はじめに
LLMを組み込んだアプリ開発を体験してみたいと考えていたところ、「さくらのAI Engine」3000リクエスト使い切りチャレンジ(https://qiita.com/official-events/bd14d28b53326d318fec )を知り、参加してみました!クレジットカード登録は必要なものの、無料で使えるという点が魅力的です。
「名もなき家事」に名前をつけるアプリを作ってみたのですが、作ってみて初めて「そもそも名前をつける必要がなかった」ことに気づき、リリースせず開発を打ち切りました。この記事では、その気づきに至った経緯と、LLMをアプリに組み込む価値をどう見極めればいいかについて書きます。
環境
- フレームワーク:Next.js 16 + React 19 + TypeScript
- スタイリング:Tailwind CSS
- LLM呼び出し:openai SDK(さくらのAI EngineはOpenAI互換APIとして提供されているため、そのまま使えました)
- テスト:Vitest
- 実装環境:Claude Code / Web版Claudeのコード機能
さくらのAI Engineを使ってみた感想
公式の説明どおりにAPIを取得すれば使えました!
(ほしい説明が見つけられない場合は、AIに探してもらったりしました)
AI活用方法
以下の機能にAIを活用しました。
- 雑に打ち込んだ文章から家事を抽出する
- 打ち込んだ内容を精査するための質問を投げかける
- 名前をつける
実装方法について
Claude Codeの制限に引っかからないよう、利用を分散する必要がありました。
スマホから指示を出し、いつでもClaude Codeで実装ができる状態を目指していたところ、ウェブ版のClaudeのコード機能がピッタリでした!
具体的な流れは以下のとおりです。
| 工程 | やったこと | 使った場所・ツール |
|---|---|---|
| 1. Todo作成 | issueとして実装Todoを作成 | PC(画面が大きい方が作業しやすいので) |
| 2. Skill作成 | issueをもとに実装・テスト生成・レビュー・PR作成・人間レビュー観点の出力までを行うSkillを用意 | Claude Code |
| 3. 実装〜PR作成 | Skillにissue番号を投げるだけでPR作成まで自動化 | ウェブ版Claudeのコード機能 |
| 4. レビュー・マージ | 変更内容を確認し、レビュー観点を中心にレビューしてマージ | スマホ(GitHubアプリ、好みの問題) |
作成してみて
LLMを組み込んだアプリ開発は初めてでしたが、この程度のアプリであれば、AIエージェントを使えば知識が足りず困難、という問題にぶち当たることはありませんでした。
ただ、欲しい回答を得るためのプロンプト修正は地味に手間でした。
作ってはみたものの、名付けられた家事名を覚えるのも労力いるし、使わないかも、、
となってしまい、リリースはせず、一旦ここで開発打ち切りとします。
どうしたら使えるものができた?
名前をつけてみると、そのままの言葉だったり内容とつながりが見えなかったりで、覚えるコストの方が高くつきました。しかも名前がなくても普段は普通に伝わっていたので、そもそも「名前がない」ことが困りごとではなかったのかもしれません。
LLMを組み込むべきものは?
技術的にできるかどうかで考えると、単発の名付けや要約はChatGPTでも十分にできてしまいます。分かれ目になったのは「プロンプトやフォーマットを維持する手間を、誰に強いるか」であると考えます。自分一人で使うだけなら多少の手間は許容できますが、パートナーなど他の人にも使ってもらう前提だと、そこを意識させるわけにはいきません。今回でいうと、JSONへの追記はプロンプト制御が必須になるので、そこはアプリとして仕組み化する意味がありました。
ただ、そもそも「名付け」自体に人がコストをかけてまで得るものが薄かった(前述の通り)ので、今回の題材ではこの仕組みは活きませんでした。継続的に構造化データを蓄積する処理をアプリ化する、という判断基準自体は間違っていなかった気がするので、題材を変えれば活きてきそうです。
生成物
前述の理由でリリースはしていませんが、名付けまでは一通り動くところまで作りました。よければコードだけでも覗いてみてください。
人間がしたこと
人間がしたのは、最初のアーキテクチャ決定(技術選定や要件のトレードオフ判断)と、PRレビュー・マージの可否判断です。マージ済みの全11件のPRはすべてClaudeが実装し、人間はレビューしてマージするだけでした。
もうひとつは、実際にアプリを使ってみて気づく体験や品質面の指摘です。自動コードレビューでは拾えない「使われ方の前提」や「出力品質の納得感」は、やっぱり自分で触ってみないと分かりませんでした。
おわりに
LLMを組み込んだ開発を経験できたことで、「やったことないから不安」が取り除かれ、
もっと効果的に使うには、と一段上の悩みができました。
さくらのAI Engineを使えば課金に怯えず試してみることができるので、みなさんも試してみてください。