ナゾテックの名前で模型・ジオラマ用のLED電飾コントローラーや配線済みチップLEDの販売などを行っている者です。
想定読者
模型などにLEDを組み込んで電飾してみたいけど電圧だの抵抗だの電流だのよく分からんし、どのくらいの明るさになるか試行錯誤するのも結構面倒だなぁ。
くらい思ってる人へ多少の参考になれば。
なお、ここに書かれていることの大半は誰かから教わった、いわば聞き齧りの内容を取りまとめたものです。
目次
経緯
やったこと
LEDに抵抗が必要な理由
使用した部品
測定回路
測定結果
3V電源の場合
5Vの場合
電流値が少なくても結構明るく光る
計算と合わないんだけど??
経緯
経緯というほどのことでもないですが、LEDに接続する抵抗ってどのくらいが良いの?とか、抵抗や電源でどのくらいの明るさになるの?というのって色々試してみないと分からないけど、そんなに部品を色々揃えるのも面倒だし誰か試してよ、って思ってる人がいるんじゃないかなと思って書いてみました。
やったこと
白の1608チップLEDを使って、電源との間にさまざまな抵抗値の抵抗を挟んで消費電流の計測と明るさの測定、模型に組み込んだ場合の実際の見た目の撮影を行いました。
電源は3Vと5Vの2種類、抵抗値は26種類で計測しています。
明るさの計測はスマホのアプリでカメラ画像から測定するものを使用。とは言ってもそれほど精度の高いものではないので、正確な数値ではなく明るさの「比率」くらいに思っておいてください。つまりたとえば100Ωと200Ωの抵抗を入れた時では明るさが約半分になってるな、くらいの話です。
また、模型へLEDを組み込んで光らせたものの写真も入れていますが、目で見た感じとは結構違うのでこれも参考程度に思ってください。
計算方法とか知ってるから「測定結果」にジャンプしたい人はこちら
LEDに抵抗が必要な理由
LEDに電圧を掛けて電流が流れるとLEDが光ります。
この時流れる電流の量が少ないと暗く、多いと明るくなりますが、多すぎるとLEDが壊れます(熱を持って最悪燃えます)。
どうなれば電流量が増えるのかと言うとLEDにかける電圧を高くした場合です。
電圧、つまり電源に使用するものは例えば乾電池を2本直列にすれば3V、USB電源を使えば5V、車のバッテリーとかだと12Vとか24Vとかです。
さて、LEDにはVF・順方向電圧が設定されていて、最低限この電圧を与えればLEDが光だすと考えてください。そしてこのVFと電源電圧との差が小さいと流れる電流が少なく、差が大きいと流れる電流が多くなります。
また、LEDには最大定格電流が決められていて、この電流値を超える電流を流すと壊れますよ、と言う値です。実際にはピーク電流と呼ばれるごくごく短時間(LEDによって違いますが例えば1m秒)くらいなら最大定格を超えても大丈夫と言う電流値もあります。
このVFや定格電流はメーカーや色によって様々で、それらの値はデータシートに記載されていますから、LEDを使用する時は必ずデータシートを読んでください。
また、データシートにはどのくらいの電圧を掛けたらどのくらいの電流が流れるか?と言うグラフも載せられています。
例えば下図はOptSupply社のチップLEDのデータシートから引用した電圧・電流値のグラフです。

YGとかBL、WTと有るのは色のことで、例えばWTはWhite=白のことです。
このLEDの定格電流は30mAなので、例えば3.5Vより大きな電圧を掛けるとLEDが壊れます。
さて、じゃぁ5V電源でこのLEDを光らせたい時はどうすれば良いの?と言う話になり、そこで抵抗が登場します。
使用した部品
LED Optsupply OSWT1608C1A 1.6mm X 0.8mm チップLED VF 2.9V
抵抗はメーカーとか分かりません・・・
測定回路
電源プラス----LED----|1|----抵抗----|2|----電源マイナス
|1|と|2|にテスターを接続して電圧を測定し、そこから電流値を求めています。
測定結果
3V電源の場合
3V電源にVF2.9VのLEDをさまざまな抵抗値で接続した場合の消費電流と明るさの値です。
| 抵抗値(Ω) | 消費電流(mA) | 明るさ |
|---|---|---|
| 4.8 | 9.85 | 8,620 |
| 6.8 | 9.40 | 8,290 |
| 10.2 | 8.24 | 7,730 |
| 20.1 | 6.50 | 6,560 |
| 30.1 | 5.34 | 5,720 |
| 40.1 | 4.49 | 5,070 |
| 46.6 | 4.19 | 4,730 |
| 50.2 | 4.00 | 4,520 |
| 60.4 | 3.55 | 4,130 |
| 70.3 | 3.24 | 3,810 |
| 80.3 | 2.96 | 3,490 |
| 90.3 | 2.73 | 3,320 |
| 99.3 | 2.55 | 3,100 |
| 147 | 1.91 | 2,390 |
| 196.7 | 1.53 | 1,940 |
| 545 | 0.65 | 864 |
| 666 | 0.55 | 730 |
| 815 | 0.46 | 612 |
| 981 | 0.39 | 519 |
抵抗値が中途半端なのは実測値だからです。例えば50Ω表記の抵抗でも実測すると50.2Ωだったり、ということです。
明るさの違いは下図のようになります。

あまり差が分からないですね
。アニメーションだともう少しわかり安いかと思います。

直接目で見ているとこの画像よりはもうちょっと明るさに差が有る感じがします。
5Vの場合
| 抵抗値(Ω) | 消費電流(mA) | 明るさ |
|---|---|---|
| 60.4 | 26.18 | 22,400 |
| 70.3 | 22.99 | 20,800 |
| 80.3 | 20.52 | 19,100 |
| 90.3 | 18.53 | 18,050 |
| 99.3 | 17.02 | 16,800 |
| 147 | 12.14 | 12,900 |
| 196.7 | 9.44 | 10,500 |
| 545 | 3.83 | 4,700 |
| 666 | 3.19 | 3,970 |
| 815 | 2.60 | 3,320 |
| 981 | 2.18 | 2,830 |
| 1177.7 | 1.84 | 2,390 |
| 1526 | 1.44 | 1,880 |
| 1647 | 1.34 | 1,760 |
| 1796 | 1.23 | 1,620 |
| 1992.7 | 1.13 | 1,490 |
| 2462 | 0.90 | 1,250 |
| 2658.7 | 0.87 | 1,160 |
| 3007 | 0.78 | 1,030 |
電流値が少なくても結構明るく光る
これでわかるのは、LEDを流れる電流が少なかったとしてもLEDの光は結構な明るさを保つと言うことかと思います。
例えば模型の電飾などに使用する場合、一番暗い状態でも全然問題ない場合も多いでしょう。
電流値が少ないと電池が長持ちするに繋がりますので、特にたくさんのLEDを点けるような場合は抵抗値を大きくしてLEDを暗めにしておくのが得策かも知れません。
計算と合わないんだけど??
実は、VF、電源電圧、抵抗値から想定される電流値を算出してみると上記の表の値とは結構な差が有ります。
例えば、VF=2.9V、電源=3V、抵抗4.8Ωで計算すると、
(3-2.9) / 4.8 = 0.020408163
となり、約20mAになるはずですが、実測結果ですと7.69mAと結構大きな差が出ています。
これは、まず電源電圧が実は2.98Vだということに原因の一つがあります。これで計算し直してみると、
(2.98-2.9) / 4.8 = 0.016326531
約16mAですがまだ差が大きいですね。
これがなぜかと言うとLEDのVFの値がカタログ値と違うからです。カタログ値と違う原因はLEDの製造上のバラ付きと、LEDの温度に関係しています。
実測値の表からLEDのVFを逆に求めてみると(抵抗値 * 電流値で求められます)、
0.00769*4.8 = 0.036912
これが電源電圧との差の電圧値になるので、電源電圧(2.98)-0.036912=2.943088で、約2.94Vくらいになります。
え!?たった0.04Vでそんなに違うの?って思いますよね。


