F 0908:2020 (ISO 21984:2018)

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序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲························································································································· 1

2 引用規格························································································································· 2

3 用語及び定義··················································································································· 2

4 計測装置························································································································· 3

4.1 一般的要求事項 ············································································································· 3

4.2 機能試験 ······················································································································ 3

5 計測箇所及び計測方向······································································································· 3

5.1 計測箇所 ······················································································································ 3

5.2 計測方向 ······················································································································ 3

6 計測条件························································································································· 3

7 計測方法························································································································· 4

8 評価······························································································································· 4

8.1 許容可能な振動のガイドライン値 ····················································································· 4

8.2 うなり ························································································································· 5

9 試験結果報告書················································································································ 5

附属書A(参考)細長比に関する甲板室の長さ(L)及び高さ(H)の測定方法の例 ························· 6

附属書B(参考)周波数重み付け係数Wm ················································································· 7

附属書C(参考)この規格による船舶の居住性の評価報告書の例 ·················································· 9

(1)

F 0908:2020 (ISO 21984:2018)

まえがき

この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本船舶技術研究協会(JSTRA)

から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経

て,国土交通大臣が制定した日本産業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(2)

日本産業規格

JIS

F 0908:2020

(ISO 21984:2018)

船舶及び海洋技術−特定の船舶の居住性に関する

振動計測,評価及び記録基準

Ships and marine technology-Guidelines for measurement, evaluation and

reporting of vibration with regard to habitability on specific ships

序文

この規格は,2018年に第1版として発行されたISO 21984を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本産業規格である。

1

適用範囲

この規格は,次の条件のいずれか又は両方に合致する船舶(以下,特定の船舶という。)に乗る全ての人

の居住性に関する振動計測,評価及び記録基準について規定する。

a) 固定ピッチプロペラに直結した2サイクル,かつ,ロングストロークの低速ディーゼルエンジンを装

備する場合。

b) 甲板室の長さ(L)が,甲板室の高さ(H)と比較して短い[具体的には,細長比(H/L)が1.0以上

である。]場合。細長比に関する甲板室の長さ(L)及び高さ(H)の測り方の例を,附属書Aに示す。

この規格は,船舶の様々な区画に対して,周波数範囲1 Hz〜80 Hzの周波数重み付けオーバーオールr.m.s.

値のガイドライン値を示す。

この規格は,24時間以上の航行を意図する特定の船舶に適用できる。

この規格では,常時滞在する区画における振動の計測装置及び計測方法の要件を規定し,また,居住性

に関する船舶振動の解析方法及び評価のガイドラインも示す。

この規格は,人が長時間滞在しない,機関制御室以外の機関区画には適用できない。

JIS F 0907は,一般に全ての船舶に適用できる。この規格も適用可能な特定の船舶を含めた,客船及び

商船に乗る全ての人の居住性に関する振動の計測,評価及び記録の要件は,JIS F 0907に規定されている。

この規格は,JIS F 0907の補完でも追補でもなく補足である。各船の設計条件,及び姉妹船又は類似船の

建造経験を十分考慮した上で,任意の特定の船舶に対して,この規格とJIS F 0907のいずれを適用するか

選択することができるが,その選択に関して,関係者の合意を得る必要がある。

船酔いにつながり得る船体の低周波運動の評価に関しては,JIS B 7760-2を参照。ただし,船体の全体

構造振動の評価に関しては,ISO 20283-2を参照。

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 21984:2018,Ships and marine technology−Guidelines for measurement, evaluation and reporting

of vibration with regard to habitability on specific ships(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

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F 0908:2020 (ISO 21984:2018)

とを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS B 0153 機械振動・衝撃用語

注記 対応国際規格:ISO 2041,Mechanical vibration, shock and condition monitoring−Vocabulary

JIS B 7760-2 全身振動−第2部:測定方法及び評価に関する基本的要求

注記 対応国際規格:ISO 2631-1,Mechanical vibration and shock−Evaluation of human exposure to

whole-body vibration−Part 1: General requirements

ISO 2631-2,Mechanical vibration and shock−Evaluation of human exposure to whole-body vibration−Part 2:

Vibration in buildings (1 Hz to 80 Hz)

ISO 8041,Human response to vibration−Measuring instrumentation

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0153によるほか,次による。

3.1

居住区画(accommodation space)

レクリエーション及び管理に使用される区画。具体的には,リビング及び寝室を含む居室,医務室,食

堂並びにレクリエーションルーム。

注記 レクリエーションルームの例として,ラウンジ,読書室,ゲーム室,ジム,喫煙室,映写室及

び娯楽室が挙げられる。

3.2

事務室(office)

船舶の業務を遂行するための区画又は部屋。

例 デッキオフィス,船舶オフィス,会議室。

3.3

作業区画(work space)

主に手作業を行うための区画。具体的には,工作室,洗濯室,調理室及び実験室。ただし,機関区画(3.4)

は含まない。

3.4

機関区画(machinery space)

蒸気又は内燃機関,ポンプ,空気圧縮機,ボイラ,燃料油装置,主要電気機器,給油装置,推進器,冷

凍設備,減揺装置,操だ(舵)装置,通風装置,空調装置などを格納する区画,及びこれらの区画に至る

通路。

3.5

デューティステーション(duty station)

乗組員が航海又は機械を監視するために一定時間以上(一般には当直の4時間)滞在する作業区画(3.3)。

注記 主要デューティステーションとは,機関制御室及び操だ(舵)室(航海船橋ウィング部を除く。)

をいう。

3

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3.6

オープンデッキ・レクリエーション・スペース(open-deck recreation space)

レクリエーション目的で使用することを指定されている開放甲板上の空間。

3.7

自由航行状態(free route)

船舶が一定の速度で(スロットル調整を行わず),だ(舵)角を左右2度以下として一定の航路を前進す

る状態。

4

計測装置

4.1

一般的要求事項

この規格による振動計測には,アナログ,デジタル,周波数領域又は時間領域など異なったタイプの計

測及び記録機器を使用してもよい。ただし,計測装置は,ISO 8041の要求事項を満たさなければならない。

フィルタの特性がISO 2631-2の規定によっていれば,ISO 8041に従って製作し,80 Hz以上の周波数の

表示が可能な計測装置を使用してもよい(周波数重み付け係数Wmについては,附属書Bを参照)。

計測装置がISO 8041の要求を満たしていることを,少なくとも2年に一度校正しなければならない。ま

た,最後に校正した日付を記録しなければならない。

この規格による解析後,更に解析が必要な場合には,計測データは,恒久的な記録を行える電子機器に

記録しなければならない。

4.2

機能試験

計測装置の各チャンネルは,船上にて計測の前後に適切な動作を確認しなければならない。機能試験は,

機器を使用して特定の場所で計測した振動値と,他の機器(又は携帯形の加振機)を使用して同じ場所で

計測した振動値とを比較することによって行うことができる。

5

計測箇所及び計測方向

5.1

計測箇所

計測箇所は,乗組員及び乗客が通常滞在する全ての甲板上に,居住性に関わる船舶の振動特性を特定す

るために十分な数を配置する。

作業区画の中でも特に,主要デューティステーションにはセンサを設置する。居住区画の場合,センサ

は,区画の中央又は人が長時間滞在する位置に設置する。通常,壁から1 m以上離れて計測する。

センサは,人と振動源との接触点における振動を正しく捕捉できるように,床表面に適切に設置し,固

定する。床が柔軟又は弾性の素材で覆われている場合,センサは,被覆材表面と均一に接触するように適

切に取り付ける。3本爪のスパイク板に取り付けたセンサを使用してもよい。固い素材の床と柔らかい素

材の床それぞれに対する,センサ取付方法の詳細を,試験結果報告書に明確に記載する。

5.2

計測方向

センサの設置方向は,船舶の三つの並進軸,すなわち,前後,左右及び上下に一致させる。

6

計測条件

振動計測は,船舶の試運転時に実施する。一貫性のある正確な振動計測値の記録には,次に示す一定か

つ適切な計測条件が必要である。

a) 直進航路における自由航行状態

4

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b) 契約された標準航海状態における一定の推力

c) 計測中,推進機の回転速度を一定に設定

d) プロペラを完全に没水

e) 全てのシステムが通常の稼働状態[冷暖房空調設備(HVAC),補機,減揺装置など]

f)

ISO 15016に規定する浅水補正が不要な許容水深,ビューフォート風力階級及び有義波高

上記の計測条件から逸脱する場合は,関係者間で互いに合意し,試験結果報告書に明記しなければなら

ない。

7

計測方法

計測は,各甲板の少なくとも2か所の有意義な場所において,上下方向の面外振動及び水平方向(前後

及び左右)の面内振動を網羅するよう,全3方向(5.2を参照)について実施する。同じ甲板上のその他

の場所では,少なくとも上下方向の計測を行う。

ISO 2631-2による周波数重み付け係数Wmは,計測方向にかかわらず,全ての計測に適用する。

注記 周波数重み付け係数Wmの1/3オクターブバンド値及びその図を附属書Bに示す。狭帯域解析

に用いる周波数重み付け係数Wmは,ISO 8041を参照。

評価する周波数範囲は,1 Hz〜80 Hzとする。計測時間は,最低1分間とする。2 Hz未満の範囲に顕著

な周波数成分が存在するか,又はそれが疑われる場合には,最低2分間の計測が推奨される。

各計測結果は,JIS B 7760-2に定義する周波数重み付けオーバーオールr.m.s.値としなければならない。

居住性評価においては,各方向の計測結果中の最大値を使用する。

8

評価

8.1

許容可能な振動のガイドライン値

許容可能な振動のガイドライン値を,周波数範囲1 Hz〜80 Hzの周波数重み付けされた速度(mm/s)及

び加速度(mm/s2)のオーバーオールr.m.s.値として,表1に示す。

注記 周波数重み付けされた,速度及び加速度のオーバーオールr.m.s.値(vW, aW)には,式(1)に示す

関係がある。

a=

W

1

v

W

·········································································· (1)

.0

028

表1のガイドライン値は,許容可能な最大値を示す。

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表1−許容可能な振動のガイドライン値

区画の分類

8.2

ガイドライン値

居住区画

オープンデッキ・レクリエーション・スペース

事務室

機関制御室

操だ(舵)室(航海船橋ウィング部を除く。)

他の作業区画

うなり

うなりは,周波数が僅かに異なる二つの正弦波振動間で生じる相互作用であり,二つの振動周波数の差

を周期とした,定期的な振動量の変動として観測する。うなりは,体感によって容易に認識することがで

きる。うなりが観測された場合は,少なくとも1か所の顕著な観測場所とともに報告するのがよい。

9

試験結果報告書

試験結果報告書には,少なくとも次の情報及びデータを含めなければならない。

附属書Cに,試験結果報告書の様式例を示す。

a) この規格の番号

b) 試験実施の場所及び日付

c) 試験実施者及び試験実施機関

d) 船体主要目

e) 試験時の積付状態及び海象(うなりなどを含む。)

f)

センサの配置及び方向

g) 計測装置,並びにその最終校正日及び機能試験結果

h) 計測結果

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附属書A

(参考)

細長比に関する甲板室の長さ(L)及び高さ(H)の測定方法の例

特定の船舶の甲板室の典型的な形状を,図A.1に示す。甲板室の長さ(L)の測定方法は,甲板室を片

もちはり(梁)とみなした際の曲げ及びせん断剛性への寄与を考慮して,図A.1に示す方法による。また,

甲板室の高さ(H)は,船体中心線において,上甲板より上方の高さを測るものとする。

a) タイプA

b) タイプB

c) タイプC

T.BHD :横隔壁

P.BHD :部分隔壁又は横フレーム

Bkt.

:機関室囲壁と甲板室とをつなぐブラケット

図A.1−特定の船舶の甲板室の典型的な形状

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附属書B

(参考)

周波数重み付け係数Wm

周波数重み付け係数Wmを,表B.1及び図B.1に示す。

表B.1−周波数重み付け係数Wm,1 Hz〜80 Hz,1/3オクターブバンド

周波数バンド

番号a)

1/3オクターブバンド中心周波数

公称値

真の中心周波数

加速度入力

係数Wa

注a) xは,IEC 61260-1による周波数バンド番号である。

速度入力

係数Wv

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1

2

加速度入力

速度入力

図B.1−周波数重み付け係数Wm(帯域制限を含む。)

加速度入力Waによる周波数重み付け係数と,速度入力Wvによる周波数重み付け係数との間には,式(B.1)

に示す関係がある。

W

a

( f )

=

ここに,

1

1

W

v

( f ) ························································· (B.1)

.0

028 2 π

f

f: 周波数(Hz)

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附属書C

(参考)

この規格による船舶の居住性の評価報告書の例

試験実施場所:

試験日:

試験実施機関:

試験実施者:

船名:

建造工場及び建造番号:

船舶の種類:

建造日:

船体要目

垂線間長(m):

幅(モールド)(m):

喫水(m):

注記

主機要目

形式:

シリンダ数:

台数:

出力(kW):

回転速度(r/min):

プロペラ要目

数量,形:

翼数:

回転速度(r/min):

注記

計測状態

シーステート:

ビューフォート風力階級:

有義波高(m):

風速(m/s):

水深(m):

風向:

喫水(船首)(m):

喫水(船尾)(m):

注記

計測装置の形,特性

計測装置の仕様:

機能試験結果:

計測結果

センサの位置

方向

周波数重み付けr.m.s.値

(オーバーオール)

加速度mm/s2

速度mm/s

参考文献

[1] ISO 15016,Ships and marine technology−Guidelines for the assessment of speed and power performance

by analysis of speed trial data

[2] ISO 20283-2,Mechanical vibration−Measurement of vibration on ships−Part 2: Measurement of structural

vibration

[3] JIS F 0907 機械振動−船上における振動の計測−客船及び商船の居住性に関する振動計測,評価及

び記録基準

[4] IEC 61260-1,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters−Part 1: Specifications