はじめに
Add-MailboxPermissionで共有メールボックスにフルアクセス権限を付与する際、以下のような警告が表示されたことはないでしょうか。
WARNING: 追加された代理人の一部が、Outlook で自動的に表示されないことがあります。Outlook は最初の 32 エントリのみ表示するように制限されています
一見エラーのように見えて焦りますが、実際は権限付与自体は正常に完了しています。この警告の意味と対処法を整理してみました。確認・回避策の具体的な手順は元記事にまとめています。
元記事: [【Microsoft365参考書】「Outlook は最初の 32 エントリのみ表示するように制限されています」という警告の意味は?]
この警告が出る条件
1人のユーザーに対して複数のメールボックスのフルアクセス権限を付与している場合に表示されます。
Outlookでは、フルアクセス権限を付与されたメールボックスがAutoMapping機能によって左ペインに自動表示されますが、この自動表示には32エントリまでという上限があります(代理ユーザーにアーカイブがある場合はそのユーザーで2エントリとしてカウント)。33エントリ目以降は自動表示されなくなる、というのがこの警告の意味です。
制限の対象はAdd-MailboxPermissionの**「User」パラメータで指定したユーザー**です。つまり「そのユーザーが何個のメールボックスにフルアクセス権を持っているか」の合計数が基準になります。
Add-MailboxPermission -Identity <メールボックス名> -User <ユーザー名> -AccessRights FullAccess
権限は正常に付与されている(重要)
誤解しやすいポイントですが、フルアクセス許可の権限自体は正常に付与されています。影響としては、「Outlookの左ペインに自動的に表示されない」だけであり、手動でメールボックスを追加すればアクセス自体は可能です。表示させる必要がなければ、そのまま放置しても実害はありません。
対象ユーザーが何エントリ保持しているか確認する
以下のコマンドで、特定ユーザーがフルアクセス権を持つメールボックスの一覧を取得できます。
Get-Mailbox -ResultSize Unlimited | Where-Object { (Get-MailboxPermission $_.Identity | Where-Object { $_.User -like "User@contoso.com" -and $_.AccessRights -contains "FullAccess" }) } | Select DisplayName,PrimarySmtpAddress | Export-Csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation -Path C:\Temp\FullAccessList.csv
出力されたCSVの行数が32を超えていれば、この警告が発生する状態にあると判断できます。
回避策:AutoMappingを無効にして手動で追加する
エントリ数が多い環境で運用する場合の現実的な対処は、AutoMappingを無効にした状態で権限を付与し、必要なメールボックスだけユーザー自身に手動追加してもらう方法です。
Add-MailboxPermission -Identity "対象メールボックスアドレス" -User "権限付与を行うユーザー" -AccessRights FullAccess -AutoMapping:$False
AutoMappingを無効にした後は、Outlookクライアント側で「アカウント設定」→「詳細設定」からメールボックスを個別追加する、あるいはOutlook on the Webの「共有フォルダーの追加」から追加する、という流れになります。
なお、多くのメールボックスを左ペインに自動表示させた状態で運用すると、Outlookクライアントの動作遅延につながる可能性がある点も踏まえると、エントリ数が多い管理者アカウントなどは最初からAutoMappingを無効にしておくのも一つの選択肢です。
おわりに
この警告は「エラー」ではなく「Outlookの表示上の制限」を伝えているだけなので、慌てて権限を再設定する必要はありません。ただし、共有メールボックスを多数管理するアカウントでは事前にAutoMappingを無効化しておくと運用がスムーズです。Outlook on the Webでの具体的な追加手順や関連するAutoMappingの仕様は元記事にまとめていますので、あわせてご覧ください。