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日本はなぜ開戦に踏み切ったか―「両論併記」と「非決定」―(新潮選書)
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2012/6/22
- ファイルサイズ3.1 MB
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出版社より
登録情報
- ASIN : B00B3Q2HS8
- 出版社 : 新潮社
- アクセシビリティ : 詳細はこちら
- 発売日 : 2012/6/22
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 3.1 MB
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- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 222ページ
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カスタマーレビュー
日本からのトップレビュー
- 星5つ中5つ
冷静に長期視野に立つ戦略家がいなかった
2025年4月2日に日本でレビュー済み東条英機は、内閣総力戦研究所の報告を無視し。陸軍も海軍も、開戦派と非戦派閥が分裂し、軍内での武力闘争(自分がテロの標的)が起こるより、ドイツに幻想を抱き、対米開戦し1割の勝算に賭けをしてしまった。新聞も、満州からの撤兵勧告を受けると、すぐに国際連盟からの脱退した松岡洋右を英雄視する等、紙面で煽り売上を伸ばすだけが目的で、誰も国際社会の考え方を調査分析しない。
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詳細な内容
2021年12月14日に日本でレビュー済み大変詳細な記述で面白いですが、難解な漢字が多く、できればフリガナを振っていただきたい。
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これが知りたかった
2024年3月7日に日本でレビュー済み何で勝てない戦争に突き進んでいったのか何故止められなかったのかずっと知りたかった。9月6日の御前会議から開戦回避の動きもありながら11月1日の連絡会議で開戦やむ無しに進む経緯が語られた部分は特に一気に読んだ。映画かドキュメンタリーを見ているようだった。日本の将来という対局を見据えた開戦決定ではなく、陸海軍の利害と面子を保つための論点が進み、天皇に最終決断させる無責任体制な決定プロセスが具体的に説明されている。1度決定したことは間違っていても認めず辻褄合わせの討論をしているうち回避論の決定打無く国際環境が好転するであろうとの無根拠な楽観論で米国への宣戦布告という博打を打ったのである。自ら責任を取って決断するリーダーが存在せず、面子に拘り間違った決定をしても軌道修正が出来ず国民に迷惑かける政治家や官僚や行政の無責任体質は今でも変わっていない。筆者が最後に指摘しているように開戦に進んでしまった意思決定プロセスの問題は昔話ではない。
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不思議な国民
2021年11月26日に日本でレビュー済み要は、どちらにでも採れる決定を繰り返し(しかも天皇の前で)、最終的には運を天に任せて戦争に突入せざるを得なかった…というのが骨子です。
あと気がついたのは、アメリカとの戦争は主として海軍、陸軍は中国大陸に固執してアメリカには無関心だっということ。
最終的は「ハルノート」の陰謀とか色々と諸説がありますが、そのこと自体は本書のテーマでありません。
それよりも本書の言いたいところは、大日本帝国は残念ながらまともな組織でなかったということです。
今の流行りの言葉で言うと「ガバナンス」ね。
あとがきに書かれてますが、政治と官僚とのせめぎあい云々は今も曖昧模糊として同じなのかな。
ただね個人的には今のそこそこの企業の役員会も同じようかなと思いながら読んでました。
「追記」
NHKスペシャルで12月8日が来たので「昔の開戦にまつわる情報戦の特集」を再放送していたら「森山優」さんが出ていた。
ある意味、アメリカに参戦させたいチャーチルに戦争せざるを得ないように持っていかれた感じもするけど、南部仏印に進出したのが読みが甘かったと言えるかも。
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明治憲法下の無責任体制
2018年4月25日に日本でレビュー済み日米開戦にはいろんな勢力や情勢変化があり、そのもとで同戦略を立て、方針を決定して「言動」をしなければならなかった。満州事変(柳条湖事件)演出し、満州に攻め込み満州国を作り、ついに、盧溝橋事件(リットン調査団)で万里の長城を超え中国の中心部に侵入を拡大し、上海事件を起こし、その足で当時首都であった南京に向かい大虐殺を起こし、さらに奥地へと日本軍は土足で踏みにじっていった。
欧米では警戒感や非難がますます強くなってきていました。そして南部仏印(北ベトナム)に日本が進出し、一気に主要国の警戒感が高まり、具体的な講義と制裁が始まった。この間も日本は内閣、参謀本部(陸軍)、軍令部(海軍)が横並びでそれぞれの利害や勢力争いでまとまらず、さらに、現地の独断専行で、進んでいった。それも、既成事実がどんどん先行していき、成功?していった。つまり、著者は、日本本国内での「両論併記」や非(避。著者は出版後この言葉の方がよかったかもとしている)決定が、そうさせた要因として大きいとみなしている。そして、この各勢力の妥協することなき、すくみが以後も続く。
米英等の怒りと抗議と圧力はさらに強まる。にもかかわらず、日本の有力勢力は南部仏印(ベトナム南部)に進出するということをめぐって、英米等からの強い抗議や制裁を受けながら、自分の組織の言い分を言うだけで日本の意思はまとまらず「両論併記的な内容、何を決定したのかわからない、つまり勝手に都合よく解釈できる内容で合同会議は終わりということを繰り返すばかりであった。ついに業を煮やしたアメリカは「ハルノート」を突き付けた。
ここでまた、その意図を組む勢力(人)と反発する勢力(人)との、大ゲンカ。またもやまとまらず、結局、武力で蘭印(インドネシア)まで進行することが侵略することになる。結局、声の大きい方へ引きずられていくという馬鹿気た結果になるのです。
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「全員一致」制度が誤った決定へと引きずり込む
2025年8月12日に日本でレビュー済み本書は、日本が対米開戦へと至ってしまった経緯を明らかにしていく本である。
執行部に悪が渦巻いていたわけでも、全員がイケイケどんどんだったわけでもなく、トップエリートの多くは日米開戦が無謀だと知っていながら、日米開戦へと進んでいった。
本書は、なぜそのような不合理な決定へと至ってしまったのか、を考察している。
戦前日本の統治制度の大きな欠陥は、決定を行うリーダーが不在だった点である。首相も大臣も統帥部も、形式上はバラバラに天皇から任命されて天皇を輔弼するという並列関係であり、首相には閣僚任免権はなく、統帥部は政府から独立しており、政府に軍事作戦の説明を拒否することさえあった(p16-19)。形式的主権者は天皇だが、天皇は立憲君主として基本的には振舞っており、そのため天皇の裁可留保は閣内不一致の指摘という形式をとるのがほとんどだった。これは逆に、天皇の前では「国策の一致」を演じさせる要因となり、両論併記や玉虫色、先送りを中心とする「一致した国策」が繰り返されることとなった(p42-43)。この全員一致原則では、誰かが反対すると何も意思決定できないという、独裁の逆の事態に陥った(p45)。
このような事態を打開しようと模索されたのが近衛新体制や大政翼賛会であったが、これは天皇親政否定やアカと攻撃されて、きちんと遂行されなかった(p21-22)。
海軍は、もともと意図せぬ戦争をしないために、英米不可分論を唱え、対米開戦は自存自衛の場合に限るとしていた。だが、対日石油禁輸で自存自衛の事態が生じたために、逆にこれが日米開戦を後押しする論拠となってしまった(p54)。また、もともと海軍の軍備増強は対米戦争のためという名目で海軍自身が要望して実現させていたため、いざ対米開戦において「戦えない」とは言いづらい状況になった。戦争を避けるための唐突な英米可分論も、陸軍には噴飯ものと扱われ、過去と矛盾する主張を図々しく行うだけの胆力はなかった(p59、p89-91、p112)。また陸軍の大陸利権がかかる一方で、対米戦争は海軍が遂行するという、互いの利益が噛み合わない背景も意見不一致に拍車をかけた(p94-96)。こういう開戦派の陸軍と海軍・交渉推進派との対立の曖昧な状況下で作られた戦争遂行要領は、「外交がだめなら戦争」は謳うものの、それ以上の中身や検討はなく、昭和天皇も強く不満を覚えた。しかし、建前上の一致があったため、昭和天皇も強い抵抗は示せなかった(p64-69)。
対米交渉による戦争回避を実現するには、日本からの相応の譲歩が必要であることを交渉推進派は分かっていた。だが、繰り返し東条などの陸軍の妨害にあい、これは頓挫する(p80-85、p88、p93)。そしてここで近衛は内閣を投げだす。著者は、近衛が9月6日御前会議決定の不備を認めて引責辞任すれば開戦は困難だっただろうが、失策を認めずにうやむやにしたと指摘している(p93)。特に後任に東久邇宮が選べない状況(開戦して皇族首相だと責任が皇族に来る)で無理と分かった状況でありながら近衛が後任を決めずに投げだした点は問題が大きい(p97)。
陸軍が閣内不一致を起こしたため、陸軍の支持を取り付けられるということで逆説的に東条に組閣の命が下る(p98)。海軍の嶋田など非戦派の人々も、情勢に従い開戦やむ無しへと転向して行ってしまう(嶋田については、伏見宮が天皇の言葉を恣意的に利用or創作して開戦支持へと転向させたとしている:p122-123)。無責任とごり押しからこれまで昭和天皇は陸軍を苦々しく見ていたが、東条首相で団結が生まれ、また東条は絵に描いたような忠臣であり、天皇も東条を信頼した(p155-156)。東条は、繰り返し原則制度論や過去決定などを持ち出して、開戦を押しとどめようとする動きをすべて封じ込めていく(p209)。
外相東郷はそのような中で、一部では強硬派を演じたりもする一方で、土壇場で譲歩項目を追加したりして、何とか対米妥結と戦争回避を目指して孤軍奮闘する。だが、外交官の独走や陸軍の阻止などもあり、歴史は我々が知るように進んでいく(p136-137、p144-148、p165-、p189-)。
ハルノートは、もともとは暫定協定案とセットで渡される原則論のはずだったが、ハルがスチムソンの勘違い情報に基づいて熱意を喪失したためか、ハルノートだけが手渡されるという強硬姿勢を示すものとなった(p194-195)。結果的にこれは、東郷などの交渉論者までを開戦で結束させるという、陸軍にとっては天祐といえるものとなった(p203-204)。
3年目以降が全く検討されていない対米戦争へと突入していったのは、むしろマイナスが「分からなかった」がゆえに、確実に見えるマイナスが生じる臥薪嘗胆論よりも魅力的かつ合意できる内容となってしまった、という点が指摘されている。臥薪嘗胆の際の国際環境の可能性は考慮に入れられず、昭和天皇もこの説明で了承してしまった点が結局すべてであった(p158-161)。
その他印象に残った記述
・軍部大臣現役武官制がない時期も、基本的には軍人しか大臣についていなかった(p18)
・戦前の軍は、国民に最も門戸を開いて実力主義で出世していた組織だった(p27)
・ロンドン海軍軍縮条約を巡り、条約派と目された当時の上層部を軒並み排除する「大角人事」は、上層部になる人=優秀な人材を海軍から失う要因ともなっていた(p33-34)
・ハワイ奇襲時点でさえ意志は分裂していて、山本五十六はハワイを全力で叩くことで勝機を見出そうとしたが、他の軍人は単なる漸減作戦としかとらえず、奇襲成功後に成果を拡大させずに早々に帰還してしまった(p125-126)
開戦過程を明らかにしてくれる好著である。
ただ、これだけ書いてくれると、逆に「ここも知りたい」と思える箇所も少なくない。例えば、革新外交で独伊に接近することが、結果的にはアメリカの圧力や制裁を生み出して現状維持すらできない事態を生み出した(p210-211)わけだが、なぜ革新外交に進んでしまったのか、については本書では前史扱いなので出てきていない。また、海軍の中は詳細な記述がある一方、陸軍は開戦一本槍の比較的単純な(悪玉の)記述だが、大陸利権確保(譲歩拒否)と即時対米開戦はイコールではないはずで、このあたり陸軍の中ももう少し分析があってもよいのではと思った。あと気になるのはアメリカの動向で、やはりハルは開戦してもいいと思って振舞っているように感じるし、ローズヴェルトなど他のアメリカのアクターの動きももう少し記述があってもよかったと思う。
ともあれ、本書は日本側の開戦過程をかなり克明に描いており、是非幅広く読まれてほしい本である。
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勉強になります
2021年4月1日に日本でレビュー済み知的な海軍が陸軍の暴走を止められなかったというのがコンセンサスだとは思いますが、永野軍令部長や嶋田海相とか海軍も最悪だということが分かります。東条英機の心証を少し上げ、海軍全般を下げるような本の内容です。冒頭に現在の議院内閣制の枠組みで政府を理解していると戦前を分析出来ないことを説明しているのはありがたいです。確かに自分でも現代バイアスがかかってました。
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全体的に粗が目立つ
2025年11月29日に日本でレビュー済み素人考えで恐縮だが、そもそも歴史とは史料を手掛かりに過去の出来事を解明していこうとするものである。当たり前の話だが、史料を調べないのなら、それは作り話であり、歴史ではない。
ところが森山優氏は、本職の学者なので一応調べてはいるのだが、そこが不十分になっている。
ただし、そもそも歴史とはものすごく難しく、真面目に勉強している学者でもある史料をうっかり失念したりは珍しくない。神ならぬ人間のやることなので、そこは仕方のないことである。
しかし氏の場合、その類の誤りがかなり多い。
一例としては、松岡洋右の北進論である。それに関連して、『杉山メモ』(昭和16年6月27日)にはこんな記述がある↓
「三 外相自己ノ考ヘアル外交計画ヲ説明シ、大本営側ノ再考ヲ求ム 外相ノ外交ノ見地ヨリスル判決ハ、独「ソ」戦ニ直ニ参戦ノ決意ヲナシ、先ツ北ヲヤリ、次テ南ヲヤリ、此ノ間支那事変ヲ処理セントスルニ在リ外相大本営案ニハ概ネ同意ナルモ、直ニ参戦ノ決意ヲナス点ニ於テ相違アリ」
そして↑から、間接的にだが松岡洋右の意図は推測できる。ところが森山優氏はおそらくそれを見落としており、こんな大きな誤りは本職の学者として「うっかり」で済むものではなかろう。
そしてもうひとつ。最初に述べたように、歴史とは史料を手掛かりに過去の出来事を解明していこうとするものだが、ここに大きな問題がある。そもそも史料には事実の一部分しか記されていない、という問題だ。および、それは人間の記すものなので、どうしても誤記や歪曲がある。
だから、史料を調べておしまいではなく、そこから「ああでもない、こうでもない」と考察を重ねていかなければならない。これがまた、ものすごく厄介なことになっていく。
例えば、ハルノートである。その条文は明らかだが、しかしそのアメリカの意図はどこにも記されていない。だからそれは、当時の状況や経緯を改めて確認し、そこからアメリカの真意を推測し、それとハルノートの条文を改めて照らし合わせ、「おそらく、こうだったのだろう」と考えていく必要がある。
ところが森山優氏の場合、そのような丁寧な考察はせず、単に自身の主観だけを元に短絡的に「こうだ」と決めつけるところが多い。それは人間の書くものに主観が混じるのは仕方ないが、氏は全体的にそのような態度が目立つ。本職の学者としてそれでは駄目ではなかろうか。
念のため説明だが、第二次世界大戦でのアメリカの戦争目的は、当初はドイツ打倒だけだった。アメリカ自身の安全保障上の理由から、ナチスドイツのヨーロッパ支配を阻止しなければならなかった、ということ。ところが日本がドイツと同盟したために、アメリカはドイツのついでに日本も打倒しなければならなくなった。戦略的には日本との戦争は回避してドイツに全力を投入したいところだが、そのためには日本にドイツとの同盟を破棄または死文化してもらう必要がある。
そしてその観点からハルノートの条文を検討すると、表面上そうとは言っていないが、それは実質的に日独伊三国同盟の死文化を求めたものと解釈でき、つまりは日本を戦争に追い詰めようとしたのではなく、日本との戦争を回避しようとしたものではあると、考えられる。
これは一例だが、歴史はこのように全体を見なければならず、さらに見えないところを洞察していく必要がある。こんな簡単な説明では分からないかもしれないけど。そしてハルノートについては、以上のような戦略面の他、政略面も併せて解釈する必要があり、本当はさらに複雑な話になる。(説明は省くが、当時のアメリカにとって日本に譲歩できることはほとんど皆無で、だから日米交渉は最初から決裂する運命だった)。
以上、本当は著作全体を批判したいのだが、それはとても無理なので、ここでは二点だけ記してみた。素人考えで恐縮だが、森山優氏は史料の調べ方も考察も不十分で、粗が目に付く。また、説明はしなかったが、細部にこだわりすぎて全体を見誤っているきらいもある。
だから私的には全くお勧めできない。誤りもあることを承知で森山優氏個人の見解を知りたいということなら、別に良いのだが。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えていますフィードバックを送信中...フィードバックを送信中...参考になったフィードバックをお寄せいただきありがとうございます。申し訳ありませんが、投票の記録に失敗しました。 もう一度お試しくださいありがとうございます。数日中に調査いたします。申し訳ありません。このレビューを報告できませんでした。 もう一度お試しください











