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中古車を価値ある一台へ──ソウイング深谷営業所、プロ集団の仕事に迫る

皆さんは、中古車がオークション会場(※1)でどのように管理され、次のお客様のもとへ旅立っていくのか想像したことはありますか?

広大な敷地に並ぶ数千台の中古車。その一台一台が、人の手によって丁寧に検査され、撮影され、正確に配置されている──。

今回は、ゼロのグループ会社である、「株式会社ソウイング(以下、ソウイング)」に密着し、埼玉県深谷市のオートオークション会場「MIRIVE埼玉会場」で構内運営を行っている現場の様子を追いました。

※1)オートオークション:
中古車を売ったり買ったりする“車の市場”のことで、全国に約100会場あります。中古車販売店やディーラー、買取店などの業者間での売買が行われます。


オークション会場の“心臓部”を支える仕事

MIRIVE埼玉会場では、毎週水曜日にオークションが開催され、平均2,700台(2025年11月実績)もの車両が出品されている、埼玉県内では最大規模のオークション会場です。

MIRIVE埼玉のオートオークション会場
MIRIVE埼玉のオートオークション会場

この膨大な台数の車両を、移動・内外装撮影・配置・洗車・看板剥離まで一手に担っているのが、ソウイング。かつては会場の内製部門が行っていた業務ですが、現在はソウイングが専門的な知見を持つプロ集団として運営を受託しています。

ソウイング営業部の松村次長はこう語ります。
「ゼロが『陸送』を担い、ソウイングは『構内作業』に特化する。役割を分けることで、グループ全体のサービス品質をさらに高めています」


「スピード」と「正確性」が求められる現場

深谷営業所の1週間は、オークション開催日の水曜日を軸に回っています。実質的な作業は、オークション開催翌日の木曜日から火曜日までの間に行われ、次開催に向けた準備が進められます。

ここで最も重視されているのは「スピード」です。
出品車両をいかに迅速に中古車流通プラットフォームへオンライン配信し、情報公開することが、売り手と買い手の売買機会に大きく影響するためです。

オークション会場内の主な作業は次の3つのプロセスで進みます。

1. 車両整理
木曜日はまず、次開催の各14コーナー(※2)のスタート位置を決め、前開催の未搬出車両を整理し次開催に出品される車両を置くスペースを確保する「場所空け」から始まります。
限られたヤードスペースの中で、まるでパズルのように効率よく車両を配置していくため、長年の経験で培われた判断力が必要な業務です。

※2)オートオークションにおけるコーナー:
 車両の出品条件や特徴によって分けられた、オークション会場内の特定の
 車両を集めたコーナーを指します。

2. 車両移動・撮影
新たな車両が搬入されると、まず会場にいる検査員によりエンジン始動確認や、内外装の傷汚れの状態確認、装備品チェック等の車両検査が行われます。その後、ソウイングが内装撮影やリストの確認後、専用スタジオにて出品登録・出品番号の発番・外装の撮影を行い、各指定区画へ出品配置をしていきます。走行中に異音や不具合があれば、会場に申告して検査内容に反映します。


専用スタジオで車両を5方向から撮影(右)。撮影を終えた車両が専用スタジオから次々と出てくる(左)
専用スタジオで車両を5方向から撮影(右)。
撮影を終えた車両が専用スタジオから次々と出てくる(左)

3. 配置
撮影後、指定された場所へ移動し配置をします。出品番号ごとに配置する場所が決まっているため、間違いが許されない重要な仕事です。
また、出品車両の約20%が再出品となります。
その際、番号ステッカーを正確に付け替える作業は、シンプルに見えて非常に繊細。
リストと実車を照合しながら一台一台確実に行う必要があり、極めて慎重な確認が求められる工程です。

車両が綺麗に整列されたMIRIVE埼玉のオートオークション会場
車両が綺麗に整列されたMIRIVE埼玉のオートオークション会場


「差別化の一要素」ソウイングの付帯サービス

ソウイングの強みは、オークションの出品に“必要最低限の作業をするだけではない”こと。商品価値を高める付帯サービスを提供しています。

⚫︎カークリーニング
・外装の水洗い、ワックスがけ
・内装の掃除機がけ、艶出し
簡易仕上げから商品化レベルの作業まで対応しています。

⚫︎特殊作業
・車両の看板剥離(社名ステッカー消し)
・テレマティクス機器(運行管理システム)の取り外し(一部の部署のみ対象)

車両の看板剥離作業
車両の看板剥離作業

「構内作業」だけでなく、「きれいな状態で届ける」「商品化して届ける」。こうした「差別化の一要素」のサービスが、オークションでの落札価格を左右し、お客様の満足度向上につながっています。


ベテランと若手が支え合う、温かい職場

深谷営業所では、1日あたり約25名体制で業務を行っています(取材日時点)。

平均年齢は約50歳と少し高めですが、その分ベテランが多く、チームとしての安定感は抜群。採用では、30~40代の車好きの方、運転業務経験者を歓迎していますが、車への情熱があれば未経験者でも可能としています。

松村次長はこう話します。
「全国的に見ても深谷の夏は特に暑いですが、無理せず働ける環境づくりを目指して取り組んでいます。
車が好きで、体を動かすことが好きな方にとっては、いろいろな車に触れられる楽しい職場だと思いますよ」

豊富な経験で現場をけん引する、ソウイング営業部・松村次長
豊富な経験で現場をけん引する、ソウイング営業部・松村次長


ゼログループとしてのこれから

最後に、松村次長は今後の構想について語ってくれました。
「将来的にはオークション会場の広い敷地から事前に搬出車両をピックアップしておく“車両スタンバイ”のような搬出補助サービスも視野に入れています。それが実現できれば、より潤滑な会場運用、陸送ドライバーの労務時間短縮、そしてお客様の手元にいち早く商品をお届けすることができるようになります。こうしたメリットが『会場』『陸送』『構内作業部』『お客様』に生まれ、ゼログループとしての強みをより活かせると思います」

陸送を担うゼロ、構内作業を担うソウイング。
それぞれの強みを活かしながら、グループ全体で「自動車流通のトータルサポート」を進化させていく。そんな熱い想いが、現場のプロフェッショナルたちから伝わってきました。


編集後記

取材を通して、スタッフの皆さんが安全とスピードを両立しながら、高い精度で業務を進めていることを実感しました。こうした現場のプロフェッショナルたちの努力が、日々の中古車流通を支えているのだと改めて感じます。
オークション会場で効率よく作業を進める仕組みやチームワークには、多くの学びがありました。


会社概要
株式会社ソウイング
本社:栃木県小山市粟宮1347-1
従業員数:328名(2025年6月現在)
拠点数:約30か所にてオークション会場・入札会の業務を受託
HP:https://so-ing.com/


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