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【第4回】小さな一歩

「地域パートナー、やってみたいです。」

あのメッセージを松永に送ってから、10日が経った。

あのあとすぐ、松永から「ありがとうございます。準備が整い次第、マップと資料をお送りしますね」と返信があり、そこからは少し静かな日々が続いた。

美咲はその間、自分なりに少しずつ心の準備をしていた。
仕事の合間に近所のカフェを思い出してメモしたり、観光客に人気の場所をSNSで検索してみたり。
何をしたらいいかわからないなりに、少しずつ“地域を見つめ直す時間”が増えていった。

そして、ある金曜日の朝。ついに、松永から一通のメールが届いた。
件名は「地域パートナー活動ガイド・マップデモ画面のご案内」。

パソコンを開いて添付されたPDFをクリックすると、そこには落ち着いた文体で、活動の手順やポイントが丁寧にまとめられていた。


■ 何から始める?最初の一歩のヒント
■ お店への声のかけ方・会話例
■ よくある質問と答え方
■ 地域マップのデモ画面(URL付き)
■ 店舗が載っていない場合の登録申請フォームについて


「……ついに来たんだ」

美咲は深く息を吐いて、デモマップのリンクをクリックした。

読み込みが終わると、パソコンの画面いっぱいに、見慣れた街の地図が広がった。地図には、あらかじめ200件以上の施設が登録されていた
カフェ、レストラン、居酒屋、旅館、ビジネスホテル、観光スポット、公園── 色とりどりのピンがところ狭しと並んでいる。

試しにひとつのピンをクリックしてみると、地図上にポンと小さな情報ウィンドウが開いた。
中には施設名と写真が表示され、その下にアイコン風のボタンがずらりと並んでいる。

【電話をかける】 【ホームページ】 【Googleナビ】
【Googleストリートビュー】 【Google検索】

「すごい……」

クリックひとつでお店までの道順が分かり、外観まで確認できて、すぐに電話や検索もできる。
ただの“地図”じゃない。“使える地図”だと、美咲は直感した。

──これを持って、お店を回っていくんだ。
──私は、この地図を届ける人になる。

そう思うと、不安とわくわくが同時に込み上げてきた。

美咲はゆっくりと深呼吸をして、パソコンの横に置いてあったノートを開いた。
まずは、地元にあるお店の名前を思い出しながら、ひとつずつ手書きでリストを作っていく。


・Green Leaf(駅前のカフェ)
・こむぎ日和(住宅街のパン屋)
・和み亭(商店街の居酒屋)
・Book&Beans(ブックカフェ)

どのお店に行くか、声をかける順番、地図に載っているかどうか。
メモを書いたり消したりしながら、ノートのページがゆっくりと埋まっていく。

「……どこから行こうかな」

美咲は小さくつぶやき、手を止めて地図を見つめた。
すると、画面の右上のほう──住宅街の一角に、ピンがまったく立っていない “空白地帯” があることに気づく。

あれ?たしかこの辺、個人経営の雑貨屋さんとかあったはず。

松永の言葉がふと頭に浮かぶ。

「載っていないお店があったら、教えてください。どんどん追加しますから。」

そうか、私はただマップを案内するだけじゃない。
この地図を“育てていく人”にもなるんだ。

「私が見つけて、登録して、ここにピンを増やしていくんだ」

目の前のデジタルマップが、ただの情報の集合体ではなく、“これから私が関わって変えていく場所” に見えてくる。

リストに赤い星をつけながら、美咲は深くうなずいた。
地図のピンの数だけ、可能性がある。
そのひとつひとつに、自分が関わっていけるなんて──まだ何も始まっていないのに、胸が熱くなった。

動き出す準備は、整った。
次は、自分の足で扉をノックする番だ。

次回、「初めてのアプローチ」へ!お楽しみに!(明日更新予定です)

📍地域マップLP https://area-map.com/
(全国マップURL)https://area-map.com/area/

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