土と腸はおなじなんだ。
「健康に生きたい」と思う人は、この中にどれくらいいますか?
おそらく、ほぼ全員ですよね。では、そのために何が重要か、ご存知でしょうか。
食事、睡眠、運動……。 どれも大切ですが、実は多くの方が「食事」について、ある大きな勘違いをしています。
免疫の鍵は「腸」にある
私たちの健康を司る最大の臓器、それは「腸」です。 腸には、栄養を吸収するだけでなく、ウイルスや菌から体を守る「腸管免疫」という機能が備わっています。驚くことに、体内の免疫細胞の約7割が腸に集中しているのです。
つまり、「腸が整えば、免疫が整い、健康になれる」。 これがシンプルで本質的な答えです。
では、腸を整えるには何が必要か? それは、善玉菌のエサとなる「水溶性食物繊維」。 そして、免疫を正しく働かせるための「ビタミン・ミネラル」。 これらを効率よく摂取できる最高のソース、それが「野菜」です。
「食べれば食べるほど危ない?!」野菜の真実
しかし、今の野菜には深刻な問題があります。 みなさんは「硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)」という言葉を聞いたことがありますか?
過剰な肥料によって野菜の中に溜まった硝酸塩は、体内で発がん性物質に変化する恐れがあると言われています。実は、野菜独特の「苦み」や「えぐみ」の正体はこれです。 舌が敏感な子どもたちが野菜を嫌がるのは、本能的にこの危険を察知しているからかもしれません。大人はそれを「我慢」して食べてしまっているのが現状です。
さらに深刻なのは、野菜の栄養価そのものが激減していることです。 ビタミン、ミネラル、食物繊維……。 理由は諸説ありますが、最大の原因は「地力の低下」、つまり土の力が失われていることにあります。
土の中も、腸の中も、主役は「微生物」
実は、土と腸はそっくりな構造をしています。 かつて食物繊維は「食べ物のカス」だと思われていました。しかし、実はそれが腸内微生物のエサであり、彼らが分解してくれるからこそ、私たちは健康を維持できるのだと判明しました。
これと同じことが「土」でも起きています。 過去50年以上、世界の農業は化学肥料(窒素・リン・カリウム)を土に入れてきました。しかし、無機質な肥料ばかりを与え、植物の残渣(有機物)を片付け続けた結果、土の中から「炭素」が消えてしまったのです。
炭素は、土の中に住む微生物たちのエサです。 エサがなくなった土は弱り、そこで育つ野菜も栄養不足になります。その結果、野菜は「栄養が少なく、硝酸態窒素が多い食べ物」へと変わっていきました。
野菜を食べるほど腸が弱り、病気に弱い体が作られ、医療費が増大していく……。 そんな悲しい連鎖が、今の食卓の裏側で起きているのです。
「つくる」のではなく「はぐくむ」農業へ
私たち「いかす」が取り組んでいるのは、この流れを根本から変える農業です。
私たちがやることはシンプルです。 「できるだけ多くの炭素を畑に還すこと」。 そして、微生物たちが心地よく暮らせる環境を整え、彼らに野菜を育ててもらうことです。
だから私たちは、野菜を「つくる」とは言わず、「はぐくむ」と言います。 土壌の起源を知り、生き物たちの環境を整え、植物が本来求めている環境を準備する。 それだけで、土の力は劇的に蘇ります。
土が元気になれば、栄養満点でえぐみのない、本当の意味で「美味しい」野菜が育ちます。 その野菜が、私たちの腸を整え、地球と子どもたちを元気にする。
私たちは、今はまだ「亜流」かもしれません。 けれど、この循環こそが未来の「本流」になると信じています。
未来の地球と、子どもたちの笑顔のために。

