Unicodeとアブストラクトゲーム(1)
この記事はアブストラクトゲーム Advent Calendar 2025の1日目の記事として書かれました。
はい、どうも。
珍ぬと申します。
6年半近く、noteでボードゲームやパズル関連の記事をかれこれのらくら400本オーバー書いています。
2022年から毎年続けて、4回目のアブストラクトゲーム Advent Calendarを立ち上げました。
今年も、挨拶使いまわしです。
Unicodeについて
一昨日、アドベントカレンダーの宣伝をした記事で触れましたが今年はUnicodeを軸にして書いていきます。
Unicodeを知らない方に大雑把に説明します。
いま、あなたはnoteの記事を読んでいるわけですがその記事は文字や記号の組み合わせになっています。
とりあえず、文字や記号の1つ1つをフォントと呼んでおきます。
このフォント、たとえば「あ」という字1つ取ってみても、明朝体やらゴシック体やら変体やら様々なデザインであらわしています。

とはいいつつも、どのPCやスマホの端末でも「あ」だとわかるように表示されないと困ります。
そのための方法として、1つ1つの文字や記号に番号などの特定のコードを付与して管理しやりとりします。
そのコードの付け方とつけた文字や記号をまとめて管理した規格というものはたくさんあります。
そのうちの1つとしてUnicode(ユニコード)があります。
※Unicodeで「あ」のコードは「U+3041」になります。
で、このUnicodeは「Unicodeコンソーシアム」という非営利団体によって運営管理されています。
1991年にバージョン1.0.0が発布され、おおよそ1年前後に新たな文字や記号が追加されるなどの更新を重ね、2025年時点での最新バージョンは17.0.0になります。
新たなボードゲームの記号
さて、Unicodeとボードゲームにどんな関係があるんじゃ、という話ですが、いくつかのゲームが採用されて、それらの記号がコード化されています。
たとえば、珍ぬがはじめてAdvent Calendarに参加した記事のサムネイルで、組み上げたドミノタイルは、Unicodeでエンコードされている記号だったりします。


U+1F030からU+1F09Fの範囲。
ドミノタイルは2008年のUnicode5.1.0で登録されています。
で、実は最新バージョンの17.0.0にて、新たにボードゲームにまつわる記号が登録されました。
それがこちらの4つ、

です!
……って、あれ?
珍ぬのPCでは表示されません。
おそらく、今使用しているフォントではまだつくられていない(※端末やフォントによって表示の仕方は異なります)からです。
あらためて。
こちらの4つです。

何?これ?
チェスの先祖とも言われる
シャトランジの駒です。
丸に✕が描かれている駒はフィルズ、象の頭の駒はフィールと呼ばれます。
2023年12月22日に、書類L2/20-24「Unicode request for shatranj symbols(和訳:シャトランジ記号のUnicodeリクエスト)」が申請されて承認となりました。
シャトランジで使われる駒は他にもありますが、それらはすでにコード化されているチェスの駒(キング(♔)・ルーク(♖)・ナイト(♘)・ポーン(♙))を使います。
しかしですね、数年前からチェスの駒において困った事態になっているのです。
Emojiが出しゃばる
チェスの駒は1992年のUnicode1.1.0でコード化されています。

にチェスの駒がコード化されています
Unicodeのほぼ初期から使用できました。
チェスの駒の記号は、珍ぬも大変世話になりまして、たとえばデュシャンとチェスに関する記事でも、デュシャンが創作したプロブレム(詰めチェス)を描く際に使用しました。
しかしですね、実は困ったことが起きていたのです。
いざ入力したら、黒のポーン(U+265F)が他の駒とデザインが異なっているのです。
「お前は何を言っているのか?上のUnicodeの表ではちゃんと白のポーンとおなじシルエットではないのか」
ええ、おっしゃる通りです。
ところがですね、(おそらくほとんどの)端末で表示しようとすると白と黒のポーンはこのようになります。

なんか……左の黒のポーンがスリムになってる……というか、ぜんぜん違う!
この記号、なにかというと
チェスのEmoji(絵文字)
です。
2018年のUnicode11.0.0で登場しました。
2017年10月4日にJuber Moulvi Abdul(ジュベル・モウルヴィ・アブドゥル)さんが書類L2/18-018「Chess Emoji Submission(和訳:チェスの絵文字の提案)」を提出したのが機縁です。
で、現在。
黒のポーン(U+265F)は、Unicode1.1.0のテキストスタイルと、Unicode11.0.0の絵文字スタイルの2種類が存在します。
Unicodeには、それぞれ使い分け用の制御文字が用意されていて、
・Unicode1.1.0のテキストスタイル:U+265F U+FE0E
・Unicode11.0.0の絵文字スタイル:U+265F U+FE0F
と、後ろに1文字追加します。
で、使用しているPCやスマホのOSによって、U+265Fだけの場合にテキストで出すか絵文字で出すかは、OS次第です。
……なんてこったい。
で、珍ぬの端末はChromeBookなので、ChromeOS。
黒のポーンは絵文字なのです。
そんなわけで、デュシャンの記事を書いているときは慌てましたよ。
結局どうやってやり過ごしたかというと、

しかしですね。
今回の記事を書いている最中に、ポーンを書いたり消したりしているうちに

おそらく何かのきっかけで制御文字U+FE0Eが加わったのかも知れませんが、よくわかりません。
とりあえず、テキストスタイルの黒ポーンは左側に白く立体感を出していたんですね。
へぇ。
締め
ということで、Unicodeに新しく登場したシャトランジとチェスの黒ポーンについてふれてみました。
そんな感じで今年のアドベントカレンダーの珍ぬは、Unicode関連メインになりますがよろしくお願いします。
次の予定は12月3日でEVOQ STUDIOさんになります。
2日は空いているので、割り込み飛び込み大歓迎でございます。
では。
