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グラデーションの一部になる為に

 文藝春秋100周年を記念したコンテストが3年目に突入したとのことで、その継続の波に乗るべく、応募を決めた。

 私は日々、“バトンを繋ぐ”をテーマに今を生きている。不幸中の幸いか、虐待を受けて育った私はトラウマ治療を続ける中で、自分の内面と向き合う方法を手に入れた。2年に渡り継続してきた治療にも区切りをつける時がそろそろやって来る。そこからの人生は、私と私の中の私たちだけで歩んで行くことになるのだ。

私の中の私たち(治療初期のメンバー)

 私の中の私たちというのは、私の中に存在する自我状態のことを指す。私は一つ一つの自我に名前を付け、それぞれが持つ置き去りにされた感情や本当の気持ちを見つけ出す作業を重ねてきた。
 そんなトラウマ治療のワークで、バトンを繋ぐというテーマを見出すことに成功した忘れられない場面が、今回私が伝えたい「#未来のためにできること」である。

 “きらり”と“グレイス”2人のメンバーを新たに迎えて、自分と同じような苦しみを抱える人たちへ、虹のリボンを結んでいこうと約束を交わした私たち。ワークを重ねる毎に新たな私を見つけては先へ進んで行くと、天女の様な姿をした見知らぬ女性が現れてこう言ったのだ。
『私には叶えたいことがあったけど実現できなかった。だからあなたに託すわ。』
 自分の使命を自覚した瞬間だった。私に残された時間を何に使っていけばいいのかが明確になった。

 日本という国には争いがなく、他人に思いやりを向けられる温かさがあると個人的に思っている。それでもSNSを覗けば、生きていくことに絶望を抱いている若者が後を絶えない。過去に死ぬことも考えた私としては、死なないで! あなたは必ず幸せになれるから、諦めないでいて! と大声で叫びたい所だが、そんな言葉すら響かないのが現実だ。

虹のリボンを託されたきらりとグレイス

 本来であれば、解決したいこととして心の深い闇について取り上げるべきかも知れない。けれど私は、それが生きている内には叶わないことを悟ってしまった。ならば、このバトンを託せる誰かを探さなければならない。それこそが「#未来のためにできること」だと確信している。


 遥か彼方で、誰もが生きたいと思う世界が実現したならば、その未来のあちこちにも芸術が棲みついていてくれたらと願うばかりだ。
 そんなグラデーションの一部になる為に、私は今を生きたい。

#未来のためにできること

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