2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
F 2432 : 1998 (ISO 5780 : 1987)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が制定した日本工
業規格である。
JIS F 2432には,次の附属書がある。
附属書A 設計圧力の計算
附属書B 丸窓の位置決定用グラフ
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
F 2432 : 1998
(ISO 5780 : 1987)
造船−丸窓−位置決定
Shipbuilding−Side scuttles−Positioning
序文 この規格は,1987年に発行されたISO 5780, Shipbuilding−Side scuttles−Positioningを翻訳し,技術
的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。
規格の運用に当たっては,現段階において船用の窓に関する用語の統一化が図られていないために規格本
体において不適切な表現の用語がある。したがって,原国際規格を参照することが望ましい。
1. 適用範囲及び適用分野 この規格は,国際航海に従事する客船及び貨物船に適用することができる
JIS F 2413に従って製造した丸窓の,法規に基づく位置決定について規定する。
附属書A及びBは,この規格の一部である。附属書Aは,設計圧力の計算式を示し,附属書Bは,設
計圧力の計算方法を基にしながら,丸窓の位置決定を単純化したグラフで示したものである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの規格はその最新版を適用する。
JIS F 2413 造船及び海洋構造物−船用丸窓
備考 ISO 1751, Shipbuilding and marine structures−Shipsʼ side scuttlesが,この規格と一致している。
1966年の国際満載喫水線条約 (LL1966) ,国際海事機関 (IMO)
規定3,船楼及び甲板室の端部隔壁の強度,国際船級協会連合 (IACS)
3. 位置決定の条件
3.1
全般 丸窓の位置決定は,国際条約及び基準,各国関係官庁並びに船級協会の規則類に従って行わ
なければならない。
3.2
位置決定 船の丸窓の位置は,次の各項によって変わる。
a) 船の長さLと丸窓下縁(1)の夏期満載喫水線S上の高さy(附属書BのグラフNo.1〜No.4参照)に関連
づけられた丸窓の位置。木材満載喫水線を指定している場合には,この高さは夏期木材満載喫水線か
ら丸窓下縁まで測らなければならない。
b) 丸窓が取り付けられる壁の性質と向き,すなわち,
− 乾玄甲板下の船側
− 船楼及び甲板室の前壁,側壁及び後端壁
注(1) 丸窓下縁は,ガラス開口の下端と定義する。
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3.3
丸窓の位置の制限 丸窓を取り付けてはならない位置は,3.3.1及び3.3.3を参照。固定式でなければ
ならない場合については,3.3.2を参照。
3.3.1
船側において乾玄甲板に平行に引いた線の中で,その最低点が,夏期満載喫水線S(又は,指定さ
れていれば夏期木材満載喫水線)より,船の幅Bの2.5%又は500mmのどちらか大きい方の距離だけ上に
ある線に対して,丸窓の下縁がそれより下にくるような場所には,丸窓を設けてはならない。
3.3.2
船が損傷時復原性の要件を満足することを要求されている場合には,窓の中でその下縁が損傷状態
における最終喫水より下になり,かつ,浸水対象になっている区画の外に取り付けられている丸窓は,す
べて固定式でなければならない。
3.3.3
3.3.1及び3.3.2でそれぞれ規定した位置とグラフNo.1で求めた曲線(附属書B参照)の下部との
間には丸窓を設けてはならない。
備考 ある船に関して幅Bとは,金属外板の船の場合には,船の中央において測ったフレームのモー
ルドラインとの間の最大船幅又は金属以外の材料を外板にする船の場合には,同じく船体外面
の最大幅をいう。
3.4
3.4.1
内ふた
船側,船楼の第一層又は乾玄甲板下の場所に通じる甲板室には,JIS F 2413による恒久的に内ふた
を付けた窓,すなわちA級又はB級の丸窓以外は取り付けてはならない。
3.4.2
閉囲した第一層の船楼又は乾玄甲板下の場所に直接出入りできる第二層の場所には,JIS F 2413に
よる恒久的に内ふたを付けた丸窓すなわちA級又はB級の丸窓を取り付けなければならない。
備考 詳細については,LL1966第23(1)規則を,IMOの海上安全委員会が採択した関連解釈とともに
参照のこと。
4. 強度制限 丸窓の使用に関して3.3に規定した制限のほかに,丸窓の許容最低位置は,船に働く外力
に関連した丸窓の強度によっても変わる。
4.1
外力の計算 予想される最大の外力(設計圧力)は,附属書Aに示す計算方法で求める。
4.2
極限の位置 設計圧力が,個々の丸窓の種類と大きさによって決まる最高許容圧力(表1参照)よ
り大きい船内の場所には,丸窓を設けてはならない。
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表1 JIS F 2413による丸窓の最高許容圧力
種類
A,重
B,中
C,軽
JIS F 2413による丸窓
最高許容圧力 P
呼び寸法 mm ガラス厚さ(1) mm
注(1) 特殊な場合は,くもりガラスにはさらに厚いガラスを使用し
なければならない(JIS F 2413参照)。
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F 2432 : 1998 (ISO 5780 : 1987)
附属書A 設計圧力の計算
(この附属書は,規格の構成部分である。)
A.0 序文 JIS F 2413による丸窓の位置決定をする場合に守るべき設計圧力は,A.1の計算式によって決
まる。この計算式は,LL1966の第18規則によって開口部を保護する場合に船楼及び甲板室が受ける荷重
を計算するとき一般に使用するものであるが,これを船の丸窓の位置決定の基本として使用する。
A.1 計算式
備考 この計算式は,IACSの規定S3から採用したものである。設計圧力P (kPa) は,次の式によっ
て得られる。
P
=10
a
(
bf
−
y
)c
ただし, a: 高さ係数(A.1.1参照)
b: 船の長さ方向の分布係数(A.1.2参照)
f: 確立係数(A.1.3参照)
y: 夏期満載喫水線Sから丸窓の下縁までの鉛直距離 (m) 又は木
材満載喫水線が指定されているときは,夏期木材満載喫水線か
ら丸窓の下線までの高さ (m)
c: 幅係数(A.1.4参照)
A.1.1 高さ係数の計算
表2の式に使用する記号:
L及びL1: 船の長さ (m)
ただし,LL1966/IMOの第3(1)の規則の定義による(L1は300m
より大きくとる必要はない。)。
x: 対象としている隔壁と船尾垂線 (AP) との間の距離 (m) (附属
書B参照)。
備考 船楼又は甲板室の側壁に関しては,それを0.15L以下のほぼ等しい長さに細分し,xは,それぞ
れの部分の中心とAPとの間の距離をとらなければならない。
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表2 高さ係数aの計算式
船楼及び甲板室の丸窓の位置
最下層(1)
前壁,非保護
第二層
第三層
前壁,全層保護
側壁,全層
後端壁,全層
船体中央より後
船体中央より前
注(1) 最下層とは,通常,規則上の深さDを測るための最上
層全通甲板の直上の層をいう。ただし,最小乾玄より
大きい乾玄が指定されている場合には,この層を上部
層として定義することを管轄官庁に任せることができ
る。“過度の乾玄”とは,最小表定乾玄より船楼の標準
的な一層の高さ以上大きい乾玄をいうことが望まし
い。
A.1.2 船の長さ方向の分布係数bの計算
表3 分布係数bの計算式
表3の式に使用する方形係数
方形係数Cbは,貨物船では夏期満載喫水線に対応する型喫水d,また,客船では最深区画型喫水におい
て,長さL及び最大型幅Bを基に計算した方形係数である。
Cb
=
喫水
d
における型排水量
L
×
B
×
d
ここに,型排水量はm3で,また,L,B及びdはmで表す。
Cbとしてとる値は,0.60から0.80までの範囲とする。ただし,船体中央より前の後端壁を考える場合に
は,Cbを0.80より小さくする必要はない。
A.1.3 確立係数fの計算
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表4 確率係数fの計算式
備考 表4の式で,eは自然対数の底であ
る。
表5 確率係数fの計算値
備考 L>300mでは,f=11.03。表中の中間値は,線形補間によって求める。
A.1.4 幅係数cの計算 幅係数cは,次の式によって計算する。
c
=
3.0
+
7.0
ここに,
b
′
B
′
b′: 対象とする場所における甲板室の幅 (m)
B′: 対象とする場所における暴露甲板上の船の実際の最大
幅 (m)
b′/B′: 0.25未満としてはならない。
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F 2432 : 1998 (ISO 5780 : 1987)
附属書B 丸窓の位置決定用グラフ
(この附属書は規格の構成部分である。)
B.0
緒言 この附属書は,設計圧力の計算方法を基にしながら,単純化したグラフの形で位置決定方法
を示す(B.1.6に続く備考2.〜4.も参照のこと。)。グラフNo.1〜No.4は,船内における丸窓の位置に応じ,
JIS F 2413に従って取り付けることが許される級別を決定するために使用することができる。グラフによ
って,夏期満載喫水線Sから丸窓の下縁までの最小距離を求めることができる。グラフに示す曲線は,そ
れぞれの級別の丸窓が耐えられる最低圧力に基づいている。それらの値を表6に示す。グラフNo.1は,JIS
F 2413のA級丸窓に適用し,グラフNo.2は,JIS F 2413のB級丸窓に適用する。グラフNo.3及びNo.4
は,JIS F 2413のC級丸窓に適用する。
表6 最高許容圧力P
JIS F 2413の丸窓級別
最高許容圧力 P
B.1 グラフの使用方法
B.1.1 縮尺図(一般配置図,側面図若しくは容積図又は同様の図面で,夏期満載喫水線を示している図面)
を使用する。
B.1.2 縦座標I〜Vの前後方向の位置を図に記入する。
B.1.3 縦座標の値,すなわち夏期満載喫水線S又は夏期木材満載喫水線上の高さを,対象としている丸窓
の等級についてプロットする(これらの値は,グラフNo.1又はNo.3のどちらかによって求める。)。
B.1.4 プロットした縦座標の点を結んで一本の線を引く。この線が,それぞれの等級の丸窓下縁の最低許
容位置となる。ただし,取付け位置が3.3.1及び3.3.2に示す制限を受けることは変わらない。
B.1.5 前壁に取り付ける丸窓の場合には,グラフNo.1及びNo.3の鎖線は,B.1.4で述べた適用曲線に加え
るべき付加高さを示す。したがって,これを加えた高さが,船楼又は甲板室の前壁に取り付けられるとき
のそれぞれの等級の丸窓下縁に対する最低許容位置となる。
B.1.6 大形船の後端壁に使用するE級及びF級の丸窓の場合には,グラフNo.2及びNo.4は実際の縦座標
を示す。行うべき手順はB.1.2〜B.1.4に示す手順と同じである。
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図
備考1. 3.2及び4.2に示す個々の制限は守らなければならない。
2. あらゆる船の長さについて,最も不利となる方形係数 (Cb=0.6) を選んだ。Cbが0.6の場合
と0.8の場合とでは,夏期満載喫水線上の高さの最低値と最高値の差が,一番端の縦座標I
で特に大きく,縦座標Vでもある程度大きくなる。その値は,それぞれ約3mと1mである。
3. 前壁の丸窓の場合には,船側からの距離及び甲板面上の高さによる設計圧力の減少は考慮し
ない。
4. 夏期満載喫水線S上の高さの計算値は,縦座標IIとVの間でも,また縦座標IIIとIVの間で
も同様にわずか約0.1〜1.0mの差しかない。したがってそれぞれ対になった縦座標は,各グ
ラフの曲線では一緒になっている。
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備考 後端壁には何の制限もない。
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備考 後端壁には何の制限もない。
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参考文献
1966年 満載喫水線に関する国際条約, (LL 1966) ,IMO
1973年 船舶からの海洋汚染の防止に関する国際条約 (MARPOLPROT) ,1978,IMO
1974年の海上における人命の安全のための国際条約 (SOLAS 74) ,改正,IMO
危険化学薬品のばら積み運搬のための船舶の構造及び設備に関する国際規則[バルクケミカルコード/
IMO決議A. 212 (VII) ,改正]
液化ガスのばら積み運搬のための船舶の構造及び設備に関する国際規則[ガスキャリヤコード/IMO決
議A. 328 (IX) ,改正]
居住区ぎ装専門分科会 構成表
(専門分科会長)
(委員)
(事務局)
氏名
国 貞 憲 文
井 上 雅 文
叶 耕 治
田 守 宣 昌
小 林 侑 二
井 野 和 夫
石 口 文 雄
小 林 延 喜
馬 場 裕 幸
青 木 善 光
石 神 俊 雄
山 本 富 造
山 中 和 夫
冨 永 恵 仁
所属
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