見出し画像

【建設業編】「工事が終わるまで利益がわからない」という社長の悩みを解決した話

「今月は利益が出てるのかどうか、正直わからないんですよ」
私たち税理士法人ウィズが、建設会社の経営者からよく聞く言葉です。

仕事は忙しい。現場は動いている。職人さんも一生懸命働いてくれている。なのに、「お金が手元に残っているのかどうか」がよくわからない。
そんなモヤモヤを感じながら経営している建設会社の社長は、実は非常に多くいます。

現在、私たちは建設業・建築業を営む50〜60社の顧問先をサポートしており、毎年20件ほどの建設業者からの新規相談をお受けしています。その中で繰り返し出てくる悩みのパターンがあります。それが「利益の見えにくさ」から来る経営判断の難しさです。


この記事では、建設業で利益が見えにくくなる構造的な理由と、それを解消することで経営がどう変わるかを、実際の相談事例も交えてお伝えします。


なぜ建設業では「利益が見えにくい」のか

建設業の経営が他の業種と根本的に異なる点が、いくつかあります。

① 売上の計上タイミングが「工事完成後」になる

一般的な物販やサービス業では、商品を渡したり、サービスを提供した日に売上が立ちます。ところが建設業の多くでは、工事が完成して引き渡しをした段階で初めて売上が計上されるという「工事完成基準」が適用されます(一部の長期大型工事では進行基準も使われます)。
つまり、工事期間中にどれだけ資材を購入し、職人さんへの報酬を支払い、外注費が発生していても、その工事が終わるまでは売上がゼロのままで帳簿に載ってきません。工事中に出費だけが膨らみ、入金は後からまとめてやってくる——この構造が、資金繰りを読みにくくする大きな原因です。

② 工事ごとの「原価」が複雑に絡み合う

建設業のもう一つの難しさが、工事別の原価管理です。
複数の現場が同時進行することが多い建設業では、材料費・外注費・人件費がどの工事にいくらかかったかを、工事ごとに正確に把握する必要があります。これを「実行予算管理」といいます。
しかし現実には、職人さんが複数現場をかけ持ちしていたり、資材を一括購入して複数の工事に振り分けたりすることが多く、どの工事でいくら使ったかが後から追えなくなるケースが多い。
その結果、「あの工事は利益が出たはずなのに、なぜか手元にお金がない」という状況が生まれます。

③ 「入金があった」=「利益が出た」ではない

建設業では、工事の着手時に着手金を受け取り、完成時に残金を受け取るという支払いサイクルが一般的です。そのため、口座にお金が入ってくると「儲かっている」と感じやすい。ところが、その入金は未完成工事の前受金である場合も多く、実際にはまだ売上として計上されていない「預り金」です。
お金が増えているのに利益が出ていない、あるいはその逆が起きるのが建設業の財務の難しさです。



建設業の社長から届く、典型的な3つの悩み

私たちのところに相談にいらっしゃる建設業の社長には、毎回のように共通して出てくる悩みのパターンがあります。

悩み①「今年、いくら税金がかかるかわからない」

最もよく聞かれる相談です。決算が終わってから税理士に言われて初めて知る、という経営者が多く、期末になって想定外の納税額を告げられてパニックになるケースも少なくありません。税金の準備ができていないと、納税のために急いで借入れをするという事態になる可能性もあります。

悩み②「銀行に借入れを打診されているが、今借りていいのかわからない」

銀行から「融資の枠があります」と声をかけられることがあります。借りるべきかどうかは、今の利益水準・返済余力・将来の工事受注見込みを総合的に判断しなければなりませんが、そのため現状の「自社の数字」を把握している必要があります。

悩み③「何棟建てれば黒字になるのか、感覚ではわかるが数字で説明できない」

工事の受注をどこまで増やしていいか、人を採用していいか、設備に投資していいか。
これらの判断はすべて「利益の着地見込み」がわかってはじめて、根拠を持って決断できます。ところが多くの建設会社では、このラインがぼんやりしたまま経営判断をせざるを得ない状況が続いています。



【実際の相談事例】試算表が遅くて動けなかった建設会社が、3ヶ月先の判断ができるようになるまで

ここで、私たちが支援した事例をご紹介します(内容は匿名・一部加工しています)。

相談前の状況

東京都内に拠点を置く内装・リフォーム工事会社(社員数12名、年間売上約2.5億円)の社長Aさんが私たちにのもとにいらっしゃったのは、「設備投資をしようか迷っているが、判断できない」という理由からでした。
Aさんには、長年付き合いのある税理士がいましたが、毎月の試算表が届くのは翌々月末近く。現場が次々と動いており、売上は伸びているはずなのに、手元のお金の動きが読めない。新しい重機を1台入れようと考えていたが、「今の利益水準で借入れの返済が可能なのか」を確認するための数字が、いつも遅れて届くという状況でした。
「試算表を見るころには、もう次の現場が始まっている。判断するタイミングがいつも後手に回ってしまう。」Aさんの言葉が印象的でした。

相談後の動き

私たちが最初に取り組んだのは、月次の数字を早く出せる体制づくりです。
毎月、月次締め後にAさんから売上・受注残高の見込みを共有してもらい、経費については過去の実績から予測計上を行います。これにより、月中の段階でも「今月はどのくらいの利益着地になりそうか」を把握できるようになります。
さらに、決算の約3ヶ月前の段階で概算の納税額をお伝えすることで、Aさんは期末を迎える前に「今期はいくら税金がかかりそうか」も把握できるようになりました。

変化したこと

試算表を早めに確認できるようになってから、Aさんに起きた変化は3つです。
変化①:設備投資の判断が前倒しできた
重機の導入を検討していた件については、「今期の利益着地見込みと返済余力」を数字で確認した上で、導入時期を当初の予定より3ヶ月早めることができました。「数字が見えたから、思い切れた」とおっしゃっていただきました。
変化②:銀行対応に自信が持てるようになった
銀行から融資の相談をされたときに、「今期の見込み利益はこのくらい、返済余力はこのくらい」という数字を自分の口で説明できるようになりました。私たちとの連携で、銀行提出用の資料準備もスムーズになっています。
変化③:年末の「税金ショック」がなくなった
「今期いくら税金がかかるか」が3ヶ月前にわかるようになり、納税資金を計画的に準備できるようになりました。「毎年年末にドキドキしていたのが、今はなくなりました」という言葉が印象的でした。



「利益の見える化」で変わること  3つのポイント

上記の事例にも現れていますが、建設業において利益を見える化することで、経営の3つの場面が大きく変わります。

① 設備投資・採用の意思決定が早くなる

「今、人を増やしていいのか」「機械を入れていいのか」——これらの判断は、工事の着地見込みと利益予測がわかってはじめて根拠を持てます。数字が遅いほど、経営判断も遅れます。

② 銀行との対話の質が上がる

銀行が見ているのは、返済能力=利益の水準です。自社の数字を把握して、説明できる社長と、「税理士に任せているのでよくわからない」という社長とでは、銀行の見方が変わります。決算書だけでなく、月次の利益管理ができているかどうかも評価されています。

③ 「現場が忙しいのに、なぜか手元にお金がない」から抜け出せる

入金とキャッシュフローの混同が解消されると、「今月の利益と今月の現金の増減はなぜ違うのか」が理解できるようになります。これによって、資金繰りの見通しが立ち、無用な不安から解放されます。


私たちが建設業に提供する5つのサポート

税理士法人ウィズでは、建設業向けに以下の5つの領域で一気通貫のサポートを提供しています。
領域
内容
① 月次の利益管理
試算表の早期作成、利益着地見込みの共有、工事別収益の整理支援
② 納税予測
決算の3ヶ月前を目安に概算税額をお伝えし、資金準備を支援
③ 資金繰り・銀行対応
融資タイミングの相談、銀行提出資料の準備支援、返済計画の検討
④ 税務調査対応
建設業特有の論点(外注費・給与区分、売上計上時期など)への対応
⑤ 経営判断の伴走
採用・投資・受注拡大の判断に必要な数字の整理と相談対応



代表の橋本より:なぜ私が建設業にこだわるのか

私の祖父は大工でした。直接会ったことはないのですが、職人の仕事に対する姿勢や、技術で何かをつくり上げることへの憧れは、子どもの頃から感じていました。建設業の社長と話すと、そういう"つくることへの誇り"がにじみ出ていることが多くて、自然と話が弾むんです。
税理士として建設業のお客様と長く付き合う中で、ある時期、顧問先の会社が経営難に陥り、倒産してしまったことがありました。申告はきちんとやっていた。でも、それだけでは足りなかった。
「通常の税理士業務をきちんとこなすだけでは、会社を救えないことがある」
その経験から、私は財務・経営にまで踏み込むスタイルに変えました。数字の専門家として、社長が感じている感覚と実際の帳簿の数字を一致させ、「お金に困らない経営」を一緒につくっていく。それが今の私の仕事の核心です。
「申告・記帳だけしてくれればいい」という方には、正直、私たちでなくてもいいと思っています。でも、「数字を一緒に見ながら経営の判断をしたい」「銀行や取引先との交渉に強い味方が欲しい」という方とは、ぜひ長く伴走させてください。



まとめ:「工事が終わるまで利益がわからない」は、解決できます

建設業で利益が見えにくい理由は、業界の構造にあります。工事完成基準による売上計上のタイミング、工事別の原価管理の複雑さ、入金とキャッシュフローの混同——これらはどれも、適切な月次管理と早期の数字共有によって、必ず改善できるものです。

「いくら税金がかかるか、毎年決算直前まで不安だった」
「何棟工事すれば利益が出るか、感覚ではわかるけど数字が出せなかった」
「銀行対応に自信がなかった」

こうした悩みを抱えている建設会社の社長は、ぜひ一度ご相談ください。初回のご相談は無料で承っています。お電話・メール・Webフォームからお気軽にどうぞ。



税理士法人ウィズについて

創業20年(2005年〜)、東京・日本橋人形町。建設業・建築業向け顧問先50〜60社、顧問先総数約350社・申告実績2,000件超。税務・会計・資金繰り・銀行対応・税務調査対応まで一気通貫でサポートしています。
🏗️ 建設業に特化した情報はこちら: https://kensetsu-kaikei.jp/
📞 無料相談はこちら: https://www.z-with.or.jp/
📍 東京都中央区日本橋人形町1-2-5 ERVIC人形町4階
📞 TEL:0120-992-369 / 03-5847-1192
✉️ info@z-with.or.jp


#税理士法人ウィズ #建設業 #建設業経営 #建設業資金繰り
#東京税理士 #日本橋 #利益管理 #どんぶり勘定
#工事原価管理 #建設業税理士 #経営の見える化 #中小企業





いいなと思ったら応援しよう!