【衝撃】プロの医師が本気で書いた『ブラック・ジャックの医学書』が破壊的に面白すぎる!
手塚治虫の関連本は山のように出版されていますが
今回はかなり異色、特殊な関連本をご紹介します。
「ブラック・ジャックの解釈学 内科医の視点」
この本の特殊さはタイトルの「内科医の視点」とあるように
著者がれっきとしたお医者さんであること。
そして内容も
単に「ブラック・ジャック」のデータをまとめた本ではありません。
「ブラック・ジャック」の神業を解説するものでもありません。
本書は一般的な「マンガ解説本」とは一線を画す書籍です。
では一体何か?
実はこれ「医学書」なんですよ。
「医学書」なんて難しすぎて面白くないんじゃない?
そう思いますよね。
第一印象は思いましたが…
なんのことはない。この本、めちゃクソ面白い!
やばいです。
ほんとヤバイ!
著者の国松さん、
本当は「ブラック・ジャック」で「学術論文」を書こうと思ったそうですが
表現の仕方や自身の考えの述べ方の自由を考えたら書籍の方が良いと判断し
論文ではなくこうした一般書として書き留められたようです。
つまりこの本は
プロの視点から見た「ブラック・ジャック」を
医学書的に語っている1冊ってわけ。
医学書的だからといって
医学知識なんぞ一切必要ありません。
とにかく著者が一般の読者へ
楽しんでもらうために書かれた医学書なんです。
「真面目に楽しくそして真剣に」をコンセプトに
「ブラック・ジャック」の医療行為を語っているんですが
この人、ガチで「ブラック・ジャック」好きやん。
…って想いが紙面ごしにビンビンに伝わってくるんですよ
専門用語とか出てきて意味不明なところありますけど
そのこだわりと本気度が破壊的に面白い!
著者は「ブラック・ジャック」をたかがマンガと捉えておらず
現代医学の水準で見た場合
「かなり質の高い古典」であるという答えを示しています。
執筆当時にはなかった疾患概念が今の医学水準で見てみると
医療上の描写が極めて高いリアリティを備えているとか
手塚治虫の普遍性と先見性を驚きを持って伝えています。
これ例えるなら
我々が他の手塚作品を見て「これ50年前のマンガなんてすげー」
「手塚治虫って予言者なん?」って言ってることの
医学版ってことです。
医学なんて素人じゃ分からない、気づかないから
いくら手塚先生が医者だからって所詮マンガっしょ、
これはさすがに創作でしょうよ、なんてスルーされてきた内容が
実はプロの目から見て
驚くほど現在にも通じることが描かれていたってことなんです。
つまり内科医というプロの視点から手塚治虫の恐るべき先見力の内容が存分に触れられているのが本書なのであります。
これは本当に面白いです。
続けて著者は「ブラック・ジャック」は
病跡学(びょうせきがく)の分析対象になりえるとまで言い切っています。
病跡学とは
歴史的に傑出した人物の生涯を精神医学及び心理学的観点から研究分析し、
その活動における疾病の意義を明らかにしようとする学問のこと。
ようするに手塚治虫がすごすぎて
実際の診療に役立てる研究対象になりえると言っているわけ。
「ブラック・ジャック」のことを古典文学にも匹敵する傑作と言い
本書では「ブラック・ジャック」と
手塚治虫の天才性を余すところなく分析しておられます。
どうですか?
こんな面白い本ありませんよ。マジで。
しかもプロが真剣に語っているところがたまらん。
そして本書の読者対象は
医療従事者、とりわけ医学生に最適な著作物だと言っています。
医学生にとって楽しみながら
そして教養を身に着けるかのような感触で
臨床医学の一端を学べるような仕掛けがしてあるそうなんですが
どんな仕掛けだったのかボクが読んでもさっぱり分かりませんでしたけど
これからお医者さんを目指す若者にとっては先人たちから学んでほしい
ポイントが散りばめられているんでしょうね。
医学書だからといっても全く小難しくはなく
一般の「ブラック・ジャック」ファンにもド素人でも十分に楽しめます
「ブラック・ジャック」を読んだことのある読者ならマジでおすすめ。
とりわけ他の研究本、解説本と大きく異なるのは
漫画における面白さの解釈ではなく医学的見地から見た
医療についてのみ語られているところ
思わず本編「ブラック・ジャック」を読み返したくなる
いや、横に置いて一緒に解説を見ながら読みたくなる異様な説得力をもった
まさに医学書的な娯楽本になっているので
素人から玄人までいづれの読者にも納得できる内容になっています。
内容としては
獅子面病や本間血種、体から木の芽が生えてくる奇病の話など実際の
「ブラック・ジャック」のエピソードを元に
連載当時の医療技術と現代医療を比較し
そして現代医学からみて症例を再診断するといったものになっています。
この真剣さがとんでもないリアリティがあり面白い。
なんせ本書の1発目の症例があの「ピノコ誕生」の畸形嚢腫ですからね。
もう興奮。あれはさすがに創作でしょうって思いますよね。
それを超大真面目に現代医学の視点から診断しています。

詳しい内容は省きますがちょっとだけ説明すると…
この患者の病気は「畸形嚢腫」ではなく「胎児内胎児」と考えた方が良いという診断結果をしています。
しかし奇形脳腫の患者の周囲にあまりにも奇妙なことが起きていることを
鑑みると胎児内胎児ではなく奇形腫であったということを示しているんだそう?????
しかし連載時の1973年当時にはこの「抗NMDA受容体脳炎」の概念がなかったそうで実は手塚治虫はホムンクルスを描きたかったのかも?
という結論に至っているんですが
なんだかうまく説明できませんが、とにかく面白いんで見てください。
ボクのような専門家でもない拙い説明だと余計こんがらがるので
ここでは説明しませんが、まぁ面白い。

医学知識を持っている方が語る
「ブラック・ジャック」の診断症例
これだけでももう面白いですよね。
そして「ブラック・ジャック」が行った医療行為
なにより医者手塚治虫として描かれた医療上の描写
これらを高次元で分析、診断している医学書であり娯楽書が本書です。
時代を超えて読み継がれる名作「ブラック・ジャック」に文字通りメスを入れた本作。
上手く説明できずこの興奮だけを語り散らかしてしまいましたが
興味がありましたら是非ご覧になってみてください。
ではでは。
