対象読者: AWSをこれから触る人。
「AWSとは何か」を、サービス名の暗記でなく“何が組めるか”から説明する、AWS入門シリーズの入口(索引)です。読み終わりに何が作れるようになるかを先に見せて、そこへ行く順番と各記事のリンクを置いています。
このシリーズを読み終えると、これが組める

シリーズの到達点(筆者作成)。写真をアップロードすると通知メールが届く、というだけの小さなアプリですが、AWSの入門で出てくる主要サービスが全部1回ずつ登場します。
各記事はこの図の一部分ずつを担当しています。読む前にこの図を開いておいてください。いま自分がどの箱をやっているかが分かるだけで、途中で迷子になる回数がだいぶ減ります。
アプリの流れは6ステップです。
- ユーザーがスマホやPCから写真をアップロードする
- EC2(受付サーバー)が受け付けて、S3(写真置き場)に保存する
- 「新しい写真が来た」という知らせをSQS(待ち行列)に入れる
- Lambda(処理係)が待ち行列から取り出して、ファイル名や時刻を読み取る
- SNS(通知)に「完了した」と知らせる
- SNSがメールを送る
この流れの「誰が何をしていいか」をIAMが決めていて、EC2はVPC(自分専用のネットワーク)の中に置かれています。
AWSとは何か
Amazon Web Services(AWS)は、Amazonが2006年に始めたクラウドサービスです。
サーバーやファイル置き場やデータベースを、自分で機材を買わずにインターネット経由で借りる仕組みです。使った分だけ払う。このシリーズで触るものは全部この上に乗っています。
| 自分でサーバーを持つ | 必要なときだけ借りる(クラウド) |
|---|---|
| 高い初期費用がかかる | 必要な分だけ使える |
| 使っていなくても維持費がかかる | 使っていない分は料金がかからない |
| 故障や管理は自分で対応 | 管理はAWSがやってくれる |
サービスは200種類以上ありますが、入門で触るのは上の図に出てくる7つです。この7つで上のアプリが組めます。残りは必要になったときに調べれば足ります。
学ぶ順と記事一覧
上から順に読んでください。飛ばすと詰まります。IAMが無いと何も動かない。S3が無いとEC2で置き場所がない。VPCが分からないとEC2に繋がらない。この順に前のものが後ろの前提になっています。
| 順 | サービス | 図の中の役割 | 読む+試す時間 | 読み終わりにできること | 記事 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | IAM | 誰が何をしていいかを決める | 約10分+試す15分 | 「ユーザー」と「ロール」の違いを自分の言葉で言える。最小権限の意味が分かる | 【図解】AWS IAMとは |
| 2 | S3 | 写真を置く倉庫 | 約10分+試す15分 | バケットを作って、ファイルを置いて、一覧して、取り出して、消す、の5操作ができる | 【図解】AWS S3とは |
| 3 | EC2 | アップロードを受け付けるサーバー | 約15分+試す30分 | 「SSHで入れない」「S3が読めない」の原因を3方向(SG/キーペア/IAMロール)で切り分けられる | 【図解】AWS EC2とは |
| 4 | VPC | EC2を置く自分専用のネットワーク | 約10分+試す20分 | 「サーバーは動いているのに外から繋がらない」原因を、ルートテーブルとセキュリティグループの2箇所で探せる | 【図解】AWS VPCとは |
| 5 | SQS | 処理待ちを並べる待ち行列 | 約10分+試す10分 | 「受信しても消えない」理由と、削除が自分の責任であることが分かる | 【図解】AWS SQSとは |
| 6 | SNS | 完了を通知する | 約10分+試す10分 | SQSとの違い(配る放送と受ける番号札)を説明できる。SNS→SQSのファンアウトが組める | 【図解】AWS SNSとSQSの違い |
| 7 | Lambda | 写真の情報を処理する | 約10分+試す10分 | 「サーバーレスの正体」を説明できる。関数を作って設定を変えられる。EC2との使い分けが言える | 【図解】AWS Lambdaとは |
| 8 | RDS | データベースの管理人付き賃貸 | 約10分+試す15分 | EC2に自分でDBを入れる場合との違いが言える。「止めたのに請求が来る」理由(7日自動再開)が分かる | 【図解】AWS RDSとは |
所要時間は記事の字数と、本文のコードを一通り実行する時間から出した目安です。「試す」はAWSアカウント無しでも動く方法(後述)を含みます。
各段階で何ができるようになるか
全部読まないと何も作れない、ではありません。途中でも形になります。
- 1(IAM)まで: 安全に触る準備ができる。ルートユーザーを封印して、作業用のユーザーで作業できる
- 2(S3)まで: 写真置き場ができる。手元のファイルをAWSに置いて、取り出せる
- 3〜4(EC2・VPC)まで: 受付サーバーが立つ。外からアクセスできるサーバーを1台、自分のネットワークの中に置ける。ここまでで「写真をアップロードしてS3に保存する」までは組める
- 5〜6(SQS・SNS)まで: 通知の仕組みができる。「保存したら知らせる」が繋がる
- 7(Lambda)まで: 完成。サーバーを置かずに処理を挟めるようになる。7サービス全部の記事が揃いました
コードを動かす前提
シリーズの各記事にはPython(boto3)のコードがあります。動かし方は2通りで、どちらでも同じコードが動きます。
A. AWSアカウント無しで試す(おすすめ。課金ゼロ)
pip install boto3 moto
from moto import mock_aws
@mock_aws
def main():
... # ここに記事のコードをそのまま貼る
motoはAWSの動きを手元で真似するライブラリです。各記事の「実際に叩くと止まるところ」の表は、このmotoで実測しています。
B. 本物のAWSで試す
アカウントを作った直後にやる手順(ルートユーザーのMFA、作業用IAMユーザー、aws configure)は1記事目のIAMにまとめています。これをやらないと2記事目以降のコードは認証エラーで止まります。
この先にあるもの
入門の7つの先には、データベース(RDSは8として公開済み、次はDynamoDB)、監視(CloudWatch)、インフラのコード化(CloudFormation)があります。このシリーズでも順に追加します。全体像を見ておきたい人向けに、分類ごとの地図を1枚置いておきます。

AWSサービス全体マップ(筆者作成)。入門で触る7つは左上の一角だけです。
リファレンス
- 公式サイト: AWS - Amazon Web Services
- 公式ドキュメント: AWS Documentation
- AWSブログ(日本語): AWS Japan Blog
