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【セラピストライフ】「今日の意図」を種に。施術の質を変えるサンカルパという問いかけ

「観察」のためのアプリを作った話

〜言葉より、表情が教えてくれること〜


施術前、クライアントさんと向き合うとき
私はいつも同じことをしています。

言葉を聞きながら、言葉を聞いていない。

「最近どうですか?」
「今日はどこが気になりますか?」
そう問いかけながら、実は言葉よりも先に、別のものを見ています。

眉間に力が入っているか?
肩がどのくらい上がっているか?
目の動きが速いか、ゆっくりか?
声のトーンが、呼吸と合っているか?

15年間、現場でそれを繰り返してきました。
言葉は「今日伝えたいこと」を語る。
でも身体は「今日本当に必要なこと」を語る。

その二つが一致している人もいれば
まったく違う人もいる。

「肩が凝ってて」と言いながら、実は心が疲れ果てている人がいる。

「特に何もないです」と言いながら、体中が緊張で固まっている人がいる。

だから私は、言葉と身体の両方を読む。

そしてずっと思っていたことがあります。

「施術前に、自分の状態を自分で観察できるアプリがあったら・・・」




まずセルフケア用のアプリを作った

ある日、私はClaudeのCodeを使って、自分のためのセルフケアアプリを作りました。

最初のきっかけはシンプルでした。
「毎日の身体の状態を記録したい」という、ただそれだけの欲求です。

アーユルヴェーダの実践者として
日々のドーシャの揺らぎを記録することの大切さは頭でわかっていました。

でも、既存のアプリはどれもしっくりこなかった。
「改善」のための記録ツールが多くて、「観察」のための空間がない。

私が欲しかったのは、管理するためのアプリではなく
今日の自分をただ眺めるための空間でした。

数値化して、グラフ化して、「良い」「悪い」を判定するのではなく。

「今日はヴァータが高かったな」
「昨日の白湯が効いた感じがする」
「今週はずっとピッタ優位だったな」

そういう、日常の中の小さな気づきを、ただ置いておける場所。

作ってみると、面白いことが起きました。

記録すること自体が、観察の練習になった。
「今日の身体、どうだった?」と自分に問いかける習慣が生まれた。

そしてその習慣が、日中の身体の感覚への敏感さを育てていきました。

改善しようとしなくていい。

ただ、見る。
見続けていると、身体は自然と整ってくる方向を教えてくれる。

これがセルフケアアプリを使って実感したことです。


でももう一つ作りたいアプリがある

セルフケアアプリを使いながら、ずっと頭の片隅にあった構想があります。

施術前に使う意図設定のアプリ

施術前、クライアントさんに「今日は何を求めていますか?」と聞くことがあります。

「いつものでお願いします」と即答する人もいます。
長い付き合いの中で、言葉がなくても通じ合っている感覚がある人です。

「なぜ聞くんですか?」と不思議そうにする人もいます。
「身体を任せればいいんじゃないの?」という感覚の人。

私はどの視点も大切だと思っています。

でも実を言うと、私は言葉の答えよりも
その問いかけをしたときの表情や仕草を見ています。

少し考えてから答える人は、今日は内側に何かを抱えている。
即答する人は、身体が明確なサインを出している。
黙ってしまう人は、言葉にならない何かがある。

「今日は何を求めているか?」を自分で問いかけること自体が、
身体と心の対話を始めるスイッチになるのです。

このプロセスをアプリでできないか、とずっと考えていました。


施術前アプリに欲しい機能

意図設定

構想しているアプリの核心は、意図設定です。

意図設定とは、「今日のセッションで何を受け取りたいか」を
自分の内側に問いかけること。

これはヨガの世界では「サンカルパ(sankalpa)」とも呼ばれる概念で、
心の深いところに種を植える行為です。

ポイントは、答えを「言葉」にすることではなく、
問いかけること自体にあります。

「肩の凝りをとりたい」という明確な答えが出る日もある。
「なんとなく疲れた」という漠然とした感覚しかない日もある。
「何も思い浮かばない」という日もある。

どれも正解です。

でも、その「問いかけたときの自分の状態」を少し観察するだけで、
セッションの受け取り方が変わります。

アプリのイメージはこんな感じです。

施術の30分前、アプリを開く。
まず、いくつかのシンプルな問いが出てくる。

「今日の身体、どんな感じですか?」
「今日、一番気になっているのはどこですか?」
「今日のセッションで、何を受け取りたいですか?」

答えは選択肢でも、フリーテキストでも、絵文字でもいい。
大切なのは、答えの「正確さ」ではなく、
問いかけることで生まれる自分への注意の向き方です。

そして最後に一つだけ。

「今日の意図(intention):____」

この一行を自分で埋める。
それだけでいい。

施術が終わった後に、もう一度アプリを開いて、受け取ったものを記録する。
意図したことと、実際に感じたことのずれや重なりを眺める。

それを繰り返すことで、自分の身体と心のパターンが見えてくる。


「管理」ではなく「観察」という思想

私がアプリに込めたいのは、一つの思想です。

改善のためではなく観察のための道具。

現代は「最適化」「効率化」「データ管理」の時代です。
身体の状態もスコアで測って、改善目標を立てて、達成率を追う。
そういうアプローチが合う人もいる。

でもアーユルヴェーダが5000年かけて伝えてきたのは、少し違うことです。

身体は毎日揺らぐ。
季節によって、気候によって、食べたものによって、感情によって。

その揺らぎを「悪い状態」として修正するのではなく
「今日はこういう波の中にいる」と読むこと。

読めるようになると、自然と身体が整う方向に動き始める。

施術の後にクライアントさんが「そういえば最近、○○をやめていました」と自分で気づき始めるのは
身体が緩んで観察力が戻ってくるからです。

アプリも同じです。
記録することで「観察する習慣」が育つ。
習慣が育つと、アプリがなくても自分の身体の声が聞こえるようになる。

最終的には、ツールが必要なくなるくらい、自分と身体の対話が自然になる。

それが、私の理想とするアプリの姿です。


セラピストとして次に作りたいもの

セルフケアアプリを作ったことで
「自分で作れる」という実感が生まれました。

次は施術前の意図設定アプリ。
その次は、ドーシャの日々の記録と季節の変化を重ねて見られるもの。
月相や気候と体の状態の相関を観察できるものも面白そうです。

でも急がなくていい。

アーユルヴェーダが教えてくれるのは
焦らないこと、委ねること、流れに乗ること。

アプリ作りも、きっと同じです。

作りたいという気持ちが熟したとき、自然と形になる。

今はまず、自分のセルフケアアプリを使い続けながら
「本当に欲しい機能」を身体で感じていく時間です。

「改善」より「観察」。
「言葉」より「表情」。
完成」より「続ける」こと。

それが、私がアプリを通して伝えたいことと
まったく同じなのかもしれません。


今日の実践:自分への問いかけ3つ

アプリがなくても、今日からできることがあります。

朝か、就寝前に、この3つをご自身に問いかけてみてください。

  1. 「今日の身体どんな感じだった?
    (重い・軽い・冷えてた・熱かった、など)

  2. 「今日一番気になったのはどこ?」
    (部位でも、感情でも)

  3. 「明日、身体に一つだけやさしくするとしたら?」

答えは自分の中に留めてもいい。
小さくノートに書き留めてもいい。
ただ、問いかけるだけでいい。

その習慣が、あなたの中に「観察する目」を育てていきます。


結び

読んでくれてありがとう

私たちはつい
正解を探したり、自分を「良く」しようと急いでしまいます。

でも、身体はもっとシンプルに
ただ気づいてもらえるのを待っているのかもしれません。

アプリという現代の道具を使いながらも
5000年前から変わらない
「自分を観る」という静かな時間を
あなたの日常の中に
一滴の雫を落とすように添えてみてください。

その雫が波紋となって、いつの間にか穏やかな海のように
あなた自身を整えてくれるはずです。


このお話が少しでもあなたの心に触れたら
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次回の更新も楽しみにお待ちくださいね✨
それでは、次の記事でお会いしましょう。


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