2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
B 0415-1975
鋼の熱間型鍛造品公差
(ハンマ及びプレス加工)
Dimensional Tolerance for Steel Die Forgings
(Hammer and Press Forging)
1. 適用範囲 この規格は,ハンマ及びプレスによる炭素鋼と合金鋼の熱間型鍛造品(1)(以下,鍛造品と
いう。)の厚さ,長さ・幅・高さ,心間寸法,丸み半径,抜けこう配,型ずれ,そり,深穴の偏り,ばり残
り・ばりかじり,ばりかえり,エゼクタ跡,表面はだあれ,せん断端部の変形及び素材部の局部的変形の
寸法公差及び許容差について規定する。
注(1) 納入時の最終製品をいう。
2. 用語の意味 この規格で用いる用語の意味は,次のとおりとする。
(1) 厚さ 型割面に垂直な断面の厚さ(図1参照)。
(2) 長さ・幅・高さ 長さ・幅は金型の型割面に平行か,又は実用上差し支えない程度に平行な長さ・幅。
高さは同一型割面に垂直な深さ方向の高さ(図1〜図4参照)。
図1 寸法の表示
図2 外側の面の間の長さ・幅の寸法
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2
B 0415-1975
図3 内側の面の間の長さ・幅の寸法
図4 中心から面までの長さ・幅の寸法
(3) 心間寸法 鍛造品の輪かく内にある二つの中心を結ぶ寸法(図5参照)。ただし,図6のような曲がり
の影響を受けるものは,心間寸法としては扱わない。
図5 心間寸法公差の適用される寸法
図6 心間寸法公差の適用されない寸法
(4) 丸み半径 かど部・すみ部に付ける半径(図7参照)。
図7 かど部とすみ部の半径
(5) 抜けこう配 鍛造を容易にするために付ける鍛造方向のこう配。
(6) 型ずれ 型割面における上型,下型のずれ(図8参照)。
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B 0415-1975
図8 型ずれ
(7) そり 基準面からの偏り(図9参照)。
図9 そり
(8) 深穴の偏り 直径より深い穴に対していい,表面における中心と底面における中心との偏り(図10
参照)。
図10 深穴の偏り
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4
B 0415-1975
(9) ばり残り・ばりかじり ばり残りは,鍛造品本体からばりの抜かれた端までの部分。ばりかじりは,
抜けこう配の図面上の仮想交点からの肉不足分(図11・図12参照)。
図11 ばり残り
図12 ばりかじり
(10) ばりかえり ばり抜き,又は穴抜きによってかど部に発生するかえり(図13参照)。
図13 ばりかえり
(11) エゼクタ跡 エゼクタのついた金型を使用した場合,鍛造品に残るくぼみ又は浮出しの跡。
(12) 表面はだあれ 鍛造時のスケールによるくぼみ及び表面手直しによるくぼみ。
(13) せん断端部の変形 せん断によって素材軸端部に発生する変形(図14参照)。
図14 せん断端部の変形
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5
B 0415-1975
(14) 素材部の局部的変形 金型によって素材部に局部的に発生する変形(図15参照)。
図15 素材部の局部的変形
3. 等級
3.1
等級は,精級及び並級の2等級とする。ただし,丸み半径,抜けこう配,深穴の偏り,ばりかえり,
エゼクタ跡,表面はだあれ,せん断端部の変形及び素材部の局部的変形の公差及び許容差には等級を設け
ない。
3.2
等級の適用は,次による。
(1) 並級は,通常の用途に対して十分な寸法精度であり,標準品に適用する。
(2) 精級は,並級では寸法精度の不十分な場合に適用する。
この公差は,1個の鍛造品のあらゆる寸法に適用できるが,特に精級の公差を必要とする特定寸法
に限り適用する方がよい。
4. 公差決定に必要な算定要素 公差を決める場合には,寸法以外に次の各要素を用いて算定する。
(1) 質量 鍛造品の正味質量。
(2) 材料による加工の難易度 次の二つに分類する。
M1:炭素量0.65%未満で,合金成分 (Mn, Ni, Cr, Mo, V, W) の合計が5%未満の鋼
M2:炭素量0.65%以上,又は合金成分 (Mn, Ni, Cr, Mo, V, W) の合計が5%以上の鋼
備考 鋼材規格の許容最大含有量を適用する。
(3) 形状の複雑度 次の式で計算して分類する。
Sn
(複雑度)=
鍛造品の質量(又は体
積)
全体の形状に対する質
量(又は体積)
0.63を超え1以下
0.32を超え0.63以下
0.16を超え0.32以下
0.16以下
全体の形状に対する質量(又は体積)とは,鍛造品の最大寸法で包まれる全体の形状に対する質量(又
は体積)をいう(図16・図17参照)。
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B 0415-1975
図16 円形の鍛造品の包まれる形状
図17 円形でない鍛造品の包まれる形状
(4) 型割線の形状 次の二つに分類する(図18参照)。
(a) 平たん又は対称
(b) 非対称
図18 型割線
5. 特別な形状に対する公差の適用 特別な形状のものは4.の算定要素に,次の要素も含めて公差を決め
る。
e
(1) 薄いフランジのある鍛造品で,
d
≦
.0
20
(図19参照)の場合には複雑度をS4とし,質量は直径d,厚さ
eのフランジ部の質量を用いて公差を求める。ただし,その公差が4.の手順によって求めた公差より
も小さいときは適用しない。
e
≦
.0
20
d
ここに
d: フランジの直径又はフランジ部の包
まれる形状の直径
e: フランジ部の厚さ
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B 0415-1975
図19 薄いフランジのある鍛造品の形状
(2) 高い突出部のある鍛造品で,突出部がその先端直径の1.5倍以上ある場合には,先端部までの最大寸
法h以外の厚さ公差は,フランジ厚さeと直径dの1.5倍(図20参照:t=e+1.5d)を厚さの呼び寸
法として公差を求める。
t=e+1.5d
ここに
t: 厚さの呼び寸法(先端までの最大寸法
hを除く。)
d: 突出部先端直径又は包まれる直径
e: フランジ部の厚さ
図20 高い突出部のある鍛造品の形状
6. 厚さ,長さ・幅・高さの公差及び許容差の表の使い方
6.1
厚さの公差及び許容差
(1) 算定要素として次のものを用いる。
(a) 鍛造品の質量
(b) 材料による加工の難易度(M1又はM2)
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B 0415-1975
(c) 形状の複雑度(S1, S2, S3, S4のいずれになるかを算出する。)
(d) 等級(精級又は並級)
(2) 等級の区別により7.1に規定する精級の表,又は並級の表を用いる。まず表の左側の“質量の区分”
に該当する質量の欄を見出し,次に横線に沿って右の“材料による加工の難易度”がM1の場合は,
そのまま更に横線を右へたどる。M2の場合には,斜めに下がる線に沿ってM2の縦線との交点まで下
がってから横線を右へたどる(M2の場合には,2段下のものを用いることになる。)。
形状の複雑度も同じようにS1の場合はそのまま右へ,S2の場合は斜めに下がる線に沿ってS2の縦
線との交点まで下がり横線を右へたどる(S3の場合には2段,S4の場合には3段下のものを用いるこ
とになる。)。
更に右へたどり,“呼び寸法の区分”に該当する厚さ寸法の欄で交わる数値が求める厚さの公差及び
許容差である(呼び寸法は原則として厚さの最大寸法を用いる。)。
使用例(並級)
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B 0415-1975
並級
単位 mm
6.2
長さ・幅・高さの公差及び許容差
(1) 算定要素として次のものを用いる。
(a) 鍛造品の質量
(b) 材料による加工の難易度(M1又はM2)
(c) 形状の複雑度(S1, S2, S3, S4のいずれになるかを算出する。)
(d) 等級(精級又は並級)
(2) 等級の区別により7.2に規定する精級の表,又は並級の表を用いる。同表において前項と同じ要領で
“質量の区分”に該当する質量の欄と“呼び寸法の区分”に該当する長さ・幅・高さの寸法の欄から
長さ・幅・高さの公差及び許容差を求める(呼び寸法は,原則として長さ・幅・高さの最大寸法を用
いる。)。
7. 寸法公差及び許容差
7.1
厚さの公差及び許容差
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10
B 0415-1975
精級
単位 mm
呼び寸法の区分
材料によ
質量の区分
る加工の
難易度
0.4以下
0.4を超え 1.2以下
1.2を超え 2.5以下
2.5を超え 5以下
5を超え 8以下
8を超え 12以下
12を超え 20以下
20を超え 36以下
36を超え 63以下
63を超え 110以下
110を超え 200以下
200を超え 250以下
形状の複雑度
16以下
16を超え
40を超え
63を超え
100を超え
160を超え
250を超え
40以下
63以下
100以下
160以下
250以下
るもの
S4 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差
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11
B 0415-1975
並級
単位 mm
呼び寸法の区分
材料によ
質量の区分
る加工の
難易度
形状の複雑度
16以下
1.2を超え 2.5以下
2.5を超え 5以下
5を超え 8以下
8を超え 12以下
12を超え 20以下
20を超え 36以下
36を超え 63以下
63を超え 110以下
110を超え 200以下
200を超え 250以下
40を超え
63を超え
100を超え
160を超え
250を超え
40以下
63以下
100以下
160以下
250以下
るもの
S4 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差
0.4以下
0.4を超え 1.2以下
16を超え
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12
B 0415-1975
7.2
長さ・幅・高さの公差及び許容差
精級
単位 mm
呼び寸法の区分
材料によ
質量の区分
る加工の
難易度
0.4以下
0.4を超え
形状の複雑度
32以下
3.2以下
3.2を超え
250以下
1000以下
1600以下
2500以下
120以下
120を超え
630以下
50以下
50を超え
400以下
20以下
20を超え
250以下
10以下
10を超え
160以下
5.6以下
5.6を超え
100以下
1.8以下
1.8を超え
100を超え 160を超え 250を超え 400を超え 630を超え 1000を超え 1600を超え
S4 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差
1以下
1を超え
32を超え
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
13
B 0415-1975
並級
単位 mm
呼び寸法の区分
材料によ
質量の区分
る加工の
難易度
0.4以下
0.4を超え
形状の複雑度
32以下
10以下
10を超え
1000以下
1600以下
2500以下
120以下
120を超え
630以下
50以下
50を超え
400以下
20以下
20を超え
250以下
5.6以下
5.6を超え
160以下
3.2以下
3.2を超え
100以下
1.8以下
1.8を超え
100を超え 160を超え 250を超え 400を超え 630を超え 1000を超え 1600を超え
S4 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差 公差 許容差
1以下
1を超え
32を超え
250以下
備考1. 中心から一つの面までの寸法(図4参照)の許容差及び一つの金型内の段の寸法の許容差は,その寸法公差
31
31
の
+, −とする。
2. 内側寸法の公差は,+と−を逆にする。
3. せん断端部の変形がある場合の長さは,せん断によってできたこう配の短かい側をとる。
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14
B 0415-1975
7.3
心間寸法の許容差
単位 mm
呼び寸法の区分
等
級
を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
精
並
備考1. 図6のような形状の場合には,当事者間で許容差を協定する。
2. この許容差は,ほかの公差とは別個に適用する。
7.4
丸み半径の許容差
単位 mm
7.5
呼び寸法の区分
10以下
許容差
10を超え
32以下
32を超え
100以下
100を超え
るもの
抜けこう配の角度の許容差
単位 度
角度の区分
許容差
7.6
型ずれの許容値
単位 mm
質量の区分
(kg) 0.4以下
型割線
等級
0.4を超え
1を超え
1.8を超え
3.2を超え
5.6を超え
10を超え
20を超え
50を超え
120を超え
10以下
20以下
50以下
120以下
250以下
1以下
1.8以下
3.2以下
5.6以下
平たん又は
精
対称
並
精
並
非対称
備考 この許容値は,ほかの公差とは別個に適用する。
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15
B 0415-1975
7.7
そりの許容値
単位 mm
呼び寸法の区分
等級
を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
精
並
備考 この許容値は,ほかの公差とは別個に適用する。
7.8
深穴の偏りの許容値
単位 mm
許容値
(穴の深さ)×0.005
備考 深穴の偏りの許容値は,7.6の“型ず
れの並級の許容値”に加算して適用す
る。
7.9
ばり残り・ばりかじりの許容値
単位 mm
質の区分
型割線
0.4以下
等級
0.4を超え
1.8を超え
3.2を超え
5.6を超え
10を超え
20を超え
50を超え
120を超え
1以下
1.8以下
1を超え
3.2以下
5.6以下
10以下
20以下
50以下
120以下
250以下
平たん又は
精
対称
並
精
並
非対称
備考 この許容値は,ほかの公差とは別個に適用する。
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16
B 0415-1975
7.10 ばりかえりの許容値
単位 mm
質量の区分
1以下
1を超え
6以下
6を超え
40以下
40を超え
250以下
許容値
7.11 エゼクタ跡のくぼみの深さ又は浮出しの高さの許容値
単位 mm
質量の区分
以下
許容値
を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え を超え
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
以下
備考 この許容値は,ほかの公差とは別個に適用する。
7.12 表面はだあれの許容値
単位 mm
表面はだあれの区分
許容値
機械加工面
(加工しろ)×21
黒皮面
(厚さの公差)×31
7.13 せん断端部の変形の許容値
単位 mm
素材径の区分
36以下
36を超えるもの
許容値
7°以下
備考 この許容値は,ほかの公差とは別個に適用する。
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17
B 0415-1975
7.14 素材部の局部的変形の許容差 局部的に変形した部分の素材径の許容差は,7.2に規定する素材径に
相当する呼び寸法に適用する並級の許容差と同じとする。また,その部分の長さは,素材径dの1.5倍で
100mmを限度とする。
機械要素部会 鋳鍛造普通公差専門委員会 構成表
(委員会長)
(専門委員)
(事務局)
氏名
松 浦 佑 次
逢 坂 國 一
五十嵐 義 男
林 杵 雄
宮 川 松 男
吉 田 道 雄
渡 辺 昭 俊
伊 藤 弘 美
笠 井 辰 也
岸
孝
鈴 木 一 雄
山 田 忠 幸
山 本 洋
足 立 公 夫
五月女 郁 雄
白 村 浩 邦
田 中 康 博
中 村 元 樹
西 村 開 吉
田 島 政 男
大 磯 義 和
所属
早稲田大学
工業技術院標準部
通商産業省機械情報産業局
神奈川大学
東京大学
財団法人鍛造技術研究所
横浜国立大学
日立金属株式会社
新日本鍛工株式会社
株式会社東京鍛工所
岡田工業株式会社
株式会社東京精鍛工所
三菱製鋼株式会社
日産自動車株式会社
社団法人日本産業機械工業会
株式会社小松製作所
久保田鉄工株式会社
石川島芝浦機械株式会社
三菱重工業株式会社
工業技術院標準部
工業技術院標準部機械規格課
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B 0415-1975
原案作成委員会
氏名
委員長
副委員長
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
委員
鈴 木 一 雄
山 田 忠 幸
岩 本 達 男
石 田 潔
川 端 豊
岸
孝
長 山 五 郎
三 浦 秀 雄
三 河 繁 生
守 谷 厳 樹
吉 田 道 雄
所属
岡田工業株式会社
株式会社東京精鍛工所
後藤鍛工株式会社
理研鍛造株式会社
日本鍛工株式会社
株式会社東京鍛工所
新日本鍛工株式会社
株式会社江州鍛造工業所
川崎鍛工株式会社
株式会社東亜鍛工所
財団法人鍛造技術研究所