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トルコ旅行記#6 アジア側に到着し運命のバスと出会う(1日目⑤)

アジア大陸側にあるハレムという街へは15分で到着した。
ハレムオトガル(巨大バス乗り場)にはたくさんのバスとバス会社、そしてあふれんばかりの人々が集まっている。
うっひゃー!
この中から見つけられるんかいな~。

とにかくバス会社が集まる方へ行き、一軒一軒当たろうと考えた。
一軒目に入ろうとしたとき、一人の客引きが声をかけてきた。
『イズミールに行きたいのか?』
「いや、サフランボルに行きたいねん」
『サフランボル・・・』
彼はそうつぶやいて少し考えた後
『ついて来い』
といって一軒のバス会社へと連れて行ってくれた。
『じゃあここでサフランボル行きを買いな』
「え!?ありがとー!」
彼はおそらく違う会社の人だったはずだが、親切につれてきてくれたのだ。
初めてトルコ人の優しさに触れ、笑顔がこぼれた。
僕が連れてこられたのはメトロ社というバス会社のカウンターだった。
メトロ社は地球の歩き方にも載っている大きな会社で安心できる。
早速購入することにした。
「すいませーん。サフランボルに行きたいねんけど、チケットあります?」
『いつ行きたいんだ?』
「うーん今日。今夜行きたいねんけど」
『ちょっと待ってくれ。うーんと、おお!残り一つだけだ。じゃあこの席でいいね?』
「まじ?あぶなー。じゃあその席でお願い。いくら?」
『2,000万TL(1600円)』
地球の歩き方と全く一緒の値段やし、別にぼったくっている様子もない。
その値段で購入することにした。
良かった、これで旅を前に進めることができる。

現在22時、チケットを見ると出発は24時半。
暇人である。
小腹がすいたので外にでて、飯屋へ。
どこの店にしようか迷っていると、なにやらでっかい肉をぶら下げて回しながら表面を焼いているのを発見。
これはもしや噂のケバブというヤツではないのかい?
これは早速食べてみなくては!

ちょっと会話が欲しくなってきていたので、テンション高めで挑むと、向こうもこっちに興味をもってくれた。
「トルコ語会話事典さん入ります!」ということで指差し事典で会話。
「どこから来た?」
「名前は?」
「どこに行く?」
「いつまでトルコにいる?」
など色んな質問をしてきてくれる。
単語を指差してそれを発音してもらいそれを真似して言葉を覚える。
今までずっとこのやり方で覚えてきた。

さらに、「サフランボル行きのバスってどこで乗れるん?」って聞いていると、よそから違う人がきて
『俺がサフランボルに行くから連れてってやるわ』
と一緒に居てくれたり。
なんかトルコ人が急に優しくなりだした。
着いてから1秒を争う切迫状態の緊張続きでこっちの表情も心も硬かったのが、バスのチケットが取れたことで安心し、その分心がオープンになりそれが相手にも伝わるのだろう。
つまり現地の人と仲良くなるには、いかに自分から心を開き、話しかけていくかに懸かっているのだ。

約1時間、バスの時間直前までそこの店の人とおしゃべりを楽しみ、彼らに別れを告げてバス乗り場へと向かった。
おそらく彼らとはもう二度会えないんだろうな、と思うと一旦戻ってもう一度挨拶をしたくなったが、それはしないでおいた。
しない方が旅らしくていいんじゃないかなって。

バス乗り場はとても多くの人で込み合っていた。
たくさんのバスがひしめき合い、それぞれの添乗員がお腹から発する大きな声で行き先を叫んでいる。
その声のでかさが半端じゃない。
この声はアジアの人間には絶対に出せないだろう。

どれだけざわついていても添乗員さんの声は遠くまで通り、皆その声にしたがって自分のバスを探すのだ。
添乗員さんの声に注意しながらサフランボル行きのバスを探したのだが、いかんせんバスが多すぎるし、同じ方面へ行くバスもたくさんある。
現地の人でさえ迷ってしまうというハレムのバス停で、トルコに来たばかりの外人に到底みつけられるはずもない。

もう面倒になったので、バス会社の人に「どれかわからん~」って泣きついてつれてってもらうことにした。
チケットを見せるとどうやらまだ到着していないという返事が返ってきた。
ちょっと一安心。

「いつくるん?」とか「来たらどうやって乗ればいいん?」とか、むっちゃ忙しいのに質問しまくるもんやから
『じゃあここでじっとしていなさい。バスが着いたらつれてってあげるから。いね?ここから動くんじゃないよ』って
まるでちょっと買い物に行ってくる間子供を待たせるお母さんみたいな口調で僕の背中をバンとたたいた。

忙しいのにちゃんと気を遣ってくれる優しいおっちゃん。
テシュッキュルエデリム(ありがとう)!

5分後にバスが到着し、無事乗ることができた。
バスは想像以上にしっかりしていて、これなら長旅にも耐えられそう。
トルコのバスで嬉しいのは、運転手さんのほかに添乗員さんみたいな人がついていて、飲み物やお菓子を無料で配ってくれること(この後もずっとそうだった)。
なんだか飛行機みたいでいい。

そしてその後不思議な光景を目にした。
添乗員さんが不思議な液体の入ったボトルを持ってきて、客は液体をお椀状にした手に受ける。
それがこぼれない様に一気に手をこすり合わせ、腕に塗ったり顔に塗ったり。

様子を見る限りどうやらすっきり爽やか系の何かに違いない。
添乗員さんが自分の所に回ってきたので、皆と同じように手を出すと、勢いよくボトルから水が出てきた。
こぼれない様に一気に腕に伸ばし、そして手を顔に持っていくとライムの香りがしてとても気持ちいい。
どうやらトルコではお絞り代わりにこの液体を使うようだ。
ちょっとすっきりし、支給された紅茶を飲み終えると急に眠気が襲ってきた。

日本を出発してからなんだかんだで24時間が経過していた。
眠たいはずだ。
もう夢も何も見ないくらい深い眠りに入った。
長い一日だった。

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