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帝国で読み解く近現代史 (中公新書ラクレ 827)
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果たして「帝国」は悪なのか? そもそも「帝国」とはいかなる存在なのか? 皇帝がいない国でも「帝国主義」を標榜するとはどういうことか――
それぞれ中国史と英国史を専門に、東西の歴史に通ずる2人の研究者が、「帝国」をキーワードに世界の近現代史を捉え直す。今までになかった新しい視点による、近現代から現代までの歴史に流れを読み解く目を養える一冊。対談のため、充実した内容ながら全編にわたってわかりやすく読み進められる。
【目次】
序章 「帝国」とは何か
第1章 ヨーロッパと中華世界、東西の帝国の邂逅
第2章 押し寄せる列強と東アジア
第3章 ナショナリズムの高まりと帝国の変容
第4章 解体される帝国、生き残る帝国
第5章 アメリカとソ連――新しい二つの帝国の時代
終章 最後にもう一度帝国とは何かを考える
あとがき代わりの対談
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2024/12/6
- 寸法1.5 x 10.9 x 17.3 cm
- ISBN-104121508270
- ISBN-13978-4121508270
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商品の説明
著者について
早稲田大学教授。1965年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科東洋史学博士後期課程満期退学。博士(文学)。専門は東洋史、近代アジア史。著書に、『属国と自主のあいだ』(名古屋大学出版会、サントリー学芸賞)、『世界のなかの日清韓関係史』(講談社選書メチエ)、『世界史とつなげて学ぶ中国全史』(東洋経済新報社)、『李鴻章』『袁世凱』『曾国藩』(すべて岩波新書)、『近代中国史』『世界史序説』(ともにちくま新書)、『中国の論理』『東アジアの論理』『物語 江南の歴史』(すべて中公新書)ほか、多数。
君塚直隆
関東学院大学教授。1967年東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒業、英オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ留学、上智大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程修了。博士(史学)。専門はイギリス政治外交史 、ヨーロッパ国際政治史。著書に、『立憲君主制の現在』(新潮選書、サントリー学芸賞受賞)、『ヨーロッパ近代史』(ちくま新書)、『女王陛下の影法師』(ちくま学芸文庫)、『ヴィクトリア女王』『物語 イギリスの歴史(上)(下)』『エリザベス女王』(すべて中公新書)ほか、多数。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社
- 発売日 : 2024/12/6
- 言語 : 日本語
- 本の長さ : 256ページ
- ISBN-10 : 4121508270
- ISBN-13 : 978-4121508270
- 商品の重量 : 170 g
- 寸法 : 1.5 x 10.9 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 34,040位 (本の売れ筋ランキングを見る)
- 中公新書ラクレ - 7位
- その他の歴史関連書籍 - 328位
- 世界史 (本) - 382位
- カスタマーレビュー:
著者について

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カスタマーレビュー
日本からのトップレビュー
- 星5つ中5つ
帝国と帝国主義についての解りやすい解説
2026年3月7日に日本でレビュー済み帝国と帝国主義については、クリシャン・クマーの「帝国 その世界史的考察」という好著があるが、帝国そのものが「鵺」的な面があるのでなかなか理解しづらい点もある。
その点「対談形式」の本書は解りやすいし、なにより「大日本帝国」や現代中国にも述べられており、日本人とって嬉しい。
もちろん碩学な著者お二人なので、内容には全く充実しており、「帝国」や「帝国主義」に興味がある方には最適な入門書だと思う。
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中国史と英国史のマリアージュは感じられなかった。
2025年3月16日に日本でレビュー済みせっかくの企画だが、淡々と読めてしまった。いたって普通の近現代史。アヘン戦争のあたりがやや面白かったが、あとがきにあるような「違和感があるところが読みどころ」とはならなかった。対話形式なのだから、もっと冒険してよかったと思う。
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帝国の変容を語る本!
2024年12月8日に日本でレビュー済み①世界史上の本格的な帝国は、やはりローマ帝国に始まり、ビザンツ帝国、フランク王国、神聖ローマ帝国へと継承され、その理念を継承したオーストリア=ハンガリー二重帝国の崩壊により終演した。まさに第一次世界大戦こそ、旧四大帝国の崩壊を告げる出来事であった。オーストリア=ハンガリー二重帝国、ドイツ帝国、ロシア帝国、オスマン帝国である。
②その後、ヒトラー率いるドイツ第三帝国がナチス政権として誕生したが、長くは続かなかった。
③戦後は、覇権国家が帝国と呼ばれることがあった。ネグリ、ハートによる覇権国家アメリカを「帝国」と呼ぶ知識人もいたが、この意味での帝国は、単なる覇権国家以上の意味はなく、かつての継承それていくべき帝国理念も持たなかった。覇権の推移(パワーシフト)が語られるのみである。
④その意味では旧帝国こそ、真の帝国と言えるものであったのではないか?
参考になる本だ。
お勧めの一冊だ。
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世界の歴史を掴む本
2024年12月15日に日本でレビュー済み東洋史と西洋史の巨頭が、お互いの長所を分かり合いながらツッコミつ続ける対談。
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岡本先生の毛沢東時代の解説が素晴らしい!
2025年9月1日に日本でレビュー済み岡本博士曰く「(中国)共産党は、計画経済を導入し、また農民から土地や家畜を取り上げたうえで、農業の集団化を図ります。これにより...政府が決定した経済政策のままに人民が動く体制を築くことで、政府と人民の乖離を解消しようとしたのです。」
中国の近代化が直面していた最大の問題は、歴代王朝が民間の経済・コミュニティをグリップできておらず民衆がバラバラだったこと。近代国民国家になるにはこの官民・上下の乖離の解消が必要だったが、それは至難を極める課題で、今なお実現していない。
岡本博士は、共産党が導入した計画経済は「散砂のようにバラバラになっている人民をまとめあげ、中華民族としての一体化を実現するためにも重要なものでした。むしろそちらのほうが主目的であったと私は捉えています」と言います。
しかし、国民一体となって邁進する目標として短期間での高度成長の達成という目標を掲げた毛沢東の無謀な大躍進運動が数千万人の餓死者を出すという凄惨な結末となったことで、国民の一体感も官民・上下の乖離も解消されることはなかった。
岡本博士は続けてこう言います。「文化大革命をどう見るかですが...毛沢東が上層と下層とに分かれている中国社会において、下層に位置する人たちを動員することで上層を撃破し、社会の一体化を図ろうとした運動であると捉えることもできます。」
なるほど、文革は毛沢東が権力を奪還するために仕掛けた権力闘争というだけではなく、国内に敵を作り出すことで国民の一体感を生み出すという最悪の手法だったというわけですね。そんなやり方でまともな国民国家が作れるはずがない。
岡本博士曰く、改革開放により「中国経済は...経済成長を果たしたといっても...むしろ上下の乖離は進んだといえます。中国の歴史を見ると、格差が大きいときほど民衆による反乱が起き、王朝が転覆するということが繰り返されています。」
だからこそ、経済成長した今、中国国民の一体感を形成して国民国家にならねばならないという共産党の切迫感はさらにいっそう強まっているはずだと岡本博士は言います。となると、台湾侵攻や尖閣奪取など国民を熱狂させる行動に出る可能性は高いですね。
中国は清朝時代の領土回復の野望を抱いていると思われ、ロシアはロシア帝国の復活の野望をもはや隠そうともしない。中国とロシアは国民国家を形成することが困難で帝国的国家のままであらざるをえなかった。19世紀以来の国民国家と帝国のせめぎ合いは今なお続いている。
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「権威主義」のロシアや中国を理解するために
2025年1月12日に日本でレビュー済み近代アジア史研究者であると岡本氏と、ヨーロッパ国際政治史研究者である君塚氏による、現代を読み解く重要キーワード「帝国」についての対談本だ。
帝国の起源であるアッシリア帝国、漢帝国などから、いま帝国的と(場合によっては権威主義的とも)言われることもある現代中国・現代ロシアまでを、アジア史とヨーロッパ史それぞれの観点から語り合った意欲的な一冊。
現代では帝国という言葉は、抑圧的で自由が担保されていない国というような、否定的なニュアンスで引き合いに出されることが多い。
しかし、帝国とは本来は様々なエスニックグループや民族を平和に統治していくためのシステムのことだ。
アッシリア帝国や秦帝国のように圧制を敷いて短期間で滅んだ帝国から学んで、エスニックグループや民族に対して寛容な政策を採ることで長期間繁栄することができたアケメネス朝ペルシャ帝国や漢帝国の例のように、統治システムとしての帝国は試行錯誤の中で研鑽されてきた歴史がある。
しかし、近代になってからは、領域内のエスニックグループや民族の言語や文化を同質化することで「同じ国民」に仕立て上げる「国民国家」が誕生し、帝国は国民国家に押される形で世界から撤退した。
ただ、現代においても帝国的な要素の強く残存している国がある。日本や西欧のように、国民国家を形成しやすい条件を備えた国もあるが、この条件が揃わないため帝国的にならざるを得ない国もあると、岡本・君塚両氏は指摘する。
例えば国土面積が広く、民族的に多様性に富む国は、国民国家を形成するのが困難になりがちだ。現代の中国やロシアもそういった傾向がある。だからこそ、両国は帝国的にならざるを得ないという切実な事情がある。
また、両国はかつての帝国とは違って、様々なエスニックグループや民族を離反させないためには強権的にならざるを得ないという事情も抱えている。
日本や欧米ではそういった事情を理解せず、国民国家の論理で両国を解釈して批判する。君塚氏はこういった日本や欧米の態度を「乱暴」と評し、岡本氏は「批判するのであれば、相手の論理や状況、歴史的背景をわかったうえで批判をすることが大切になります」と述べる。
現実的に考えると、中国やロシアは日本にとって隣国であり、色々な問題がありながらも将来的にも深く関わっていく必要がある国だろう。
ただ、中国やロシアと日本との間には、国家間というレベルでも、はたまた我々一般人の間というレベルでも、価値観や世界観が同じとは言えない面も多い。
そういった相手の「内在論理」を理解した上で対話をしていくことが重要だということを、本書は歴史という観点から浮かび上がらせる。
5人のユーザーが役に立ったと感じていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください - 星5つ中2つ
教科書的歴史観であり、アップデートされていない。
2025年1月25日に日本でレビュー済み全体的には、歴史を多角的に知る上で勉強になります。
特に、アヘン戦争では、清の体制の中でアヘンを受け入れる人々がいたことで起きたという一面もあるという見方ははじめて知りました。
ただ、やはり戦前の日本に対する否定的過ぎる見解は気になりました。
例えば、日韓併合について、「植民地政策は、稚拙だったとしてかいいようがありません」と断定してしまうことはどうなのでしょうか。確かに「日本のローカルルールを現地に押しつけようとした」側面はあったかもしれません。ここでのペルシアやローマ帝国の比較はわかります。しかし、イギリスの植民地政策は巧みだったように書かれていますが、いかがなものでしょうか。当時の欧米の植民地は、現地人の多くを奴隷として搾取できるだけ搾取した。独立後も発展するまでに時間を要した。しかし、日本の併合は社会的インフラを多額の資金を投入して整備して、本国と同等のレベルに引き上げようとした。そういう点で、全くスタンスが違う訳です。ここは一面的かと思いました。
ただ、「桂・タフト協定」にも触れ、アメリカが日本の朝鮮支配を認めていたことに言及されていたことは良かったと思います。
また、ヤルタ会談の話では、ローズベルトは「第二次世界大戦を招いてしまったのは、アメリカが国際社会への関与を怠ったからだ」と反省した、とありますが、これをもっともであるかのような文脈で疑問を感じました。第二次世界大戦があれほど大きくなったのは、アメリカが参戦したからであり、アメリカ第一主義委員会の主張が通っていれば参戦はしなかった、そうすれば日本も大きな戦争をせずに済んだ可能性があった訳です。ローズベルトが、ヨーロッパの戦いに参戦しないという国民への公約を破るために、日本に参戦させようと画策し成功したことは、近年の研究によって明らかなことです。ここは非常に大事な視点なのですが、抜け落ちていることが残念でした。
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