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会社への不満の正体――本当に欲しかったものは何だったのか

最近、「リベンジ退職」という言葉をよく見かけるようになった。

会社に恨みを抱えた社員が、引き継ぎをせずに突然辞めたり、業務を属人化したまま姿を消したりして、会社へ仕返しをするというものだ。

動画のコメント欄には、

「俺もやってやった」
「今度やってやる」
「参考になった」

といった声が並んでいる。

確かに、給料が上がらない。
頑張っても評価されない。
理不尽な上司もいる。

不満を抱える理由はいくらでもある。

しかし、そうした話を見ていて、私は少し違和感を覚える。

なぜなら、長年人を雇ってきた経験からすると、
本当に大きな不満の原因は会社ではない場合も少なくないからだ。

実際、若い従業員から聞こえてくる不満の中には「それは親に言う話ではないか」と思うものもある。

あるいは、

「それは会社の問題ではなく、自分自身の未熟さではないか」と感じるものもある。

もちろん会社にも問題はある。

だが、人生で起きるすべての不満を会社が解決できるわけではない。

むしろ危険なのは、自分の人生がうまくいかない理由を会社に求め始めることだ。

給料を上げれば解決すると思う。
評価してもらえれば満たされると思う。
上司が変われば楽になると思う。

しかし、その不満の根っこが別の場所にあるなら、転職しても同じことが繰り返される。

会社が変わる。
上司が変わる。
職場が変わる。

それでも不満だけは残り続ける。

なぜなら、本当に欲しかったのは待遇ではなく、
「自分の人生がうまくいかない理由」だったからだ。

人は誰でも、自分の失敗や苦しみの原因を外に求めたくなる。

会社が悪い。
上司が悪い。
社会が悪い。

そう考えた方が楽だからだ。

しかし、その考え方を続けている限り、
自分の人生の主導権は永遠に他人の手の中にある。

逆に、自分の未熟さや課題を少しずつ受け入れ始めると、不思議と見える景色が変わる。

会社に完璧を求めなくなる。
上司に人生の責任を求めなくなる。

そして、自分で変えられることに意識が向くようになる。

本当の意味で成長する人は、
会社への不満がゼロの人ではない。

不満があっても、
そのすべてを会社のせいにはしない人だ。

会社は人生の一部であって、
人生そのものではない。

だからこそ、会社を辞める前に一度だけ考えてみたい。

自分が本当に失ったものは何なのか。
そして、本当に欲しかったものは何だったのか。

その答えは、案外会社の外にあるのかもしれない。


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