20010717 プランク定数
物理学などでは様々な定数$${^{*1}}$$が出てくる。常数とも言う。constantの訳語として作られた言葉であろう。変数に対する言葉で不変な一定の値の数という意味である。
その定数には大抵記号$${^{*2}}$$が付けられている。記号があった方がいちいち数値を書かなくても済むし、測定精度が上がって細かい数字が変わっても記号で書いてあればその部分は直さなくてもよい。それに数字だけが書いてあっても、その数字の説明がなければ何の定数なのか分からない。だから有名な定数には世界共通の記号が付けられている。
その記号はローマ字かギリシャ文字である。中にはこのような独特な文字$${^{*3}}$$もあるが、これは唯一であろう。この文字は「h-slash」「h-bar」「Dirac h$${^{*4}}$$」と呼ばれる。
記号は適当に文字を割り振った訳ではなく、その根拠がある。万有引力定数$${^{*5}}$$の「G」はgravity$${^{*6}}$$、素電荷の「e」はelectronである。円周率の「π」はperiphery$${^{*7}}$$に対応するギリシャ語peripherionの頭文字pに対応するギリシャ文字、自然対数の底「e」はexponential$${^{*8}}$$である。
誘電率$${^{*9}}$$「ε」はelectricの「e」に対するギリシャ文字、透磁率$${^{*10}}$$「μ」はmagneticの「m」に対するギリシャ文字である。光速の「c」はどこからか。光速を英語にしても「c」はどこにも出てこない。これは恐らくconstantの「c」であろう。この定数とはマックスウェル$${^{*11}}$$の方程式を解いた時$${^{*12}}$$に出てくる定数で真空中の光の速度と同じ値である。同様にボルツマン定数$${^{*13}}$$「k」の由来はなんであろう。おそらくドイツ語のkonstanteではないだろうか。ボルツマン$${^{*14}}$$はオーストリア出身なので、母国語であるドイツ語$${^{*15}}$$の頭文字が当てられたのであろう。
プランク定数$${^{*16}}$$「h」はどこからきたか。プランク$${^{*17}}$$の名前のどこにも「h」は出てこない。これには諸説あるらしい。プランク定数hの発見は黒体輻射現象の解明$${^{*18}}$$がきっかけである。これによって量子論が生まれた。
もともと黒体$${^{*19}}$$は仮想の物質だが、中を黒く塗った筒を擬似的な黒体と見なすことが出来る。hはこの空洞を意味するドイツ語のHohlraumからという説、補助的な数値という意味でHilfsgroesse、また量子仮説ということでquantum hypothesisのhypothesisからという説があるようだ。近代の科学は常に仮説が伴うので量子論だけにhypothesisがある訳ではない。最後の「量子仮説」説はこじつけのような気がする。
*1 Fundamental Physical Constants from NIST
*2 物理定数表
*3 CODATA Value: reduced Planck constant
*4 Dirac h
*5 万有引力定数の測定
*6 gravity とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書
*7 periphery とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書
*8 exponential とは 意味・読み方・表現 | Weblio英和辞書
*9 物質の「静電容量」と「誘電率」について|レベル計・レベルスイッチのヤマデン
*10 “磁石”この魅力ある世界
*11 Maxwell
*12 光速度不変の謎
*13 ボルツマン定数 [物理のかぎしっぽ]
*14 Boltzmann
*15 オーストリア共和国(Republic of Austria)
*16 Quantum Theory
*17 Planck
*18 プランク Reluctant revolutionary
*19 黒体輻射
