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  • 望み

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望み

5つ星のうち4.0 (823)

東京のベッドタウンに住み、建築デザインの仕事をしている石川一登(いしかわかずと)と校正者の妻・貴代美(きよみ)。
二人は、高一の息子・規士(ただし)と中三の娘・雅(みやび)と共に、家族四人平和に暮らしていた。
規士が高校生になって初めての夏休み。友人も増え、無断外泊も度々するようになったが、二人は特別な注意を払っていなかった。
そんな夏休みが明けた9月のある週末。規士が2日経っても家に帰ってこず、連絡すら途絶えてしまった。
心配していた矢先、息子の友人が複数人に殺害されたニュースを見て、二人は胸騒ぎを覚える。
行方不明は三人。そのうち犯人だと見られる逃走中の少年は二人。息子は犯人なのか、それとも……。
息子の無実を望む一登と、犯人であっても生きていて欲しいと望む貴代美。揺れ動く父と母の思い――。
『火の粉』の不穏な空気感と『クローズド・ノート』の濃密な心理描写。
両方を兼ね備え、執筆時、著者が最も悩み苦しみ抜いた、渾身の力作。

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商品の説明

著者について

●雫井 脩介:1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年『栄光一途』で第4回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。05年に『犯人に告ぐ』で第7回大薮春彦賞を受賞し、ベストセラーとなる。その他の著書に『虚貌』『火の粉』『ビター・ブラッド』などがある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA/角川書店
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/9/5
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 本の長さ ‏ : ‎ 352ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4041039886
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4041039885
  • 商品の重量 ‏ : ‎ 414 g
  • Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 1,160,370位 (本の売れ筋ランキングを見る)
  • カスタマーレビュー:
    5つ星のうち4.0 (823)

著者について

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雫井 脩介
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カスタマーレビュー

星5つ中4つ
823グローバルレーティング

お客様のご意見

お客様はこの小説について、以下のような評価をしています: 読み応えがあり、グイグイ引き込まれる本だと高く評価しています。読者が感情移入し、読後感に変化があると感じています。家族の思いや複雑さを感じさせられる作品だと述べています。家族描写も素晴らしく、それぞれの家族の思いに親として心動かせられるとの声があります。また、主人公の父親と母親の葛藤を描くシーンも多く、息苦しくなる場面もあるようです。 一方で、ストーリー展開については意見が分かれています。物語の流れがあまり進展せず、感情が追いつかない読後感が残るという指摘もあります。 全体的に、この小説は読者を泣かせてくれる内容で、共感できる点が多くあります。
お客様の投稿に基づきAIで生成されたものです。カスタマーレビューは、お客様自身による感想や意見であり、Amazon.co.jpの見解を示すものではありません

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21人のお客様が読みやすさに言及し、17人が肯定的、4人が否定的です
お客様はこの小説について、読み応えがあり、グイグイ引き込まれて読むと評価しています。読者が感情移入してどきどき読める作品だと感じています。また、ストーリー性も素晴らしく、主人公の独善的な性格に腹が立ったという声もあります。全体的に、今年一番面白かった本だと考えています。一方で、雫井脩介作品の期待値が高いため、物足りなさを感じてしまったという指摘もあります。
読んで良かったです。とても深く考えさせられました。先が気になり読み飛ばした部分もあったので、これから改めてゆっくりと読みたいと思います。 読み直して・・・ とても良かった。とても良かったけど、個人的にはこの父親と母親の感情は逆だともっと私の中にしっくりきたかも。...もっと読む
...もう少し丁寧に進んでくれたほうが、個人的にはよかった。 それを差し置いても面白かったし読んで良かった一冊。淡白に感じた分、余計に映像版も観てみたくなった。もっと読む
読み応えある本でしたもっと読む
一気に読みました。家族の思いは複雑だと思いました。普通に生活できることが何より幸せだと改めて感じました。若者には何があっても生きてほしいです。もっと読む
9人のお客様が家族描写に言及し、8人が肯定的、1人が否定的です
お客様はこの小説の家族描写を高く評価しています。めちゃくちゃ感情移入し、それぞれの家族の思いに親として心動かせられると感じています。また、ストーリー展開が予想通りで、それぞれの家族の悲しみが切ないと感じる声もあります。特に、親の望みや家族の悲しみの複雑さについて共感する声があります。若者には何があっても生きてほしいというメッセージが込められています。
...だけ。 でも、色々考えさせられた。 子供がいる人だと、主人公の夫婦に感情移入できると思う。 私はめちゃくちゃ感情移入して、自分ならどうするだろう? と考えながら読んだ。 個人的には今年一番面白かった本。...もっと読む
こんなに泣ける本を読んだのは久し振りです 「望み」親としてどっちを望むのか、、 息が苦しくなるほどの「望み」 是非いろんな立場の人に読んで感じて貰いたいと心から思った本ですもっと読む
それぞれの望みについて、描かれていますが、結末はどうなるんだろうと、読み進めていました。 結末は想像通りでしたが、それぞれの家族の思いに親として心動かせられました。あっという間に読んでしまいました。もっと読む
...もし家族が、被害者か加害者かのどちらかの状態だなんて考えるだけで辛すぎて、重い話だけど、家族の愛も語られている、感動するところもあり、考えさせられました。読んでよかったです。 おすすめです。もっと読む
8人のお客様が考えさせられに言及し、8人が肯定的、0人が否定的です
お客様はこの作品について、考えさせられたことや感動したことを高く評価しています。家族愛が描かれており、感動する部分もあると感じています。また、雫井修介のこの題材で読者をうならせたという意見もあります。
...もし家族が、被害者か加害者かのどちらかの状態だなんて考えるだけで辛すぎて、重い話だけど、家族の愛も語られている、感動するところもあり、考えさせられました。読んでよかったです。 おすすめです。もっと読む
ミステリー要素はない。 起こりうる結末は2つしかなく、どっちになるかな?だけ。 でも、色々考えさせられた。 子供がいる人だと、主人公の夫婦に感情移入できると思う。 私はめちゃくちゃ感情移入して、自分ならどうするだろう? と考えながら読んだ。...もっと読む
先が気になり一気に読んでしまいました。 いろいろ考えさせられる作品です。もっと読む
読んで良かったです。とても深く考えさせられました。先が気になり読み飛ばした部分もあったので、これから改めてゆっくりと読みたいと思います。 読み直して・・・ とても良かった。とても良かったけど、個人的にはこの父親と母親の感情は逆だともっと私の中にしっくりきたかも。...もっと読む
5人のお客様が評価に言及し、5人が肯定的、0人が否定的です
お客様はこの小説について、とても良かったと評価しています。読み直して「とても良かった」と感じています。また、父親と母親の感情が逆だともっとしっくりくるという意見もあります。
...結果がどちらでも悲劇、それでも母と父の望む結果は異なります。 グイグイ引き込まれて読みました。 お勧めです。 一度読んでみてください。もっと読む
...読んでよかったです。 おすすめですもっと読む
...先が気になり読み飛ばした部分もあったので、これから改めてゆっくりと読みたいと思います。 読み直して・・・ とても良かった。とても良かったけど、個人的にはこの父親と母親の感情は逆だともっと私の中にしっくりきたかも。...もっと読む
本作品は、ベストセラーとなり、このレビュー執筆時の2020年10月には、映画も公開されるほどで、世間一般の評価は高い作品でした。 ミステリ好きの私としては、ミステリ要素は、少なめか、とは最初から感じていました。...もっと読む
6人のお客様が結末に言及し、3人が肯定的、3人が否定的です
お客様は、この小説の結末について意見が分かれています。一部のお客様は涙が出て、切なくなりましたと感じています。ラストの終わり方についても不満があり、もう少しプラス欲しかったという声もあります。また、サスペンスではないため、もっとプラスが欲しいという意見もあります。
...子供と常に接している母親だからこそ、子供の性格を理解し、子供の正義を信じるのではないかなと思いました。切なくなりました。涙も出ました。苦しくなりました。でも、読んで良かったです。もっと読む
だらだらとくだらない事ばっかり書いてるだけ買って損したもっと読む
...規士を岡田健史くんに当てはめて読んでしまい、結末は涙が出ました。息子の無実を望む父、息子が誰かを殺めてでもいいから生きてて欲しいと望む母。どちらの望みも未来は絶望的な望みなき望みということばが深く印象に残っています。...もっと読む
...結論から言えば、途中で息子が被害者か加害者か、わかってしまいましたが、ラストが。 サスペンスではないと思いますし、ラストの終わり方、もうちょい、プラス欲しかったなぁもっと読む
11人のお客様がストーリー展開に言及し、3人が肯定的、8人が否定的です
お客様はこの小説のストーリー展開について不満を感じています。ストーリーはほとんど進展せず、感情が追いつかない読後感が残ると指摘しています。夫婦が葛藤している描写が延々と続くため、途中の進み方が緩慢な気がしたという声があります。また、子供への接し方についても、独善的な両親に終始腹が立ったという意見もあります。サスペンスではないと感じるお客様もいるようです。
息子は加害者なのか被害者なのか、という謎だけで延々と心理描写やマスコミを含めた周縁関係者の対応エピソードが続く。ストーリーはほとんど進展しない。空気は重く澱んでいる。息苦しい。かったるい。それでも見えない力が最後まで読みきることを強いる。読み終わって、意外性も驚きもない。しんみりともしない。...もっと読む
...結末も、被害者か加害者かという2択になるだろうとしか考えられない ような展開で、スピード感も全く無く、夫婦が葛藤している描写が延々と続く。 この夫婦に感情移入できる人は読んでみて良いのかもしれないが 私には非常につまらなく感じた。...もっと読む
読み進める内にどんどん引き込まれた。 追い詰められたときの人間の心情が生々しく出ていた。もっと読む
犯人に告ぐ、検察側の罪人と、いずれもミステリ好きを唸らせるストーリー展開だが、本作は、そこまでのスリル感、スピード感は無いと思いました。読み応えはあるし飽きさせない作品だけど、雫井脩介作品への期待値が高すぎて、ちょっと物足りなさを感じてしまった。...もっと読む

日本からのトップレビュー

  • 星5つ中5つ
    考えさせられた
    2021年7月9日に日本でレビュー済み
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    ミステリー要素はない。 

    起こりうる結末は2つしかなく、どっちになるかな?だけ。 

    でも、色々考えさせられた。 

    子供がいる人だと、主人公の夫婦に感情移入できると思う。 

    私はめちゃくちゃ感情移入して、自分ならどうするだろう?

    と考えながら読んだ。 

    個人的には今年一番面白かった本。 

    4人のユーザーが役に立ったと感じています
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  • 星5つ中4つ
    映画も見たくなった
    2023年8月20日に日本でレビュー済み
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    重たいテーマで考えさせられるが、物語は淡々と進んでいく印象で、感情が追いつかない読後感が残る。

    もう少し丁寧に進んでくれたほうが、個人的にはよかった。

    それを差し置いても面白かったし読んで良かった一冊。淡白に感じた分、余計に映像版も観てみたくなった。

    1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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  • 星5つ中3つ
    犯人に告ぐのスリル感は無いかな
    2021年10月4日に日本でレビュー済み
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    犯人に告ぐ、検察側の罪人と、いずれもミステリ好きを唸らせるストーリー展開だが、本作は、そこまでのスリル感、スピード感は無いと思いました。読み応えはあるし飽きさせない作品だけど、雫井脩介作品への期待値が高すぎて、ちょっと物足りなさを感じてしまった。それだけ雫井脩介という作家が好作品を生み出しているということ。本作も十分に良作です。

    7人のユーザーが役に立ったと感じています
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  • 星5つ中5つ
    分断の現実を突きつける作品
    2026年5月1日に日本でレビュー済み
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    望みは、正しさが人の数だけ存在し、それがどれほど論理的であっても他者には届かないという、分断の現実を静かに突きつける物語だ。

    作中で描かれる対立は特別なものではなく、むしろ日常や仕事の現場に潜む構造そのものであり、読者に逃げ場を与えない。

    読後に残る重さは悲劇そのものではなく、「分かり合えなさ」を理解してしまったことによる思考の負荷に近い。

    一度受け止めれば十分だと感じさせる一方で、この認識自体は多くの人が向き合うべきものだとも思う。

    そのなかで、母親が加害者への恨みを選ばなかったことは、断絶の連鎖を食い止めるわずかな余白として、かろうじてこの物語に光を残している。

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  • 星5つ中4つ
    おもしろかった
    2025年2月17日に日本でレビュー済み
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    ミステリー。少しハラハラしておもしろかった。

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  • 星5つ中5つ
    タイトルがすごい
    2023年9月14日に日本でレビュー済み
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    「望み」というタイトルは月並みな印象(それほど購読意欲を湧かせない)でしたが、疑問と望みをずっと抱えながら読み進めるので、後から思えばこのタイトルしかないとまで思われる内容でした。最後までつないだ望みの結末は・・・読者も感情移入してどきどき読める本でした。

    2人のユーザーが役に立ったと感じています
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  • 星5つ中4つ
    中盤
    2020年10月8日に日本でレビュー済み
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    20代独身の立場ですが、読み進めるうちに自然と没入できました。

    そして考えさせられました。

    夫婦がそれぞれ対極の意見に達した際の会話のシーンや、

    もう一方の可能性も受け入れるべく悶々と覚悟へと向かう描写。

    所々うなってしまいました。

    ラストに至るまで、2つの対立した可能性が五分五分の形勢を保ちながら描かれているので、

    読み手はその葛藤状態に感傷しながら読めると思いました。

    (と言いつつ頭の片隅には第三の結末も…)

    ラストで、もちろん真偽がはっきりするのですが、「被害者」である可能性と紐づいた出来事も、「加害者」である可能性と紐づいた出来事も、両方ともラストの感動や切なさを際立たせる要素になっています。

    やや冗長にも思える中盤は構成の妙で良かったと思います。

    読みやすいですが、テンポよく読めるという感じではないかもしれません。

    4人のユーザーが役に立ったと感じています
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  • 星5つ中2つ
    世評は高い。しかし、私は…
    2020年10月29日に日本でレビュー済み
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    本作品は、ベストセラーとなり、このレビュー執筆時の2020年10月には、映画も公開されるほどで、世間一般の評価は高い作品でした。

    ミステリ好きの私としては、ミステリ要素は、少なめか、とは最初から感じていました。

    映画の公式サイトでは、「愛する息子は、殺人犯か、被害者か。それとも──」とありますが、いわゆるミステリの中核となる「謎」としては、この部分くらいしかないからです。

    このため、この小説は、人間の心理描写に重きを置いた、いわば、人間の心情の複雑さを明らかにしていく物語か、と思い読み始めたわけです。

    ストーリー的には、石川一家が舞台。父・一登は、建築デザイナー。母・喜代美は、作家の原稿などの校正の仕事を在宅ワークで行っている。子どもは、高校生の息子・規士と中学生の娘・雅。

    ある日、規士が、家を出たまま連絡が取れなくなる。

    そんな中、一家の住む市内で、車のトランクからある少年の遺体が発見される。遺体には、刺し傷や暴行の跡があり、複数の人物が現場を立ち去るところが目撃されていた。

    被害者の交友関係を洗っていくと、三人の高校生が行方不明になっており、そのうちの一人が、規士だった…。

    そこで、冒頭の「息子は殺人犯か、被害者か」という究極の選択に、石川家の父・母・娘が苦悩するという展開になると言うわけ。

    規士は、他の少年とともに、リンチし、殺害した犯人なのか、それとも、既に殺されてしまっているのか、と。

    最初は、なるほど、ミステリとしては面白い設定だな、と思っていました。

    でも、読み進めてみると、登場人物の行動が、何だか不自然なのですよね。

    両親と娘が「規士が犯人では?」と考えてしまう理由としては、かねてから、無断外泊を繰返しており、「あざ」を作って帰ってきたこともあったこと。事件の直前に、ナイフを購入していることが両親に見つかり、注意されたことなどが挙げられます。

    【「あざ」の理由をなぜ突き詰めない?】

    自分の高校生の子どもが、無断外泊を繰返し、ある日、「あざ」を作って帰ってきたら?

    私なら、まず、「誰からそんな暴力を受けたのか」を問いただしますね。

    それが、本作品の両親は、「いじめ」の可能性もあるだろうに、「喧嘩でもしたのか」と考えるのみ。

    規士が真実を話さないと、それで、諦めてしまう。

    「無断外泊」という非行の兆候があり、「あざ」まで作っているのだから、たちの悪い友達と付き合っている可能性大でしょう。

    普通、親なら、子どもから「非行」の芽を摘み取り、良くない友達であれば、交際を禁じるものではないですか?

    【交友関係を探るのが、遅すぎないか?】

    結局、トランクの遺体が発見され、この事件に、規士が関わっているらしいことが分かって、初めて、両親は、「交友関係」を調べ始めるのですが、遅すぎです。

    「非行」の兆候があったのだから、その時点で、どんな友人と付き合っているのか調べるのが、親の責任ではないかと思いますね。

    この展開で、残念ながら、私は、この物語の両親、一登と喜代美への感情移入は出来なくなりました。

    【なぜ子どもを信用しないのか?】

    先述のとおり、「無断外泊」や「あざ」、「ナイフ」の件で、「もしかして、規士が犯人では?」と考える両親。でも、横暴な振る舞いや、「酒」や「煙草」に手を出したりといったものは見受けられなかったという記述があります。

    しかも、期士が生まれた時から、ずっと自分たちが育ててきた子どもですよ。

    悪い友人の影響で、以前と性格が変わってきて、簡単に人を殺めるような、犯罪行為に抵抗のない人間に変貌していたなら、すぐに気づくと思いますがね。

    そうしたことがないから、物語の始めの方では、規士は殺人に手を染める子どもではない、と両親とも断言しているわけでしょう?

    ところが、警察の捜査や、マスコミからの取材やネットの記事から、「もしかして…」と思ってしまうのは、自分たちの躾に自信がないのでしょうかね。

    現実世界では、親が、こんなに簡単に自分の子どもへの信頼を失うものとは思いたくないです。

    【犯人だったらを想定して思い悩むか?】

    もし、規士が犯人だったら、私が進学しようとしている高校に落ちてしまうかも、という娘・雅の悩み。これは、まだ子どもだから許せます。

    でも、一登の、仕事も来なくなるうえ、被害者に賠償しなくてはならなくなる、どうしようという悩み。

    まあ、頭の片隅に置いておいてもよいかもしれないですが、行方が分からず、生死も分からない段階なら、私なら、ひたすら息子の生還を祈るばかりで、そんな先の心配などしていられないですね。

    自分の子どもの安否を気遣う人間の心理としては、不自然に思えます。

    【究極の二者択一ではないよ】

    なぜ、生きている=犯人。死亡している=被害者。このふたつなのでしょうか?

    例えば、悪い友人二人が、被害者の友人をリンチして死亡させてしまう。その場にいた規士は、手を下さず見ているだけだったが、「お前も同罪だ。俺たちについてこい」と強要され、三人で逃亡している可能性も考えられますよね。

    上述のとおり、子どもを信頼する親なら、「犯人ではないが、生きている」パターンを考えるのではないでしょうか。可能性は薄くても、そうした考えにすがりつくものではないかな。

    一登も、喜代美も、そのような考えは持っていないようで、これも私には、不自然に思われました。

    ミステリ要素は少なくても、冒頭のとおり、人間の心情の複雑さを明らかにする物語なら、満足できたのですが、私には、心理描写の粗さが目立ってしまい、残念作品となってしまいました。

    私の読書体験では、世評と自分の評価が乖離した珍しい作品でした。

    33人のユーザーが役に立ったと感じています
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