2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

H 0400 : 1998

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS H 0400 : 1982は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

(1)

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

日本工業規格

JIS

H 0400 : 1998

電気めっき及び関連処理用語

Glossary of terms used in electroplating and related processes

序文 この規格は,1981年に第2版として発行されたISO 2079, Surface treatment and metallic coatings−

General classification of terms及び1981年に第2版として発行されたISO 2080, Electroplating and related

processes−Vocabularyを元に,対応する用語及びその定義については対応国際規格を翻訳し,技術的内容

を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない用語及びその定

義を日本工業規格として追加した。

1. 適用範囲 この規格は,電気めっき及び関連処理において用いられる主な用語及び定義について規定

する。

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 2079 : 1981 Surface treatment and metallic coatings−General classification of terms

ISO 2080 : 1981 Electroplating and related processes−Vocabulary

2. 用語の分類 電気めっき及び関連処理用語は,次の8部門に分類する。

a) 一般

b) 処理剤及び設備器具

c) 研磨及び前処理

d) めっき処理

e) 後処理

f)

関連表面処理

g) 排水処理

h) 試験及び検査

3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。

なお,参考のために対応する英語を示す。

備考 二つ以上の用語を並べてある場合は,その順位に従って使用する。

a) 一般

番号

用語

表面処理

定義

材料の表面を改質すること。

参考 表面の状態を変えることによって,表面の性質

を変えたり,新しい機能を付加する。

対応英語(参考)

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

2

H 0400 : 1998

番号

用語

化学めっき法

化成処理

化学及び電気化学的処理によって,金属表面に安定な化合

物を生成させる処理。

参考 りん酸塩処理,クロメート処理,黒染処理など

がある。

拡散処理

a) 下地表面に別の金属又は非金属を拡散させて,表面層

を作り出す方法。

b) 電気めっきでは,皮膜及び素地金属,又は二つ以上の

皮膜間で合金化若しくは金属間化合物を形成するた

めの熱処理。

溶融めっき法

めっきしようとする物を溶融金属中に浸せきして,表面に

金属皮膜を形成する方法。

金属被覆

あらゆる方法で得られるすべての金属被覆を意味する一

般的用語。

電気分解,

電解

電解析出,

電析

一対の電極を電解質溶液などのイオン伝導体に挿入し,外

部電源から電流を流して化学変化を起こさせる操作。

電気分解によって,電極表面に物質が生成すること。

参考 水素ガスの発生,金属の析出及び高分子膜の析

出などがある。

電着

電気分解によって,電極表面に物質が付着して生成するこ

と。

電析結晶

電解析出のうち,電極表面に金属又は金属酸化物結晶が生

成すること。

電気めっき法

金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出(電着)さ

せる方法。

貴金属

卑金属

標準水素電極と比較して,高い正極電位をもつ金属。

参考 イオン化しにくく,そのため容易に溶解しない

方が貴となる。例えば,銅は亜鉛より,そして

金は銅又は亜鉛より貴となる

標準水素電極と比較して,低い正極電位をもつ金属。

酸化

還元

物質が酸素と化合する反応。

アニオン,

陰イオン

カチオン,

陽イオン

電解質

電気泳動

イオン移動,

イオン泳動

定義

金属又は非金属表面に金属を化学的に還元析出させる方

法。

参考 置換法,化学還元法,熱分解法とがあり,置換

法は浸せきめっきと接触めっきとに,また化学

還元法は自己触媒めっきと非触媒めっきとに

分けられる。

物質が水素と化合する反応及び酸化物又は酸素が含む化

合物から酸素の一部若しくは全部が除去される変化。

負に帯電したイオン。

対応英語(参考)

正に帯電したイオン。

水などの溶媒に溶けてイオン化し,その溶液が電気伝導性

をもち,電流を流すと電気分解現象を起こす物質。

溶液中の荷電粒子が電位こう(勾)配によって移動する現

象。

電解液に電流を流したときにイオンが移動する現象。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

3

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

輸率

錯塩

錯イオン

複塩

電導度塩

キレート化合物

電極

陽極

陰極

酸化還元電位,

平衡電位

バイポーラ電極

分極

アノード分極

カソード分極

減極

アノード反応,

陽極反応

陽極での分極。

陰極での分極。

電極での分極が減少すること。

カソード反応,

陰極反応

陽極酸化

拡散層

電気分解において陰極で起こるカチオンの放電,還元など

の反応。

陽極処理によって電極表面において起こる酸化反応。

アノード皮膜

カソード皮膜

電流濃度

電流密度

臨界電流密度

限界電流密度

拡散によるイオンの補給が限界に達し,電圧を上げても電

流密度が増加しなくなる電流密度の最大値。

電流効率

アノード効率,

陽極効率

通過した電流のうち,目的とする電極反応に使用された電

流の割合。

参考 理論析出量(又は溶出量)に対する実際の析出

量(又は溶出量)との割合を百分率で表す。

特定の陽極過程の電流効率。

電解液に電流を流したときに特定のイオンが運ぶ電流の

割合。

2種類以上の塩が化合してできた塩で,水に溶かしたとき

錯イオンに解離して,構成要素のイオンを生成しない塩。

対応英語(参考)

電解質錯体が解離したときに生じるイオン。

2種類以上の塩が化合してできた塩で,水に溶かしたとき, double salt

もとの成分の塩と同じイオンに電離する塩。

導電性を増すため,電解液に添加する塩。

金属原子が環状構造の一部を形成し,容易にイオンに解離

しない化合物。

陽極又は陰極を表す用語。

a) 金属が電気化学的に溶解する極。不溶性の場合は,ア anode

ニオン(陰イオン)が放電する極。

b) 上記の機能を行う物質。

金属又は水素が電気化学的に析出する極。

単一の酸化還元系の電極反応が平衡にあるときの電位。

電解中,陽極と陰極との間に浸せきした電源に接続されて

いない導体が,電極のように働く現象。

電気分解中の電極に生じる自然電位からの電位のずれ。

電気分解において陽極で起こるアニオンの放電,金属の溶

出,酸化などの反応。

電解過程で,電極と接し,拡散による物質移動のために溶

液本体と濃度こう(勾)配を生じている溶液の薄い層。

a) 電解によって陽極上に形成される皮膜

b) 電解過程で,陽極に接し溶液本体と濃度が変わる溶液

の薄い層。

電解過程で,陰極に接し溶液本体と濃度が異なる溶液の薄

い層。

電解液の単位容積当たりの電流の大きさ。

電極の単位面積当たりの電流の大きさ。

(電気めっきにおいて)正常な皮膜を生成する電流密度の

上限及び下限。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

4

H 0400 : 1998

番号

用語

カソード効率,

陰極効率

過電圧

水素過電圧

酸素過電圧

電流分布

ハルセル

電解液,

電解質溶液

陽極液

陰極液

めっき浴

素地

分離セルで隔膜のカソード側の電解液。

めっき槽内に入れられためっき液。

皮膜が析出又は形成される材料。

下地

直接めっきされる素地。

参考 単めっきの場合は,下地は素地と同義語にな

る。多層めっきの場合は,中間皮膜を下地と呼

ぶ。

核生成

析出電位

電気めっき範囲

一次電流分布

被覆力

非電導性素地に電気めっきを行う際,析出の初期段階のサ

イトとしての役目を果たす触媒物質が吸着されるめっき

の前段階。

電析又は電着において,固体生成物が析出し始める電位。 deposition potential

十分な電着が得られる電流密度の範囲。

幾何学的な考察だけから予想される電極表面上の電流の

分布。

初期に陰極の全表面に金属を析出するため,所定の条件の

下で電気めっきさせ得る浴の能力。

レベリング,

平滑能

均一電着性,

マクロスローイング

パワー

素地の微視的な凹凸や,研磨の条こんなどを平滑化するめ

っき浴の能力。平滑化作用ともいう。

厚さが均一にめっきされるめっき浴の能力。

微視的均一電着性,

ミクロスローイング

パワー

めっき分布,

金属分布比

一定条件のもとで,穴とか狭い溝にも十分めっきさせ得る

めっき浴の能力。

陰極上の二つの特定面積上で析出した電着金属の厚さの

割合。

不動態

不動態化

化学的又は電気化学的に溶解若しくは反応が停止するよ

うな金属の特殊な表面状態。

金属表面を不動態にすること。

定義

特定の陰極過程の電流効率。

対応英語(参考)

実際電解が行われている電極電位と平衡電位との差。

参考 水素過電圧,酸素過電圧,活性化過電圧,濃度

過電圧などがある。

水素発生反応における過電圧。

酸素発生反応における過電圧。

電極の各位置における通過電流の分布状態。

種々の電流密度における電極表面の状況を観察する特殊

な形の電解槽。

電解質を水などの溶媒に溶かした溶液。

分離セルで隔膜のアノード側の電解液。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

5

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

a) 表面の化学的反応性を高めるため,表面の不動態を破

壊する処理。

b) 非電導性素地に金属を析出させる工程で,表面に触媒

金属を吸着させる処理。

対応英語(参考)

活性化

光沢電気めっき

めっきした状態で,鏡のような高い反射率をもつ電着物を

生成させる方法。

光沢電気めっき範囲

所定の作業条件の下で,光沢電気めっきが得られる電流密

度の範囲。

光沢浸せき法

金属表面を種々な組成の溶液中に短時間浸せきして光沢

面とする方法。

参考 キリンス仕上げなどがある。

化学光沢処理

アルミニウム及びその合金を溶液中に浸せきして光沢面

にする方法。

参考 英国で使用されている用語。

水素ぜい性

電着応力

表面張力

前処理及びめっき処理の過程で,被めっき物が水素を吸蔵

して延性又はじん(靱)性が低下する現象。

電着によって皮膜に発生する引張り又は圧縮の内部応力。 stress of electrodeposits

互いに接する2相の界面において,それら2相の接触面積 surface tension

を減少する向きに作用する力。

アニーリング

成形によるひずみ除去又は密着性改善のために一定の温

度でする加熱処理。

水素イオン濃度の逆数の対数。

参考 溶液の酸度又はアルカリ度を表すためなどに

用いる

アノード腐食

電解槽中及び大気中で,陽極金属が電気化学的に溶解する

現象。

カソード防食

流電陽極又は外部電源を用いて金属体を陰極として通電

し,腐食を防止する方法。

犠牲防食

より卑な金属を電気的に接触させ,腐食させることによっ

て金属を保護する操作。

バレル法

電鋳法

品物を回転容器の中に入れて,機械的,化学的又は電解的

に処理する方法の総称。

電気めっき法による金属製品の製造・補修又は複製法。

置換反応

ある化合物に含まれる原子又は原子団を,他の原子又は原

子団に置き換える反応。

イオン交換

ウイスカ

塩類水溶液中で,ある種の物質中のイオンが液中のイオン

と交換される現象。

単結晶の微小金属繊維成長物。

参考 貯蔵中若しくは使用中,自然に生成し,又は,

めっき処理中に生成することがある。すずめっ

きなどに生成しやすい。

めっきの種類

めっきに用いる金属及び合金の種類によって分類される

めっき。

めっきの構成

めっきのタイプ

めっき有効面

多層めっきを組み立てている一連のめっきの種類の順序。 composition of plating

同一種類のめっきにおいて,性質,形態,方法などを異に

するめっき。

表面処理の用途上で重要な面。

使用環境

装飾,防食などのめっきにおいて,めっきを施した製品が

使用される環境で,直接又は間接にその製品に影響を及ぼ

す周囲の雰囲気。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

6

H 0400 : 1998

b) 処理剤及び設備器具

番号

用語

添加剤

光沢剤

錯化剤

定義

対応英語(参考)

めっき皮膜の特性を向上させる目的で,めっき浴その他の

処理液に添加する物質。

めっき皮膜に光沢を与えるための添加剤。

酸化剤

金属イオンと結合して錯イオンを形成させるための添加

剤。

他の物質を酸化させるための添加剤。

還元剤

他の物質を還元させるための添加剤。

緩衝剤

界面活性剤

pHの変化を防ぐための添加剤。

湿潤剤

表面張力を減少させ,材料表面上で液体を広がりやすくさ

せる物質。

清浄剤,

洗浄剤

材料表面に付着している油脂類などの汚れの洗浄を助け

る物質。

抑制剤,

インヒビタ

乳化剤,

エマルジョン剤

化学若しくは電気化学反応の急激な進行又は局部的な進

行を妨げる物質。

参考 めっきでは,酸洗液などに用いる

安定した乳濁を生成するために用いる物質。

キレート剤

不溶性アノード

金属イオンに配位して,環状構造をもつ錯化合物(キレー

ト化合物)を形成する物質。

電解中,電解液に金属イオンを出さない陽極。

補助極

均一電着性若しくは被覆力を改善するために用いる補助

の陰極又は陽極。

補助陽極

補助陰極,

かぶり止め

最低電流密度部分に配置して,陰極の電流密度分布を改善

する補助の陽極。

陰極の電流密度を改善するために配置する補助の陰極。

参考 電流の集中しやすい箇所に品物とは別の陰極

を配置し,めっき厚さを均一にしたり,めっき

皮膜の焼けを防止することを目的とする。

極棒

電解槽に固定された導電部で,ブスバから陽極,陰極に電

流を導く金属製の棒。

ブスバ

電源から陽極及び陰極の棒に電流を伝えるための堅い導

体。

アノードバッグ

隔膜

陽極スライムが被めっき物に影響を与えないように陽極

を包む袋。

陽極部分と陰極部分とを分離する多孔性又は透過性の膜。 diaphragm

シールド

a) 陽極又は陰極上の電流分布を改善するように置いた

不導体の障害物。

b) 不導体物を間に置いて,陽極又は陰極上の電流分布を

変える操作。

分離セル

隔膜を含むセル又はその他の方法で陽極液と陰極液を物

理的に分けるセル。

液体の表面張力を減少させ,ぬ(濡)れをよくしたり,乳

化分散などの目的で用いられる物質。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

7

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

対応英語(参考)

引っかけ,

ジグ,

ラック

被めっき物の支持及び通電のために用いる支持具。

整流器

脈動率,

リプル

めっき防止材

交流を直流に変換する装置。

電源の特性によって作られる直流電圧の規則的な変調。

電極又はラックの一部にレジストを施し,めっきされるの

を防ぐために使用する材料。

ダミー電極,

ダミー

加熱器,

ヒータ

めっき浴中の不純物の除去又は分解に使用する陰極。

めっき条件を維持するため,めっき液を冷却するための機

器。

冷却機,

クーラ

かくはん機

めっき液の濃度を均一にするために,液をかき混ぜる機

器。

カソードロッカ

陰極棒を左右又は上下に動かして,被めっき物にかくはん

効果を与えるための機器。

ろ過機

ろ布又はひも巻きカートリッジなどのろ材を用いて,めっ

き液中の微粒子を分離する機器。

ろ過助剤

ろ材の目づまりを防ぎ,ろ過性能を増加させるために使用

される物質。

自動めっき装置

被めっき物の搬送又は槽の出し入れなどのめっき作業を

コンピュータによって管理する機器。

参考 自動めっき装置には,ホイスト式,エレベータ

式などがある。

自動浴管理装置

浴成分の変動を連続的に検知し,この情報に基づき,コン

ピュータによって金属イオン,添加剤などの補給又は液の

更新を行う機器。

定義

対応英語(参考)

めっき条件を維持するため,めっき液を加熱するための機

器。

c) 研磨及び前処理

番号

用語

研磨

a) 金属表面を滑らかにする処理。

参考 欧州大陸で使用される用語。

b) 研磨剤で金属表面を平滑にする初期の段階。

参考 米国で使用される用語。

被めっき物をめっき浴に入れる前の諸工程。

参考 表面状態の調整,装飾的効果などのために,表

面処理の主工程の前に行う処理。

前処理

機械研磨法

金属表面を微細なと粒研磨材によって削り取り,平滑で所

定の寸法に近い面とする方法。

電解研磨法

金属表面を特定溶液中で陽極溶解し,平滑な光沢面とする

方法。

化学研磨法

金属表面の平滑さを改善するため,種々の組成の溶液中に

浸せきし,平滑な光沢面とする方法。

油性研磨剤

研磨剤を主成分とし,これに脂肪酸,鉱油,金属石けんな

どを混合した研磨剤。

参考 棒状と液状のものとがある。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

8

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

対応英語(参考)

トリポリ

研磨に用いる,もろく,極微細なけい酸。

参考 トリポライトに類似した研磨粒と油脂で作ら

れた棒状研磨剤。

バフ

エメリーバフ

布製又はその他の材料で作られた研磨輪。

バフ研磨法

バフの周囲又は表面に種々の研磨剤などを付けて研磨す

る方法。

参考 研磨の程度や工程によって,素地研磨,仕上げ

研磨などに分けられる。

バレル研磨法

被研磨物を研磨剤などとともに回転又は振動容器中に入

れて研磨する方法。

がら研磨

ベルト研磨法

被研磨物を回転容器中で研磨する方法。

研磨剤の付着したベルトを使用して研磨する方法。

研削

ボビング

粗粒の研磨剤を含むか,又は付着させた研磨剤によって材

料の表面を除去する方法。

研磨剤で金属表面を平滑にする初期の段階。

グレイニング

回転ベルトに研磨剤を付着させて,平面を一方向に研磨す

る操作。

筆電解研磨

ラッピング

脱脂

電解脱脂

筆,スポンジなどにめっき液を吸収させて陰極とし,電解

研磨する方法。

寸法誤差の調整又は表面仕上げの改善のために行う研磨。 lapping

素地に付着している油脂性の汚れを除去して清浄にする

操作。

参考 アルカリ脱脂,溶剤脱脂,エマルジョン脱脂,

電解脱脂,機械脱脂などがある。

所定の溶液中に品物を陰極又は陽極として浸せきし,電解

によって脱脂する操作。

参考 陰極脱脂,陽極脱脂,PR脱脂などがある。

洗浄

酸洗浄

酸浸せき

表面から油脂その他の汚れをすべて除去する操作。

酸溶液による洗浄。

酸洗い,

ピックリング

ミルスケール又は厚いさびの層を除去するため,比較的長

い時間,酸溶液中に浸して清浄にする操作。

参考 対応国際規格では,ピックリング (pickling) を

化学的又は電気化学的作用によって素地金属

から酸化物又はその他の化合物を除去するこ

とと規定している

スケール

スマット

変色と呼ぶ表面皮膜より,厚い密着性のある酸化皮膜。

デスマット

鉄鋼などの酸洗において,酸洗過多となった場合や,アル

カリ溶液でアルミニウム合金の酸化皮膜を除去したとき

に生じる微粉末状の黒色物質。

スマットを除去する操作。

アルカリ洗浄

アルカリ溶液による洗浄。

バフにエメリー,溶融アルミナなどの研磨剤を接着したも

の。

軽いさびなどを除去するため,酸溶液中に短時間浸して清

浄にする操作。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

9

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

対応英語(参考)

電解洗浄

アノード洗浄

被めっき物を陰極又は陽極として行う電解による洗浄。

参考 陰極法,陽極法,PR法などがある。

被めっき物を陽極にして電解洗浄する方法。

カソード洗浄

被めっき物を陰極にして電解洗浄する方法。

PR洗浄

電流の方向を周期的に変えて電解洗浄する方法。

超音波洗浄

溶剤洗浄

超音波によって,被めっき物及び洗浄液に微振動を与えて

行う洗浄。

有機溶剤を用いて行う被めっき物の洗浄脱脂。

二相洗浄

エマルジョン洗浄

浸せき洗浄

金属表面に洗浄溶液を吹き付けて行う洗浄。

被めっき物の上に溶剤蒸気を凝縮させて行う洗浄。

スプレー洗浄

蒸気洗浄,

蒸気脱脂

ブラスト法

液体ホーニング

微粒の研磨材を加えた水又はそれに適切な腐食抑制剤を

加えたものを金属製品に吹き付けて清浄にし,同時になし

地仕上げにする方法。

バニシ仕上げ,

バニッシング

カラーオフ

表面層を除去せず,圧力をかけてこすって表面を平滑にす

る方法。

参考 研磨処理法の一種。

軽い最終的なバフ研磨。

レリービング

ばり取り

有機溶剤層と水成層とからなる液体を用いて行う洗浄。

参考 溶剤と乳化作用とによって洗浄効果が得られ

る。

乳化液を用いて行う被めっき物の洗浄。

電流を使わずに,一般的にアルカリ溶液に浸して行う洗

浄。

加工面に固体金属,鉱物性又は植物性の研磨材を高速度で

吹き付け,表面を清浄化,摩耗若しくは硬化させる方法。

参考 対応国際規格では,使用する研磨材などの種類

によって,アブレシブブラスト (abrasive

blasting),ビードブラスト (bead blasting),ガラ

スビードブラスト (glass bead blasting),カット

ワイヤブラスト (cut wire blasting),グリットブ

ラスト (grit blasting),サンドブラスト (sand

blasting),ショットブラスト (shot blasting),ウ

エットブラスト (wet blasting) の用語を規定し

ている。

色を少しずつ変化させるため,着色して特定面から物質を

機械的に除去する方法。

機械,化学又は電気化学的な方法で鋭いへりを取る操作。 deburring,

d) めっき処理

番号

用語

電気めっき

定義

対応英語(参考)

金属又は非金属表面に金属を電気化学的に析出させた皮

膜。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

10

H 0400 : 1998

番号

用語

防食めっき

定義

製品に耐食性を付与するために行うめっき。

対応英語(参考)

装飾めっき

製品に美観を付与するために行うめっき。

機能めっき

複合めっき

合金めっき

多層めっき

銅めっき

黄銅めっき

ニッケルめっき

亜鉛めっき

亜鉛合金めっき

すずめっき

すず合金めっき

めっき皮膜そのものの特性を利用するために行うめっき。 plating for functional use

繊維状,粒子状などの分散相をもつ複合材料の電気めっ

き。

2種類又はそれ以上の金属及び金属と非金属の合金の電気 alloy platings,

めっき。

2層又はそれ以上の金属を析出した電気めっき。

銅イオン又は銅錯イオンを含む電解質に直流若しくはパ

ルス電流を流して,陰極上に金属銅を析出させる処理。

銅イオン,亜鉛イオン又はそれらの錯イオンを含む電解質

に直流又はパルス電流を流して,陰極上に銅と亜鉛の合金

を析出させる処理。

参考 銅−亜鉛の合金めっきで,真ちゅう(鍮)めっ

きともいう。

ニッケルイオンを含む電解質に直流又はパルス電流を流

して,陰極上に金属ニッケルを析出させる処理。

亜鉛イオンや亜鉛錯イオンを含む電解質に直流又はパル

ス電流を流して,陰極上に金属亜鉛を析出させる処理。

亜鉛めっき液に,他の金属イオン又は錯イオンを添加して

通電し,陰極上に亜鉛と添加金属の合金を析出させる処

理。

すずイオンやすず錯イオンを含む電解質に直流又はパル

ス電流を流して,陰極上に金属すずを析出させる処理。

すずめっき液に,他の金属イオン又は錯イオンを添加して

通電し,陰極上にすずと添加金属を析出させる処理。

金めっき

金イオンや金錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電

流を流して,陰極上に金属金を析出させる処理。

参考 金含有率が99.9%以上の電気めっき。

金合金めっき

銀めっき

装飾用クロムめっき

金めっき液に他の金属イオンを添加して通電し,陰極上に

金属金と添加金属を析出させる処理。

参考 金含有率が58.5%以上99.9%未満の電気めっき。

銀イオンや銀錯イオンを含む電解質に直流又はパルス電

流を流して,陰極上に金属銀を析出させる処理。

製品の美観のために仕上げめっきとして行われるクロム

めっき。

工業用クロムめっ

き,

硬質クロムめっき

マイクロポーラスク

ロムめっき

マイクロクラックク

ロムめっき

微細な穴が均一に分布したクロムめっき。

微細な割れが均一に分布されるように施すクロムめっき。 microcracked chromium

主として耐摩耗性を付与する目的で施した比較的厚いク

ロムめっき。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

11

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

ポーラスクロムめっ

あらかじめ表面を粗にしてクロムめっきをするか,又はめ

っき後その表面をエッチングによって多孔性とし,油の保

持性を与えるクロムめっき。

微細な割れ又は微小なあな(孔)。

微小不連続

多孔率

対応英語(参考)

静止めっき法

ポーラスクロムめっき面の任意の面積内において,割れ又

はあな(孔)の占める面積の割合を百分率で表したもの。

品物を個々に陰極に取り付けてめっきする方法。

バレルめっき法

回転容器中で行う電気めっき法。

ワンラック方式

樹脂上にめっきをするとき,前処理とめっき工程間でひっ

かけを変えない方式。

変調電流めっき法

陰極電流密度を周期的に変えて行うめっき方法。

参考 変調電流めっき法には,断続めっき法,不完全

整流法,PR法などがある。また,サイクル数

は通常数分を超えず,交流と直流とを重ね合わ

せる場合ははるかに少ない。

断続めっき法

パルスめっき法

重畳電流めっき法,

重畳めっき法

直流電流を周期的に中断させたり減少させて行うめっき

方法。

パルス波形の電流を用いて行うめっき方法。

PRめっき,

PR法

電流の方向を周期的に変えて行うめっき方法。

ストライクめっき,

ストライク

a) 後工程で行われる皮膜の析出を促進するための電着

金属の薄膜。

b) この膜を得るために特に調製された溶液。

c) 薄膜a)を得るために,異なる組成の浴か,又は後の過

程とは異なる作業条件で比較的短時間に行うめっき。

フラッシュめっき,

フラッシュ

二層ニッケルめっき

肉盛りめっき法

極めて短時間に行う薄いめっき方法。

参考 この用語は,最終被覆だけに使用するとよい。

同じ性質の中間皮膜には,ストライクを使用す

る。

第1層に硫黄を含まない無光沢又は半光沢のニッケルめ

っきを施し,その上に硫黄を含む光沢のニッケルめっきを

施すめっき方法。

寸法不足を補うことを目的として施すめっき方法。

下地めっき

多層めっきの下地となるめっき皮膜。

建浴

浴管理

電解槽内にめっき浴その他の処理液を作り,電解できるよ

うに準備する作業。

電解浴の状態を正常に維持するために行う管理。

参考 めっき浴成分の維持,正常な作業条件の維持,

不純物混入の予防と不純物除去などの管理作

業からなる。

直流電流にサージ,リプル,パルス,交流などの脈流を重

畳させ,周期的に電流を調整しながら行うめっき方法。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

12

H 0400 : 1998

番号

定義

a) イオン交換などによって,溶存する塩類を除くこと。

参考 米国及び英国で一般的に使用されている。

b) 脱イオンと同義語。

参考 欧州大陸で一般的に使用されている。

対応英語(参考)

脱塩

脱イオン

水の軟化

活性炭処理

イオン交換などによって溶液からイオンを除く操作。

イオン交換などによって,水の硬度を下げる操作。

空電解処理

めっき浴の調整を目的とした電解処理。

迷走電流

浴電圧

槽電圧

a) 漏えい電流

b) 電解液,めっき液以外の伝熱管,槽壁などを通って被

めっき物に達する電流。

めっき浴中の陰極と陽極との間の電圧。

陽極スライム

金属を陽極にして電解したとき,電気化学的に溶解しない

残さ(渣)。

めっき浴中の金属と錯塩とを作っているシアンイオンと

遊離状態のシアンとの総量。

めっき浴中の金属分をシアン錯塩にするのに必要な量以

上のシアン。

全シアン,

トータルシアン

遊離シアン,

フリーシアン

持ち込み

槽外の液が被めっき物その他に付着して持ち込まれる現

象。

すくい出し

槽内の液が被めっき物その他に付着して持ち出される現

象。

ガス発生

めっきはがし

電解中に,電極から目に見えるガスの発生。

a) 素地又は下地から皮膜を除去するのに用いる方法若

しくは溶液。

b) 素地又は下地から皮膜を除去する処理。

筆めっき

マンドレル,

鋳型,

金型

めっき液を筆やスポンジなどに吸収させて陽極とし,陰極

にした品物の表面をこすってめっきする方法。

a) 電鋳でカソードに用いられる型。

b) 巻付け試験(マンドレル試験ともいう。)で使われる

支え。

用語

めっき浴中の有機不純物を吸着除去するために活性炭を

用いる処理。

電解中,めっき浴又は電解セルの陽極,陰極間で測定され

る電圧。

e) 後処理

番号

用語

定義

対応英語(参考)

後処理

めっきの後工程として使用目的に適するようめっき皮膜

に施す処理。

ベーキング

素材のひずみ除去又はめっきの水素除去を目的として行

う熱処理。

応力除去

適切な温度に加熱保持して,めっき皮膜及び素地金属の残

留応力を減少させる操作。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

13

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

対応英語(参考)

水素ぜい化除去

表面処理後,水素吸蔵によるぜい化を減少させたり除去す

るために行う処理。

りん酸塩処理

りん酸塩を含む水溶液で,化学的に皮膜を生成させる方

法。

クロメート処理

クロム酸又は重クロム酸塩を主成分とする溶液中に品物

を浸せきし,化学的に防せい皮膜を生成させる方法。

クロメート皮膜

クロメート処理によって得られる膜。

光沢クロメート皮膜

化学研磨作用を利用して,めっきに光沢を与えるクロメー

ト皮膜。

有色クロメート皮膜

防食を目的とする有色(淡黄色,黄色などの干渉色)のク

ロメート皮膜。

緑色クロメート皮膜

黒色クロメート皮膜

表面干渉じま

比較的薄いクロメート皮膜の場合,めっき上に残留した薄

い透明皮膜の表面に光が当たったとき,皮膜の表面及びめ

っき表面での反射光が互いに干渉して生じたにじ(虹)色

のしま模様。

表面の色のばらつき

クロメート処理の浴組成,操作条件などによって変わる皮

膜組成の変化によって生じる有色クロメート皮膜の色調

のばらつき。

白色腐食生成物

クロメート皮膜が破壊され,電気亜鉛めっき及び電気カド

ミウムめっきが腐食環境にさらされるときに生じる塩基

性炭酸亜鉛,塩基性カドミウムなどの白色化合物。

黒色処理

鉄鋼又は銅(銅合金)表面を黒色に仕上げる方法。

アルカリ黒色処理

高温アルカリ塩浴に浸せきして,鉄鋼又は銅(銅合金)表

面に,酸化物若しくは硫化物の皮膜を形成し,黒色に仕上

げる方法。

エージング

一定の条件下に長時間置いて,所定の状態にする操作。

リフロ処理

フュージング

すず又ははんだめっき後,光沢化,ウィスカ防止及び密着

性を向上させるために加熱して溶融させる処理。

はんだめっきを溶融させた後,再凝固させる操作。

f)

防食を目的とする緑色のクロメート皮膜。

参考 皮膜の組成割合によって,オリーブ,グリーン,

ブロンズ,褐色などの色調を呈する。

防食及び装飾を目的とする黒色のクロメート皮膜。

関連表面処理

番号

用語

定義

対応英語(参考)

無電解めっき法

外部電源を用いずに,金属を化学的に還元析出させる方

法。

自己触媒めっき法

化学還元作用によって金属を析出させ,還元される金属そ

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

14

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

のものが触媒として働く方法。

対応英語(参考)

非触媒めっき法

化学還元作用によって金属を析出させ,還元される金属は

触媒としては働かない方法。

置換反応によって物体の表面に金属の皮膜を形成する方

法。

浸せきめっき法,

置換めっき法

接触めっき法

析出する金属の化合物を含む溶液中で,下地を他の金属と

接触するように浸せきし,下地上に金属を析出させる方

法。

浸せき析出法

コンディショニング

置換反応によって金属を被覆する方法。

センシタイゼーショ

ン,

感受性化

キャタライザー−ア

クセラレータ法

センシタイザー−ア

クチベータ法

陽極酸化処理,

陽極処理

非電導性下地に金属を析出させる工程で,表面をあらかじ

め被覆しやすい状態に変える処理。

非電導性下地表面に還元剤が吸着する現象。

Sn2+とPd2+の混合によってパラジウムコロイド液とし,こ

れに浸せきし,次に塩酸溶液に浸せきして化学めっきの反

応を促進させる方法。

Sn2+を含む液に浸せき後,Pd2+を含む液に浸せきして化学

めっきの反応を促進させる方法。

陽極における電気化学的な酸化処理の総称。

a) 電解酸化処理によって,金属表面構造が変化して形成

される保護,装飾又は機能的な皮膜。

b) 素地金属より卑な金属皮膜。

陽極酸化処理によって生成した皮膜。

陽極皮膜

陽極酸化皮膜

自然発色陽極酸化

陽極酸化皮膜の封孔

処理

染色

陽極酸化皮膜の多孔性を利用して,その皮膜に染料を吸着

させる操作。

着色

化学又は電気化学的浸せき法によって,装飾着色仕上げを

得る方法。

電解着色

多孔性陽極酸化皮膜を生成後,金属塩を溶解した浴中で電

解を行い,金属又は金属化合物を皮膜孔中に析出させ着色

する操作。

ブロンズ処理

銅及び銅合金又は銅及び黄銅(真ちゅう)めっきした金属

の表面の色を変えるために化学浸せきする処理。

プリエッチング

エッチング処理を容易に行うために,前もって加工物を有

機溶剤に浸せきする処理。

染料・顔料を用いないで陽極酸化処理だけで発色させる方

法。

陽極酸化によって生成した多孔性皮膜のあな(孔)を封じ,

耐汚染性,耐食性などの物理的化学的性質を改善する処理

の総称。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

15

H 0400 : 1998

番号

用語

エッチング

定義

エッチング液

レジスト

電解加工

希望どおり金属を加工するため,電流を集中できるような

形をした道具及び(カソード)品物のすき間に電解液を入

れ,直流によって品物を加工する方法。

ケミカルミリング

酸又はアルカリ溶液の金属溶解能を利用して金属の成形

加工を行う方法。

メカニカルプレイテ

ィング,

ピーニング,

ピーンプレイティン

グ,

衝撃めっき

被覆しようとする金属粉末を投入し,ガラスビードのよう

な球状粒子を表面にぶつけて金属層を作る方法。

気相めっき,

ドライプロセス

気相状態を用いて材料表面をめっきする方法。ドライプロ

セスともいう。

参考 PVD(物理蒸着法)とCVD(化学蒸着法)とが

ある。

物理蒸着

高温加熱,スパッタリングなどの物理的方法で物質を蒸発

し,基板に凝縮させ,薄膜を形成する方法。略称PVD。

参考 真空蒸着,イオンプレーティング,スパッタリ

ングなどの総称。

真空蒸着

真空中で物質を加熱蒸発し,基板上に薄膜を形成する成膜

法。

電界を印加して発生したプラズマを利用し,蒸発原子をイ

オン化又は励起させ,基板上に薄膜を形成する成膜法。

イオンプレーティン

スパッタリング

加速された粒子が固体表面に衝突したとき,運動量の交換

によって固体を構成する原子が空間へ放出される現象,及

びこの現象を用いた成膜法。

化学蒸着

気相化学反応によって,基板上に膜を形成させる方法。略

称CVD。

ブルーイング

適切な温度,空気,水蒸気又は化学薬品にさらして,鋼表

面に鉄の酸化物皮膜を形成させる処理。

参考 鋼の外観及び耐食性を改善するために行い,表

面は,加熱温度によって黄色又は青色を呈す

る。

ショットピーニング

仕上げ

球状微物(ショット)を鋼材の表面に噴射し,表面層に残

留圧縮応力を生じさせ,かつ,加工硬化させながらある程

度の仕上げ度を保持させる方法。

a) 皮膜又は素地金属の外観。

b) この外観を得るための処理法。

光沢仕上げ

半光沢仕上げ

高い反射率をもった均一で方向性のない平滑な表面仕上

げ。

光沢の乏しいめっきを作る方法。

金属又は非金属表面を化学的若しくは電気化学的に腐食

する方法。

参考 樹脂上にめっきする場合には,酸化剤を含む液

に樹脂を浸せきし,表面粗化と化学的変化を同

時に行うこと。

エッチングで用いられる溶液。

化学又は電気化学反応を防ぐため,品物,電極などの表面

の一部を被覆する物質。

対応英語(参考)

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

16

H 0400 : 1998

番号

用語

無光沢仕上げ

サテン仕上げ,

なし地仕上げ

定義

放散及び反射しない表面を作る方法。

方向性のあるつや消し面に仕上げる方法。

参考 ヘヤライン仕上げとマット仕上げとがある。

対応英語(参考)

ヘヤライン仕上げ

マット仕上げ

方向性のある連続した細かいすじ模様に仕上げる方法。

無方向性のつや消し面に仕上げる方法。

ビロード仕上げ

ゆず肌仕上げ,

オレンジピール仕上

滑らかなつや消し面に仕上げる方法。

表面に機械的又は化学処理によって,微細な凹凸を均一に

形成させたつや消し仕上げ。

参考 小さなくぼみのあるゆず肌のような仕上げと

も表現する。

g) 排水処理

番号

用語

定義

対応英語(参考)

排水中の汚濁物質を除去し,排水基準に合った水質にして

排出するための処理。

水や各種溶液中に分子状で溶解した酸素。略称DO。

参考 水の汚染状態を示す項目の一つ。

水中の有機物を酸化するために消費される酸化剤

(KMnO4) の量を酸素量に換算して表した量。略称COD。

好気性微生物によって,水中の有機物を生物化学的に酸化

分離するときに消費される酸素量。略称BOD。

生物化学的酸素要求

イオン電極

中和処理

(排水処理においては)重金属を含むめっき排水を処理し

やすくするため,アルカリで中和する処理。

活性汚泥,

活性スラッジ

排水を好気性微生物に処理させた後,静置し,凝集沈殿し

たもの。

イオン交換樹脂

キレート樹脂

浮遊剤

水に溶解している陽イオン及び陰イオンを吸着し,これを

除去する性質をもった多孔性の合成樹脂。

キレート結合で,特定のイオンを選択吸収する樹脂。

凝集剤

排水処理の際,水中に浮遊する各種固体微粒子を凝集する

ために用いられる物質。

フロック

重金属

スラッジ,

汚泥

排水中の固体粒子(コロイド,その他の懸濁粒子)が,凝

集剤によって接着,凝集して粗大化したもの。

比重が4〜5以上の金属約60種の総称。

排水処理後に残る泥状のもの。

スラリ

沈殿法

液体中に泥状物質が懸濁しているもの。

沈降分離装置

希薄なスラリを水平に流し,固形分を重力によって沈降さ

せ,分離させる装置。

シックナ,

濃縮装置

沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈降させ,濃縮

することを目的とした装置。

排水処理

溶存酸素

化学的酸素要求量

特定のイオンだけに感応してイオン濃度に応じた電位を

示す電極。

排水処理の際,水中の各種固体粒子を泡を付けて水面に浮

かせるために用いられる物質。

参考 起泡剤,捕集剤,条件剤(凝集剤,pH調節剤)

などがある。

排水中に懸濁している微粒子を重力によって沈降させて

処理する方法。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

17

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

対応英語(参考)

クラリファイヤ,

清澄装置

アルカリ塩素法

沈降分離装置のうち,スラリ中の固形物を沈殿させ,上部

の澄んだ水の回収を目的とした装置。

処理すべき排水を塩基性として,活性塩素によってシアン

イオンを酸化分解する方法。

イオン交換樹脂によって,塩類を除去する方法。

イオン交換法

電解酸化法

還元処理

(排水処理において)重金属を含むめっき排水を処理しや

すくするため,還元剤を用いて処理する方法。

参考 例えば,クロム系排水処理法の一つとして,重

亜硫酸ソーダ (NaHSO2) で六価クロムを三価

に還元して処理する。還元後はアルカリ剤で水

酸化クロムとして除去する。

濃縮回収

希薄なイオン濃度の水溶液をイオン交換樹脂に吸着させ,

比較的高濃度で回収する方法。

排水を電気分解することによって,陽極でイオン化又は化

合物を酸化する方法。

h) 試験及び検査

番号

用語

定義

対応英語(参考)

外観試験

めっき面の欠陥の有無を目視によって調べる方法。

膜厚試験

密着性試験

硬さ試験

耐摩耗試験

めっき皮膜の厚さを調べる方法。

参考 JIS H 8501には,顕微鏡断面厚さ試験方法,渦

電流式厚さ試験方法,蛍光X線試験方法などの

膜厚試験方法が規定されている。

皮膜の密着性を調べる方法。

参考 JIS H 8504には,熱試験方法,引きはがし試験

方法,引張試験方法,曲げ試験方法などの密着

性試験方法が規定されている。

皮膜の表面硬さを調べる方法。

参考 硬さ試験方法として,ブリネル硬さ試験方法

(JIS Z 2243),ビッカース硬さ試験方法 (JIS Z

2244),ロックウェル硬さ試験方法 (JIS Z

2245),ショア硬さ試験方法 (JIS Z 2246) が規

定されている。

摩耗に対する抵抗性を調べる方法。

参考 JIS H 8503には,往復運動磨耗試験方法,平板

回転磨耗試験方法,両輪駆動磨耗試験方法な

ど,5種類の試験方法が規定されている。

耐食性試験

有孔度試験

変色

屋外、人工的腐食環境などに試料を暴露し,その耐食性を

調べる方法。

参考 JIS H 8502には,屋外暴露試験方法,連続噴霧

試験方法,サイクル試験方法,コロードコート

試験方法,ガス腐食試験方法が規定されてい

る。

皮膜のピンホールの有無を調べる方法。

参考 耐食性,電気絶縁性などの試験に用いる。

環境などによって,めっき面が本来の色調を失う現象。

乳白めっき

クロムめっきの場合に,電流密度が低すぎるか,又はめっ

き浴の温度が高すぎる場合に生じる光沢の乏しいめっき。

page

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

18

H 0400 : 1998

番号

用語

定義

対応英語(参考)

しみ出し

めっき又はめっき後の仕上げた表面上にはん(斑)点や汚

点が,時間が経過してから遅れて出現する現象。

焦げ

粗いめっきで,主に過大な電流密度の場合に生じる表面の

変質。やけともいう。

ひび割れ

割れ

腐食試験において,自然に発生した細かい網状模様の割

れ。

皮膜表面で無秩序,無方向に割れる現象。

ざらつき

樹枝状めっき

めっき浴中の固体浮遊物がめっき層の中に入り込んで生

じる小突起。

被めっき物に生じる枝状又は不規則な突起物。

こぶ状生成物

被めっき物に生じる丸みをおびた突起物。

ピット

ピンホール

めっき面に生成される巨視的な穴。

素地又は下地層まで達するめっきの細孔。

めっき層の一部が素地又は下地層と密着しない状態。

ふくれ,

膨れ

はく離

バーンオフ

スポーリング

水切れ

無めっき

レイティングナンバ

特異な熱膨張又は収縮が原因で,皮膜が割れたり,欠けた

りする現象。

表面が汚れているために,水皮膜が不連続に現れる現象。 water break

めっきが付いていない状態。低電流密度部分などに生じや

すい。

腐食面積と有効面積との割合によって腐食の程度を示す

評点。10〜0に区分されている。略称 RN。

めっき層が素地又は下地からはがれる現象。

無電解めっきした後に電気めっきをするとき,過大な電流

密度の通電又は電気的接触面積の不足によって,非導電性

下地から無電解めっき皮膜がはく離,消失してしまう現

象。焼け抜けともいう。

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

19

H 0400 : 1998

電気めっき用語改正原案作成委員会 構成表

(委員長)

(事務局)

氏名

○ 松 本 誠 臣

○ 青 江 徹 博

所属

武蔵工業大学

OEAガルバノ事務所

阿 部 芳 彦

北海道立工業試験場

天 野 徹

工業技術院標準部材料規格課

榎 本 英 彦

大阪市立工業研究所

○ 海老名 延 郎

エビナ電化工業株式会社

○ 大 高 徹 雄

上村工業株式会社

金 子 國 雄

社団法人表面技術協会

○ 神 戸 徳 蔵

東京都鍍金工業組合

○ 小 泉 宗 栄

日本パーカーライジング株式会社

小 浦 延 幸

東京理科大学理工学部

小 谷 勇

愛知県工業技術センター

古 賀 孝 昭

荏原ユージライト株式会社中央研究所

○ 斎 藤 いほえ

東京都城南地域中小企業振興センター

○ 須 賀

スガ試験機株式会社

星 野 重 夫

武蔵工業大学

○ 矢 部

矢部技術士事務所

山 崎 龍 一

神奈川県産業技術総合研究所

山 下 嗣 人

関東学院大学工学部

○ 渡 辺

株式会社東芝重電技術研究所

及 川 耕 一

社団法人表面技術協会

備考 ○印をつけてある委員は,小委員会委員を兼ねる。