G 4109:2019

ページ

序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲························································································································· 1

2 引用規格························································································································· 1

3 種類の記号,強度区分及び適用厚さ ····················································································· 1

4 製造方法及び熱処理 ·········································································································· 2

4.1 製造方法 ······················································································································ 2

4.2 熱処理及び熱処理の記号 ································································································· 2

5 化学成分························································································································· 3

5.1 溶鋼分析値 ··················································································································· 3

5.2 製品分析値 ··················································································································· 3

6 機械的性質 ······················································································································ 5

7 オーステナイト結晶粒度 ···································································································· 5

8 形状,寸法,質量及びその許容差 ························································································ 5

9 外観······························································································································· 8

10 試験 ····························································································································· 8

10.1 分析試験 ····················································································································· 8

10.2 機械試験 ····················································································································· 8

10.3 オーステナイト結晶粒度試験 ·························································································· 9

11 検査 ····························································································································· 9

12 再検査 ·························································································································· 9

13 表示 ····························································································································· 9

14 報告 ···························································································································· 10

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11

(1)

G 4109:2019

まえがき

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人

日本鉄鋼連盟(JISF)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS G 4109:2013

は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法

等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準

調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。

(2)

page

日本産業規格

JIS

G 4109:2019

ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板

Chromium-molybdenum alloy steel plates for boilers and pressure vessels

序文

この規格は,2018年に第4版として発行されたISO 9328-1及びISO 9328-2を基に作成した日本産業規

格であるが,取引の実態に整合させるため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

1

適用範囲

この規格は,常温から高温で使用されるボイラ及び圧力容器に用いるクロムモリブデン鋼の熱間圧延鋼

板(以下,鋼板という。)について規定する。

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 9328-1:2018,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part 1:

General requirements

ISO 9328-2:2018,Steel flat products for pressure purposes−Technical delivery conditions−Part 2:

Non-alloy and alloy steels with specified elevated temperature properties(全体評価:MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS G 0320 鋼材の溶鋼分析方法

JIS G 0321 鋼材の製品分析方法及びその許容変動値

JIS G 0404 鋼材の一般受渡し条件

JIS G 0415 鋼及び鋼製品−検査文書

JIS G 0551 鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法

JIS G 3193 熱間圧延鋼板及び鋼帯の形状,寸法,質量及びその許容差

JIS Z 2241 金属材料引張試験方法

JIS Z 2248 金属材料曲げ試験方法

3

種類の記号,強度区分及び適用厚さ

鋼板の種類の記号,強度区分及び適用厚さは,次による。

a) 鋼板は,6種類とし,種類の記号,強度区分及び適用厚さは,表1による。

page

2

G 4109:2019

b) 鋼板は,種類の記号ごとに,機械的性質によって更に二つに区分する。引張強さの低い方を強度区分

1,引張強さの高い方を強度区分2と呼び,種類の記号の後にそれぞれ“-1”又は“-2”を付ける。

表1−種類の記号,強度区分及び適用厚さ

種類の記号

4

製造方法及び熱処理

4.1

製造方法

強度区分

適用厚さ

6以上 200以下

6以上 300以下

鋼板は,キルド鋼から製造する。

4.2

熱処理及び熱処理の記号

4.2.1

熱処理

4.2.1.1

鋼板の熱処理

鋼板の熱処理は,次による。

a) 強度区分1の鋼板には,焼なまし又は焼ならし焼戻しを行う。また,強度区分2の鋼板には,焼なら

し焼戻しを行う。

b) 焼なまし,焼ならし及び焼戻し温度は,表2による。

c) 焼ならし焼戻しを行う場合,注文者の承認が得られれば,規定の機械的性質を得るため,焼ならしに

おいて,液体冷却,衝風又はその他の適切な方法によって,加速冷却を行ってもよい。

d) a)の焼なまし又は焼ならし焼戻しに代わる熱処理を注文者が行う場合には,受渡当事者間の協定によ

って鋼板は,圧延のままとするか,又は協定された熱処理を行う。注文者の指定がない場合は,SCMV1,

SCMV2及びSCMV3については圧延のままとし,SCMV4,SCMV5及びSCMV6については圧延後に

応力除去焼なましを行う。

4.2.1.2

試験片の熱処理

試験片の熱処理は,鋼板から採取した供試材の状態で行い,その後,熱処理を行った供試材から試験片

を採取する。熱処理は,4.2.1.3の熱処理の指示による。

4.2.1.3

熱処理の指示

熱処理の指示は,次による。

a) 注文者は,注文書によって製造業者が行う鋼板の熱処理の種類,4.2.2の熱処理の記号及び必要な場合

には,試験片の熱処理条件及び回数を指示する。

page

3

G 4109:2019

b) 4.2.1.1 d)によって注文者が鋼板の熱処理を行う場合には,その旨を注文書で明示し,かつ,製造業者

が行う試験片の熱処理条件を指示する。

表2−焼なまし,焼ならし及び焼戻し温度

単位 ℃

種類の記号

焼なまし温度又は焼ならし温度

焼戻し温度

620以上

650以上

700以上

注a) 注文者の指定によって,炭素含有率を0.10 %以下としたSCMV6の鋼板は,

焼なまし及び焼ならし温度を875 ℃以下としてもよい。

4.2.2

熱処理の記号

鋼板及び試験片の熱処理を示す記号は,次による。熱処理の記号は,表1の種類の記号の末尾に付記す

る。同じ熱処理を複数回行う場合は,その熱処理の記号の前に回数を付記する。

a) 鋼板に焼なましを行う場合

A

b) 鋼板に焼ならし焼戻しを行う場合

NT

注記 4.2.1.1 c)によって,焼ならしにおいて加速冷却を行った場合を含む。

c) 鋼板に応力除去焼なましを行う場合

P

d) 試験片の熱処理として焼なましを行う場合

TA

e) 試験片の熱処理として焼ならし焼戻しを行う場合

TNT

f)

試験片の熱処理として溶接後熱処理に相当する熱処理を行う場合 SR

例 SCMV1-1 A

SCMV1-1 NTSR

:強度区分1を指定された鋼板に焼なましを行う場合

:強度区分1を指定された鋼板に焼ならし焼戻しを行い,更に試験片の熱処

理として溶接後熱処理に相当する熱処理を行う場合

SCMV4-2 PTNT2SR :強度区分2を指定された鋼板に応力除去焼なましを行い,更に試験片の熱

処理として焼ならし焼戻しを行った後,溶接後熱処理に相当する熱処理を

2回行う場合

5

化学成分

5.1

溶鋼分析値

鋼板は,10.1の試験を行い,その溶鋼分析値は,表3による。

5.2

製品分析値

鋼板の製品分析は,注文者の要求がある場合に10.1の試験を行い,その値は,表4による。

page

4

G 4109:2019

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

単位 %

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

単位 %

以下

以下

以下

以下

以下

以下

b) 受渡当事者間の協定によって,Nbの上限値を0.05 %,Vの上限値を0.10 %,Tiの上限値を0.05 %としてもよい。

表4−化学成分(製品分析値)

種類の記号

0.21以下

0.45以下

0.020以下

0.020以下

0.17以下

0.45以下

0.020以下

0.020以下

0.17以下

0.020以下

0.020以下

0.17以下

0.50以下

0.020以下

0.020以下

0.17以下

0.50以下

0.020以下

0.020以下

0.15以下

0.55以下

0.020以下

0.020以下

以下

以下

以下

以下

以下

以下

厚さ150 mmを超える鋼板の化学成分は,箇条6の機械的性質を得るために,別途受渡当事者間で協定してもよい。

注a) Cu及びNiは,受渡当事者間の協定によって,この表の値を超えて添加してもよい。

b) 受渡当事者間の協定によって,Nbの上限値を0.06 %,Vの上限値を0.11 %,Tiの上限値を0.05 %としてもよい。

0.21以下

0.40以下

0.020以下

0.020以下

以下

0.17以下

0.40以下

0.020以下

0.020以下

以下

0.17以下

0.020以下

0.020以下

以下

0.17以下

0.50以下

0.020以下

0.020以下

以下

0.17以下

0.50以下

0.020以下

0.020以下

以下

0.15以下

0.50以下

0.020以下

0.020以下

以下

厚さ150 mmを超える鋼板の化学成分は,箇条6の機械的性質を得るために,別途受渡当事者間で協定してもよい。

注a) Cu及びNiは,受渡当事者間の協定によって,この表の値を超えて添加してもよい。

種類の記号

表3−化学成分(溶鋼分析値)

5

G 4109:2019

6

機械的性質

機械的性質は,次による。

a) 注文者は,強度区分1又は強度区分2のいずれかを指定しなければならない。

b) 強度区分1を指定された鋼板は10.2の試験を行い,機械的性質は,表5による。

なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。

注記 曲げ性の試験の実施については,10.2.1を参照。

c) 強度区分2を指定された鋼板は10.2の試験を行い,機械的性質は,表6による。

なお,曲げ性の場合は,曲げ試験片の外側にき裂を生じてはならない。

注記 曲げ性の試験の実施については,10.2.1を参照。

7

オーステナイト結晶粒度

SCMV1の鋼板のオーステナイト結晶粒度は,10.3の試験を行い,その粒度番号は,1〜5とする。

8

形状,寸法,質量及びその許容差

鋼板の形状,寸法,質量及びその許容差は,JIS G 3193による。ただし,鋼板の長さの許容差及びカッ

トエッジの場合の幅の許容差は,特に指定がない限りJIS G 3193の許容差Aとし,厚さの許容差は,表7

による。

page

6

G 4109:2019

表5−強度区分1の鋼板の機械的性質

伸び及び絞り

曲げ性

内側半径

種類の記号

及び

強度区分

降伏点

又は耐力

225以上

225以上

235以上

引張強さ

厚さ mm

厚さ

試験片

伸びd)

絞り

以下

1A号

以上

40を

超える

もの

10号

以上

以下

1A号

以上

40を

超える

もの

10号

以上

以下

1A号

以上

40を

超える

もの

10号

以上

205以上

10号

以上

以上

205以上

10号

以上

以上

205以上

10号

以上

以上

曲げ

角度

25以下

25を

超え

以下

50を

超え

以下

100を

超える

もの

180° 厚さの

0.75倍

厚さの

1.0倍

厚さの

1.25倍

180° 厚さの

1.0倍

厚さの 厚さの

1.25倍 1.5倍

厚さの

1.75倍

注記 1 N/mm2=1 MPa

注a) SCMV1,SCMV2及びSCMV3の厚さ8 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びは,厚さ1 mm又はその端数を

減じるごとに,この表の伸びの値から1を減じる。

b) SCMV1,SCMV2及びSCMV3の厚さ20 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びが,この表の規定値を満足し

ない場合に,その伸びの値が,この表の規定下限値(%)から3を減じた値以上の場合は,伸びを測定する

ための標点距離を50 mmとし,破断部を含んで伸びの値を測定して合否判定をしてもよい。その値が25 %

以上あれば,合格とする。

c) SCMV4,SCMV5及びSCMV6の鋼板で,鋼板の厚さが薄いため,10号試験片が採れない場合は,標点距離

を平行部径の4倍とした10号相似試験片を用いる。また,厚さ20 mm以下の鋼板は,1A号試験片を用いて

もよい。この場合,伸びを測定するための標点距離は,50 mmとし,破断部を含んで測定する。1A号試験片

を用いる場合の絞りは,この表の絞りの値から5を減じる。

d) 厚さ90 mmを超える鋼板の10号試験片の伸びは,厚さ12.5 mm又はその端数を増すごとに,この表の伸び

の値から0.5を減じる。ただし,減じる限度は3とする。

page

7

G 4109:2019

表6−強度区分2の鋼板の機械的性質

伸び及び絞り

曲げ性

内側半径

種類の記号

及び

強度区分

降伏点

又は耐力

SCMV1-2a)b) 315以上

SCMV2-2a)b) 275以上

SCMV3-2a)b) 315以上

引張強さ

厚さ mm

厚さ

試験片

伸びd)

絞り

以下

1A号

以上

40を

超える

もの

10号

以上

以下

1A号

以上

40を

超える

もの

10号

以上

以下

1A号

以上

40を

超える

もの

10号

以上

315以上

10号

以上

以上

315以上

10号

以上

以上

315以上

10号

以上

以上

曲げ

角度

25以下

180° 厚さの

0.75倍

180° 厚さの

1.0倍

25を

超え

以下

50を

超え

以下

厚さの

1.0倍

厚さの

1.25倍

厚さの

1.5倍

100を

超える

もの

厚さの

1.25倍

厚さの

1.75倍

注記 1 N/mm2=1 MPa

注a) SCMV1,SCMV2及びSCMV3の厚さ8 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びは,厚さ1 mm又はその端数を減

じるごとに,この表の伸びの値から1を減じる。

b) SCMV1,SCMV2及びSCMV3の厚さ20 mm未満の鋼板の1A号試験片の伸びが,この表の規定値を満足しな

い場合に,その伸びの値が,この表の規定下限値(%)から3を減じた値以上の場合は,伸びを測定するため

の標点距離を50 mmとし,破断部を含んで伸びの値を測定して合否判定してもよい。その値が25 %以上あれ

ば,合格とする。

c) SCMV4,SCMV5及びSCMV6の鋼板で,鋼板の厚さが薄いため,10号試験片が採れない場合は,標点距離を

平行部径の4倍とした10号相似試験片を用いる。また,厚さ20 mm以下の鋼板は,1A号試験片を用いても

よい。この場合,伸びを測定するための標点距離は,50 mmとし,破断部を含んで測定する。1A号試験片を

用いる場合の絞りは,この表の絞りの値から5を減じる。

d) 厚さ90 mmを超える鋼板の10号試験片の伸びは,厚さ12.5 mm又はその端数を増すごとに,この表の伸びの

値から0.5を減じる。ただし,減じる限度は3とする。

page

8

G 4109:2019

表7−厚さの許容差

単位 mm

幅a)

厚さ

1 600未満

1 600以上

2 000未満

2 000以上

2 500未満

2 500以上

3 150未満

3 150以上

4 000未満

4 000以上

5 000未満

6.00以上

6.30未満

6.30以上

10.0未満

10.0以上

16.0未満

16.0以上

25.0未満

25.0以上

40.0未満

40.0以上

63.0未満

63.0以上

100未満

100以上

160未満

160以上

200未満

200以上

250未満

250以上

300未満

300以上

マイナス側の許容差は0.25 mmとする。受渡当事者間の協定によって,マイナス側の許容差を0 mmと

してもよい。その場合のプラス側の許容差は,この表の数値に0.25 mmを加えた値とする。

注a) 幅5 000 mm以上の場合の許容差は,受渡当事者間の協定による。

9

外観

鋼板の外観は,JIS G 3193の箇条7(外観)による。ただし,溶接補修を行うときは,注文者の承認を

得なければならない。

10 試験

10.1 分析試験

分析試験は,次による。

a) 分析試験の一般事項及び溶鋼分析用試料の採り方は,JIS G 0404の箇条8(化学成分)による。

b) 製品分析用試料の採り方は,JIS G 0321の箇条4(製品分析用試料)による。ただし,供試材は,破

断後の引張試験片を用いてもよい。

c) 溶鋼分析方法は,JIS G 0320による。製品分析方法は,JIS G 0321による。

10.2 機械試験

10.2.1 試験一般

機械試験の一般事項は,JIS G 0404の箇条7(一般要求)及び箇条9(機械的性質)による。ただし,供

試材の採り方は,4.2.1.2によって試験片熱処理を行う場合も含めてJIS G 0404の7.6(試験片採取条件及

び試験片)のA類とし,試験片の数及び採取位置は,次による。

なお,曲げ試験は,省略してもよい1)。ただし,特に注文者の指定がある場合には,試験を行わなけれ

ばならない。

注1) 試験は,製造業者の判断によって省略してもよいが,曲げ性は規定を満足しなければならない

ことを意味する。

a) 引張試験片及び曲げ試験片の数並びに採取方向 同一スラブ又は同一鋼塊から圧延し,同一熱処理条

件で熱処理した鋼板を一括して試験単位とし,最終圧延方向に直角にそれぞれ1個採取する。

9

G 4109:2019

b) 引張試験片及び曲げ試験片の採取位置 試験片の中心は,板幅の1/4又はそれに近い位置とする。引

張試験片に10号試験片を用いる場合は,試験片の軸は,鋼板の表面から厚さの1/4とする。ただし,

厚さの1/4の位置に採れない場合には,それに近い位置とする。

10.2.2 試験片

引張試験片及び曲げ試験片は,次による。

a) 引張試験片は,JIS Z 2241の1A号又は10号試験片による。

b) 曲げ試験片は,JIS Z 2248の1号試験片による。

10.2.3 試験方法

引張試験及び曲げ試験の方法は,次による。

a) 引張試験の方法は,JIS Z 2241による。

b) 曲げ試験の方法は,JIS Z 2248による。曲げ角度及び内側半径は,表5及び表6による。

10.3 オーステナイト結晶粒度試験

オーステナイト結晶粒度試験は,次による。

a) 試験片は,溶鋼ごとに1個とし,引張試験片に隣接した位置から採取する。

b) 試験方法は,JIS G 0551の6.3.2(浸炭粒度試験方法)による。結晶粒度の評価法には,粒度番号によ

る評価法又は切断法による評価法のいずれを適用してもよい。

注記 この規格に規定する以外の試験として,受渡当事者間の協定によってJIS G 0560のサルファプ

リント試験,JIS G 0801などの非破壊試験が行われることがある。この場合,事前に試験片の

採り方,試験方法,合否判定基準などについて,受渡当事者間で協定される。

11 検査

検査は,次による。

a) 検査の一般事項は,JIS G 0404による。

b) 化学成分は,箇条5に適合しなければならない。

c) 機械的性質は,箇条6に適合しなければならない。

d) オーステナイト結晶粒度は,箇条7に適合しなければならない。

e) 形状,寸法,質量及びその許容差は,箇条8に適合しなければならない。

f)

外観は,箇条9に適合しなければならない。

12 再検査

再検査は,次による。

a) 引張試験又は曲げ試験で合格にならなかった鋼板は,JIS G 0404の9.8(再試験)によって再試験を行

って,合否を決定してもよい。

b) 試験で合格とならなかった鋼板は,熱処理又は再熱処理を行った後,改めて試験を行い,合否を決定

してもよい。

13 表示

検査に合格した鋼板は,鋼板ごとに次の項目を適切な方法で表示する。ただし,受渡当事者間の協定に

よって,製品識別が可能な範囲で項目の一部を省略してもよい。

page

10

G 4109:2019

a) 種類の記号及び強度区分並びに4.2.2の熱処理の記号

b) 溶鋼番号又は検査番号

c) 寸法。寸法の表示は,JIS G 3193の箇条3(寸法の表し方)による。

d) 製造業者名又はその略号

14 報告

製造業者は,検査文書を注文者に提出しなければならない。報告は,JIS G 0404の箇条13(報告)によ

る。ただし,注文時に特に指定がない場合,検査文書の種類は,JIS G 0415の5.1(検査証明書3.1)によ

る。

なお,化学成分は,表3及び表4に規定する全ての元素について報告しなければならない。

参考文献 JIS G 0560 鋼のサルファプリント試験方法

JIS G 0801 圧力容器用鋼板の超音波探傷検査方法

page

11

G 4109:2019

附属書JA

(参考)

JISと対応国際規格との対比表

JIS G 4109:2019 ボイラ及び圧力容器用クロムモリブデン鋼鋼板

(I)JISの規定

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇条番号

及び題名

1 適用範

2 引用規

3 種類の

記号,強

度区分及

び適用厚

(III)国際規格の規定

ボイラ及び圧力容

器用クロムモリブ

デン鋼鋼板

6種類を規定

欧州タイプ17種類,日米

タイプ15種類を規定

キルド鋼とし,焼な

まし,焼ならし焼戻

し又は圧延のまま。

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

変更

(V)JISと国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

技術的差異の内容

JISは,圧力容器用の他にボイ

ラ用を含む。適用鋼種として,

JISはクロムモリブデン鋼を規

定しているが,ISO規格は,そ

れ以外にも多くの鋼種を合金鋼

として規定している。

規格体系の相違であり,本質的な

問題ではないこと,また,この体

系の変更は,強制法規・技術基準

に大きく影響するため,静観す

る。

変更

ISO規格は,JISの鋼種を含む

32種類を規定している。

圧力容器の技術基準は,世界的に

みて,ASME規格と欧州基準の2

種類が主流である。ISO規格は,

双方に対応できるように双方の

鋼材規格を含む共存規格にして

既に対応している。

キルド鋼

一致

JISとISO規格対応鋼種とは,

同等である。

圧延のまま又は焼ならし

を選択

追加

JISは,熱処理を示す記号を規

定している。

製造方法は,キルド鋼を明記して

ISO規格と整合している。熱処理

は,JISでは熱処理を示す記号を

規定するなど,より明確な規定と

なっている。

常温から高温用の圧力容

器用炭素鋼及び合金鋼鋼

4 製造方

法及び熱

処理

国際規格

番号

page

12

G 4109:2019

(III)国際規格の規定

内容

5 化学成

6 機械的

性質

溶鋼分析値及び製

品分析値を規定

溶鋼分析値及び製品分析

値を規定

常温引張特性及び

曲げ特性について

規定

7 オース

テナイト

結晶粒度

オーステナイト結

晶粒度を規定

欧州タイプの鋼材は,常

追加

温引張特性,高温引張特

性及び衝撃特性を規定

し,日米タイプの鋼材は,

常温引張特性を規定。

追加

8 形状,

寸法,質

量及びそ

の許容差

JIS G 3193による。 ISO 9328-1 4

ただし,厚さのマイ

ナス許容差は,0.25

受渡当事者間で協定。協

変更

定の際,ISO 7452を参照。

9 外観

JIS G 3193による

として規定

ISO 7788による。

変更

10 試験

分析試験及び機械

試験を規定

分析試験,機械試験及び

高温引張試験を規定

変更

ISO規格は,高温引張試験につ

いても規定している。JISは,

高温引張試験を適用しない

Annex Bの鋼材と整合してい

る。

ISO規格は,JISとの共存規格と

なっており,現行どおりとする。

11 検査

規定した試験項目

について検査。

JIS G 0404による。 ISO 9328-1 7.3

規格に規定した試験項目

について検査。

ISO 404による。

変更

JISは,高温引張試験の検査を

規定していない。

再検査について,JIS G 0404と

ISO 404とは整合している。JIS

は,曲げ試験を追加している。

ISO規格は,JISとの共存規格と

なっており,現行どおりとする。

JISは,従来から規定している曲

げ特性要求も保持している。

内容

箇条ごと

の評価

変更

(V)JISと国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

12 再検

箇条番号

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

追加

技術的差異の内容

ISO規格は,JISを包含する規

定内容になっている。

対応する鋼種で比較すると,JIS

は,曲げ特性も規定している。

JISは,ボイラ用途にも対応した

成分規制。現行を踏襲する。

JISは,従来から規定している曲

げ特性要求も保持している。要求

性能として規定し,試験は省略で

きるとした現行を踏襲する。

ISO規格では規定していない JISは,ボイラ用途にも対応した

が,オーステナイト結晶粒度は,

規定であり,当面は静観する。

高温特性と関連するためJIS及

びASTM規格では規定してい

る。

JIS G 3193とISO 7452とは,整

厚さのマイナス側許容差は,国内

合している。ただし,厚さのマ 実績,法規・技術基準に基づいた

イナス側許容差は,ISO規格で ものであり,静観する。

は0.30 mm,JISでは0.25 mm

で相違がある。

ISO規格は,選択肢として表面

強制法規要求から現行の板厚不

きず除去部の局部的な板厚不足

足を認めない規定を踏襲する。

を認めているが,JISは認めて

いない。

国際規格

番号

(I)JISの規定

page

13

G 4109:2019

(I)JISの規定

国際規格

番号

(III)国際規格の規定

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

13 表示

種類の記号,溶鋼番

号,寸法,製造業者

名など表示

14 報告

注文時に指定がな

ければ,JIS G 0415

の記号3.1。

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

内容

箇条ごと

の評価

種類の記号,製造業者名,

追加

寸法などを表示。これ以

外は協定又は製造業者の

任意。

購入者の指定に基づく検

変更

査文書(3.1 又は 3.2)。

(V)JISと国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

技術的差異の内容

JISは,溶鋼番号及び熱処理の

記号も表示するように規定して

いる。

ISO規格は,JISとの共存規格と

なっており,現行どおりとする。

JISは,3.2を削除しているが,

基本は同じ考え方であり,大きな

いずれも基本は,注文者の指定 差異はないため現行どおりとす

が基本である。

る。

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 9328-1:2018,ISO 9328-2:2018,MOD)

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

− 一致……………… 技術的差異がない。

− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD…………… 国際規格を修正している。