ウズベキスタン帯同記〜マウンテンバイク アジア選手権編〜
備忘録としてnoteを活用しようとして早数年。
今年からは色々と書くぞ!
…とずっと思っていたのですが、月日が流れていきました…
まずは最新のレース帯同であるウズベキスタンでのMTBアジア選手権帯同について。
次にウズベキスタンでのロードレース帯同について書こうと思います。
初めてのMTB帯同

2026年6月、ウズベキスタンで開催されたMTBアジア選手権。
私にとって、初めてのMTBナショナルチーム帯同でした。
これまでロードレースの現場で活動することが多かった私にとって、MTBの現場は未知の世界でした。
同じ「自転車競技」でも、競技が違えばレースの流れもサポートの方法も、求められる役割も大きく変わります。
「自分に何ができるだろう。」
そんな期待と少しの不安を抱えながら遠征は始まりました。
知らないことがあるからこそ、よく見て、よく聞いて、よく動く。
それだけは心に決めて現場に入りました。
実はこのMTB帯同の前には、同じウズベキスタンでロードレースにも帯同していました。
運営変更や交通規制、度重なるスケジュール変更。
「海外遠征は予定通りには進まない。」
そんなことを身をもって感じた数日間を過ごし、そのまま現地に残ってMTBチームと合流しました。
環境が大きく変わる中で始まった新たな遠征。
この遠征で私が学んだことは、マッサージの技術だけではありませんでした。
一番心に残ったのは、「チームで戦う」ということ。
個人競技であっても、一人ひとりの挑戦を支える仲間がいること。そして、「チームの力」と「チームワーク」の大切さを改めて実感しました。
マッサーの仕事って?

「マッサーとして帯同しています」と話すと、
「選手のマッサージだけをする仕事ですよね?」
「ロードレースでレース中にボトルを渡す人ですよね?」
と言われることがあります。
もちろん、それら個々も大切な仕事です。
でも、実際の現場ではそれだけではありません。
今回は国際免許の関係で運転はできませんでしたが、通常は移動中の運転をしたり、マッサージやテーピング、必要に応じた応急処置を行い、選手の疲労状態を確認しながら翌日のレースへ向けて身体を整えていきます。
これが基本的な仕事です。
ただ、海外遠征ではそれだけでは終わりません。
国内でもやることですが、
水や氷の確保
補給食の準備
お米を炊く

こうした一つひとつも、選手を支えるためには欠かせない仕事です。
予定が変更になれば、マッサージの時間やスケジュールも組み直します。
怪我をした選手がいれば処置を優先し、不安を抱えている選手がいれば話を聞くこともあります。
一つひとつは決して派手な仕事ではありません。
それでも、その積み重ねが選手の安心につながり、最高のコンディションでスタートラインに立つための支えになると私は思っています。
マッサージをすることが目的ではありません。
選手がいつもの状態でスタートラインに立つこと。
それが、マッサーの一番の役割なのだと思います。
今回の遠征を通して、「マッサー」という肩書き以上に、その場で今何が必要なのかを考え、一つずつ積み重ねていく仕事なのだと改めて感じました。
チームワークが結果を支える
今回の大会で、一番心に残ったのは「チームワーク」でした。
結果だけを見れば、金メダル3つ、銀メダル5つ、銅メダル1つという素晴らしい成績でした。
しかし、その結果はレース当日だけで生まれたものではありません。
スタートラインに立つまでには、選手それぞれが積み重ねてきた努力があり、それを支えるコーチ、メカニック、スタッフがいます。
コーチは選手一人ひとりの状態を見ながら声をかけ、メカニックはどんな状況でも最高の状態でバイクを送り出せるよう準備を続ける。
それぞれの立場から選手が安心してレースに臨めるよう支えていました。

大会期間中は、予定変更や運営面でのトラブルも少なくありませんでした。
国際免許の関係で自分たちだけでは移動できず、大会側が用意したシャトルバスに頼るしかありませんでした。
しかし、そのシャトルバスも時間通りに運行されることはほとんどなく、昼夜を問わず予定変更の連絡が入ります。
そのたびにコーチやスタッフが調整に追われる姿を見てきました。
「今、自分にできることは何か。」
それを自然に考え、行動する人ばかりでした。
思うような結果を残せた選手もいれば、悔しい思いをした選手もいました。
それでも、お互いを励まし合い、喜びも悔しさもチーム全員で共有する姿を見て、「チームで戦う」という言葉の意味を改めて実感しました。
急遽必要となったプロテクターも皆んなで作成!

機能性に加えて肌あたりも良いように考えられています(笑)

ホテルのスタッフと少しずつ信頼関係を築き、冷凍庫を自由に使わせてもらえるまでに。

スタッフ、選手問わずに誰かが困っていれば、自然と誰かが動く。
そんな姿を何度も目にしました。
だからこそ、今回一番心に残ったのはメダルの数ではなく、「チームワーク」だったのだと思います。
レースは一人で走るものかもしれません。
でも、決して一人で戦っているわけではありません。
今回の遠征を通して、そのことを改めて教えてもらいました。
毎日がハプニング
会場へ到着すると設営が強風で破壊されていることも幾多。


海外遠征では、「予定通り」に物事が進む日はほとんどありません。
今回のウズベキスタン遠征でも、それを何度も実感しました。
レーススケジュールが変更になったり、現地で急な予定変更が入ったり。
そのたびにスタッフ同士で相談しながら、その時の最善を考えて動きます。
選手のコンディション管理はもちろんですが、水や氷の確保、補給の準備など、レース以外にもやることはたくさんあります。
「今あるものでどう対応するか。」
それを考え続ける毎日でした。
そして、最後の最後。
タシュケント空港でのチェックイン手続きで、今回の遠征最大?のハプニングが待っていました。
カウンターで告げられたのは、多額のオーバーチャージ料金。
コーチがカードで支払おうとすると、返ってきたのはまさかの一言。
「ドルのみです。」
ここからが本当の戦いでした。
現地のATMでは、現地通貨のスムしか引き出せず、1回に引き出せる金額は50万スム(約6,500円)まで。
「50万」という数字だけを見ると、ハイパーインフレ時代のジンバブエドルを思い出してしまいました。
もちろんウズベキスタンがハイパーインフレというわけではありませんが、何度もATMに並んでは50万スムずつ引き出す光景は、なかなか印象的でした。
ATMに表示される「500,000」という数字を見るたびに、「ついに大金持ちになったか?」と一瞬錯覚しました。
現実は約6,500円。この時はまだ知る由もありませんでした。
さらに、1枚のカードで1日に引き出せる上限も約10万円。
何度もATMで現金を引き出し、両替所へ向かうことになりました。
ところが、両替所では1人100ドルまでしか両替できないという制限が…。
選手たちにも協力してもらいながら列に並び、どうにか必要なドルを集めていきました。
その途中、なぜか両替所のスタッフにキレられるというハプニングまでありましたが、最終的には無事に支払いを済ませることができました。
今となっては笑い話ですが、そのときは全員が必死。
海外遠征では、競技だけでなく、こんな予想外の出来事まで待っているのだと改めて実感した出来事でした。
支える立場だからこそ見えた景色

今回の遠征を通して、改めて感じたことがあります。
それは、選手は決して一人でスタートラインに立っているわけではないということです。
もちろん、レースを走るのは選手自身です。
結果を背負うのも、悔しさや喜びを一番強く感じるのも選手です。
でも、その一人の挑戦の裏には、たくさんの人の準備や支えがあります。
帯同したスタッフだけでなく、現地に来れなくても応援してくださる方々。
そのすべてが重なって、選手はレースに向かうことができます。
私自身もマッサーとして、マッサージの技術はもちろん大前提として、その他にその時に必要なことを一つずつ積み重ねてきました。
選手が少しでも安心してレースに集中できるなら、それが私にとって一番大切なことです。
今回、初めてMTBナショナルチームに帯同し、チームで戦うことの意味を間近で見ることができました。
ロードレースの帯同でもいつも思うことです。
支える立場だからこそ見えた景色。
それは、結果だけでは語れない、たくさんの努力と信頼とチームワークでした。
このチームの一員として活動できたことを、心から嬉しく思います。
今回ご一緒した選手、コーチ、メカニック、スタッフの皆さま、本当にありがとうございました。
そして、日本から応援してくださった皆さま、本当にありがとうございました。
次に帯同する時は、マッサージの技術向上はもちろんのこと、今回学んだことを一つでも多く現場で生かせるよう、また日々成長していきたいと思います。


今回はレース帯同期というよりも、今までの想いが要所要所に入っている気がします。
深夜に書いた文章なので、変なテンションになっていると思うので後日多々修正することでしょう。
読んでくださった方、ありがとうございました!
