「従順さ」を学ぶ学校から、自分で考える学びへー堀江貴文『バカ親につけるクスリ』から考える、これからの教育観
一言で言えば、学校は「従順な働き手」を育てている。
社会は、特に旧来型の企業は従順な働き手を求めている。そのため、学校は子どもたちに道徳規範を叩き込む。受験のため、卒業のため、就職のため、子どもたちはひたすら従順に、情報処理能力を磨く勉強をする。受験社会における「学力」は、「従順さ」の指標なのだ。
この言葉を、どう受け止めるでしょうか。
少し過激に感じる方もいるかもしれません。
けれど、「良い子」「まじめな子」「言われたことをきちんとこなす子」が評価される学校の中で、私たちは知らず知らずのうちに“従順さ”を学力と同一視してきたのかもしれません。
社会の変化が激しく、将来の“正解”が見えない時代。
にもかかわらず、学校は依然として「決められたルールの中で」「決められた答えを出す」練習を続ける側面があります。
この構造を理解しないまま、子どもをただ“がんばらせる”ことは、かえって子どもの可能性を狭めてしまうかもしれません。
この記事では、7年間の小学校教員経験を経て現在はゼロイチコーチとして働く筆者が、ゼロ高主宰・堀江貴文の著書『バカ親につけるクスリ』第1章を読んで感じたことをもとに「これから求められる教育観」について考えをまとめていきます。
「従順な働き手」を育てる構造
堀江貴文は、第1章で「学校は産業社会の仕組みの中でつくられた」と指摘しています。
もともと学校教育の目的は、「言われたことを正確にこなし、与えられたルールを守れる人材」を大量に育てることでした。
工場や会社で効率よく働くためには、個性よりも協調性、創造力よりも正確さが求められたからです。
だからこそ学校は、時間割に沿って同じペースで学ばせ、一斉授業の中で“正解”を探す練習を続けてきました。
その構造は今も大きく変わることなく、子どもたちは「失敗しないように」「間違えないように」と育てられています。
けれど、今の社会はどうでしょう。
AIが多くの仕事を代替し、情報があふれ、“言われたことを正確にこなす力”だけでは、生き残れない時代になっています。
「正解を探す教育」から「問いを立てる教育」へ
また、堀江貴文は、「学校が教えている“正解”そのものが、すでに時代遅れになっている」と言います。
たとえば受験に必要な知識も、スマホひとつで調べればすぐに手に入る。
それでも学校は、暗記や画一的な答案を評価し続けています。
大切なのは、“正解を知ること”ではなく、
“正解のない世界で、自分なりの答えを考え抜くこと”。
この転換こそが、これからの教育に求められている視点です。
子どもたちが「なぜそうなるのか」「どうすればもっと良くできるか」と
自分の頭で考える習慣を持つためには、
家庭や学校が「失敗を恐れずに挑戦できる環境」を用意しなければなりません。
「スマホ=悪」という思い込みを超えて
さらに、学校教育におけるICT化の遅れにも言及しています。
「公立の学校で配備されている低スペックのタブレットでは、授業での十分な活用はできない」
「スマホを禁止することで、かえって学びの可能性を奪っている」
という指摘は、まさに現場を見ている保護者や教員の胸にも響くでしょう。
スマホやインターネットは、使い方次第で“世界への窓”になります。
興味を深め、表現を広げ、仲間とつながる手段にもなる。
それを「危険だから」「集中できないから」と排除することは、子どもたちの探究心や自己表現の芽を摘むことにつながります。
“どう活かすか”を一緒に考える姿勢が、これからの親や教育者には求められています。
親の「安心」が、子どもの「挑戦」を止めることもある
子どもを思う親ほど、「ちゃんと学校へ行って」「いい成績を取って」「安心できる進路に進んでほしい」と願うものです。
しかし、その“安心”が、実は子どもを枠にはめてしまっているかもしれません。
堀江貴文が投げかける「従順さ」という言葉は、親自身の中にある“常識への従順さ”をも問い直しています。
「みんながそうしているから」「それが安全だから」という基準ではなく、「この子が本当に夢中になれることは何か」を一緒に考える。
そこにこそ、これからの家庭教育の出発点があるはずです。
「自由に学ぶ」とは、責任を持って生きること
“従順”ではなく“自律”。
“正解”ではなく“問い”。
堀江貴文が第1章で訴えるのは、子どもが自分の意思で学び、自分の責任で選択できる社会への転換です。
ゼロ高等学院をはじめ、近年のオルタナティブ教育やオンラインスクールの取り組みは、まさにこの発想の上にあります。
学校という枠を飛び越え、子どもたちが自分の好奇心から学びをデザインする。
その力こそが、これからの社会を生きるための“本当の学力”なのではないでしょうか。
おわりに
「学力=従順さの指標」という一文は、親として、教育者として胸に刺さります。けれど、そこにこそ希望もあります。いま私たちは、子どもを“評価のために学ぶ存在”ではなく、“自分で世界をつくる存在”として見つめ直すことができるのです。
堀江の主張を踏まえて私なりに言い換えるなら、「子どもの未来を縛っているのは、大人たちの過去」なのかもしれません。
未来が加速度的に書き換わっていく世の中で、教育者や親自身が、自分たちの受けてきた教育観から一歩引いて問い直してみること。
それが、子どもたちの自由な学びへの第一歩になるのだと思います。
(ゼロイチコーチ:吉岡)
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