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20001003 境界

 境界$${^{*1}}$$に何故か魅せられる。境目を見たりするとドキドキしてしまう。裂け目ではない、境目である。物理現象でも境目を通過すると運動量が変化したりする。人間の感情も突き詰めれば物理的化学的反応であるから、運動量が変化してドキドキしてしまうのは仕方がないのかも知れない。

 日常出くわす境界は土地の区画線である。最も小さな区画は自分が住んでいる住居や自己所有の土地の仕切だろう。もしかしたら家の中にも家族それぞれの仕切があるかも知れない。これらの仕切は毎日跨いでいるので、それ程というか全く魅了されることはない。
 次の仕切は市町村の境界だろう。あざ大字おおあざなどもある。子供の頃はこれらの境界を越えることが滅多にないので隣町であることを示す標識を見たりすると少し興奮していた。しかし大人になった今はそんな興奮は味わえない。

 次に県堺や旧国界になってくると毎日越境すること場合が少なくなるので、これを越える瞬間は特別な気分になってくる。新幹線に乗っていて「この川を渡ると○○県に入るなぁ」とか、高速道路を走っていて△△県の看板が出てくると「もう△△県か」と感慨に耽ってしまう。

 関東地方や中部地方などの地方の境目だと更に嬉しくなってくる。電源周波数$${^{*2}}$$の50Hzと60Hzとの境目もうれしい。大人げないが、その境界を通過する乗り物から降りて境界を自分の足で跨いでみたいという衝動に駆られてしまう。

 そして一番大きな境目は日本では絶対見ることの出来ない国境である。日本の国境は全て海上にあるので、「これがその国境です」と指し示す事が出来ないし、跨ぐこともできない。

 数年前、私は海外でこれをやってきた。国境を自分の足で跨いできた。場所はドイツとオーストリアとの国境である。新婚旅行の際、妻と二人でノイシュバンシュタイン城$${^{*3}}$$を見た後、オーストリアの国境まで歩いて行った。国境には遮断機や詰所みたいな建物はあったが警備の人はいなかった。そこでドイツとオーストリア$${^{*4}}$$とを同時に踏んできた。多分、国境の上に立っていたと思う。とても嬉しかった。

*1 境界鑑定研究会
*2 周波数とはどのようなものですか?
*3 Bayerische Schlösserverwaltung | Schloss Neuschwanstein | Aktuelle Informationen
*4 Willkommen in Österreich

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