【映画感想文】チェンソーマン レゼ編は劇場で観るべき映画だった
映画館で観てきた
チェンソーマン レゼ編を観てきた。
原作の漫画を読んでいたので「まあ観に行かなくてもいいっちゃいいか」と思っていた自分へ、映画館へ観に行って本当に良かったね。
原作者の藤本タツキ氏、この映画の制作に関わった人々、平日の激務の中やっと来た土曜日に子守を代わって私を映画館へ送り出してくれた夫、全員に感謝を伝えたい。
最高な原作が、最高なアニメーションになっていた。
私の中で個人的に「劇場で観てよかった」と思った部分を残しておこうと思う。
アクションシーンがかっこいい
原作で、レゼがボムになる時の描写やその後のアクションシーンもかっこよくて気絶しそうなくらいだったのに、アニメーションでこれ観れるんだ…と感動した。
映画のアクションシーンだけでもうなんか立ち上がって叫びたくなるくらいかっこよかった。
結構アクション多めだったけど全然間伸びしてなくてずっとかっこいい。目を奪われる。
原作では1ページだったシーンが、描かれなかった数秒の動作がいくつも追加されて立体感と臨場感を生み出していた。
個人的にはボムとチェンソーマンがビルの中で戦うシーンと、ボムがサメの悪魔の腹(内臓?)に爆弾を撃ち込みまくるシーンが良すぎました。
頭は魚雷のようなゴツさなのに首から下は艶かしいボディのボム。
戦闘シーンの体の線の美しさが、はちゃめちゃにチェンソーを振り回すデンジの体の使い方と対極的に描かれていて見事でした。
リアルな"間"
この映画の中ではかなりマイナーなシーンではあるけど、早川アキが台風の悪魔に飛ばされそうになる天使の手に触れて寿命が減ってしまうシーン。
「今のでどれくらい寿命減った?!」
「2ヶ月くらい…」
2秒ほど早川アキの目が泳ぐ。
漫画でもコマ割りでこの"間"は描かれていたけど、アニメーションではより経過する時間と共に早川アキの心情を読み取ることができたシーンだった。
こういったほんの数秒だけでも、映画館で観て良かったと思える。
漫画だけでは感じ取りきれなかった部分が、キャラクターの動きや空気感、声優の力によって立体的になるのがすごい。
エンディングテーマ『JANE DOE』について
映画が終わりエンディングテーマのJANE DOEが流れたとき、曲調がワルツだったのでどうしてもレゼとデンジが踊っている姿を想像してしまい涙が溢れた。
JANE DOEと言えば、2016年に公開された映画「ジェーン・ドゥの解剖」というホラー映画が記憶にあり、なんとなくレゼの恐ろしい部分にフォーカスされた楽曲なのかしらとか考えていた。とんでもない間違いだった。
そもそもJANE DOEとは、「身元不明の女性」や「本名が特定できない女性」を指す仮名のこと。
これはレゼの悲しい生い立ちと重なる。
宇多田ヒカルの歌声はどこか切なさを感じさせ、でもこの映画のレゼそのままの面影ではなく、悲しみを抱えたまま、想いが伝わらないまま去って行く人物の心の内からの叫びをしとやかに歌い上げている。
映画館を後にして早速JANE DOEの曲をダウンロードし、この曲をもう少し深掘りしたいと思い調べていると米津玄師のインタビュー記事を見つけた。
とても面白かったので映画を観た人は読むことをおすすめします。
宇多田さんには、ものすごく複雑なものを抱えている女の子と、本質的な意味でそれをまったく理解していない男の子によるデュエットを作りたいので、そういうふうに歌ってほしいというオーダーをさせてもらいました。
宇多田ヒカルの表現力の高さよ…
米津玄師の曲作りにおける考えもたくさん話していて読み応えがあった。原作へのリスペクトをとても感じた。
映画館でレゼ編を観たのちにこのエンディングテーマを聴いて帰った時に抱えた感情は、原作を読んだだけでは味わえなかったものだと思う。
正直いわゆるハッピーエンドではないので重く苦しい気持ちになるのだけれど、どっぷり世界観を心に残しておくことができるのは間違いない。
実際、いま深夜にこの曲をひたすら繰り返し聴きながらレゼ編を思い返して胸が苦しくなっている自分がいる。
映画を観てから原作を読み直した
映画を観たあとにまた原作を読みたくなって、気がついたこと。
チェンソーマン レゼ編
— ゆずこぼし (@yuzukoboshi) September 27, 2025
映画を観てまた原作読み返してたけどこの喫茶店までの同じ道辿ってるシーン、出会いの時は手がパーになってるけど最後デンジに会いに行く時は手がぎゅっと握られていて、レゼのその時の気持ちを考えると本当に胸が苦しい pic.twitter.com/OYg8xzDsQM
映画の前半と後半で、レゼがバイト先である喫茶店へ向かう描写がある。
通っている道は同じだけど、前半と後半でレゼは全く違う感情で喫茶店へ向かっている。
その描写が本当に切なくて胸が締め付けられた。
映画館で観て良かった
紙の原作ですでに素晴らしかったので観なくてもいいと思っていた。
でも、映画化されたことで命が吹き込まれたキャラクターたち、リアルな空気感やアクションシーンの臨場感、そして主題歌によって私の感情は良い意味でぐちゃぐちゃにされてしまった。
季節の変わり目のこの時期に公開日を合わせてきたところも憎い。
夏が終わり涼しい風を受けながら映画館を後にして、私の心はチェンソーマン レゼ編に完全に支配されてしまった。
重く苦しい内容だけれど、この感情になれたことが嬉しくてたまらない。また観に行きたい。
おわり

