
なぜなら月利1%は、年利12.7%で、一時的にそのような成績を出せても、長期的にその成績は出せません。
でもこの問題を解けば、複利の効果を発揮すると資産2000万円を達成するのは不可能ではないと分かります。
貯金だけで資産2000万円は難しいですね。。。
高校生にはExcelや金融庁のシミュレーションで、いくらずつ積み立てればよいか、考えてもらうのも面白そうですね。
また積立NISAをする目的は「将来必要な資金を貯めること」です。
つまり、溜めっぱなしではなく、使うんですね。
なので月にいくらずつ使うと、何年で使い切るかというのを考える問題も面白そうです。
7 終わりに
今回の記事はいかがでしたでしょうか。
今回の記事のように、入試問題には現実の問題に即活用できる良問があります。
また見つけたときは、記事にしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!

