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36. 一か月の旅、最後の日


熊本ひと月生活 - 【第4部】ゆるやかな日々


ついに明日は帰国。
今日は熊本での生活、最後の日です。
2024年に出発して、2025年に帰る。
年末年始をまたいだ一か月の旅でした。

今夜6時にはBar KiKiのアイさんと約束があります。
それなら、お昼はどうしようかな。

子飼商店街のイタリアンレストラン「fasola」

まずはランチを。
家の前の子飼商店街にあるイタリアン「fasola」でランチセットを食べることにしました。
スーパーに行くたびに気になっていたお店ですが、
なかなか入る機会がなく、最後の日にようやく訪れました。

fasola……ドレミファソラシドの“ファソラ”でしょうか?

小さな店だけど、雰囲気がいい。若い夫婦がやさしく迎えてくれる。

外から見る印象と中の雰囲気は少しちがいました。
通りすがりに見ていたときは気軽な食堂のように思っていたけれど、
入ってみるとずっと本格的な雰囲気。

厨房の鉄フライパンやステンレス鍋、
隅に置かれたマルコニックのグラインダーを見て、
ちょっと期待が高まりました。

ランチセットは2種類のパスタから選ぶスタイル。
壁の黒板を指して「こちらからどうぞ」と言われたけど、
カタカナのイタリア語はさっぱりわかりません。

「おすすめでお願いします」と伝えると、
トマトソースのスパゲッティをすすめてくれました。

思っていたよりずっと本格的なサラダプレート

最初に出てきたのはサラダプレート。
正直、ただの野菜サラダを想像していたのですが……
おや?これはかなり好みのタイプ。

やわらかいバゲットにぬられたパテは、
肉の香りがしっかりして濃厚。
スペイン産の生ハムはクセがなく香ばしい。
キャロットラペとキャベツラペ(たぶん)も、
新鮮で歯ごたえがちょうどよくて美味しい。

それならワインも一杯

こんなサラダプレートを前にして、
ワインを飲まないわけにはいきません。

グラスで白を一杯お願いしました。
南フランス・ラングドック地方のリースリングブレンドとのこと。
Mas Vres Stella。
値段も手頃で、さっぱりしていて飲みやすい。
セレクトがいいですね。

トマトソースだけど、今まで食べたのとはまったく違うパスタ

サラダの食べ終わるタイミングを見計らって、
ちょうどのタイミングでパスタが登場。

自家製のミートボール入りトマトソーススパゲッティ。
でも一般的なトマトソースとは全然ちがう。
ソースは控えめで、むしろ肉の旨みが強く感じられるタイプ。
ちょっと驚きました。

パスタに合わせて赤ワインも一杯

せっかくなので赤ワインも。
今回はイタリア・ランゲのネッビオーロ。
「温度が少し低くてすみません」と言われたけれど、
確かに冷たかったけど、ちょうど飲みやすい温度でした。

軽く香るベリーの香りと酸味。
やっぱりネッビオーロ、好きです。

エチオピア・ナチュラル。アイスで飲んだのが惜しいくらい。

食後のコーヒーは最初の注文時に頼んでおきました。
豆は3種類から選べて、エチオピアをチョイス。

マルコニックでその場で挽いて、ハンドドリップ。
そうと知っていたら、アイスじゃなくホットにしたのに。

でも、冷たくても香り高くて美味しかった。
ご主人は料理を、奥さまはコーヒーとワインを担当。
若い夫婦が丁寧に営む、いいお店でした。

もう少し早く知っていたら、夜にワインを飲みに来たかったな。

子飼商店街。毎日通ったスーパーのある通り。

店を出ると、いつもの子飼商店街。
この風景も今日で最後かと思うと、つい写真を一枚。

あの行列ができている店は「から王の唐揚げ」。
100g単位で売っていて、たしか180円くらい。
安くて美味しいので、ランチタイムはいつも長い列ができます。

熊本城の北側。どこか上品な住宅街。

ランチのあと何をしようか考えたけど、特に思いつかず。
今日も二の丸広場へ歩きます。

歩いていると、個性的な住宅がたくさん。
最後の日だからか、見慣れた景色も新鮮に見えます。
つい写真を撮りたくなります。

広く静かな二の丸広場

真夏ならこの広場は青い芝でいっぱいになるのかな。
真冬なのに緑の木が多いのが印象的です。

日本では常緑樹というと松を思い浮かべるけど、
熊本の常緑樹は針葉樹ではなく広葉樹みたいです。

いつものベンチで、少しずつ違う風景。

いつものベンチに座って、のんびり景色を眺めます。
何度も書いているけれど、やっぱり「ここがいちばん熊本らしい風景」。

だから、この雰囲気をしっかり心に刻むために、
この数日は何度もここに通っていました。

真冬でも緑の木々に包まれた広場。
遠くに見える天守閣(の写真…)。
ゆっくり歩く人、走る人。
キャッチボールをする家族。
よちよち歩きの子どもと、それを優しく見守るおばあちゃん。

加藤神社。天守閣の写真を撮れるスポット。

約束まで時間はあるけど、
宿に戻って荷物を少しまとめておきます。
今夜はお酒を飲むだろうし、もし酔ってしまったら荷造りできませんからね。

帰り道、急にトイレに行きたくなって加藤神社へ。
今は天守閣に入れないけど、
ここには天守閣を正面から撮れる唯一のスポットがあります。

社務所の前に並ぶダルマくまモンと将軍くまモン

あれ?こんなのあったっけ?
社務所の前に並んだくまモンたちが目に入りました。
ダルマ型のくまモンは初めて見た気がします。
そして加藤清正の甲冑を着た「将軍くまモン」も堂々と立っていました。

家の前。路地。碩台小学校。駐車場。ゴミ置き場。思い出。

八幡宮を通って家に戻る道。
毎日歩いた道だけど、今日は写真に残しておこうと思いました。

熊本市立碩台小学校。家のすぐ前にある学校です。
下校する子どもたちをよく見かけました。
学校の横には駐車場とゴミ置き場。
電柱が並ぶ路地を曲がれば、もう宿です。

熊本でいちばん有名かもしれない店「ビアホールMAN」

宿に戻って荷物を7割ほどまとめました。
明日の朝使うものもあるので、今夜はここまで。

今夜はKiKiのアイさんとディナー。
何を食べたいか聞かれて「おまかせで」と答えたら、
アイさんおすすめの店を予約してくれていました。

「ビアホールMAN」。
熊本でいちばん有名な店かもしれません。

有名な理由は、91歳の村田社長

この店が有名なのは、何よりも店主の村田さんのおかげ。
今年で91歳。声が大きくて、お酒も強い。

乾杯のたびに店全体が鳴り響くような声で「カンパーイ!」
写真は、私たちのためにマジックを披露してくれているところ。
ハサミで切ったはずの紐が、ほんとに元どおりになりました!

村田さんが自ら作ったフィギュアたち

昨年の90歳の誕生日には、なんと250人がホテルに集まって祝ったそうです。
まさに熊本の祭り。
プロレスの特設リングまで作って、本格的なショーをしたとか。
その映像も見せてくれました。

名刺を見ると、村田さんは毎日ではなく金曜日だけ出勤とのこと。
今日は金曜日。
だからアイさんはこの日を選んでくれたのかもしれません。

長ねぎたっぷりの馬肉炒め

最初の一品は馬肉炒め。
細かく切った馬肉を長ねぎと一緒に炒めたもの。

馬肉には少し抵抗があったけど、
今回の旅で何度も食べることになりました。
どれも美味しかったです。

以前、溝俣さんと一緒に食べた馬刺しも悪くなかった。
今日の炒めも臭みがなく柔らかい。
次はもう少しいい部位を焼いてみたいと思いました。

イカ焼き
サービスでもらったキムチ
ソーセージ焼き

イカ焼きとソーセージも。
ここは“レストラン”というより“ビアホール”。
つまみでお腹を満たします。

「韓国から来ました」と話したら、
なんとサービスでキムチを出してくれました。
明日帰国してたくさん食べる予定なのに(笑)

写真に写っているフィギュアは、
すべて村田さんの手作りだそうです。
ユーモアがあって、とてもチャーミングな方。
まさに熊本の名物です。

エレベーターで1階に降りても、4階から手を振ってくれる村田さん

店を出て、向かいの建物にあるKiKiへ移動。
村田さんは店の前まで見送りに来てくれて、
1階に降りてもまだ4階から手を振っていました。

さらに、私たちが向かいのビルに入って窓から見えたときも、
ずっと手を振ってくれていて……感動しました。
こんな見送りは初めてです。

最後の夜は、写真より会話。

2軒目はアイさんと一緒にKiKiへ。
こういうのを“同伴出勤”って言うのかな(笑)

ダッソや焼酎を飲みながら、熊本最後の夜を過ごします。

このすべての縁の始まりは、Bar ICOCA。
あの日、溝俣さんに出会ったことがすべてのきっかけでした。

帰る前にお礼を言いたくて、ICOCAに立ち寄り、一杯だけ。

金曜と土曜は深夜まで営業する赤組ラーメン

今日は金曜日。
赤組は週末だけ深夜営業。
だから最後の夜の〆も赤組で決まり。

夢の組み合わせ。味玉ラーメン(かた)+焼酎+餃子

ついに実現。
味玉ラーメン、焼き餃子、そして焼酎。

焼酎を一口、スープを一口。
これが最高。

そして今日は初めて勇気を出して聞いてみました。
「かためんでできますか?」と。
OKとの返事!

ラーメンの満足度がぐんと上がりました。
もっと早く聞けばよかった(笑)

帰り道、コンビニで肉まんとピザまんを買って、
すぐ食べて、ベッドにごろん。

はい、最後の夜です。
最後の夜。
そして、明日、帰国します。


韓国のおじさん、zzoosでした。