普段は強面で凶暴な彼女は、僕の前では嘘みたいに優しい。 1話
雲一つない青々とした空の下で、、、
?:だ、か、ら、、、、、、
(殴打音)
瑛紗:覚えてるっつってんだろうがぁああああああああ‼️

(草木にダイブする音)
チンピラA:ぶほぉ⁉️
チンピラB:なら、早く金を渡、、、、
(殴打音)
チンピラB:ギャァアアアアアア⁉️
瑛紗:渡す訳、ねーだろうがぁああああああ‼️
朝の爽やかな雰囲気に似つかわしくない怒号が、通学路に響いていた。
(風を切る音)
〇〇:え?
(衝突音)
チンピラB:ぐぇ、、、、、
〇〇の前で、宙から飛んできたチンピラが地面に落下し、仰向けで泡を吹いて倒れていた。
〇〇:あっ、、、
瑛紗:あ、〇〇ーー!
チンピラの1人を空高く打ち上げた、学校の制服の上にパーカーを着た瑛紗が〇〇のもとへ駆け寄った。
瑛紗:えへへ、おはよ〇〇♪
〇〇:うん、おはよ、、、瑛紗。
〇〇:あ、この人、、、
瑛紗:あ〜、あんまりにもしつこいから〜〜、
お仕置きしちゃった☆

〇〇:ははは、そっか、、、
チンピラに下した制裁に似合わない甘々なボイスが飛んできて、〇〇は苦笑いした。
チンピラC:こいつ、ヤバくないか、、、??
チンピラD:だな、、、ここは逃げるが、、、
残っていたチンピラ2人が背を向けて、この場から退散しようとした瞬間、
(風を切る音)
チンピラC・D:え、、、??
瑛紗:忘れものだ。
(衝突音)
倒れていたチンピラAとBがチンピラCとDの方に飛んできて、4人はボウリングのピンの如く弾き飛ばされた。
〇〇:(ご愁傷様、、、あの人たち、、、)
瑛紗:ふ〜〜
(手を払う音)
瑛紗:一緒に行こ?〇〇。
〇〇:うん。
ぎゅっ
瑛紗:♪〜
どこにでもいそうな普通の青年と、
どこにでもいなそうな古めのヤンキーな格好の
少女。
2人が出会ったのは、半年前のことだった。
〜半年前〜
〇母:気をつけて行ってくるのよ〜
〇〇:は〜い。
〇母:あなた、本当にドがつくくらい運が無いんだから、、、
〇〇:大丈夫だって、学校行くだけなんだから笑
(家のドアに衝突する音)
〇〇:痛っ、、、
〇母:ほら、早速でてるじゃない、、、
〇〇:き、気をつけるから、、平気だって、、笑
その日、受験で合格した高校の始業式に野上〇〇は自転車に乗って向かっていた。
通学路を通ると自分と同じ制服を着ている子たちを見つけた〇〇はそれを頼りに進み、横断歩道のところで赤信号になり停車した。
犬:ワンッ!
飼い主:コラ!待ちなさい!
飼い主に繋がれていたチェーンが切れた犬が、道路に飛び出してしまった。
〇〇:!?
道路に飛び出した犬のもとに、車道から青い乗用車が一台迫っていた。
周囲にいた者たちが、誰もが最悪の事態を予想していたが、、、
(駆け出す音)
(車両の走行音)
犬:ワンッ!
〇〇:ダメだよ、飛び出したりしちゃ。
飼い主:ああ、ありがとうございます!
〇〇:いえ、、、怪我、無いみたいです。
飼い主:良かった、、、でも、あなたの服が、、
〇〇:あ、、、
道路に飛び出した犬を抱きかかえて前転した際に、〇〇の着ていたシャツとズボンが破れてしまったのだ、、、
担任:なんだね君‼️その格好は⁉️
〇〇:すいません、、、犬を助ける時につい転んじゃって、、、
担任:犬?何を嘘言ってるんだ⁉️
(クラスの嘲笑)
担任:まぁ良い、早く親御さんに新しく制服買って貰いなさい。
男子A:おい、お前それ買った服じゃねーだろ?
〇〇:え?
男子B:だってただ転んでそこまで破れるか?笑
男子C:中学の時のをそのまま使って、校章だけ入れたんだろ?笑
女子A:ねぇ、君?犬助けたって本当?
〇〇:え?うん、、、
女子B:え、マジ?どんな犬種?
〇〇:どんなって、普通の芝犬、、、かな。
(女子たちの嘲笑)
女子C:コイツやっば!笑
女子D:やっぱ、こういう陰キャって妄想もヤバいんだね笑
新しい学校のクラスの中に入って早々、皆んなして〇〇を笑いものにしていた。
ただ1人を除いて、、、
?:邪魔なんだけど、テメーら。
女子A:は?誰アンタ?
女子B:あ、分かった!池田って名前でしょ?
女子C:つーか、アンタもキショいファッションしてるわよね?
女子D:本当。昭和のヤンキーみたいな笑笑
瑛紗:煩いんだよ、群れることしか能無い野朗が。
女子A:口悪。行こ、皆んな。
一軍女子たちに絡まれていた〇〇のもとに来て、女子たちを追い払ったその名は、
池田瑛紗。
〇〇:あ、あの、、、
瑛紗:見てたよ野上くん、横断歩道で柴犬助けたの。
〇〇:え?

瑛紗:妄想じゃないって、知ってるから。
初対面で、ぶっきらぼうな感じだったが、
どこか優しさが感じられた。
〇〇:ふ〜、早く家に帰るか、、、
初めての高校1日目が終わって学校内の駐輪場スペースに停めていた自分の自転車に〇〇は乗り、家を目指した。が、、、
〇〇:あれ?道ここであっているっけ?
来た時の道順をスッカリ忘れてしまい、〇〇は焦っていた。
〇〇:い、こ、こっちでもない、、、
道に迷ってしまい途方に暮れていると、急な坂道に出くわした。
〇〇:こっちも違うな、、、
(金属の音)
〇〇:え?
呆気に取られているうちに、突然自転車のブレーキでネジが外れる音がし、自転車がそのまま坂道に向かって前進を始めた。
〇〇:ちょっ、ま、待ってぇええ⁉️
抗う術もなく、〇〇は坂道を急降下していく。
その先には、学ランを着ている男たちの集団が、、、
不良A:おい小娘、あんま調子に乗るな、、、
〇〇:避けてくださああああい‼️
不良B:へ?
(衝突音)
〇〇の自転車周辺には、〇〇と衝突して泡を吹いて倒れる不良男子たちが散らばっていた。
〇〇:うわ、、、やっちゃった、、、
?:の、野上くん?
〇〇:あ、、、
目の前には、朝学校で〇〇を庇ってくれた、制服の上にあのパーカーを着た彼女が立っていた。
〇〇:池田さん?で、でも、どうして、、、
瑛紗:あ、あぁ、、、そのウザい連中に絡まれて、、、
〇〇:そ、そうだったん、、、あ!怪我ない?
瑛紗:あ、うん、、、大丈夫、だよ。
ぎゅっ
〇〇:へ?
瑛紗:か、カッコよかった、、、
瑛紗:さ、さっきの突進、、、
〇〇:池田、さん?
瑛紗:ぴ、ピンチの乙女を助けに来たみたいで、、、

風貌と学校での言動からは想像つかないくらい
赤面になっていた瑛紗。
そんな瑛紗の様子に、内心ドキッとした〇〇だった。
〜2話に続く〜
