先輩さんと後輩くんは、アマリリスの前で結ばれました
自分は今、何の為に生きているんだろう、、、
通勤時間の満員電車で、吊り革に掴まりながらふと思った。
鉄橋の下で楽しそうに笑いながら走っている
制服姿の子たちを眺めながら、
昔は自分も、、、
などと回想に浸って、胸が締め付けられていく。
あの頃は全てが楽しくて、これからのことを考えるのにワクワクしていた。
部活も、なんで続いたか分からないバスケ部を続けて、全国大会に出られたワケじゃないけど、試合に出ていた時の緊張感や、試合に勝ったあとの多幸感は、今でも忘れられない。
大学受験だって1番入りたかった大学に入れて、芸術科に入学ことが出来た。
いつからだろう、、、
自分が求めていた道から遠ざかってしまったのは、、、
いつの間にか、周りに立つ死んだ目をしてスマホをずっと見続けるサラリーマンと同じ顔を自分もしていた。
本当はこんなの失礼で、もしかしたら仕事が終われば大好きな家族や恋人が待っている人もこの中にはいるかもしれない。
そう思うことで、毎朝に無理矢理このマイナス思考の回線を断ち切って、会社の最寄り駅で電車を降りた。
?:おはよう、池田さん。
瑛紗:おはようございます。
オフィスに入り、同僚から挨拶をされ軽く返して自分のデスクにつく。
気づけば、この場所にいることに抵抗を感じなくなっていた。
そう思えば今の方がマシかもしれない。
いや、あの頃の方が良かったのかな、、、
大学3年の春、、、、
芸術の道をこのまま突き進むか悩み、両親に相談したことがあった。
2人は私の瞳を優しく見つめて、
父:瑛紗がやりたいことをやれば良いよ。
母:大丈夫よ、今までもちゃんと自分で決めてやってきたんだし。
悩んでいる私を察して、背中を押してくれるような言葉をかけてくれた。
でも私は、大学を卒業して会社に就職する道を選んだ。
本当は嫌だった。
けどこのままだと、いつも応援してくれた大好きな2人にいつまでも甘えちゃう、、、
社会に出ていくべきだ。
芸術の道なら、いつでも始められるでしょ?
そう自分に何度も言い聞かせて、何社も面接に行って、落ちる度に自己分析をしまくり、ESを修正していってを繰り返して、大学4年の冬ギリギリで内定を獲得した。
入社してから、沢山叱られた。
資料が間違っているとか、数値が合っていないとか、テーマから逸れているとか、、、
ミーティング前に上司に怒鳴られ、ミーティングが終わる度にトイレに逃げ込んで泣いていた。
けどこれで退職なんてしたくなかった。
入ったこの会社で、もっと業界のことを知りたいし、理解したかった。
辛い気持ちになっているのは事実だけど、
中途半端に辞めるのは、
自分の中で1番許せなかった。
それから、自分で先輩たちに直接聞きにいって、過去に提案したプロジェクトのパワポを見せてもらったり、どんな意図でプロジェクトを考えたのか聞いたり、ライバル会社のリサーチをしたり、、、
自分に足りないものを身につける為に、退社した後も家でPCを開き作業していた。
入社してから半年後、、、
上司から1件のプロジェクトの為の企画作成を任された。
結果は大成功で、その期間の売り上げに多大な貢献をしたことで賞をもらった。
諦めないで良かったと、その時は思えた。
自分が決めた道を進むことに自信が持てた。
これからに希望が持てた。
なのに気づいたら、何も変わらない毎日を過ごすようになっていた、、、
企画を提案するのは次の代に任されるようになり、私は今現用のシステムなどの運用、保守を任されるようになった。
確かに初めは面白かった。
エンジニア部門の先輩方が作ったシステムがどんな風に動いて世の中に使われているか実感できたし、それを維持することに意味を見出せていた。
勿論、今だって仕事する意味は感じている。
けど何かが違う、、、
そう思うようになってから、少しずつ毎日が空虚なものに感じ始めた。
そんな時だったね。
君に出会えたのは、、、
〇〇:初めまして!今日から配属されました山本〇〇です!
自己紹介が終わると、
?:なんか地味な子だね笑
周りからは、小馬鹿にしたような声が聞こえてくるが、私には初めから彼の澄んだ瞳が見えて羨ましく感じた。
あの頃の私と同じ目をしている。
そして、彼の教育係を私が引き受けることになった。
〇〇:は、初めまして、、、山本〇〇です。あ、あの、、、
瑛紗:ふふ、池田瑛紗だよ。宜しくね。
〇〇:よ、宜しく、お願いします!池田さん、、、
この初々しさがどこか愛おしく感じて、久々に楽しくなってきた。
〇〇:すいません、ここって、、、
瑛紗:あ!それはね、、、
熱心にメモを取ってくれるし、分からないところがあれば積極的に聞いてくれるから、教えるこちらとしては非常にありがたかった。
新人研修の初日を終えて、2人で一緒にオフィスを出た。
〇〇:すいません。今日は色々と教えて頂いて。
瑛紗:良いんだよ、初めなことばかりで大変だったでしょ?
〇〇:はい、、、あ、いや!こんなで大変とか言ってたら、この先危ぶまれすよね!?
瑛紗:そんなことないって笑
〇〇:池田さんだって、ご自分の仕事があるのに申し訳ないです。
瑛紗:大丈夫!今はそこまで忙しくないから。
〇〇:でも!無理はしないでください。
瑛紗:え?
〇〇:え?あ、、、あははは、僕が言えたタチじゃないですね笑
好青年
その言葉がぴったりな、初めて会社できた後輩くんだった。
チョン
〇〇:!?
瑛紗:優しいね、山本くん。

〇〇:へ?いや、、僕は何も、、、
瑛紗:また明日も宜しくね♪
〇〇:は、はい!
次の日から、会社で上の人たちに怒鳴られている山本くんを見る機会が増えた。
?:違う!これじゃ、何言ってるか分からないよ!
〇〇:すいません、、、資料を作り直します。
?:あと、あれやってくれた?
〇〇:ん?あ、すいません!失念していました。
?:ダメじゃないか!
時々、怒られ過ぎて心配になった。
私みたいに、トイレに引きこもっているんじゃないかって。
けど、山本くんはそうしなかった。
〇〇:すいません、ここって、、、
?:うんうん、そうだね。で、気をつけてほしいのが、、、
私以外の人にも、積極的に質問しに行ったり、
定時後に残って資料を見たりしていた。
瑛紗:何読んでるの?
〇〇:あ、池田さん。今は〜〜を見ていて、、、
瑛紗:あ、もしかしたら、、、
〇〇:え?
瑛紗:ちょっとマウス借りるね。
〇〇:どうぞ。
山本くんが知りたがっていることを察知して、見ていたのとは別の資料を探してきて、開く。
瑛紗:こっちの方が良いかも。
〇〇:ん、、、あ、これです!僕が知りたかったのは。
瑛紗:大丈夫そう?
〇〇:ありがとうございます!凄く助かりました。
瑛紗:ふふ、良かった。でも、働き過ぎて身体壊さないようにでね?
PCを閉じて電源コードを抜き、立ち上がった。
〇〇:今、この会社で頑張れているのは、、、
池田さんのおかげです。
瑛紗:え?
〇〇:この会社に入って沢山怒られてきて、辛かったときもあるけど、そんな時にいつも池田さんが声かけてくれて、それで、すっごく安心したんです。
瑛紗:山本くん、、、
〇〇:いつか、ご飯奢らせてください!
この子の為なら、頑張りたい。
今まで、誰かの為に何かをしようと思うことなんてなかった。
ただ必死に自分がしたいことに全力になるしか出来なかった。
そんな私に生まれて初めて、こんな感情を彼は芽生えさせた。

瑛紗:じゃあ、とびっきり美味しいの待ってるね?
〇〇:はい!
それからというもの、
?:よく出来てるじゃないか。
〇〇:ありがとうございます!あとついでにこの前頼まれたのも。
?:おお、あれもやってくれたのか!気が効くね〜
〇〇:いえいえ。
褒められている彼を見て、自分のことのように嬉しくなっていると、
?:池田だったよな、山本の教育係していたのは。
瑛紗:あ、は、はい!
?:やるじゃないか、あの弱そうだった奴をここまで育てるなんてな。
久々に上司から褒められた。
ある日、、、
瑛紗:最悪だ、、、
上司から頼まれていた仕事が大量に残っていた。
それに気づいたのが、夜8時のこと、、、
〇〇:大丈夫、ですか?
瑛紗:大丈夫じゃない、、、やるの忘れちゃってた、これ、、、
〇〇:あ、大丈夫ですよ!
瑛紗:へ?
山本くんのPC画面を見せてもらうと、私が上司に作成を頼まれていた筈の資料があった。
瑛紗:なんで、山本くんが⁉️
〇〇:いや、この前池田さんに頼まれていたので、作ってただけですよ?
瑛紗:そ、そうだったけ?
〇〇:疲れてるんですよ、きっと。
瑛紗:うう、なんか申し訳ない、、、
〇〇:いえいえ。あ、でも、、、ミスしているところがあると思うので、チェックをお願いします。
瑛紗:うん、了解!
山本くんの作成したエクセルの資料を開き確認すると、以前とは比べ物にならないくらいデータが整然とされていて、説明も非常に分かりやすくなっていた。
瑛紗:チェック終わったよ!
〇〇:大丈夫でしたか?
瑛紗:バッチリ!もう直す必要ないくらい。
〇〇:良かったです、、、
瑛紗:本当助かったよ、、、あれこれから全部やるのかと思ってたから、、、
〇〇:でも、土台は池田さん既に作ってくれてましたよ?
瑛紗:いやそれは嘘だ笑
〇〇:いや、ほら。編集履歴に名前が、、、
瑛紗:ふえ???
きゅるるる〜
盛大に恥ずかしい音が響き渡った、、、
瑛紗:(うぐ、、、なんで鳴るのよ、、、汗)
〇〇:池田さん?
瑛紗:ほ、ほい‼️何⁉️
〇〇:折角ですし、ご飯食べに行きますか!
瑛紗:はい‼️
恥ずかしさを掻き消したいが故に、いつもは出さないテンションで、一緒にオフィスを出て近くの居酒屋に向かった。
運ばれてきたジョッキのビールを乾杯して、2人で飲んだ。
瑛紗:ぷはぁーーッ❗️
〇〇:くーーッ❗️
瑛紗:沁みるね〜〜やっぱ、仕事終わりのビールは。
〇〇:いや〜〜、最高っす。
瑛紗:ん〜よし!どんどん頼んでこ!
〇〇:ですね!じゃあ、、、
アルコールでスイッチが入ったのか、タッチパネルで料理を選んで注文の指が止まらなくなった。
瑛紗:おいひぃ〜!

〇〇:ん!うまっ!
餃子の肉汁と具が絶妙な配合で、これにビールなんて、なんて最高なんだ、、、
瑛紗:でさ、あの上司がもう腹立つのよ!笑
〇〇:あー、前に自分もやられました!やられました!
瑛紗:うお〜、仲間発見!
〇〇:もういつかパンチかましてやりたくて!笑
瑛紗:良いよ〜、やっちゃえ〜!笑
次から次へと料理が運ばれて、口にする度に疲れた身体がどんどん癒されてテンションが更に上がり、それにアルコールが加わり、会社への本音を2人で曝け出しあった。
瑛紗:んにゃ〜、次はどょこ〜??
〇〇:帰りますよ、瑛紗さん?
瑛紗:えー、帰っちゃうの〜〜?
〇〇:そーですよ、もう僕ら飲み過ぎたんで。
瑛紗:んへへへ、まにゃまにゃいけるよ〜笑
〇〇:説得力ゼロです。
帰り道〇〇くんに肩を貸してもらい、眠気に襲われながら涼しい風に当たったせいで、だんだんと意識が遠のいていく。
〇〇:〜〜さん、、、
瑛紗:ん、、、
〇〇:瑛紗さん?
気がつくと、カフェのテーブルに自分が伏せて座っていて、目の前に〇〇くんがいた。
瑛紗:あれ、、、さっきまで居酒屋に、、、
〇〇:ふふ、夢見てたんですね。笑
〇〇:さっきまで〜〜のイベントに2人で行ってましたよ?
瑛紗:ふえ??
まだ話したことない筈なのに、私が好きなアニメの名前が〇〇くんの口から出てきた。
いや、話したことがあったかもしれない、、、
というか、今日それで2人で出かけていたことも忘れてるなんて、、、
瑛紗:本当にごめんね、、、寝ぼけてて、、、
〇〇:いえいえ。
瑛紗:変な顔して寝てたよね、、、汗
〇〇:いやまさか、逆ですよ。
〇〇:天使でしたよ?
瑛紗:⁉️
お世辞でも恥ずかしいのに、本音で言われてるのが分かり、余計に顔が熱くなってしまった。
ふと、窓際に花が一輪飾れていたのが見えた。

アマリリス
そんな名前だったけ、、、
その真っ赤な美しさに見惚れていると、、、
〇〇:瑛紗さん、あの、、、
瑛紗:ん?どうしたの?
〇〇:大事な話があって、、、聞いてくれますか?
瑛紗:うん、もちろん。
〇〇:今日こうして瑛紗さんと一緒に過ごせて、凄く楽しかったんです。何してても瑛紗さんがずっと笑ってて、幸せそうで、僕はそれが嬉しかったです。
瑛紗:ふふ、ありがとう。
〇〇:普段も仕事で助けてくださって、本当に感謝していて、瑛紗さんの為ならなんだって頑張れる気がして。
瑛紗:〇〇くん、、、
〇〇:その、、、僕は、、、瑛紗さんのことが、、、
瑛紗:❗️
気がつくと、布団の上で毛布に包まっていた。
服はいつものスーツ姿で、けど隣には〇〇くんの寝顔があった。
瑛紗:(へ、わ、私、、、〇〇くんの家に⁉️)
瑛紗:(てか、可愛い過ぎる、、、こ、こんなの見ちゃってい、良いんですか⁉️)
1人、ヲタクみたいな反応してはしゃいでいた。
〇〇:、、、ん?
瑛紗:あ、ごめん!寝てたよね?
〇〇:ん、大丈夫ですよ〜〜
〇〇:ふあ〜〜、おはようございます。
瑛紗:お、おはよう。
〇〇:ん、ご飯作りますね。ちょっと、待ってて、、、
先に起き上がって、〇〇くんが部屋を出ようとし
た。
瑛紗:ごめんね!昨日、私が酔い潰れちゃったから、、、
〇〇:ふふ、全然。いつもお世話になってますもん、瑛紗さんに。
〇〇:昨日楽しかったですよ、一緒に。
瑛紗:う、うん!私も。美味しかったし、色々話せたし。
〇〇:じゃあ、ご飯作りに、、、
瑛紗:手伝うよ。
〇〇:あ、大丈夫ですよ。ゆっくりしてくださって。
瑛紗:でも、、、あっ。
〇〇:ん?
瑛紗:一緒に手伝わせて。
瑛紗:これ、業務命令だから。
〇〇:じゃあ〜、逆らえませんね笑
瑛紗:ふふ笑

2人で作って用意したのは、白米、味噌汁に焼き魚と、朝ごはんらしくないかもしれないが、どこか落ち着けるメニューで、いつも沢山食べる私でも好きになりそうだった。
瑛紗:〇〇くん、料理上手なんだね。
〇〇:そんなことないですって。ただ野菜切って、魚焼いただけですよ〜簡単ですよ笑
瑛紗:そう言えちゃう〇〇くんが羨ましいよ笑
〇〇:でも、瑛紗さんは仕事が早くて、僕はそれが羨ましいですけどね。
瑛紗:そう?今はそんな差ないと思うけどな〜
〇〇:いやそんな訳ないじゃないですか笑
2人でこんな長い時間一緒にいた事なんてないのに、何故だろう、、、
一緒にいるだけで、何故か懐かしくなる、、、
遠い昔に、ずっと会っていたかのように、、、
瑛紗:ありがとうね、〇〇くん。家に泊めさせてもらった上に朝ごはんも。
〇〇:いえいえ。こんな狭い部屋ですいませんでした。
瑛紗:全然!寛がせて頂いたし。
玄関まで見送ってもらい、2人で手を振り合って別れた。
家に帰り、シャワーを浴びて普段着になり、居間でゴロついた。
どこか虚しさが込み上げてきた。
寝よう。
そうすれば、きっと気持ちをリフレッシュできるだろう。
そう願って瞼を閉じたが、、、
瑛紗:寝れない‼️
気づいたらスマホの画面を起動して、L○NEを開いていた。
〇〇くんのトーク画面と睨めっこをし続けて、、、
瑛紗:(な、なんて送ろう、、、さっきはありがとう、とか?いやいや、わざわざ言う必要なくないか??うおお!どうしたら、、、)
(通知音)
画面を見つめ、目が見開いた。
〇L:今日って、空いてますか?
返信してすぐ支度し、胸を躍らせながら待ち合わせの駅に向かった。
〇〇:急に呼び出して、すいません。
瑛紗:そ、そうね、、、びっくりした。
〇〇:あの、、、その、、、ここに行きません?
瑛紗:へ?
〇〇くんが見せてきたスマホの画面には、私の大好きだったアニメのキャラたちが映っていた。
〇〇:前に好きって言ってたのを思い出して、、、
〜〜1ヶ月前〜〜
ヒラッ
瑛紗:あっ。
〇〇:あっ。
瑛紗:ごめん、落とした。
〇〇:これ、池田さん描いたんですか?
瑛紗:!
瑛紗:そ、そう、、、
〇〇:めっちゃ上手いじゃないですか!
瑛紗:あ、ありがと、、、笑
〇〇:僕も好きなんです、そのアニメ。
会社で落とした落書きを見られて、〇〇くんも好きだということを知ったのを、今更思い出した。
瑛紗:うん!行こっ

ぎゅっ
歩き出そうとした瞬間、衝動で〇〇くんの手を握っていた。
ビクッ、ってしたのを感じて、チラッと見ると頬が赤かった。
見られないうちに目を逸らそうとしたけど、遅かった。
瑛紗・〇〇:‼️
反射的に外方をお互い向いたが、ちょっとずつ顔の向きを戻して様子を見合い、少しずつ口角が上がっていた。
瑛紗:あ!ねぇ、あのポーズ一緒にやろうよ!
〇〇:やりましょ!やりましょ!
瑛紗:えっと、こっちはこうで、、、
〇〇:こんな感じでどうです?
瑛紗:うん!バッチリ!
〇〇:で、写真は、、、
瑛紗:あっ、、、
スタッフ:お写真撮りましょうか?(ニコッ)
瑛紗・〇〇:あ、お願いします!
スタッフ:じゃ、いきますよ〜、はい!
パシャッ
2人が大好きなアニメのイベント会場に到着して、パネル前で写真を撮って、中に入っていった。
〇〇:うわははは、本物の〜〜じゃないですか!
瑛紗:んにゃ、私の〜〜だ〜♪
〇〇:違います、僕のです!
瑛紗:違うもーん、私のです〜

〇〇:にゃ!ズルいです!笑
瑛紗:んへへへ〜〜笑
会場まで歩いている時の緊張感は嘘みたいに消えてて、気づいたら2人してはしゃいでいた。
瑛紗:あー、すっごく楽しかった‼️
〇〇:僕もです!久々にこんなに遊べて。
瑛紗:なんか、また観たくなったな〜
〇〇:ですね、これで5周目か。
瑛紗:え、やっぱり何回も観てた?
〇〇:はい、好きだったので。
瑛紗:わかるー!私も、7周はしてて笑
〇〇:7周!?ヤバい、追いつけないや、、、
瑛紗:いやいや、なんで追いつかなきゃいけないのよ?笑
瑛紗:わっ!
サッ
〇〇:大丈夫です?
瑛紗:う、うん、、、ごめんね。
躓いた私を支えようと肩と手を掴んで持ち上げてくれて、肌が一瞬触れ合い心臓の鼓動が激しくなった。
立ち上がった時、ふと道沿いに咲いている花に目がいく。
赤いアマリリス
〇〇:今日、本当にありがとうございます。一緒にいてくださって。
瑛紗:う、うん。
〇〇:僕、諦めていた夢があるんです。
瑛紗:え?
〇〇:アニメ好きだから、いつかアニメの仕事に関わりたいなって、、、でも、僕には絵を描く才能も無いし、話を書くことも出来ないし、なれる訳ないなって思って、、、笑
瑛紗:〇〇くん、、、
〇〇:でも今日、瑛紗さんと一緒にあそこに行って、久々に何も考えずに楽しめて、、、
〇〇:やっぱりアニメに関わる仕事したいなって、思っちゃって、、、
〇〇:え?
瑛紗:え?
瞼から頬に水滴が線を引く感触があった、、、
瑛紗:ご、ごめん、、、急に、、、
〇〇:あ、いえ、、、僕こそ急に、、、
瑛紗:なれるよ。〇〇くんなら!
〇〇:瑛紗さん、、、
瑛紗:だから、応援させて、、、
君の側で、、、
アマリリスの前で、唇と唇が重なった。
7年後、、、
ファン:いつも、てれぱん先生と〇〇先生の作品読んでます!
瑛紗:嬉しい!ありがとうございます♪
〇〇:ありがとうございます!
ファン:最新作、楽しみです‼️
サイン会が終わって、祝い花が飾ってあるスペースに2人で向かう。
〇〇:ね、この瑛紗、すっごく可愛いよ?
瑛紗:わ、すごい!上手‼️
瑛紗:あっ、あの〇〇の絵、なんか面白い!
〇〇:ぶっ、おい!僕のホクロいじってるだろ!笑
瑛紗:愛だよ、愛。〇〇せんせ〜笑

〇〇:愛がこもりすぎてるんですよ、てれぱんせんせ〜
瑛紗:皆んな凄いよね、今日の為に沢山準備してくれてて。
〇〇:そうね、ありがたいよね。
あれから、会社で次々企画を2人で成功させて、偶々アニメ関係の会社と取引をすることがあり、それから色んな縁があって、今は2人で活動する漫画家をしている。
私は絵を描いて、〇〇が話を書いて。
話を書く才能が無いって最初は言ってたのに、漫画家になる前に書いた作品を読ませてもらって、爆笑し過ぎたり、泣きまくったりしたんですが。
〇〇せんせ〜
瑛紗:そうだ、そろそろタイトル教えてよ。
〇〇:ん、ああ!良いよ。最新作のタイトルは、、、
耳元でささやかれた。
瑛紗:ふふ、面白そう♪

〇〇:でしょ?
そのタイトルは、
「普段は強面で凶暴な彼女は、僕には嘘みたいに優しい」
fin.
