20020425 記憶の移植
ミミズ$${^{*1}}$$は記憶を移植することが出来ると言うことを幼少の頃、本で読んだことがある。確か少年マガジン$${^{*2}}$$か少年サンデー$${^{*3}}$$の巻末科学雑学のページだったと思う。数十年前の少年雑誌にはこういう子供用の科学啓蒙ページがあった。
ミミズの脳をすり潰して他のミミズにそのすり潰した脳を食べさせると、それを食べたミミズは脳の持ち主だったミミズの記憶を受け継ぐと言うのである。ミミズの記憶というのは一体どんな物なのか想像しがたい。「ここの土は甘かった」とか「モグラに食べられそうになった」とかだろうか。ミミズにそんなことを覚えられる能力がとてもあるとは思えないし、その記憶の内容をどうやって人間が知るのかも不思議である。
幼少の頃に読んだ時「ミミズの記憶」というのがどんな物か想像できなかったが、今考えてもよく判らない。
web上で調べてみるとミミズの記憶はあまり出てこない。その代わりプラナリア$${^{*4}}$$の記憶のことが沢山出てくる。少年漫画誌で出てきたのは確かにミミズであった。プラナリアもミミズも同じような物だから昔の少年漫画雑誌ではプラナリアを人口に膾炙しているミミズに置き換えていたかも知れない。
記憶した内容を司る物質や薬があるなんてちょっと信じられない。ミミズやプラナリアに出来ることなら人間にも出来ることだろう。しかし見たり、聞いたり、触ったりした物の記憶が何かの物質に置き換えられて脳の中に貯えられるというのはいくら何でも出来そうにない。そんなことをしていたら非効率過ぎる。
やはり知覚した経験を何かの状態、脳細胞のどこか部分的な変化$${^{*5}}$$に置き換えて、それを脳の中で「思い出」として再生すると考えた方がよさそうな気がする。そうなると脳をすり潰してしまったらその状態が変化してしまうので記憶が消えてしまうので「思い出」の移植は出来ない。
ある薬を飲むと突然ピアノが弾けるようになる$${^{*6}}$$とすれば、人間は自らの進化の途中でピアノが発明されることを予測しており、それに対応する物質が脳に出来上がると自動的にピアノが弾けるような機能を自分の体の中に作ったことになる。いくら何でも突拍子過ぎる。
しかし更に考えてみると、ピアノは人間が発明しているのである。予めピアノを発明することが人間の遺伝子に組み込まれているとすれば「ピアノが弾ける薬」が出来てもおかしくはない。しかもこれは万人に共通することだからどんな人でもピアノが上手く弾ける能力がはじめからあることになる。
こう考えるとどんな事でも誰かがしたことは必ず自分も出来ることになる。夢があるとも言えるし、またつまらない話でもある。
*1 ミミズのつくり
*2 週刊少年マガジンWeb Site
*3 週刊少年サンデー
*4 プラナリアとは?
*5 記憶について
*6 FUMi メールでコラム
