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採用していただき、ありがとうございました

これは、ある会社を退職した時の実話です。

退職の報告を社内チャットに投稿しました。

事務的な文章で、感情は交えずに。
最終出社日を伝えました。

返信が次々と届きました。

その中で、なぜか目が離せなくなったメッセージがありました
自分が採用に関わった新卒の社員たちからでした。

「〇〇さんがいらっしゃらなかったら、この会社に入社していることはなかったです」

「私が入社することができたのは、〇〇さんのおかげです」

「常に真剣に向き合っていただきありがとうございました」

「採用していただき、ありがとうございました」

新卒として入社して数年
大学生の頃とは見違えるように、たくましくなりました
何より、入社日から1人も欠けることなく・・・

涙が止まりませんでした

採用という仕事

会社や部門は「頭数」、「戦力」としての採用が先にきます
これは当然のことです、否定できません
しかし私は常に「相手の人生」を考えてしまいます

面接で会った人が、本当に会社に合っているのか。
入社してから活躍できるのか。
本当は、うちよりもっと適した会社があるのではないか。

そんなことを自問自答し続けていました

特に新卒採用は「子から個に変わる」
人生における重要なターニングポイントです
決して、軽い気持ちで面接をしたり
ましてや会社の都合だけを押し付けることなど

あってはならない
あってはならないのです

人事失格

本来、人事という仕事は、会社のために存在しています。
会社にとって都合の良い人材を選び、育てる。
それが人事としては正しい姿なのでしょう。

でも私は、1人の人間として、採用という仕事に向き合ってきました。
もちろん新卒だけではないです、中途も同じです。

会社は、個人の人生の時間を預けてもらう立場です。
人生という物語の中で、たまたま1章、1節の舞台になったに過ぎません
主人公を差し置いて、物語の主役になろうなど

おこがましいにも程がある

・・・しかし、会社としては厄介な考え方です
それも分かります、大人ですし
清濁併せ持つのが人事という仕事でもあります

だから私は「人事失格」なのです

正解ではないが、後悔もない

新卒が私個人にあててメッセージをくれたとき
報われた気がしました

私の数年間は人事としては正解ではなかったかもしれない
しかし個人として後悔はないと感じることができました

新卒たちとは今もご飯を食べる仲です
もちろん、その後、会社を離れた人もいます
しかし今も、同期全員で会いに来てくれます

まだ私のおごりだけど
いつか、おごってくれよ

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