すぐに言葉がでてこなくたって
私は、人と話すことが得意ではない。
あっ…今、まさに、ツッコミを入れる
ところだったのに!
漫才なんて、さらさら無理である。
話すことが得意ではないのなら、
人の話を聞くことが得意なのかと
言われると、正直、そうでもない。
リアクションが薄いと指摘を
受けたことがある。
ここぞと言うときに、
すぐに言葉がでてこないせいで、
相手に誤解されてしまうことがある。
嫌いなのかとか、イライラしているのか、
冷たい人だと、きっと相手に不快な思いも
させてしまっているのではないだろうかと、
真剣に悩んだ時期がある。
傷つくのが自分だけであれば良いのに、
自分のこのコンプレックスのせいで、
相手まで傷つけてしまっているのではないか、
そう考えたとき、涙が止まらなかった。
できることなら、人と極力関わりたくない。
これが私の本心であった。
社会人になったとき、
ある人に出会った。
その人は、私にこう言った。
人間は、「 ありがとう 」と「 ごめんなさい 」
が言えれば、言葉にできれば、
それでいいんだよ。
言われたとき、
なんだかいろんなことが腑に落ちて、
とても気持ちが楽になったのを
今でも覚えている。
そうか、そうだった、忘れていた。
そうだよね、そうだ、そうだって。
「 ありがとう 」と「 ごめんなさい 」は、
精一杯の気持ちを込めて、
言葉にして、相手に伝えるぞ!って、
心に誓った。
この大切なことに気づかせてくれた人は、
私よりも、遥か年上で、戦争の時代、
厳しい時代を生きぬいた人だった。
残念だけれども、今この世にはもういない。
苦難を懸命に乗り越え、生きた人の言葉が、
また重みがあることも、知った。
本当に、本当にありがとうございました。
また、一つ気がついたことがある。
すぐに言葉がでてこないのは、
私は、人より、頭の中で、自分の心の中で、
考えている時間がちょっと長いのかもと。
ならば、この考えている過程も、
ありのままに、実は、ちょっと今ねって
上手く言葉にすることができなくても、
下手でもいいから、相手へ伝えてみるのも、
一つの手かも…!と気がついた。
すると、相手に、ちゃんと私も話がしたい
という気持ちは伝わりそうだ。
大丈夫。
すぐに言葉がでてこなくたって、
「 ありがとう 」と「 ごめんなさい」が
言えれば、言葉にできれば、
相手のことを大切に思っている
私の気持ち、自分の気持ちは
きっと伝わるから。
そう信じている。
