【笑顔のたえない職場です。感想】職場の人間関係から逃げてもいい?自己肯定感と「人間関係ガチャ」の話
アニメ『笑顔のたえない職場です。』を見て、今日は
作品の内容のざっくり紹介と、そこから考えた
職場の「人間関係」の大切さ
「逃げる」=環境を変えることは悪なのか?
についてまとめてみます。
オープニング主題歌から感じた「慣れ」の怖さと可笑しさ
『笑顔のたえない職場です。』のオープニング主題歌は
HoneyWorks feat.ハコニワリリィの「絶対称賛!」。
歌詞の中に出てくる
「絶対称賛 褒められたい」
「褒められないとポメラニアン」
というフレーズを、最初は
「え? 何を言ってるの?」「ポメラニアンって何?」
と、正直よくわかっていませんでした。
でも、放送開始から1ヶ月半ほどたち、第6話・第7話あたりまで視聴した今では、
何度も耳にするうちに
「ああ、そうだよな。褒められないと“ポメラニアン”だよな」
と、よくわからない納得をしている自分がいました。
人間って不思議で、最初は違和感があったフレーズも、
繰り返し触れているうちに「それが普通」に感じてくる。
最初はひっかかった価値観
モヤっとした言葉や態度
でも、毎日それにさらされていると、
良くも悪くも「慣れ」が上書きしてしまう。
この主題歌を聞きながら、
「慣れ」の怖さと面白さ、どちらも強く感じました。
『笑顔のたえない職場です。』ってどんなアニメ?
ここからは、作品の概要を簡単に整理しておきます。
『笑顔のたえない職場です。』は、くずしろ先生原作の
漫画家・双見奈々(ふたみ・なな)が主人公の
ワーキングガールズコメディです。
主人公:女性漫画家の双見奈々
担当編集:年上女性編集者の佐藤楓
アシスタント:間瑞希(はーさん)、ねこのて
漫画業界の現場で働く女性たちの日常が、
テンポの良い会話劇と“職場あるある”を交えながら描かれます。
締め切り
打ち合わせ
ネーム出し
修正依頼
といったリアルな制作現場の空気感がありつつ、
全体のトーンは明るい職場コメディ。
笑いながら見られるのに、どこか胸の奥をチクッと刺されるような、
そんな絶妙なバランスのアニメです。
自己肯定感が低い主人公・双見奈々
作品の中心にいる双見奈々は、
自己肯定感がとても低い漫画家として描かれています。
前任の編集者に、アイデアを出しても
「こんなのダメ」「もっと王道で」と否定され続けてきた少しずつ自信を削られ、「どうせ私なんて……」が口癖になってしまった
そんな中で出会うのが、今の担当編集・佐藤楓。
佐藤さんは、
頭ごなしに否定しない
まず受け止めたうえで、良いところを見つけてくれる
「一緒に形にしていこう」というスタンスで関わってくれる
そんな編集者です。
そのおかげで双海は、
新連載のチャンスをつかみ
今もなんとか連載を続けていけている
という状況にいます。
キャラの関係性そのものが、“自己肯定感”の回復ストーリーになっているのが、
このアニメの大きな魅力だと感じました。
「締め切り遅延の連絡すら怖い」奈々の姿に見る“ビビり癖”
そんな双海には、自己肯定感の低さゆえの“悩み”も、ずっと残っています。
特に印象的なのが、
原稿が締め切りに間に合わなさそうなとき
編集さんに「遅れそうです」と連絡を入れなきゃいけない場面
での反応です。
本当は
「早めに連絡したほうが絶対にいい」
と頭ではわかっているのに、
「怒られるんじゃないか」
「迷惑をかけてしまうんじゃないか」
という不安が強すぎて、
スマホを握ったまま、なかなか電話やメッセージを送れない。
それを見ているアシスタントのはーさん(間瑞稀)は、
「そもそも締め切りを守りましょうね!」と正論を言うのですが、
そのやりとりも含めて、どこか優しくて、笑ってしまう空気があります。
「漫画家の職場コメディ」としてのテンポの良さと同時に、
働く人それぞれの“心のクセ”や“傷つきやすさ”が丁寧に描かれていて、
見ていて胸がきゅっとするシーンも多い作品です。
このアニメから強く感じたこと:「誰と付き合うか」は人生レベルの問題
この作品を見ていて、私が一番強く感じたのは
「どんな人と付き合うか」は、人生に直結するほど大事だ
ということです。
双見奈々は、前の編集者に否定され続けたことで、
自信を失い
自分の価値を認められなくなり
何をしても「どうせ私なんて……」と考えてしまう
ところまで追い込まれていました。
それが、佐藤さんのように
否定ではなく“受容”をベースに
長所を見つけて伸ばそうとしてくれる
人と出会ったことで、少しずつ変わっていきます。
これは「漫画家と編集者」という関係に限らず、
すべての人間関係に当てはまる話だと感じました。
自分の職場体験と重なった部分
ここからは、私自身の話になります。
少し前、私は自分から異動願を出し、
部署を変えました。
前の部署では、
自分のスキル不足もあり
「その部署を支えられるような成果」を出せていなかった日々、直接的/間接的な“ダメ出し”の空気が重なり
会社に行くのが本気で憂うつだった
という状態が続いていました。
一日の大半を過ごす職場で、ほぼ毎日、
「自分はダメだ」と突きつけられるような感覚があると、
心はじわじわとすり減っていきます。
そこから今の職場に移ったことで、
コミュニケーションが取りやすい
人間関係の“圧”が前ほどきつくない
自分にもちゃんと「ここにいていい」と思える居場所がある
と感じられるようになりました。
この変化を経験して、
「誰と一緒に働くか」
「どんな人間関係の中に身を置くか」
が、思っている以上に
メンタルと人生に影響を与えると、身をもって実感しました。
「無理な人間関係から逃げる」のは本当に悪いこと?
このアニメと自分の体験を重ねて考えたのが、
無理な人間関係から“逃げる”ことは、本当に悪いことなのか?
という問いです。
もちろん、
何でもかんでも「嫌だから逃げる」は、
無責任に見える面もあるすべてを他人のせいにして、自分は一切変わろうとしない
という姿勢は、やっぱり健全とは言えない
というのも事実だと思います。
ただ一方で、
何かあると、まず真っ先に自分を責めてしまう人
「自分も悪いから」と全部背負い込みがちな人
ほど、
「逃げてもいい」
「その場から離れてもいい」
という選択肢を、
もっと強く持っていていいのではないかとも感じます。
「人間関係ガチャ」は、意外と“アリ”な生き方かもしれない
もし双見が、前任の編集者のもとに居続けていたら――。
もしかしたら、いまだに連載にはたどり着けていなかったかもしれません。
ネガティブな部分を含めて受け止めてくれる人
否定ではなく「どう伸ばすか」で関わってくれる人
そういう人と出会えたからこそ、
彼女は自分の漫画を世に出すことができています。
私自身も、人との出会いに救われてきた場面がいくつもあります。
そう考えると、ある意味で
「人間関係ガチャ」を引き続ける
という発想も、決して悪くないのかもしれません。
今の人間関係がどうしてもしんどいなら、別の場所を試してみる
環境を変えることで、新しい人との出会いが生まれる
その中から、「自分を大事にしてくれる人」に巡り合う
そうやって少しずつ環境を変えていくのも、
立派な“戦略的撤退”であり、生き方のひとつだと思います。
「長所を見てくれる人」と出会えるまで、環境を変えてもいい
双見奈々は、
ネガティブで自己肯定感が低く
つい自分を責めてしまう
というキャラクターです。
だからこそ、
短所だけではなく長所を見てくれる
否定ではなく受け止めようとしてくれる
「ここにいていい」と感じさせてくれる
――そんな、今の担当編集・佐藤楓のような人と出会えたことが、
彼女にとって何より大きな転機になっています。
現実の私たちに置き換えても、
短所よりも長所を見てくれる人
否定ではなく受容から関わってくれる人
と出会えるまで、
人間関係や環境を少しずつ変えていくために「逃げる」のは、
決して悪いことではないはずです。
そして何より大事なのは、
世界のどこかに、自分をちゃんと受け入れてくれる人はきっといる
と信じていられることだと思います。
今いる場所がつらいのは、
あなたの価値がないからではなく、
ただ単に「場所」と「人」が合っていないだけかもしれません。
おわりに:誰と一緒にいるかで、人生はいくらでも変わる
『笑顔のたえない職場です。』は、一見すると
「漫画家の職場コメディ」「エンタメ業界の日常アニメ」
のように見える作品です。
でも、その裏側には、
人間関係が、自己肯定感をどれほど左右するか
無理な人間関係から逃げることの大切さ
自分の長所を見てくれる人と出会うことの価値
といったテーマが、やさしい笑いとともに描かれています。
このアニメを通して、改めて強く思ったのは、
「誰と一緒にいるか」で、人生はいくらでも変わる。
そして、自分を受け入れてくれる人は、必ずどこかにいる。
もし今、職場や人間関係でしんどさを抱えている人がいたら、
双海や佐藤さんたちの物語が、
「環境を変えてもいい」
「逃げてもいい」
「自分を受け入れてくれる人はきっといる」
そんな小さな“許可”を、自分に出してあげるきっかけになれば嬉しいです。
