カメラを使い始めた時、私は写真が大嫌いだった
宮崎から大分に引っ越してきたばかりの頃、趣味がなかった私は休みの日を持て余していた。
当時は結婚前の旦那と同棲を始めたてで、三交代勤務の旦那とは休みがあまり合わず、1人の日は大分の街へ買い物に出かける程度だった。
たまの休みが被ったときは2人でよくキャンプに出かけた。
キャンプに行った時はキャンプ場の自然や作ったご飯をスマホで撮ってインスタに載せて楽しんでいた。
そんな基本暇そうな私を見た旦那が誕生日にsony α7をプレゼントしてくれた。
そこからが私の写真生活の第一歩だった。
ずっとミラーレスカメラに憧れていたけれど、いざ手に取ると何を撮ればいいかわからない。
編集の仕方もどう設定を弄ればあのインスタでよく見る綺麗な写真になるのかさっぱりだった。
ミラーレスカメラはレンズを別で買わないといけないということを後で知って急いで中古カメラ屋に純正の単焦点レンズを買いに行った。
せっかく買い与えてくれたのでキャンプとか2人で出かける時は必ずカメラを持ち歩いてみた。
写真を撮る行為は楽しいけれど、撮れた写真はSNSで見かける憧れのあの人の写真とはほど遠いものだった。
そんな感じでモチベも上がらず、たまにしかカメラを構えない日々が2年ほど続いた。
あの時はプレゼントしてくれたからという理由でカメラを使っていたけれど、全然上達しない自分の撮る写真が大嫌いだった。
とある日、ネットの記事でSIGMA fpにフォクトレンダーのオールドレンズ NOKTON classic 40mm f1.4を付けている作例を見かけた。
このレンズを以降NOKTONと呼ぶ。
読んだ記事の写真はシャドウに少し癖のある感じと玉ボケが印象的だった。
このNOKTONはvmマウントだけど、調べてみるとアダプターを付ければEマウントのα7にも付けれるらしい。
アダプター込みで8万程度だった気がする。
当時の私は趣味にお金をかける感覚が分からず、8万がかなりの大金に思えた。
とにかく写真が上手くなりたかったその時は、必死にNOKTONの作例を探し、SC(シングルコート)かMC(マルチコート)のどちらにすればいいかを吟味しまくって、8万の買い物を失敗させまいとネット記事を漁りまくりようやくNOKTONを手に入れた。


NOKTONを手にして早々、とりあえず玉ボケを再現してみた。
ヌルッとした描写にシャドウに癖のある感じ、ネットで見ていた作例よりも想像以上に良さを感じた。
そこからは色んな風景で試してみるべく、色々なところにカメラを持ち出した。
地元宮崎にも連れて帰った。
カメラを通して地元を見るとここで生まれ育ったことが奇跡だと思えるくらい地元が美しく見えた。




単焦点レンズといえば50mm or 35mmみたいな論争がある。
私もその理論に踊らされてどちらのレンズも買ってみたけれど、正直どちらもしっくりきていなかった。
そんなときにNOKTONの40mmを使い始めたら、付かず離れずなこの距離感が私の撮る目線にはドンピシャにハマった。

春には桜をたくさん撮りに行った。
桜が満開になる1週間だけは医者もお墨付きの低血圧の自分を奮い立たせて早起きしてまで撮りに行った。




旅にも連れて行った。
時には一人、時には夫婦二人。
新婚旅行で行った北海道と山梨の写真をミニ冊子にしたら旦那がとても喜んでくれた。












カメラが楽しくなってきて一人旅という趣味が増えた。
九州しか知らない私をまだ見たことない場所へと写真が導いてくれた。
ある年の3月には写真好き御用達の広島にある尾道に一人で赴いたこともあった。





もちろん大分もたくさん撮った。
特にアウトドアと釣りにはたくさん連れ出した。
似たような構図になってしまおうが自然なんてなんぼ撮ってもいいと思っている。
趣味で趣味を撮るという、幸せな休日が送れるようになった。









そして2台目となる新しいカメラを迎えた。
憧れのFUJIFILMのカラーでも変わらず満足できる写真が撮れるのか試してみたくなった。
決して今の手持ちに飽きたからとかではなく、写真という趣味をこのまま突き進めてもいいとNOKTONが気付かせてくれたから買えることができた一台だ。
実際は比較的性能のいいこのカメラを迎えた後でも、α7の方が出番が多かったりする。

NOKTONを使い始めてから半年くらいで構図やレタッチに自分のスタイルというものが身に付いていった。
自分のスタイルが身についてからは、写真を撮るという行為も、自分の撮る写真も好きになっていった。
自分が本当は写真が好きだということをこの一本のレンズが教えてくれたのだ。

