2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
K 6236 : 2001
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本ゴム工業会 (JRMA) /財団法人日本規
格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会
の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
今回の制定は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 2453 : 1991 (Rubber, raw styrene-butadiene,
emulsion-polymerized−Determination of bound styrene content−Refractive index method) を基礎として用いた。
JIS K 6236には,次に示す附属書がある。
附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
K 6236 : 2001
原料ゴム−乳化重合SBRの
結合スチレン量の求め方(定量)−屈折率法
Rubber, raw styrene-butadiene, emulsion-polymerized
−Determination of bound styrene content−Refractive index method
序文 この規格は,1991年に第2版として発行されたISO 2453, Rubber, raw styrene-butadiene,
emulsion-polymerized−Determination of bound styrene content−Refractive index methodを翻訳し,技術的内容
を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更又は追加している事項である。変更
の一覧表をその説明を付けて,附属書に示す。
警告 この規格の利用者は,通常の実験室の作業に精通している者とする。この規格は,この使用に関連
して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。この規格の利用者は,各自の
責任において安全及び健康に対する適切な措置を確立しなければならない。
1. 適用範囲 この規格は,原料乳化重合スチレン・ブタジエンゴム (SBR) の結合スチレン量を,その
抽出処理を行った試料の屈折率から,屈折率とスチレンの質量%との相関表によって求める方法について
規定する。この方法は,屈折率の測定可能なフィルムが作成できる場合においては,油展の乳化重合SBR
にも適合できる。溶液重合SBRには適用できない。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修
正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO2453 : 1991 Rubber, raw styrene-butadiene, emulsion-polymerized−Determination of bound
styrenecontent−Refractive index method (MOD)
2. 試験の意義 結合スチレンの試験は,原料ゴム中の結合モノマーの組成を測定するものである。それ
は,結合スチレン量が物理的性質に影響することから,モノマー仕込み量の精度及び生産品の均一性の指
標として用いられる。
3. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8680 トルエン(試薬)
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4. 原理 エタノール−トルエン共沸混合物 (ETA) による抽出処理を行った試料を乾燥した後,アルミ
ニウムはくに挟み厚さ0.5mm以下のシート状ゴムにプレス成型する。このシート状ゴムの25℃での屈折
率を測定し,試料の結合スチレン量を計算で求める。
5. 試薬
5.1
エタノール−トルエン共沸混合物 (ETA) 脱水したエタノール7容とJIS K 8680に規定するトル
エン3容を混合する。又は,市販グレードのエタノール7容とトルエン3容に,無水酸化カルシウム(生
石灰)を入れ,4時間還流する。そして沸点域で1℃の範囲を超えない共沸点留分を集める。
5.2
酸性ETA ETA(5.1)の一部にJIS K 8180に規定する塩酸(約35%)10cm3を加えETA(5.1)で1000cm3
に調製する。
備考 酸性ETAは,みょうばん凝固したポリマーに使用する。
5.3
α-ブロモナフタレン
6. 装置及び器具
6.1
スパイダー スパイダーは,13mm平方のステンレス又はアルミニウムのシートで,各コーナーに
約38mm長さのニクロム線の足をもったもの。抽出溶媒が酸性ETAの場合は,スパイダーと足はタンタル
製とする。
6.2
還流冷却器
6.3
アッベタイプ屈折計 アッベタイプ屈折計は,小数点以下4けたの精度をもち,屈折プリズムは固
体の屈折率の測定に対してほぼ水平位置に置くことができるもの。光源としてナトリウムランプを用いな
い場合は,色収差を補正するためにアミーチタイプの補正プリズムが必要である。屈折計は25±0.1℃の温
度に(恒温室の使用によるか,又は恒温水の循環装置の使用によって)保持しなければならない。
6.4
真空乾燥機 真空乾燥機は,温度100±5℃,圧力1 300Paに維持できるもの。
6.5
アルミニウムはく アルミニウムはくは,厚さ0.025〜0.08mmで十分な引裂き強さをもつもの。
6.6
標準ガラス 標準ガラスは,屈折計の校正に用い25℃で校正する。
6.7
油圧プレス 油圧プレスは,温度100℃で熱盤面全体に100kNの力をかけ保持できるもの。
6.8
加圧プレート 必要に応じ加圧プレートを使用する。加圧プレートを使用する場合は,大きさ210
×210×3mmで,取手を備え,片側のプレートに150mm平方で0.65mmを超えない彫り込みをもったもの
でなければならない。
6.9
はさみ よく切れる作業しやすいものを使う。
6.10 光源 光源は,プリズムに対して,できるだけ低角度に光束を照射できるものでなければならない。
白熱ライトを用いるならば,低照度にする。また,ナトリウムランプも使用できる。光源は,屈折計の使
用時に,明瞭な境界線が観察できるものが必要である。光を弱めたり拡散させて,より見やすくするため,
しわになった薄紙を光路に置くとよい。
7. 試験片の調製 試験片の調製は,次による。
a) ゴムを厚さ0.5mm以下となるようにシート出しする。シート状ゴムを,幅約13mm,長さ25mm程度
の小片に切る。試料のすべての面が溶媒に接触するように,スパイダー(6.1)の足にしっかり取り付け
る。60cm3のETAを入れた400cm3フラスコに,スパイダーに取り付けた小片を入れる。みょうばん
凝固したポリマーには,酸性ETAとタンタル製スパイダーを用いる。次いで,還流冷却器(6.2)を取り
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付ける。
溶媒が緩やかに沸騰する温度で1時間抽出する。新たなETA又は酸性ETA60cm3に入れ替え,更に
1時間抽出する。スパイダーをフラスコから取り出し,約1 300Pa, 100±5℃に保たれた真空乾燥機
(6.4)で恒量まで乾燥する。
備考1. この操作で重要なことは,完全に抽出すること及び溶媒を残さないことである。残留溶媒や
不完全な抽出による残留物は,屈折率の読み取りに誤った結果を与える。
2. 加熱のし過ぎによる試料の可塑化を避けなければならない。
b) 試料を十分に乾燥した後,スパイダーから取り外す。試料を加圧する条件は,ポリマーのタイプと利
用できる装置のタイプに合わせて変えることができる。100℃で加圧する圧力と時間は変更してもよい。
試料は加圧下で室温に冷却してもよいし,又は熱いままプレス機より取り出してもよい。熱加圧時間
は,望ましくは5分とし,10分を超えてはならない。加圧条件は,加圧された試料が均質となり,試
験片の屈折率測定時に,明暗部分が明確に観察できる条件を選択しなければならない。次に,二つの
一般的加圧条件を述べる。
1) 加圧プレート(6.8)を使用する場合は,次のとおりに加圧を行う。抽出・乾燥した試料約0.3gを50mm
平方の2枚のアルミニウムはくの間に挟み,一方のコーナーを曲げる。この試料を加圧プレートの
間に挟み,100℃に保たれたプレス機に入れる。プレス板を閉ざし圧力を加えない状態で1分間予熱
する。
数個の試料を同時に加圧してもよい。約100kNの力を3分間加える。圧力を抜き,試料をプレス
機から取り出し冷却する。
2) 加圧プレートを使用せず,平面の熱盤に挟み加圧する場合には,次の方法によって加圧を行い,試
料に合わせ細部の調整をする。25mm平方の清浄なアルミニウムはくを準備する。試料を2枚のア
ルミニウムはくの間に挟み,100℃で2.2〜66kNの圧力で3〜10分間(望ましくは3〜5分間)加圧
する。もし数個の試料を同時に加圧する場合は,各試料に3.45〜10.35MPaの圧力かかかるように比
例して圧力を増加させる。幾つかのポリマーは,通常範囲より低い圧力で加圧する必要がある。ま
た,一部のポリマーにおいては冷水で熱盤を冷やしながら,加圧下で試料を冷やしてよい。
c) 加圧試験片の取扱いやすさと,屈折率の見やすさは試験片の厚さに左右される。最終試験片の厚さは,
0.5mmを超えてはならず,より薄いほうがよい。
d) 調製した試料をはさみ(6.9)で半分に切り,そして試験片の一方のアルミニウムはくをはがす。次いで,
長さ12mm,幅6mmほどの細片に,狭いほうの端に新しい断面が出るようにはさみで切る。残したほ
うのアルミニウムはくははがしてもよいが,ゴムに残したほうが取扱いが容易である。
8. 測定の手順 測定の手順は,次による。
a) 屈折計の温度か25℃に安定したことを確認する。
b) α−ブロモナフタレン(5.3)の液滴を用いてプリズムに密着させた標準ガラス(6.6)によって,屈折計を調
整する。光源(6.10)は平行照射されなければならない。光源の照射光が薄紙で拡散されると,標準ガラ
スの最良の読みが得られる。ハンドルを回すことによって,境界線を十字線に合せる。最低3回読み
取る。標準ガラスの数値に機器を合せる(通常,明るいほうから暗いほうに移動させる。)。
この調整後,エタノールとレンズ紙によってプリズムをきれいにする。
c) 試験片をプリズムの標準ガラスが置かれたほぼ同じ位置に,切断面を光源のほうに向けはり付ける。
光源から薄紙を取り除く。温度が一定になるまで試験片をプリズムに指で1分間押し付ける。試験片
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の端まで適切な光が得られるならば,上のプリズムは閉じてもよい。しかし,試験片が非常に薄くな
ければ,この操作はプリズム又はその台をいためる。明るい領域と暗い領域との間の明確な境界線が
得られるまで,補償プリズムを調整する。プリズムに対して試験片を押し付けることによって,ゴム
とプリズムの接触テストを行う。この試験の間中,境界線の位置は変えてはならない。
d) 少なくとも屈折率を3回読み取り,平均値(平均値1)を求める。もし読み値の差が0.0001を超えて
異なった場合は,再度読取りを行う。
e) 他の試験片の新しい切断面で屈折率を読み取り,平均値(平均値2)を求める。
f)
上記のd)とe)で求めた,平均値1と平均値2の差異が0.000 2以内であるならば,それらの平均値を
計算し,9.に従い結合スチレン量を求める。平均値1と平均値2の差異が,0.000 2を超えて異なる場
合,c)〜e)の操作を繰り返さなければならない。必要ならば,次の式を使って測定値を25℃屈折率に
補正する。
n25=nθ+0.000 37 (θ−25)
ここに, n25: 25℃における屈折率
nθ: 測定温度θにおける屈折率
θ: 測定時の温度 (℃)
9. 結果の表示 スチレン・ブタジエンゴムの結合スチレン量WSは質量%で表され,25℃の屈折率から表
1又は次の式によって算出する。
WS=23.50+1 164 (n25−1.534 56)
−3 497 (n25−1.534 56) 2
10. 試験報告書 試験報告書には,次の項目が含まれていなければならない。
a) この規格を引用したこと
b) 試料を特定するための必要事項
c) 使用した方法と結果の表示
d) 測定中に気づいた異常な点
e) この規格に含まれない操作,又は任意に行った操作
関連規格 次の国際規格は,ISO 2453 : 1991の附属書A(参考)に記載されているものである。
ISO 3136 : 1983, Rubber latex−Styrene-butaiene Determination of bound styrene content.
ISO 4655 : 1985, Rubber−Reinforced styrene-butadiene latex−Determination of bound styrene
content.
ISO 5478 : 1990, Rubber−Determination of styrene content−Nitration method.
ISO 6235 : 1982, Rubber, raw−Determination of block polystyrene content Ozonolysis method.
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表1 25℃の屈折率と結合スチレン量(質量%)表
屈折率
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屈折率
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附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS K 6236 : 2001 原料ゴム−乳化重合SBRの結合スチレン量の求め方(定量)−屈折率法 ISO 2453 : 1991 乳化重合SBRの結合ST量の測定−屈折率法
(I) JISの規定
項目番号
1. 適用範囲
2. 試験の意義
3. 引用規格
内容
(II) 国際規 (III) 国際規格の規定
格番号
(IV) JISと国際規格との技術的差異の項 (V) JISと国際規格との技術的差
目ごとの評価及び内容
異の理由及び今後の対策
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
項目番号
内容
JISに同じ
JISに同じ
JISに同じ
項目ごとの評価
技術的差異の内容
MOD/追加
ISOでは規定していない。
試薬のグレードを規定内容とし
て追加した。
MOD/追加
ISOでは規定していない。
試薬のグレードを規定内容とし
て追加した。
MOD/追加
ISOでは規定していない。
試薬のグレードを規定内容とし
て追加した。
MOD/追加
ISOでは規定していない。
試薬のグレードを規定内容とし
て追加した。
6. 装置及び器具
JISに同じ
7. 試験片の調製
8. 測定の手順
9. 結果の表示 計算方法
表1 屈折率と結合スチレン量
JISに同じ
JISに同じ
表1
MOD/変更
精度を規定
MOD/削除
JIS K 8680 トルエン
JIS K 8180 塩酸
4. 原理
5. 試薬
5.1 エタノール−トルエン共沸混合物
JIS K 8680に規定のトルエン
5.2 酸性ETA
JIS K 8180に規定の塩酸
5.3 αーブロモナフタレン
JISに同じ
計算方法を規定
屈折率に対する結合スチ 明らかな計算間違いであるため,
レン量の値を変更した。
正確な値に訂正した。次回の改正
ISOでは,測定精度の規 時にISOへ訂正を提案する。
定があるがJISでは規 ISOの精度はISO TR 9272に基づ
定していない。
いた精度の記載ではないので削
除。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
項目番号
10. 試験報告書
内容
(II) 国際規 (III) 国際規格の規定
格番号
(IV) JISと国際規格との技術的差異の項 (V) JISと国際規格との技術的差
目ごとの評価及び内容
異の理由及び今後の対策
表示箇所:本体
表示方法:点線の下線
項目番号
内容
JISに同じ
項目ごとの評価
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−IDT……………… 技術的差異がない。
−MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
−MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
−MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
−MOD…………… 国際規格を修正している。
技術的差異の内容
(I) JISの規定
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原案作成委員会 構成表
(委員長)
(委員)
(事務局)
(オブザーバー)
氏名
所属
本 間 輝 武
西 出 徹 雄
橋 本 進
當 間 満 義
鈴 木 守
片 桐 和 良
伊 藤 尚 美
河 原 成 元
西 本 右 子
三 橋 健 八
斉 藤 章
鳥 居 信 吾
池 上 幹 彦
河 上 伸 二
塩 山 努
濱 田 裕
白 井 浩 行
吉 岡 宏
中 野 和 巳
浅 田 美佐子
笹 川 雅 弘
岡 村 吉 治
長 田 浩
八 田 勲
神奈川工科大学
通商産業省基礎産業局化学課
財団法人日本規格協会技術部
日本ゴム工業会
社団法人日本ゴム協会
合成ゴム工業会
日本分析機器工業会(島津製作所株式会社)
長岡技術科学大学
神奈川大学
日本ゴム工業会ISO/TC45国内審議委員会
日本ゴム工業会ISO/TC45国内審議委員会
日本ゴム工業会ISO/TC45国内審議委員会
株式会社ブリヂストン
横浜ゴム株式会社
バンドー化学株式会社
鬼怒川ゴム工業株式会社
東洋ゴム工業株式会社
住友化学工業株式会社
JSR株式会社
株式会社ゼオン分析センター
旭化成工業株式会社
日本ゼオン株式会社
日本ゴム工業会ISO/TC45国内審議委員会
通商産業省工業技術院標準部
(文責 中野 和巳)