2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
K 6953-1:2011
目
次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 2
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験の概要 ······················································································································ 3
5 試験環境························································································································· 4
6 試薬及び材料 ··················································································································· 4
7 測定装置························································································································· 4
8 操作······························································································································· 5
8.1 植種源の準備 ················································································································ 5
8.2 試験材料及び対照材料の準備 ··························································································· 6
8.3 試験の準備 ··················································································································· 6
8.4 試験期間 ······················································································································ 7
8.5 試験の終了 ··················································································································· 8
8.6 バーミキュライトの使用 ································································································· 8
8.7 バーミキュライト使用時の回収手順及び炭素収支 ································································· 9
9 計算及び結果の表示 ·········································································································· 9
9.1 理論上の二酸化炭素量の計算 ··························································································· 9
9.2 生分解度百分率の計算 ···································································································· 9
9.3 質量減少の計算 ············································································································ 10
9.4 結果の表示 ·················································································································· 10
10 結果の正当性 ················································································································ 10
11 試験報告書 ··················································································································· 10
附属書A(参考)試験方法の原理 ··························································································· 12
附属書B(参考)二酸化炭素の放出及び生分解度曲線の例 ··························································· 13
附属書C(参考)質量減少(量)の測定例 ··············································································· 14
附属書D(参考)ラウンドロビン試験 ····················································································· 16
附属書E(参考)試験報告書の例 ··························································································· 17
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 20
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
K 6953-1:2011
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本バイオプラスチック協会(JBPA),日本
プラスチック工業連盟(JPIF)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業
規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業
規格である。
これによってJIS K 6953:2000は廃止され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS K 6953の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS K 6953-1 第1部:一般的方法
JIS K 6953-2 第2部:実験室規模における発生二酸化炭素の質量測定方法
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格
JIS
K 6953-1:2011
プラスチック−制御されたコンポスト条件下の
好気的究極生分解度の求め方−
発生二酸化炭素量の測定による方法−
第1部:一般的方法
Determination of the ultimate aerobic biodegradability of
plastic materials under controlled composting conditions-
Method by analysis of evolved carbon dioxide-Part 1: General method
序文
この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 14855-1を基に,技術的内容を変更して作成した日
本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,有機物から成るプラスチックの好気的究極生分解度を,制御されたコンポスト状態で発生
する二酸化炭素の量及び試験終了時の崩壊度の程度を測定することによって求める方法について規定する。
注記1 この方法は,混合都市固形廃棄物の有機部分の典型的な好気的コンポスト化条件に似せて設
定されている。試験材料は,コンポストから得られる植種源に暴露する。コンポスト化は,
温度,通気及び湿度を厳密に監視,制御した環境下で行う。試験方法は,発生二酸化炭素量
に対する試験材料の炭素変換百分率及び変換速度を与えるように意図している。
注記2 8.6及び8.7は,完熟コンポストの代わりに,完熟コンポストから得られた高温/好熱微生物
を接種した無機物床(バーミキュライト床)を用いる異なる方法を定めている。この異なる
方法は,二酸化炭素へ変換された試験物質中の炭素百分率及び変換速度を与えるように意図
されている。
注記3 この規格に使用された条件は,最大の生分解度が生じる最適条件に,常に対応しているとは
限らない。
注記4 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 14855-1:2005,Determination of the ultimate aerobic biodegradability of plastic materials under
controlled composting conditions−Method by analysis of evolved carbon dioxide−Part 1:
General method(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2
K 6953-1:2011
ことを示す。
警告 下水汚水,活性汚泥,土壌及びコンポストは,潜在的に病原性生物を含む可能性がある。した
がって,取扱いに際し,適切な予防措置を講じる必要がある。有毒な及び性質の未知な試験物
質を扱う場合は,注意深く取り扱わなければならない。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0102 工場排水試験方法
注記 対応国際規格:ISO 5663:1984,Water quality−Determination of Kjeldahl nitrogen−Method after
mineralization with selenium及びISO 8245:1999,Water quality−Guidelines for the determination
of total organic carbon (TOC) and dissolved organic carbon (DOC)(全体評価:MOD)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
好気的究極生分解(ultimate aerobic biodegradation)
微生物による酸素の存在下での有機物の二酸化炭素,水及び存在する他の元素の無機塩(無機質化)並
びに新しいバイオマスへの分解。
3.2
コンポスト化(composting)
コンポストを製造する好気的過程。
注記 コンポストは,有機土壌調節剤であり,主として,種々の植物残さ(渣),ときには,他の有機
物質から成る混合物の生分解によって得られ,限られた無機物質を含有する。
3.3
崩壊(disintegration)
物質の大変小さい破片への物理的な分解。
3.4
全乾燥固形物(total dry solids)
試験材料又はコンポストの既知量をとり,105 ℃で乾燥して一定質量(恒量)になったときの固形物。
3.5
揮発性固形物(volatile solids)
既知量の試験材料又はコンポストを約550 ℃で燃焼した後の残さ(渣)を,同じ試料の全乾燥固形物か
ら差し引いて得られる固形物。
注記 揮発性固形物含量は,有機物の量の尺度である。
3.6
理論的発生二酸化炭素,ThCO2(theoretical amount of evolved carbon dioxide)
化学物質が,完全に酸化されるときに発生した二酸化炭素の最大理論量。
3.7
誘導期(lag phase)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3
K 6953-1:2011
試験の開始から,分解微生物のじゅん(馴)化及び選択が始まり,化学物質の生分解度が,生分解度の
最大レベルの約10 %に達するまでの期間(日数)。
3.8
生分解の最大レベル(maximum level of biodegradation)
化学物質が試験中に到達する,これ以上生分解は起こらないという最大の生分解度(百分率)。
3.9
生分解期(biodegradation phase)
試験の誘導期終了時から生分解の最大レベルの約90 %に到達するまでの期間(日数)。
3.10
定常期(plateau phase)
生分解期の最後(生分解の最大レベルの約90 %)から試験終了までの期間(日数)。
3.11
活性バーミキュライト(activated vermiculite)
初期成長期中に活性な微生物群が定着したバーミキュライト。
4
試験の概要
この試験方法は,好気的コンポスト化を模擬する条件下で,試験材料の究極的生分解度及び崩壊度を求
めるためのものである。植種源は,可能なら都市ごみの固形廃棄物の有機成分のコンポスト化から得られ
る,安定化し,完熟したコンポストを用いる。
試験材料は,植種源と混合し,静置コンポスト化容器に入れて,最適の酸素,温度及び湿度条件下で6
か月を超えない試験期間でコンポスト化する。
試験材料を好気的に生分解したときは,二酸化炭素,水,無機塩及び新しい微生物細胞成分(バイオマ
ス)が最終的な生産物である。試験容器及び空試験容器で発生した二酸化炭素を,一定時間間隔で継続的
に監視又は測定し,これを累積して二酸化炭素発生量を決定する。生分解度百分率は,試験材料から発生
した二酸化炭素と,試験材料の測定された全有機炭素量(TOC)から計算される理論的発生二酸化炭素と
の比として得られる。この生分解度は,新しく細胞バイオマスに変換されて,試験の過程で二酸化炭素に
代謝されなかった炭素は含んでいない。
併せて,試料片の崩壊の程度を試験の最後に測定する。試料の質量減少を測定してもよい。
活性バーミキュライトは,次の場合,完熟コンポストの代わりに用いてもよい。
a) 生分解度の測定が,試験材料によって引き起こされるプライミング効果の影響を受けるとき。
b) バイオマス測定と残存試験材料との補正による最終の炭素収支計算を行うとき。
バーミキュライト床は無機物であり,本質的にプライミング効果を減少させる。そして,この方法の信
頼性を向上させる。バーミキュライトを用いる更なる利点は,微生物の活動が低レベルで,ブランクコン
ポスト化容器から発生した二酸化炭素量がごくわずか(ほとんどゼロ)であり,低レベルの生分解性活性
を正確に測定できることである。
活性バーミキュライトを用いて得られた無機化速度は,最終生分解レベル及び生分解速度両方において,
完熟コンポストによって得られるものと同一又は非常に類似している。
注記 プライミング効果は,呼び水効果ともいわれる。プライミング効果で,生分解度が見掛け上
100 %を超えることがある。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4
K 6953-1:2011
5
試験環境
培養は,暗所又は散乱光下で,58 ℃±2 ℃の恒温に保たれた,微生物に有害な蒸気から遮断された囲い,
又は空間の中で行われなければならない。
特別な場合,試験材料の融点が低いときは,他の温度を選んでもよい。この温度は,試験期間中一定で,
±2 ℃の変動範囲に保たなければならない。温度のどのような変化も調整しなければならず,試験報告書
に明確に記載しなければならない。
6
試薬及び材料
試薬を用いる場合は,分析用試薬を用い,材料は,次による。
6.1
薄層クロマトグラフィー用微結晶セルロース 薄層クロマトグラフィー用微結晶セルロースは,陽
性対照材料として,粒径20 μm以下を用いる。
6.2
バーミキュライト バーミキュライトには,次の三つの種類があるが,この規格では,コンクリー
トタイプを用いる。
なお,フレーク状のバーミキュライトを使用しなければならない。
“コンクリート”タイプ:見掛け密度は,約80 kg/m3±16 kg/m3,粒径:80 %が12 mm〜4 mm,2 %
が0.5 mmのふるい(篩)を通過する。
“中粒”タイプ:見掛け密度は,約90 kg/m3±16 kg/m3,粒径:80 %が6 mm〜1 mm,2 %が0.5 mm
のふるい(篩)を通過する。
“細粒”タイプ:密度は,約100 kg/m3 ±20 kg/m3,粒径:80 %が3 mm〜0.7 mm,5 %が0.5 mmのふ
るい(篩)を通過する。
注記 バーミキュライトは,建築のために使う粘土鉱物であり,微生物が生息でき,十分に活動でき
る,微生物坦体として特に適したものであることが知られている。熱処理前の,鉱石のままの
組成は,Al2O3 10 %,MgO 30 %,CaO 5 %,SiO2 50 %及び化学結合水5 %である。鉱物が熱処
理されると,結合水を失って膨らみ,“バーミキュライト”ができる。バーミキュライトは多く
の水を保持することができ,坦体中の水分量は完熟コンポストの水分量と同等である。
7
測定装置
測定装置は,次による。
なお,全てのガラス器具は,完全に洗浄し,特に有機物又は有害な物質が付着していてはならない。
7.1
コンポスト化容器 コンポスト化容器は,上方向への均一なガス排出ができるガラスフラスコ又は
瓶。8.2及び8.3に規定された必要条件を満たすためには,最小容量2 Lが必要である。試験材料に応じて,
スクリーニングの目的には,もっと小さい容量のものも使用できる。試験材料の質量減少を測定する場合
は,各コンポスト化容器の質量をはかっておく。
7.2
空気供給装置 空気供給装置は,各コンポスト化容器に二酸化炭素を含まない,水蒸気で飽和した
空気を供給する装置で,ソーダ石灰を充填した二酸化炭素除去器及び加湿器で構成される。また,好気的
条件を満足する空気を,流量計で調節できる機能を備えたものを用いる(附属書A参照)。
7.3
二酸化炭素測定装置 二酸化炭素測定装置は,直接二酸化炭素を定量する装置,又は塩基性溶液に
完全に吸収した後,溶存無機炭素(DIC)を定量する装置(附属書A参照)。排出された二酸化炭素を,連
続赤外線分析器又はガスクロマトグラフ法によって直接測定する場合は,正確な空気の供給又はガス流量
の測定が必要である。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5
K 6953-1:2011
7.4
管 コンポスト化容器と空気供給装置及び二酸化炭素定量装置とを接続するために,ガス漏れのな
い管を用いる。
7.5
pHメータ pHメータは,pH値0.1の桁まではかれるもので,試験混合物のpHの測定のために用
いる。
7.6
分析器具 分析器具は,乾燥固形物(105 ℃で),揮発性固形物(約550 ℃で)及び試験材料の元素
分析のための全有機炭素(TOC)を測定できる分析機器とする。さらに,必要であるならば,溶解無機炭
素(DIC),揮発性脂肪酸,排気中の酸素濃度,水分量及び全窒素を測定できるものとする。
7.7
はかり(任意) はかりは,3 kg〜5 kgの範囲のコンポスト及び試験材料を含む試験容器の質量を測
定するために用いる。
7.8
任意の分析器具 任意の分析器具は,空気中の酸素,水蒸気,揮発脂肪酸及び全窒素[JIS K 0102
の44.(有機体窒素)に規定するケルダール法による。]を定量するための分析器具。
7.9
バーミキュライト活性化のための容器 バーミキュライト活性化のための容器は,5 L〜20 Lの体積
をもった容器で,強制通気しない。内容物の過度の乾燥を避けるために,容器を密封しなければならない。
しかし,活性期中の好気的条件を満足させるために大気とのガス交換ができなければならない。
適切な容器の例は,ポリプロピレン又は適切な他の材料から作られている箱で,30 cm×20 cm×10 cm
(長さ,幅,高さ)の大きさである。箱は,過度の水蒸気損失を避けるために,容器に合った蓋を備えて
いなければならない。幅20 cmの容器側面の中心部に,箱の底から約6.5 cmの高さの位置に,直径5 mm
の孔を両側ともあけなければならない。この二つの孔を通して,箱の内部と外部との空気のガス交換を行
う。
8
操作
8.1
植種源の準備
植種源は,正常に稼動している好気的コンポスト工場から採取した十分に通気させたコンポストでなけ
ればならない。コンポスト植種源は,均質で,ガラス,石,金属などの大きい不活性物質を含まないもの
を用いる。これらの大きい不活性物質は手で除き,目開き約0.5 cm〜1 cmのふるい(篩)を通す。
多様な微生物群を得るためには,都市固形廃棄物の有機物をコンポスト化している工場から採取したコ
ンポストを用いることを推奨する。コンポストの熟成期間は2か月〜4か月の間が望ましい。そのような
コンポストが入手できない場合,庭の廃棄物,家畜廃棄物又は庭及び都市固形廃棄物の混合物を処理して
いる工場のコンポストを用いてもよい。
できるだけ好気的にするために,通気性のコンポストを使用することを推奨する。試験中にコンポスト
が固着しないで好気的条件を保つために,小さな木片又は非分解性若しくは難分解性物質を添加してもよ
い。
コンポスト植種源の全乾燥固形物量及び揮発性固形物量を測定する。全乾燥固形物量は,湿潤固形物量
の50 %〜55 %の間に,揮発性固形物含量は,湿潤固形物量の約15 %以上又は乾燥固形物量の30 %以上で
なければならない。必要に応じて水を添加するか,乾燥空気をコンポストに通気するなどの方法で穏やか
に乾燥させて水分含量を調整する。
コンポスト植種源1部に対して5部の脱イオン水を混ぜ,振とう混合した後,直ちにpHを測定する。
pHは,7.0〜9.0の間になければならない。
コンポスト植種源の特性を更に調べるには,全有機炭素量,全窒素,脂肪酸などの適切なパラメータを
試験開始時及び終了時に測定してもよい。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6
K 6953-1:2011
試験期間中のコンポスト植種源の活性を,陽性対照材料(6.1参照)の分解性,又は空試験用容器の二酸
化炭素発生量を測定することによって確認する。対照材料は試験終了時(箇条10参照)に70 %以上分解
されていなければならない。空試験における植種源の二酸化炭素発生量は,試験開始後最初の10日間で揮
発性固形物1 g当たり50 mg〜150 mgの間になければならない(箇条10参照)。二酸化炭素発生量が多す
ぎる場合,コンポストを新規の試験に使用する前に,数日間通気して安定化させる。活性が低い場合,新
しいコンポスト植種源を使用する。
8.2
試験材料及び対照材料の準備
試験材料及び対照材料の全有機炭素量(TOC)を,JIS K 0102の22.[有機体炭素(TOC)]によって定
量し,報告する。望ましくは全乾燥固形物量1 g当たりのg-TOCで表示する。これらの材料に無機炭素が
含まれていない場合は,元素分析によって炭素含量を決定することもできる。試験材料には,二酸化炭素
の発生量が測定できる十分な量の有機炭素が含まれていなければならない。通常は,容器当たり20 g-TOC
を含む50 gの乾燥全固形物量が最低必要である。
質量の減少量を測定する場合,試験材料の全乾燥質量及び揮発性固形物量を測定する。
注記 試験中の試験材料及び対照材料の消失量の定量は,追加情報として任意で行う。附属書Cに示
した例では,試験材料の揮発性固形物量を測定し,試験終了後の値と比較した。
試験材料は,か(顆)粒状,粉状,フィルムの形状又は簡単な成形品(ダンベル状など)を用いる。個々
の試験材料の最大の表面積は,約2 cm×2 cmでなければならない。元の試験材料が大きすぎる場合,小さ
くする。一般にプラスチック材料の物性の比較をするときは,試験材料の形状を厳密に規定していること
が多い。この規格を用いて異なる種類のプラスチック間で生分解度を比較する場合,同一形状(大きさ,
形及び厚み)の試験材料が望ましい。同一形状の試験材料を用意できれば,試験時間が異なるような場合
の比較も可能であるが,入手時期が異なると同一形状の試験材料を用意することは難しいので,同じ粒径
の粉体を用いるのが望ましい。
8.3
試験の準備
少なくとも次の試験を含む数のコンポスト化容器(7.1参照)を用意する。
a) 試験材料用容器 3個
b) 対照材料用容器 3個
c) 空試験用容器 3個
試験に用いるコンポスト植種源及び試験材料を含む試験混合物の量は,試験材料の特性(8.2参照)及び
コンポスト化容器の大きさに依存する。コンポスト植種源の乾燥質量と試験材料の乾燥質量との比は,約
6:1である。各々の容器には同量のコンポストが入っていることを確認する。この比には,不活性物質(8.1
参照)の添加量は考慮しなくてもよい。コンポスト化容器の体積の約3/4を試験混合物で満たす。試験混
合物を手で振とうするのに必要なスペースが確保できる頭部空隙が必要である。
代表的な場合,約3 Lのコンポスト化容器を用意して,全乾燥固形物として600 gの植種源及び乾燥質
量で100 gの試験材料をひょう量後,十分に混合する。試験混合物の水分含量は,植種源(8.1参照)と同
一の水分含量(約50 %)でなければならない。手で軽く押さえたときに,少しねばねばした感じがして水
が浮いてくるのがよい。必要に応じて水を添加して又は乾燥空気を送って水分含量を調整する。この混合
物を容器に入れる。
良好なコンポスト化反応を確実にするために試験混合物の有機炭素と窒素との比(C/N比)を,10〜40
の間にするのが望ましい。必要なら尿素で調整してもよい。有機炭素含量は,コンポスト植種源及び試験
材料のTOCから計算することができる。全窒素濃度は,試験混合物の代表試料について,JIS K 0102の
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7
K 6953-1:2011
44.(有機体窒素)で規定するケルダール法によって測定することができる。
コンポスト化容器を58 ℃±2 ℃(箇条5参照)の試験環境に置き,水で飽和させた二酸化炭素を含ま
ない空気の通気を始める。このような空気は,水酸化ナトリウム溶液を入れた洗瓶を通すことによって得
ることができる(附属書A参照)。
排気中の二酸化炭素の量を直接測定する場合は,二酸化炭素を含まない空気でなく通常の空気を用いる
ことができる。この場合,試験用容器の入口及び出口の二酸化炭素濃度を測定し,出口濃度から入口濃度
を差し引いて補正することが望ましい。
試験中は,各々のコンポスト化容器に,確実に好気的条件に維持できる十分な流量の空気を送る。出口
の空気流量を,洗瓶を用いて定期的にチェックして試験系に漏れがないことを確認する。
好気的状態になっているかを調べる方法として,コンポスト化容器から排出される排気中の酸素濃度を
定期的に測定する方法がある。酸素濃度は,約6 %を下回ってはいけない。試験開始後の最初のl週間は,
毎日2回測定することによって,酸素濃度を厳密に制御しなければならない。その後は測定回数を減らす
ことができる。必要に応じて空気流量を調整する。
対照材料も,試験材料と同様に取り扱う。空試験用容器には,全乾燥固形物として試験材料用容器と同
量のコンポスト植種源だけを入れる。
8.4
試験期間
所定の時間間隔で各コンポスト化容器から排出される二酸化炭素量を,ガスクロマトグラフ,TOC計又
は赤外分光計で,JIS K 0102の22.[有機体炭素(TOC)]によって直接的に測定するか,又はその代わり
に発生した二酸化炭素の総量を水酸化ナトリウム溶液に吸収させて溶存無機炭素(DIC)として,測定す
る(附属書A参照)。測定間隔は,測定方法又は必要としている分解曲線の測定精度及び試験混合物の生
分解活性によって決める。直接測定法を用いる場合,生分解期は,約6時間の時間間隔で1日に少なくと
も2回測定し,その後の定常期に達すると1日に1回測定する。二酸化炭素を吸収させる方法では,溶存
無機炭素(DIC)を生分解期では1日に1回,定常期では1週間に約2回測定をする。
空気の抜け道ができることを防止し,更に試験材料への微生物の攻撃を均一化させるためにコンポスト
植種源を1週間に1回振とうする。コンポスト植種源を振とうするときは,空気供給系及び二酸化炭素測
定系が容器から外れないようにする。
コンポスト化容器中の試験混合物の湿度が高くなり過ぎたり,低くなり過ぎないように試験容器を観察
する。水分が出てきたり,物質の固まりができないようにしなければならない。乾き過ぎの状態は,コン
ポスト化容器の頭部空隙部に水滴がなくなることから分かる。水分量は,適切な装置で測定することがで
きる(任意)。この場合,水分量は,約50 %に保つことが望ましい(8.1参照)。湿潤空気又は乾燥空気を
通気することによって水分量を調整することができる。空気入口から水を添加したり,抜くことによって
水分量を大きく変えることができる。週1回振とうすることによって水分量を一様にすることができる。
水分量の調整をするときは,二酸化炭素の発生量を綿密に測定する。
週1回の振とう時及び試験終了時に,構造,水分量,色,微生物の成長,排気の臭いなどのコンポスト
の品質及び試験材料の崩壊具合の目視観察結果を記録する。コンポスト化容器は,通常,実際のコンポス
ト化で用いる代表例である58 ℃±2 ℃の定温で,6か月を超えない期間培養する。試験材料の生分解が有
意に進行している場合,培養期間を延長することができる。逆に培養期間は,定常期に早く至ったときは,
短縮できる。
pHを試験開始時及びその後,一定の間隔で測定する(8.1参照)。
pHが7.0より低い場合,易分解性物質が先に分解されることでコンポストが酸性になり,生分解が阻害
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
8
K 6953-1:2011
される可能性がある。この場合,コンポスト化容器の中身の酸性度を確認するために,揮発性脂肪酸のス
ペクトルを測定することを推奨する。全乾燥固形物1 kg当たり2 g以上の揮発性脂肪酸が作られている場
合,試験中のコンポストが酸性になり,微生物活性が阻害されるため,試験は無効とみなさなければなら
ない。酸性化を防ぐために,全ての容器にコンポストを追加する又は試験材料の添加量を減らす若しくは,
コンポスト量を増やした条件で再試験をしなければならない。
8.5
試験の終了
試験材料の減少を定量する場合(8.2の注記参照),試験混合物を含むコンポスト化容器の質量を測定す
る。全ての容器から試験混合物の試料を採取する。全乾燥固形物量及び揮発性固形物量を定量する。
崩壊状態を決めるために,試験材料の外観を目視観察した結果を記録する。
残りの試験材料で質量測定,物理的特性の測定又は写真撮影などの追加の調査をすることが望ましい。
8.6
バーミキュライトの使用
コンポストの代わりにバーミキュライトを用いるときは,まず,バーミキュライトに有機栄養素,無機
栄養素及び完熟コンポスト抽出液を接種して活性化する。使用する植種源溶液の組成を,表1,表2及び
表3に示す。バーミキュライトと植種源溶液との比は,バーミキュライト1 kgに対して植種源溶液を3 L
とする。
植種源溶液で用いるコンポスト抽出液は,完熟コンポスト及び脱イオン水を約30分間混合(20 %質量
/体積)することによって作製し,スラリーをストレーナ(孔径は,約1 mm)でろ過する。さらに,ろ
紙によるろ過又は約1 000 rpmで遠心分離を15分間行う。
表1−植種源溶液の組成(1 L当たり)
成分
量
ミネラル成分
(表2参照)
適切な栄養源
(ブイヨン)
尿素
コーンスターチ
セルロース
コンポスト抽出液
表2−ミネラル成分溶液の組成(1 L当たり)
化学物質
量
(10 %溶液)
(10 %溶液)
微量元素溶液
(表3参照)
表3−微量元素溶液の組成(1 L当たり)
化学物質
量
バーミキュライトと植種源溶液の必要量とを混ぜて均一な混合物を作り,容器に分配する(それぞれに
約1 kgの混合物)。容器の質量を内容物とともにはかり,50 ℃±2 ℃で3日間〜4日間培養する。
毎日,容器の質量をはかり,必要ならば,塩素を含まない水道水,脱イオン水又は蒸留水を加えて初め
の質量に戻してもよい。さらに,通気を確実にするためにスパチュラ又は普通のスプーンで容器の内容物
を混合する。
このように処理されたバーミキュライトは,“活性バーミキュライト”で,完熟コンポスト植種源の代わ
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
9
K 6953-1:2011
りに,固形床としてコンポスト化容器の中に置く(8.1参照)。通常の試験であれば,それぞれのコンポス
ト化容器で800 gの活性化バーミキュライトを用いる。
試験に用いる活性バーミキュライト及び試験材料の量は,コンポスト化容器の大きさによる。活性バー
ミキュライトと試験材料の乾燥質量との比は,4:1であることが望ましい。コンポスト化容器の約半分の
体積は,試験混合物で充填する。試験混合物を手で振とうできるように,十分な頭部の空隙が必要である。
通常の試験では,約3 Lのコンポスト化容器を使う。活性バーミキュライト及び試験材料を,乾燥固形
物で200 g及び50 gをはかりとり,容器に入れる前によく混合する。
8.7
バーミキュライト使用時の回収手順及び炭素収支
試験終了時に,分解せずに残っている試験材料の量と分解副産物及び/又はバイオマス量を回収して定
量的に測定するために,バーミキュライト床を取り出し,抽出する。それぞれのコンポスト化容器内の床
は個別に分析するか,又は一連のコンポスト化容器内の内容物をた(溜)め,一緒に分析する。最終的な
炭素バランスを測定するために,試験中に二酸化炭素として発生した炭素量とともに,バイオマス量,試
験材料残存量及び副産物量を測定する。試験開始時の炭素量を,試験中の二酸化炭素として発生した炭素
量,バイオマスに変換した炭素量及び試験終了時の残存試験材料と副産物中の炭素量とを比較する。この
ようにして,得られた生分解度の結果が正当であるか否か確認できる。
抽出は,試験材料の性質によって,水及び/又は有機溶媒を用いて順番に行う。このために,試験材料
の予備溶解試験を行い適切な溶媒を選ぶ。
使用する分析手法は,分光法(赤外,紫外−可視,NMR,その他),クロマトグラフィー,質量分析,
元素分析などである。これらの手法は,抽出物に直接適用及び/又は抽出物の濃縮物に適用する。抽出物
は,環境毒性試験を行ってもよい。
9
計算及び結果の表示
9.1
理論上の二酸化炭素量の計算
試験材料によって生じる理論上の二酸化炭素の総量ThCO2(容器ごとのグラム数)は,次の式(1)によっ
て算出する。
ThCO
2
=
M
TOT
×
C
TOT
×
44
···························································· (1)
12
ここに,
9.2
MTOT: 試験の開始時点でコンポスト化容器中に入れられ
た試験材料全体の乾燥固形物量(g)
CTOT: 試験材料の全乾燥固形物中の全有機炭素の相対量
(g/g)
44及び12: それぞれ,二酸化炭素の分子量及び炭素の原子量
生分解度百分率の計算
次の式(2)を用いて,それぞれの測定間隔ごとに試験材料の生分解度百分率Dtを,積算された二酸化炭素
発生量から計算する。
D
t
=
(
CO
2
)
T
−
(
CO
2
)
B
×
100
···························································· (2)
ThCO
2
ここに,
(CO2)T: それぞれのコンポスト化容器から放出された積算二
酸化炭素の総量(g/容器)
(CO2)B: 空試験によって放出された平均積算した二酸化炭素
量(g/容器)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
10
K 6953-1:2011
ThCO2: 試験容器中の試験材料の理論上の二酸化炭素総量(g
/容器)
個々の測定の差が20 %より少ない場合には,平均百分率を計算する。そうでない場合には,それぞれの
コンポスト化容器ごとに別々の値として求める。対照材料の生分解度も同様に,式(2)を用いて算出する。
9.3
質量減少の計算
揮発性の物質に基づく質量減少の算出は任意であるが,その計算例は,附属書Cを参照する。
9.4
結果の表示
測定日ごとに試験材料,対照材料及び空試験を測定し,計算されたデータ表を作成し記入する。書式シ
ートの例は,附属書Eを参照する。
時間の関数として空試験,試験材料及び対照材料の入ったコンポスト化容器ごとに放出された積算二酸
化炭素量をプロットする(附属書B参照)。試験材料及び対照材料の生分解度曲線を(生分解百分率を時
間の関数として)プロットする(附属書B参照)。個別の数値の差が20 %以内の場合は,平均値を使う。
そうでない場合は,コンポスト化容器ごとに生分解曲線をプロットする。
生分解度曲線の定常期から平均分解度を読み取り,最終試験結果として表示する。試験材料が小片にな
っている場合には,試験材料の崩壊の度合いを定性的に記述する。必要に応じて,写真又は物理的測定値
などの追加情報も付け加える。
10 結果の正当性
試験は,次のような場合に正当とみなす。
a) 対照材料の生分解度が,45日後に70 %以上の場合。
b) 異なった容器中の対照材料に対する生分解度百分率の偏差が,試験終了時で20 %以下の場合。
c) 空試験中のコンポスト植種源が,10日間の培養後,揮発性固体の1 g当たりの二酸化炭素の発生量が
50 mg以上で,150 mg以下の場合(平均値として)。
11 試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) 試験材料を同定するために必要な全ての情報(乾燥又は揮発性固形物,有機炭素の含量及び形状又は
外観)
c) 対照材料及びその有機炭素含量を同定するために必要な全ての情報及びその有機炭素含量
d) コンポスト化容器の容積,その中のコンポスト植種源,試験材料及び対照材料の量,混合物のかくは
ん(攪拌)回数,並びに再接種の詳細(行った場合)
e) コンポスト植種源の情報(出所,期間,収集日,貯蔵,操作,安定化,乾燥固形物,揮発性固形物,
懸濁液のpH値,全窒素含有量又は揮発性脂肪酸量,及び予調製又は予暴露の詳細)
f)
試験材料及び対照材料の究極生分解度,並びにコンポスト植種源の活性(空試験での10日後のCO2
発生)に加えて,コンポスト化容器ごとの発生した二酸化炭素及び生分解百分率,並びにその平均値
の結果を表及び図で示したもの
g) かくはん(攪拌)時及び試験終了時のコンポスト植種源の状態,水分量,色,微生物の成長,排気の
臭いなどのコンポスト植種源の外観及び試験材料の崩壊具合を目視観察した結果
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
11
K 6953-1:2011
h) 試験開始時及び終了時でのコンポスト化容器の質量測定結果
i)
試験結果の棄却に対しての理由
j)
バーミキュライトを用いた場合,産地,種類及び量に関する情報
k) 試験温度及びその変動範囲
l)
試験の実施期間
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
12
K 6953-1:2011
附属書A
(参考)
試験方法の原理
試験混合物を入れたコンポスト化容器に,二酸化炭素を含まない合成空気又は圧縮空気を一定の低圧で
供給する。圧縮空気を用いる場合は,適切な二酸化炭素吸収系に通して,二酸化炭素を取り除く。水酸化
ナトリウム水溶液を使うと,同時に空気の加湿ができる。二酸化炭素がないことを確認するために水酸化
バリウム溶液の入ったトラップを,二つ目として設けることができる。
1 圧縮空気
2 二酸化炭素を含まない空気
3 排気
4 頭部空隙
5 試料混合物(コンポスト及び試料) 6 NaOH溶液
7 二酸化炭素を含まない空気の発生装置 8 コンポスト化容器
9 二酸化炭素測定装置
図A.1−試験装置の配置
コンポスト化容器中の試料混合物をばっ気するために使う空気は,可能な限り均一となるように,容器
の底から入れて配分する。生分解が起きると,二酸化炭素が生成され排気と一緒に放出される。
排気中の二酸化炭素は,連続式赤外分析器又はガスクロマトグラフなどを用いて,直接に測定できる。
この場合,ガス流量の正確な測定が必要である。測定装置によっては,冷却などで空気から水分を除去す
ることが必要である。数個のコンポスト化容器を,一つの測定装置に接続するときは,適切なガススイッ
チが必要となる。
各々のコンポスト化容器からの排気は,20 g/L水酸化ナトリウム水溶液の入った二酸化炭素トラップ中
で吸収し,TOC分析器〔JIS K 0102の22.[有機体炭素(TOC)]参照〕によって,溶存無機炭素量(DIC)
として測定する。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
13
K 6953-1:2011
附属書B
(参考)
二酸化炭素の放出及び生分解度曲線の例
X 試験期間(日)
Y 発生CO2(g/容器)
1 試験材料
図B.1−CO2発生曲線
X 試験期間(日)
1 誘導期
Y 生分解度(%)
2 生分解期
3 定常期
4 生分解度65 %
図B.2−生分解度曲線
2 空試験対照
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
14
K 6953-1:2011
附属書C
(参考)
質量減少(量)の測定例
コンポスト化試験中の試験材料中の有機物の質量減少の定量は,主としてCO2の発生から定量される生
分解性の程度を示す定量的情報を提供する。次の手順によって,試験の始めと終わりに試験材料とコンポ
スト植種源の揮発性固形物の量からこの質量減少を計算できる。
略号 com=コンポスト植種源,mat=試験材料,mix=試験材料と植種源との混合物,ves=試験容器,
wat=水
添字 w=湿潤材料,d=総乾燥固形物,v=揮発性固形物,d/w=総乾燥固形物の湿潤質量に対する比,
v/d=揮発性固形物の総乾燥固形物に対する比,deg=分解した試験材料,f=試験容器,s=試験
の開始,e=試験の終了,y=空の試験容器,a=追加チェック,add=追加の水,B=空試験(植
種源だけ),m=試験材料と植種源の混合物,mean=平均
C.1
空の各試験容器の質量(vesy)をg単位ではかる。
C.2
約10 gの試験材料の湿潤質量(matw),総乾燥固形物(matd)及び揮発性固形物(matv)の質量を測
定する。総乾燥固形物の湿潤量に対する比(matd/w)及び揮発性固形物の総乾燥固形物に対する比(matv/d)
を計算する。
C.3
試験開始時に各試験容器中の試験材料の湿潤質量(matwfs)から,式(C.1)を用い,各試験容器中の総
揮発性固形物の量(matvfs)を容器ごとにg単位で算出する。
mat
vfs
=
mat
wfs
×
mat
d/w
×
mat
v/d
····················································· (C.1)
C.4
試験開始前に,約10 gの植種源として用いたコンポストの湿潤質量(comws),総乾燥固形物(comds)
及び揮発性固形物(comvs)の量を測定する。総乾燥固形物の湿潤量に対する比(comds/ws)及び揮発性固形
物の総乾燥固形物に対する比(comvs/ds)を計算する。
C.5
試験開始時に各試験容器中のコンポストの湿潤質量(comwfs)から,式(C.2)を用い,各容器中のコン
ポストに含まれる総揮発性固形物の量(comvfs)を容器ごとにg単位で算出する。
com
vfs
=
com
wfs
×
com
ds/ws
×
com
vs/ds
················································· (C.2)
C.6
植種源と試験材料の試験混合物の入った各試験容器及びコンポスト植種源だけ入った各空試験容器
の質量を,試験の開始時(vesms,vesBs)及び終了時(vesme,vesBe)に容器ごとにg単位ではかる。
C.7
試料混合物(vesam)に対しては式(C.3),空試験(vesaB)に対しては式(C.4)を用いて,正確な量の試
験材料(matwfs),植種源(comwfs)及び水(watadd)がコンポスト化容器に加えられたことを確認する。
ves
am
=
ves
y
+
ves
ms
=
ves
y
+
com
wfs
+
mat
wfs
+
wat
add
···························· (C.3)
ves
aB
=
ves
y
+
ves
Bs
=
ves
y
+
com
wfs
+
wat
add
······································· (C.4)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
15
K 6953-1:2011
C.8
各試験容器に対して式(C.5)を用いて,試験終了時に試験材料と残っている植種源の湿潤混合物の量
(mixwfe)をそれぞれ容器ごとにg単位で算出する。各空試験容器に対しては,式(C.6)を用い,残ってい
る植種源の量(comwBe)をそれぞれ容器ごとにg単位で算出する。
mix
wfe
=
ves
me
−
ves
y
·································································· (C.5)
com
wBe
=
ves
Be
−
ves
y
································································· (C.6)
C.9
各容器から,試験終了時に,約10 gの試験材料と植種源との混合物の代表的試料をとりだす。湿潤
固形物量(mixwe),総乾燥固形物量(mixde)及び揮発性固形物量(mixve)を求め,湿潤固形物量に対する
総乾燥固形物量の比(mixde/we)を,また,総乾燥固形物に対する揮発性固形物の比(mixve/de)も算出する。
同じ手順で,空試験についても,湿潤固形物量に対する総乾燥固形物量の比(comde/we)を,また,総乾燥
固形物に対する揮発性固形物の比(comve/de)を算出する。
C.10 試験終了時の各試験混合物の揮発性固形物の量(mixvfe)を式(C.7)を用いて,空試験容器中の植種源
コンポスト中の揮発性固形物の量(comvBe)を式(C.8)を用いて,容器ごとにg単位で算出する。
mix
vfe
=
mix
wfe
×
mix
de/we
×
mix
ve/de
··················································· (C.7)
com
vBe
=
com
wBe
×
com
de/we
×
com
ve/de
·············································· (C.8)
C.11 試験終了時の空試験容器中の揮発性固形物の量の平均値(comvBe,mean)を算出する。
C.12 試験終了時の各容器中の試験材料の揮発性固形物の量(matvfe)を式(C.9)を用いて,容器ごとにg単
位で算出する。
mat
vfe
=
mix
vfe
−
com
vBe, mean
························································· (C.9)
C.13 揮発性固形物を基に,各試験容器中の分解した試験材料の量(matdeg)を式(C.10)を用いて,容器ご
とにg単位で算出する。
mat
deg
=
mat
vfs
−
mat
vfe
······························································ (C.10)
C.14 各試験容器について,試験材料の量の減量百分率,すなわち,質量減少から求めた生分解度百分率
(Dv)は,式(C.11)を用いて揮発性固形物の減量から算出する。
mat
deg
D
v
=mat ×
100 ···································································· (C.11)
vfs
C.15 質量減少から求めた生分解の度合いの平均値Dv,meanを計算する。
C.16 必要ならば,対照材料の質量減少から計算される生分解度を同様に算出する。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
16
K 6953-1:2011
附属書D
(参考)
ラウンドロビン試験
この規格の試験方法を用いて,ラウンドロビン試験を実施した。試験材料は,紙及びポリ-β-ヒドロキシ
酪酸及び,ポリ-β-ヒドロキシ吉草酸の共重合物を用いた。陽性対照として,径が20 μm以下の薄層クロマ
トグラフィー用微結晶セルロースを使用した。試験結果及び参加者の経験から,この試験法は,適切,か
つ,実用的でよい予測値の試験結果を与えることが分かった。ラウンドロビン試験の結果は,次の報文に
ある。
PAGGA, U., BEIMBORN, D.B., BOELENS, J., and DE WILDE, B., Determination of the Aerobic Biodegradability of
Polymeric Material in a Laboratory Controlled Composting Test, Chemosphere, 31 (1995), pp.4475-4487.
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
17
K 6953-1:2011
附属書E
(参考)
試験報告書の例
制御された好気的コンポスト化試験−試験報告書
試験材料:
______________
対照材料:
_________________
コンポストの出所: ______________
コンポスト齢: _________________
試験用容器容積:
CO2測定様式: _________________
______________
試験結果
CO2の発生から計算
される生分解度
有機物の質量から計算
される平均生分解度
試験期間
観察事項
(日)
試験材料
対照材料
正当性判断基準
45日後の対照材料の生分解度?
> 70 %
□ Yes
□ No
試験終了時の異なる試験容器中の
対照材料の生分解度の差?
< 20 %
□ Yes
□ No
□ Yes
□ No
10日後の空試験容器のCO2平均発生量は,
50 mg/g〜150 mg/g揮発性固形物の範囲内?
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
18
K 6953-1:2011
表E.1−制御された好気的コンポスト化試験−CO2の発生から計算される生分解度
試験材料/対照材料:____________ TOC:̲̲̲̲̲̲g/g ThCO2:̲̲̲̲̲̲̲̲g/vessel
日
付
日
数
平均値
(CO2)B=空試験のCO2発生量の測定累積値
(CO2)t=時刻tにおける試験材料/対照材料から発生したCO2の測定累積値
(
CO
2
)
B1
+
(
CO
2
)
B2
+
(
CO
2
)
B3
計算:
(
CO
2
)
B, mean
=
3
(
CO
2
)
t
−
(
CO
2
)
,B mean
D
t
=
ThCO
2
D
t
1
+
D
t
2
+
D
t
3
D
t
=
3
平均値
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
19
K 6953-1:2011
表E.2−制御された好気的コンポスト化試験−有機物の質量減少から計算される生分解度
試験材料:____________
対照材料:____________
試験材料(mat)
植種源,開始時(coms)
試験混合物,終了時(mixe) mixwe(g):
植種源,終了時(coms)
試験材料
試験材料1
試験材料2
試験材料3
試験平均値
空試験
空試験1
空試験2
空試験3
空試験平均値
略号 com=コンポスト植種源,mat=試験材料,mix=試験材料と植種源との混合物,ves=試験容器,wat=水
添字 w=湿潤材料,d=総乾燥固形物,v=揮発性固形物,d/w=総乾燥固形物の湿潤質量に対する比,v/d=揮
発性固形物の総乾燥固形物に対する比,deg=分解した試験材料,f=試験容器,s=試験の開始,e=試験
の終了,y=空の試験容器,a=追加チェック,add=追加の水,B=空試験(植種源だけ),m=試験材料と
植種源の混合物,mean=平均
揮発性固形物基準の分解度の計算:Dv=matdeg×100/matvfs
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS K 6953-1:2011 プラスチック−制御されたコンポスト条件下の好気的究極生分
解度の求め方−発生二酸化炭素量の測定による方法−第1部:一般的方法
(I)JISの規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条ごと
の評価
追加
ISO規格にはない試験材料の
補足的規定を追記
技術的差異はない
削除
ISO規格のk)を削除し,k)とl)
とを追加した。
技術的差異はない
追加
ISO規格の規定漏れ
今後,ISO 14855-1の定期見直し
などを通じて,対応国際規格の修
正を検討する。
箇条番号
及び題名
8.2 試験
材料及び
対照材料
の準備
11 試験報
告書
内容
国際規格
番号
(III)国際規格の規定
箇条番号
内容
試験材料の形状を規定
k) 試験温度及びそ
の変動範囲
l) 試験の実施期間
k) バーミキュライトを用
いて実施したのであれ
ば,炭素収支計算結果
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 14855-1:2005,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
技術的差異の内容
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表