2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F 0062 : 2002
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶
標準協会 (JMSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て、国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これによってJIS F 0062 : 1994は改
正され,この規格に置き換えられる。
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目次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 用語の分類 ····················································································································· 1
3. 音声警報の装備場所 ········································································································· 1
4. メッセージの長さ,スピード及び音質 ················································································· 2
5. 発生処理など ·················································································································· 2
5.1 発声の順 ······················································································································ 2
5.2 割込み処理 ··················································································································· 2
5.3 繰返し ························································································································· 2
5.4 警報確認後の処理 ·········································································································· 2
5.5 発声処理の具体例 ·········································································································· 2
6. 可聴警報との区分 ············································································································ 4
7. 注意喚起音 ····················································································································· 4
7.1 注意喚起音の使用法 ······································································································· 4
7.2 注意喚起音の種類 ·········································································································· 4
8. 動作確認 ························································································································ 4
9. メッセージの編集 ············································································································ 5
10. 用語の種類 ··················································································································· 5
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日本工業規格
JIS
F 0062 : 2002
船舶−音声合成システム用語及び適用基準
Shipbuilding−Voice synthesizer−Equivalent terms
1. 適用範囲 この規格は,操だ(舵)室・中央(集中)制御室など,情報が集中する場所における,船
舶の警報などの補完として使用される音声合成システムで採用する用語,発声処理などについて規定する。
音声合成による警報システムの採用拡大を考慮し,船内の関連する他の警報システムの用語(警報名称,
機器名称)との重複及び類似による混乱を防ぐため,船内警報システムの用語,発声処理などについて規
定する。また,音声認識技術を利用した音声コントロールシステムなどで使用する音声指令,音声応答な
どの用語についてもこの規格を準用する。
2. 用語の分類 用語の分類は,次による。
a) 全船非常警報
b) 火災警報
c) 操船指令(エンジンテレグラフ,操縦権など)
d) 航海コンソール関係
e) 航海計器関係
f)
機関部警報
g) 電話呼出し
h) 各種呼出し
i)
無線関係
j)
荷役関係
k) 警報の確認復帰関係
l)
機器番号,場所など
m) 数値などの読上げ
3. 音声警報の装備場所 音声による警報は,重要性及びその特徴を生かし,次の場所に装備することが
望ましい。
a) 全船非常警報,火災警報 公室,通路,居室及び通常の作業場所
b) 航海関係警報 操だ(舵)室,公室及び事務室
c) 機関関係警報 操だ(舵)室,機関制御室,公室,事務室及び通路(機関部)
d) 荷役関係警報 操だ(舵)室,荷役制御室,公室及び事務室
e) その他 必要な場所に限定して装備する。
全船非常警報,火災警報など緊急時の警報は通常,人のいる場所において,警報の内容が十分判別でき
るように配置する。また,a)以外の警報については,警報出力を制限する機能を備える。特に,機関室無
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人化船における当直者居室及び近傍通路への音声警報には,出力先選択などの機能を備える。
4. メッセージの長さ,スピード及び音質 注意喚起や迅速な警報内容の判断などの音声警報の効果を上
げるために,メッセージの長さ,スピード,音質などに関して次の事項を考慮する。
a) メッセージの長さ 基本的には,この規格による用語のとおりとする。機器番号,場所などと組み合
わせる場合も同様とし,極力短い表現とする。
b) スピード 警報の重要度に合わせて,読上げ速度に差をつける。通常(重要度3級)は7文字/秒程
度とし,重要度が上がると速める。
c) 音質及び音量 警報関係については,女性音のほうが注意喚起などに有効であるとの報告があるが,
発声の明りょう度,音量及び口調(命令口調がよい。)によっても差が出る。メッセージ全体の相互関
係を調整して決定する。
5. 発生処理など
5.1
発声の順 船内の警報などの発声の順は,一般的には発生の順とするが,同時に発生したときは,
次の3ランクの分類の重要度の順に発声する。
− 重要度1級とは,自船及び人命の安全にかかわるもの。
− 重要度2級とは,直ちに自船の安全にかかわらないが,迅速な対応が必要なもの。
− 重要度3級とは,一次的な対応処理を行い,余裕をもって処理が可能なものを示す。
各用語の重要度は,10.の重要度による。
なお,ブランクは警報に該当しないもので順位は重要度3級の次に位置する。
5.2
割込み処理 音声警報が発生中に他の警報が発生した場合には,現在の発声に続いて新しい警報の
メッセージを発声する。以後は重要度の順に一声ずつそれぞれの警報に対するメッセージの発声を行う。
ただし,同時に発生するメッセージ数には制限を設け,発声数が極端に多い場合には,順位の低いものは
削除する。
5.3
繰返し 船内の警報などの発声は,応答の確認までメッセージを何度も繰り返す。
5.4
警報確認後の処理 発声の途中での確認に対し,メッセージは途中で中断することなく,最後まで
発声する。例えば,“機関部一般異常”の警報に対し,“確認”が“機関部 −(確認)− 一般異常”の
関係にある場合も,“機関部”で止まることなく,“・・・・・・一般異常”とメッセージの最後まで発声
する。
5.5
5.5.1
発声処理の具体例
記号及び用語の説明 記号及び用語の説明は,次による。
a) 警報1,警報2及び警報3の数字は,警報などの発生した順を示す。
b) 警報A,警報B及び警報Cとは,それぞれ,重要度1級,2級,3級の警報などを示す。
c) 確認1,確認2及び確認3の数字は,確認動作の順を示す。
d) 音声1,音声2及び音声3は,数字の一致する警報などに対応する音声を示す。
e) 音声1A,音声2A及び音声3Aは,英数字の一致する警報などに対応する音声を示す。
5.5.2
警報などの発生と確認との関係 警報などの発生と確認との関係は,次による。
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a) 1点の警報の発生は,確認まで警報のメッセージを繰り返し発声する。
b) 1点の警報が発生し,確認する前に次の警報が発生した場合には,現在の発声に続いて次の警報のメ
ッセージを発声し,確認まで全警報のメッセージを繰り返し発声する。
c) 2点以上の警報が同時に発生したとき,重要度の順に一声ずつそれぞれの警報に対応するメッセージ
の発声を行い,確認までは全警報を繰り返すが,確認された時点で,発声を停止する。
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d) 全警報のメッセージを発声する前でも,確認以後は警報のメッセージを発声しない。
6. 可聴警報との区分 警報などが集中する操だ(舵)室・集中制御室などでは,音声警報と可聴警報が
同時に多発する可能性が高い。音声警報が従来のベル及びブザーに代わる警報の補助手段であることから,
複数警報が発生した場合には,音声警報を制限する機能を設け,非常事態の際に不都合とならないように
する。
7. 注意喚起音
7.1
注意喚起音の使用法 音声警報の内容に対する準備行為として注意喚起音を付加する場合には,音
声警報の前に一句(例えば,“ピンポーン”)とし,警報の重要度,グループに対応させて,幾つかの注意
喚起音を使い分けることが望ましい。
7.2
注意喚起音の種類 注意喚起音の代表例を,次に示す。
番号
注意喚起音
備考(用途)
ピンポーン(ドアチャイム音)
ピピピ(ホイッスル)
ブーブーブー(ブザー断続音)
一般
軽度警報
重度警報
ピポピポ(電話呼び出し音に類似)
ブルル(新幹線発車音に類似)
カンカンカン(踏切音に類似)
ウィーウィー(早い周期の繰返し)
一般
軽度警報
ピンポンパン(アナウンスチャイム)
プップー(クラクション)
ジリリジリリ(ベルの音に類似)
一般
一般
重度警報
8. 動作確認 音声合成機器及びシステムの動作確認を行う場合には,音声警報の最初にテストである旨
のメッセージを付加する。動作確認は,音声合成機器及びシステムの稼働中に専用のテストスイッチなど
によって行えるようにする。テストは,登録メッセージすべてについて実施でき,また,警報ごとの動作
が個別に確認ができるようにする。
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9. メッセージの編集 メッセージの編集機能を装備する場合には,いつでも前の状態に復帰できるよう
バックアップ機能を備えるものとする。編集後の新しいメッセージ(群)は必ず全数動作確認をしてから,
入れ替えるものとし,新旧の区別を明確にするため記録媒体には日付,管理記号(バージョンなど)を付
加する。メッセージ変更によるトラブル防止のため,管理責任者によるシール(封印)を行うことが望ま
しい。
10. 用語の種類 音声合成システムに使用する用語及び重要度は,次による。
なお,重要度の分類は,5.1による。
用語は,機器番号,場所などを“2号機”+“発電装置異常”などのように組み合わせて使用する場合
には“2号発電装置異常”又は“発電装置2号機異常”など音声としての不具合がないように省略,分割
及び組替えを行って使用してもよい。また,用語の後に“**異常”“です。”,“**停止”“しました。”
などを加えた聞きやすい文章表現も使用してもよい。
a) 全船非常警報
番号
日本語
101 一般非常警報
102 水密扉閉鎖
英語
重要度
1級
1級
b) 火災警報
番号
日本語
英語
重要度
201 火災発生
202 機関室火災
エンジンルーム火災
203 居住区火災
1級
1級
1級
204 貨物区画火災
205 煙検知
206 消火剤放出
ハロン放出
1級
1級
1級
炭酸ガス放出
c) 操船指令(エンジンテレグラフ,操縦権など)
番号
日本語
英語
301 ラン アップ
302 フル アヘッド
303 ハーフ アヘッド
304 スロー アヘツド
305 デッド スロー アヘッド
306 スタンバイ エンジン
307 ストップ エンジン
308 フィニッシュド ウィズ エンジン
309 デッド スロー アスターン
310 スロー アスターン
311 ハーフ アスターン
312 フル アスターン
313 エマージェンシィ フル アスターン
クラッシュ アスターン
重要度
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d) 航海コンソール関係
番号
日本語
英語
重要度
401 貨物関係異常
402 エンジンテレグラフ異常
エンテレ異常
2級
3級
403 テレグラフ ロングウエー
404 主機操縦装置無電圧
主機リモコン無電圧
405 危険回転数滞留
2級
2級
2級
3級
2級
408 主機始動空気圧低下
409 かじ(舵)取機異常
410 航海灯異常
411 機関当直者応答なし
2級
2級
2級
2級
412 水密扉異常
413 火災検知システム異常
煙検知システム異常
414 消火システム異常
2級
2級
406 操縦場所移動
407 主機始動フェール
主機始動失敗
ハロン消火システム異常
2級
e) 航海計器関係
番号
日本語
英語
重要度
501 ジャイロコンパス異常
502 オートパイロット異常
2級
2級
503 針路離脱
504 衝突危険船接近
505 衝突予防装置異常
506 危険水深
2級
1級
2級
1級
f)
機関部警報
番号
日本語
英語
重要度
601 主機遠隔操縦装置異常
主機リモコン異常
2級
602 主機関危急停止
主機トリップ
603 主機関自動減速
主機スローダウン
2級
604 主機関減速要求
主機スローダウンせよ
605 主機関減速
606 主機関関連装置異常
2級
607 主機関異常
608 発電装置異常
609 警報装置電源異常
610 蒸気発生器異常
2級
2級
2級
2級
ボイラ異常
611 燃料関係異常
612 機関部一般異常
2級
3級
2級
2級
2級
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番号
613 機関室ビルジ異常
日本語
614 エンジンモニタ異常
英語
重要度
2級
英語
重要度
2級
g) 電話呼出し
番号
日本語
701 自動交換電話
702 操船用電話
703 貨物積付け用電話
704 無線用電話
705 インターホン
h) 各種呼出し
番号
日本語
英語
重要度
801 糧食冷蔵庫閉じ込み呼出し
802 病室呼出し
1級
2級
803 エレベータ呼出し
2級
i)
無線関係
番号
日本語
英語
重要度
901 船舶電話
902 VHF DSC 着信
903 MF DSC 着信
904 HF DSC 着信
905 EGC 着信
2級
2級
2級
2級
906 ナブテックス着信
907 インマル-A 電話
908 インマル-A FAX着信
909 インマル-A TELEX着信
3級
910 インマル-C 着信
j)
荷役関係
番号
日本語
英語
重要度
1001 貨物装置緊急遮断
2級
1002 ガス漏れ発生
1003 機関室ガス漏れ発生
1004 居住区ガス漏れ発生
1005 貨物区画ガス漏れ発生
2級
2級
2級
2級
1006 貨物タンク異常
1007 ホールド スペース異常
1008 ホールド ビルジ異常
1009 貨物ポンプ異常
2級
2級
2級
2級
1010 貨物機械室ファン異常
1011 不活性ガス装置異常
1012 荷役装置異常
1013 冷凍コンテナ異常
2級
2級
2級
2級
k) 警報の確認復帰関係
番号
1101 当直が確認した
日本語
英語
重要度
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番号
日本語
1102 コンソールで確認した
1103 正常に復帰した
l)
英語
重要度
機器番号,場所など
番号
日本語
1201 右げん(舷)
1202 左げん(舷)
1203 中央
1204 おもて
船首
1205 とも
船尾
1206 一号機(一号)
一番
1207 二号機(二号)
英語
重要度
英語
重要度
二番
1208 三号機(三号)
三番
m) 数値などの読上げ
番号
日本語
1301 まる(ぜろ),ひと,ふた,さん,よん,ご,ろ Zero, One, Two, Three, Four, Five, Six, Seven, Eight,
く,なな,はち,きゅう
1302 (ひと)じゅう,ふたじゅう,さんじゅう,よん Ten, Twenty, Thirty, Forty, Fifty, Sixty, Seventy,
じゅう,ごじゅう,ろくじゅう,ななじゅう,は
ちじゅう,きゅうじゅう
1303 (ひと)ひゃく,ふたひゃく,さんびゃく,よん One hundred, Two hundred, Three hundred, Four
ひゃく,ごひゃく,ろっぴゃく,ななひゃく,は
っぴゃく,きゅうひゃく
1304 (ひと)せん,ふたせん,さんぜん,よんせん, One thousand, Two thousand, Three thousand, Four
ごせん,ろくせん,ななせん,はっせん,きゅう
せん
1305 ひとまん,ふたまん,さんまん,よんまん,ごま Ten thousand, Twenty thousand, Thirty thousand,
ん,ろくまん,ななまん,はちまん,きゅうまん Forty thousand, Fifty thousand, Sixty thousand,
備考 “いち,に,みつ,よつ/し,いつ,むつ,しち,やつ,とう”の表現は使用しない。
関連規格 JIS F 0417 船用警報一等級
JIS F 0418 船橋警報及び表示装置適用基準