【映画所感】 F1(R)/エフワン ※ネタバレ注意
これぞ“スポ根映画”の真髄
冒頭から、緊迫した映像と迫力ある音楽で、こころを鷲掴みにされる。
それにしてもアメリカ人、どんだけ好きなんだよ「レッド・ツェッペリン」。『胸いっぱいの愛を』が、ほぼフルで流れるなんて…令和も7年だぞ!
そんな悪態をついていたら、今度は『Round And Round』。80年代LAメタルの「RATT」と来たもんだ。
現在公開中の『MaXXXine マキシーン』の劇伴といい、どうなってんだよハリウッド。趣味が良すぎて涙はおろか、ヨダレまであふれてくる。
本作『F1(R)/エフワン』肝心の内容はというと、野球やサッカーなどどんな競技にも当てはまる、定型フォーマット。
弱小チームが、主人公を中心とした創意工夫とモチベーションで、どんどん勝ち上がっていくというもの。
しかし舞台はモータースポーツの最高峰、F1グランプリ。
チームの資金力と技術力が、トップと下位チームで圧倒的に差がでる世界。ジャイアントキリングがほとんど起こらないと言ってもいい。
30年ぶりにF1に復帰したかつての天才ドライバー、ソニー・ヘイズ(ブラット・ピット)。レギュレーション違反スレスレの老獪な作戦で、ライバルのみならず、チームメイトまでをも煙に巻く。
1987年からフジテレビの地上波で本格的に放送が開始された「F1グランプリ」。古舘伊知郎をメイン実況に据え、当初はアイルトン・セナvs.アラン・プロストの“セナプロ対決”が最大の見所だった。
とくに89年、90年と同じ鈴鹿サーキットで起こった二人による接触事故。シーズン終盤、チャンピオンシップを争う中でのトラブルは、35年以上経った今でも禍根を残している。
本作は、そんな史実を巧みにストーリーに盛り込み、ドライバー同士のエゴと確執、華やかな世界の表と裏を容赦なく晒していく。
チームの悲願は叶うのか、老人は本懐を遂げるのか。
“ステアリングを握る渡り鳥”は、今日も どこかで疾走っている。
