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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

日本工業規格

JIS

F 0011-1997

造船用語−船体−基本計画

Shipbuilding−Vocabulary−Basic design of hull part

l.

適用範囲 この規格は,船体基本計画に関する用語について規定する。

2. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。

(1) 主要目

(2) トン数及び乾玄

(3) 復原性及び動揺

(4) 抵抗,推進及び旋回

(5) 図書

3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。

なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。慣用語欄で,“……(法)”として記載してある用語は,

法律用語である。

備考1. 用語欄・定義欄で,用語表記の中の( )内の漢字は常用漢字表にないもので,便宜的に記

載したものであり,( )の部分は用語の一部ではない。

2. 用語欄で,用語の下の( )内の仮名書きは読み方を示す。

(1) 主要目

番号

用語

定義

参考

対応英語

船体の最前端から最後端までの水平距離(付図

1参照)。

慣用語

船型

全長

機関室,船楼の位置で決まる船の側面形状。

垂線間長

船体の前部垂線から後部垂線までの水平距離

(付図1参照)。

前部垂線

計画満載喫水線と船首材前面との交点を通る鉛

直線(付図1参照)。

後部垂線

最大幅

だ(舵)柱がある船ではその後面,だ柱がない

船ではだ頭材の中心を通る鉛直線(付図1参

照)。

船体の最広部における両玄の外面間の水平距離

(付図1参照)。

型幅

船体最広部における両玄のろっ(肋)骨外面間

の水平距離(付図1参照)。

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2

F 0011-1997

番号

用語

定義

参考

対応英語

型深さ

計画満載喫水

最大喫水

慣用語

垂線間長の中央における,キール上面から乾玄

甲板ビームの船側における上面までの垂直距離

(付図1参照)。

垂線間長の中央におけるキール上面から計画満

載喫水線までの垂直距離で,船の計画時,載貨

重量・速度など船の諸性能を計画する場合の基

礎となる喫水(付図1参照)。

垂線間長の中央におけるキール下面から満載喫

水線までの垂直距離(付図1参照)。

構造喫水

船こく構造設計上の基準として使う喫水。

肥せき係数

船の水線下の形状や水線面が,どの程度やせて

いるかを示す係数の総称。

方形係数

船体の水線下の容積のやせている度合いを示す

係数。船の排水容積と,同状態の長さ・幅・喫

水で表される直方体容積との比。

中央横断面係数

船体の水線下の中央断面積のやせている度合い

を示す係数。船体の水線下の中央断面積と同状

態の幅と喫水とで表される長方形面積との比。

柱形係数

船体の水線下の前後部の容積のやせている度合

(ちゅうけいけいすう)

いを示す係数。船の排水容積と,同状態の中央

断面積と長さで表される柱状体容積との比。

水線面積係数

排水量

満載排水量

船体の水線面のやせている度合いを示す係数。

船の喫水面の面積と,同状態の幅と長さとで表

される長方形面積との比。

船体が排除する水の質量。

満載喫水における排水量。

軽荷重量

載貨重量

貨物倉容積

船体,機関などの設備,法定備品などからなる

船の自重。

満載排水量から軽荷重量を差し引いた質量。 deadweight

貨物倉内の総容積。

グレーン容積

ベール容積

試運転最大速力

航海速力

シーマージン

航続距離

シヤー

キャンバ

フレームスペース

貨物倉容積の表し方のうち,ばら積貨物を積載

する場合の容積。

貨物倉容積の表し方のうち,雑貨物,コンテナ

など,ある形をもった荷姿の貨物を積載する場

合の容積。

海上公試運転時に記録された最大速度。

満載航海状態において機関の常用出力に特定の

シーマージンを見込んで得られる速度。

航路の海象,船体の汚損などによる航海速力の

低下を見込んだ,常用出力に対する余裕度。

備考 百分率 (%) で表す。

満載状態・常用出力で航海できる最大距離。

甲板下面の玄側線の船首尾方向の反り(付図1 sheer

参照)。

甲板の横方向の反り(付図1参照)。

ろっ(肋)骨の間隔。

舷弧(法)

梁矢(法)

肋骨心距(法)

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番号

用語

定義

参考

対応英語

船底こう(勾)配

船底外板面を玄側面で高くした高さ(付図1参 rise of floor

照)。

基線

船体の諸寸法を表す場合の基準とする線であっ

て,船の中央におけるキールの上面を通る水平

線(付図1参照)。

慣用語

(2) トン数及び乾玄

番号

用語

定義

参考

対応英語

慣用語

トン数

総トン数

船舶の大きさを表すため,一般に用いる単位。 tonnage

船舶法に規定する船舶の大きさを表すのに用い

る単位。

国際総トン数

純トン数

スエズ運河トン数

パナマ運河トン数

トン数マーク

乾玄

船舶のトン数測度に関する国際条約において規

定された国際航海に従事する船舶のトン数。

旅客又は貨物の運送に供する場所の大きさを表

すのに用いる単位。

スエズ運河のトン数測度規則によって測度され

るスエズ運河通行料算定の基準となるトン数。

パナマ運河のトン数測度規則によって測度され

るパナマ運河通行料算定の基準となるトン数。

全通甲板二層以上を備える船で第二甲板を測度

甲板とするとき,測度甲板と上甲板間の貨物倉

を総トン数に含めないために所定の位置に標示

するマーク(付図2参照)。

備考 測度甲板とは,トン数算出の基準と

する甲板をいう。

フリーボード

船の中央における乾玄甲板のりょう上側板の上

面から満載喫水線までの垂直距離。

乾玄甲板

形状乾玄

形状喫水

甲板線

満載喫水線

区画満載喫水線

フリーボードマーク

乾玄を測る基準となる最上層の全通甲板。

満載喫水線規則によって規定され,船の形状に

よって決定される乾玄。

形状乾玄に対する喫水。

乾玄甲板の上面を示す水平な線(付図3参照)。 deck line

載貨による船体の水中沈下が許される最大限度

の喫水線。

国際航海に従事する旅客船の区画の決定に用い

る喫水線。

満載喫水線規則によって規定され,船の積載が

許される最大喫水を標示するマーク(付図3参

照)。

満載喫水線標識

(3) 復原性及び動揺

番号

用語

定義

参考

対応英語

復原性

船が外力に抵抗して直立の姿勢を保とうとする

性能。

復原偶力

重力と浮力の作用で船を直立の姿勢に戻すよう

に働く力。

慣用語

復原力

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番号

用語

定義

参考

対応英語

復原てこ

復原偶力が作用する腕の長さ(付図4参照)。 righting arm ;

復原力滅失角

復原てこが零になる傾斜角度。

復原性範囲

メタセンタ

動的復原力

初期復原力

負復原力

損傷時復原性

船底レイキング損傷

自由水

自由水影響

浸水計算

浸水率

水密区画

可許長

可浸長

限界線

動揺軸

横揺れ

縦揺れ

船首揺れ

浸水した区画の水が占め得る容積と,その区画

の全容積との比。

水密壁で囲われた区画。

船のある部分において許すことができる水密区

画の最大長さ。

規定の浸水率である区画を浸水させても,船が

限界線を超えて沈下しない最大長さ。

船側における隔壁甲板の上面から76mm下方に margin line

引いた線。

船の動揺を扱うために用いる船の重心を通る,

長さ方向(縦軸),幅方向(横軸)及び鉛直方向

(鉛直軸)の座標軸。

船の縦軸周りの揺れ。

船の横軸周りの揺れ。

鉛直軸周りの揺れ。

前後揺れ

左右揺れ

上下揺れ

動揺中心

船の縦軸方向の揺れ。

船の横軸方向の揺れ。

鉛直軸方向の揺れ。

船の動揺の中心。

減滅係数

環動半径

船の動揺減衰の割合を表す係数。

出会い角

出会い周期

減揺タンク

船の直立状態から復原力滅失角までの傾斜の範

囲。

船を小角度傾けたときの浮力の軌跡の曲率中心

(付図4参照)。

船をある角度傾けるために外力がなす仕事。

船を小角度傾けたときの復原力。

重心がメタセンタより高い位置にある場合,船

を直立の姿勢から傾けるように働く力。

損傷区画が浸水した場合の復原性。

海洋汚染防止条約に規定された,船底外板だけ

に生じた船首部から広範囲(長さ方向)にわた

る損傷。

自由表面をもつ水。

自由水が復原性に及ぼす影響。

船の損傷時の復原性・姿勢を求める計算。

船体の動揺周期を算出するときに用いる動揺軸

周りの見掛けの回転半径。

船の進行方向と波の進行方向とがなす角。

進行中の船が波と出合う周期。

船の横揺れを軽減するための,船と自由水との

連成動揺を利用したタンク。

ジャイロスタビライザ 船の横揺れを軽減するための,ジャイロスコー gyrostabilizer

プの偶力を利用した装置。

慣用語

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F 0011-1997

番号

用語

フィンスタビライザ

定義

参考

対応英語

慣用語

航行中の船の横揺れを軽減するためフィンに働

く揚力を利用した装置。

(4) 抵抗,推進及び旋回

番号

用語

定義

参考

対応英語

全抵抗

平水中を航走するとき,船が水及び空気から受

ける抵抗。

粘性抵抗

造波抵抗

空気抵抗

船体表面を流れる水の粘性によって生じる抵抗。 viscous resistance

船が前進するときに波を起こすことによって生

じる抵抗。

航走中に船が空気から受ける抵抗。

摩擦抵抗

形状抵抗

粗度抵抗

剰余抵抗

有効出力

スラスト出力

プロペラが発生する推進出力。

伝達出力

主機からプロペラに伝達される出力。

伝達効率

推進効率

船体効率

伝達出力と主機出力との比。

有効出力と伝達出力との比。

有効出力とスラスト出力との比。

単独プロペラ効率

船後プロペラ効率

プロペラ効率比

スラスト減少係数

プロペラが均一な流れの中で単独に回転する場

合,プロペラが発生するスラスト出力とプロペ

ラに伝達される出力との比。

プロペラを船尾に取り付けた場合,プロペラが

発生するスラスト出力とプロペラに伝達される

出力との比。

船後プロペラ効率と単独プロペラ効率との比。 relative rotative

プロペラの作用による船体抵抗の増加分と,プ

ロペラの発生するスラスト出力との比。

伴流

(はんりゅう)

伴流係数

自航要素

アドミラルティ係数

航走する船体の浸水表面と水との粘性摩擦によ

る抵抗。

船体が3次元曲面であるために生じる粘性抵抗 form resistance

の成分。

船体表面が平滑でなく凹凸があるために生じる

粘性抵抗の成分。

全抵抗から摩擦抵抗,粗度抵抗及び空気抵抗を

差し引いた抵抗。

船が抵抗に打ち勝ってある速度で航走するため

に必要な正味の出力。

船が航走するとき,船体周りの流線の変化,摩

擦,波などによって船体周囲に生じる流れ。

船のプロペラの位置における伴流の,プロペラ

面内における平均速度と船の前進速度との比。 wake fraction

スラスト減少係数,伴流係数及びプロペラ効率

比の総称。

計画する船の速力に対する機関の出力を求める

ための係数。

慣用語

有効馬力,

スラスト馬

力,

推力馬力,

伝達馬力,

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番号

用語

定義

参考

対応英語

慣用語

空洞現象

船のプロペラ翼に水が作用したとき,翼表面の

圧力の低い部分から水が離れ,そこに気孔又は

空所を発生する現象。

キャビテーション係数 模型プロペラと実物のプロペラとのキャビテー cavitation number

ションを相似にするための条件を求める係数。

プロペラエロージョン プロペラ表面に孔食を生じる現象。

失脚

プロペラのピッチに回転速度を乗じた値と,実

際にプロペラが前進した距離との差。

失脚比

失脚をプロペラのピッチと回転速度の積で除し

た値。

浸水面積

水線下の船体表面積。

浅水影響

針路安定性

旋回縦距

旋回横距

旋回半径

旋回径

旋回圏

キャビテーション

水深が浅いために,プロペラ及びかじの効率が

低下したり,船体抵抗が増加したり,操縦性が

悪くなったりする現象。

船が直進中に,外力を受けてその針路からわずか

に外れたとき,その外力がなくなると徐々にある

一定方向の針路に落ち着いてゆく性質。

船が転だしてから船首方向が90°変わるまで advance

に船体重心が原針路方向に移動する距離。

船が転だしてから船首方向が90°変わるまでに船 transfer

体重心が原針路方向から横方向に移動する距離。

スリップ

スリップ比

保針性

アドバンス

トランスファ

船が旋回中に船の重心が描く回転円の半径。 turning radius

船が転だしてから船首方向が180°変化したと tactical diameter ;

きの船体重心と原針路との間の垂直距離。

船が前進中転だして360°回転する間に描く円 turning circle

形の運転軌跡。

(5) 図書

番号

用語

定義

参考

対応英語

主要目表

船の大きさ,性能を表すのに最も基本となる項

目を示す表。

仕様書

線図

船の性能,構造,装備品,建造方法などについ

て規定する文書。

船体の表面形状を表すために,横断面,水平面

及び船体中心線に平行な垂直面で船体を切断し

たとき現れる線を示す図面。

排水量等曲線図

各喫水における排水量,浮心位置,毎センチト

リムモーメント,メタセンタ高さなどを示す図

面。

備考 毎センチトリムモーメントとは,ト

リム1cmを生じさせるモーメントを

いう。

プリズマチック曲線図 船の長さを横軸に取り,縦軸には長さ方向の各 prismatic curve

位置における満載喫水線下の横断面積と中央最

大横断面積との比を表す曲線図。

復原力曲線図

横軸に船体傾斜角度を,縦軸に復原てこを取っ

て描く曲線図。

慣用語

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F 0011-1997

番号

用語

定義

参考

対応英語

復原力交差曲線図

ボンジャン曲線図

可浸長曲線図

減滅曲線図

出力曲線図

一般配置図

機関室全体配置図

中央横断面図

鋼材配置図

外板展開図

慣用語

各船体傾斜角に対して,横軸に排水量を,縦軸

に仮定の重心点に対する復原てこを取って描く

曲線図。

船の長さ方向の各位置に対し,各喫水における

その喫水以下の横断面積を表す曲線図。

船の長さ方向の各位置での可浸長を表す曲線

図。

横軸にその動揺の前後の平均横揺角を,縦軸に

横揺角の減少量を取って横揺の減衰の様子を表

す曲線図。

船の速度と主機出力との関係を表す曲線図。

馬力曲線図

船の外観形状,船倉,機関室,諸タンク,その

他荷役装置,居住区などのぎ装設備の全般的配

置を表す図面。

機関室内の主機,補機,諸タンクなどの配置を

機関室全体装

表す図面。

置図

船の中央部における船体の構造を表す図面。

中央切断面図

船体の主要強度部材の配置,寸法などを表す図

面。

外板を船体の横断面の外板内面に沿って船体の

全長にわたり基線に垂直方向に展開し,外板の

シーム,バット,板厚,外板に接する構造部材

の配置などを示す図面。

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F 0011-1997

付図1

付図2

付図3

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9

F 0011-1997

付図4

原案担当作業委員会 構成表

(委員長)

(委員)

(事務局)

氏名

所属

小 川 隆 也

村 瀬 孝 明

丸 山 修 史

熊 田 展 雄

上 谷 秀 雄

友 井 武 人

高 濱 秀 正

小 林 正 雄

今 井 要 介

アイ・エイチ・アイ・クラフト株式会社

社団法人日本船主協会

住友重機械工業株式会社船舶艦艇鉄構事業本部

NKK総合エンジニアリング事業部

三井造船株式会社千葉事業所

三菱重工業株式会社船舶・海洋事業本部

日立造船株式会社船舶防衛事業本部

財団法人日本船舶標準協会

財団法人日本船舶標準協会