2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。

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ページ

序文 ··································································································································· 1

1 適用範囲 ························································································································· 1

2 引用規格 ························································································································· 1

3 用語及び定義 ··················································································································· 1

4 原理······························································································································· 2

5 装置······························································································································· 2

6 試験片···························································································································· 3

7 試験片の状態調節 ············································································································· 3

8 試験······························································································································· 4

9 計算······························································································································· 4

10 精度 ····························································································································· 5

11 結果の表し方 ················································································································· 5

12 試験報告 ······················································································································· 5

附属書A(参考)全光線透過率及び全光線反射率の測定例 ···························································· 6

(1)

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K 7375:2008

まえがき

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本プラスチック工業連盟 (JPIF) 及び財団

法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

(2)

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日本工業規格

JIS

K 7375:2008

プラスチック−

全光線透過率及び全光線反射率の求め方

Plastics-Determination of total luminous transmittance and reflectance

序文

この規格は,1981年に制定したJIS K 7105の一部である“光線透過率及び全光線反射率の測定法Bに

よる求め方”を分離し,作成した日本工業規格である。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,板状及びフィルム状のプラスチックであって,透明,半透明及び不透明なプラスチックの,

可視領域における全光線透過率及び全光線反射率の求め方について規定する。

JIS K 7361-1では,厚さが10 mmを超えない透明なプラスチック材料の全光線透過率の求め方を規定し

ているが,この規格では,JIS K 7361-1と同じ全光線透過率を求めることができるだけでなく,厚さが厚

い(試験片を置く積分球開口直径の1/10以上)プラスチック材料並びにプラスチックの内部又は表面が曇

った外観でヘーズ値の大きな(30 %以上)半透明及び不透明プラスチック材料について全光線透過率及び

全光線反射率を求めることができる。

有彩色のもの及び蛍光を発するものには適用しない。ただし,用いる測定器の照射光によって励起され

る蛍光成分が,全光線透過率及び全光線反射率に影響しないことを事前に把握している場合は,適用して

もよい。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

JIS K 7361-1 プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法

JIS Z 8402-2 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第2部:標準測定方法の併行精度及

び再現精度を求めるための基本的方法

JIS Z 8781 CIE測色用標準イルミナント

JIS Z 8782 CIE測色標準観測者の等色関数

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

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3.1

全光線透過率

試験片の平行入射光束に対する全透過光束の割合。

注記 光線透過率とは,試験片の平行入射光束に対する透過光束の割合であるが,測定方法により拡

散成分を含むか含まないかが,分かりにくい。拡散性のある試料の場合,拡散した透過光束を

含む測定が重要であり,この規格では,拡散成分を含む光線透過率の用語として“全光線透過

率”を用いる。

3.2

全光線反射率

試験片の平行入射光束に対する全反射光束の割合。

注記 光線反射率とは,試験片の平行入射光束に対する反射光束の割合であるが,測定方法により拡

散成分を含むか含まないかが,分かりにくい。拡散性のある試料の場合,拡散した反射光束を

含む測定が重要であり,この規格では,拡散成分を含む光線反射率の用語として“全光線反射

率”を用いる。

4

原理

プラスチックの透過光を,試験片端部からの散逸(エッジロスと通称。試験片が厚いほど,ヘーズ値が

大きいほど試験片内部での光の拡散が増大し,エッジロスは,大きくなる。)を可能な限り少なくした状態

で,積分球内へ導くことによって,半透明及び不透明な材料の全光線透過率を求めることができる。また,

反射光の鏡面反射光を捕そく(捉)することによって全光線反射率を求めることができる。

注記 この規格を用いて可視光線領域で光の吸収がほとんどないメタクリル樹脂の半透明板(乳半板)

などを測定すると,全光線透過率と全光線反射率との和がほぼ100 %になり,理論的に妥当な

値となる。

5

装置

5.1

装置は,安定した光源,接続光学系,開口部を備える積分球(図1参照)及び測光器によって構成

される。測光器は,受光器,信号処理装置及び表示装置によって構成される。必要に応じ,記録装置を備

えてもよい。

5.2

光源及び測光器は,その組合せの特性が,JIS Z 8782に規定するCIE測色標準観測者の等色関数y (λ)

とJIS Z 8781に規定するCIE測色用標準イルミナントD65との組合せに相当する出力を与えるものでなけ

ればならない。

5.3

積分球の全開口部(開口a,b,c及びd)の面積の和は,積分球の内面積の4 %以下とする。試験片

の厚さ方向への散逸光を十分捕そくするため,積分球の直径は,試験片に対して十分大きくなるよう150

mm以上であることが望ましい。積分球の開口部直径の試験片の厚さに対する比が3〜4よりも小さい場合

は,開口部の直径を大きくして,積分球の直径も大きいものを用いるのがよい。

5.4

開口a,b及びcは,球の同一大円上にあって,開口aの中心と開口cの中心とを結ぶ線と,開口c

の中心と開口bの中心とを結ぶ線とのなす角度は14°とする。

5.5

試験片に入射する光束は平行光線で,光軸に対して3° 以上傾く光線が含まれてはならない。光束の

中心は,開口aの中心と一致させる。光束の断面は円形であって,鮮明でなければならない。また,開口

aの直径は,試験片直径の0.5倍〜0.6倍とする。ただし,不透明の試料の反射率を求める場合は,この限

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3

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りではない。

5.6

開口cに取り付ける標準白色板は,可視光線の全波長に対して一様な高い反射率をもつものとする。

硫酸バリウム,ポリテトラフルオロエチレン (PTFE) などがこれに適する。積分球の内壁には,標準白色

板と同一反射率をもつものを塗布する。

5.7

開口cに取り付けるライトトラップは,試験片及び標準白色板のいずれも取り付けない場合,光を

完全に吸収しなければならない。

5.8

試験片のヘーズ値が大きく,かつ,厚さが厚い場合は,試験片の厚さ方向への光の散乱による散逸

光を捕そくするために,試験片は円板状にし,図1に示す試験片ホルダに入れて開口部に装着する。この

試験片ホルダの内面は,金属光沢をもつものとする。

図1−装置(積分球及び入口開口部)

6

試験片

6.1 試験片は,フィルム,板,射出成形品又は圧縮成形品から切り出す。

6.2 試験片が薄い場合(試験片を置く積分球開口直径の1/10未満)及び厚くてもヘーズ値が小さい場合

(30 %未満)は,積分球の開口直径が試験片直径の0.5倍から0.6倍となるような試験片の大きさとし,

厚さは原厚とする。試験片が厚く(試験片を置く積分球開口直径の1/10以上),かつ,ヘーズ値が大きい

場合(30 %以上)及び反射率の測定の場合は円形とし,試験片ホルダの内側に密着する大きさとする。こ

の場合,試験片の側面には試料を浸食しない性質の白色塗料を塗布し,厚さ方向に散乱して試験片の側面

から散逸しようとする光を内面に反射させ,積分球内へ向かわせる。

6.3 試験片は,きず,泡,ぶつなどの欠陥がなく,ごみ,グリース,保護材料からの接着剤などの汚れ

の付着がないものとする。また,肉眼で見ることができるすき間又は粒子が存在しないものとする。

6.4 試験片の数は,通常,3個とする。

7

試験片の状態調節

7.1

状態調節が必要な試験片は,試験の前に JIS K 7100 によって温度23 ℃ ± 2 ℃,相対湿度(50 ±

5)%の条件で状態調節を行う。状態調節の時間は,試験片の厚さ及び材料に応じて,試験片が熱平衡に達

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するまでとする。厚さ0.025 mm以下の試験片では16時間で十分であり,これを超える厚さのものでは40

時間以上が望ましい。

7.2

試験装置は,温度23 ℃±2 ℃,相対湿度(50±5)%の条件で使用する。

8

試験

8.1

全光線透過率の測定

全光線透過率は,次の手順によって測定する。

a) 開口b及び開口cに標準白色板を取り付けて,装置の指示が100となるように,基準入射光量 (τ1) を

調整する。

b) a)の状態で,開口aに試験片を取り付けて透過光量 (τ2) を測定する。

c) 開口cに標準白色板を,また,開口bにライトトラップを取り付けて,ライトトラップ入射光量 (τ3)

を測定する。

d) ライトトラップ又は黒色フェルトを,入射光から見て背面に付けた試験片を開口cに取り付け,また,

開口bには標準白色板を取り付けて,反射光量 (τ4) を測定する。ただし,不透明な試験片の場合は,

ライトトラップ又は黒色フェルトは不要である。

8.2

全光線反射率の測定

全光線反射率は,次の手順によって測定する。

a) 開口b及び開口cに標準白色板を取り付けて,装置の指示が100となるように,基準入射光量 (τ1) を

調整する。

b) 開口cに標準白色板を,また,開口bにライトトラップを取り付けて,ライトトラップ入射光量 (τ3)

を測定する。

c) ライトトラップ又は黒色フェルトを,入射光から見て背面に付けた試験片を開口cに取り付け,また,

開口bには標準白色板を取り付けて,反射光量 (τ4) を測定する。ただし,不透明な試験片の場合は,

ライトトラップ又は黒色フェルトは不要である。

9

計算

全光線透過率及び全光線反射率は,次の式によって算出する。

τ

t

=

ρ

t

=

τ

2

2

τ

1

τ

3

(

τ

1

τ

3

)

1

τ

4

τ

1

(

τ

1

τ

3

)

1

ここに,

τ

4

ρ

t

100

×

100

×

100

τ

1

τt: 全光線透過率 (%)

ρt: 全光線反射率 (%)

τ1: 基準入射光量

τ2: 透過光量

τ3: ライトトラップ入射光量

τ4: 反射光量

10 精度

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JIS Z 8402-2による精度を求めるための共同試験は実施していない。共同試験による精度が求まれば,

この箇条を置き換える。

全光線透過率及び全光線反射率の測定例を,附属書Aに示す。

11 結果の表し方

全光線透過率及び全光線反射率は,小数点以下1けたまで求め,次の例のように表す。

例 τt =60.2 (%), ρt=39.5 (%)

12 試験報告

試験報告には,次の事項を記載する。

a) この規格の番号

b) 試料の名称,種類,試験片の形状及び寸法

c) 全光線透過率測定と全光線反射率測定との区別

d) 各表面の表面形状が異なるなどで試験片の両面を測定した場合は,測定した面を示す表示(入射した

面)

e) 試験結果

f)

試験装置の形式及び製造業者名

g) この規格の規定から外れる事項のすべて

h) 試験年月日

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附属書A

(参考)

全光線透過率及び全光線反射率の測定例

序文

この附属書は,本体について補足するものであって,規定の一部ではない。

A.1 この試験方法の特徴

照明カバーなどに使用される半透明プラスチック板(乳半板)などの光拡散性試料の全光線透過率をJIS

K 7361-1の方法で測定する場合には,積分球の効率及び試験片端部からの散逸光(エッジロス)の影響に

よって測定値が低くなることがある。この規格は,積分球の効率を最大限にし,エッジロスを最小限に抑

えることを目指す試験方法である。

積分球の効率は,積分球の開口率(積分球内面積に対する開口部面積の比率)が小さいほどよい。

実用上,積分球は直径150 mm〜300 mmのものが入手でき,使用されている。

エッジロスは,試験片の大きさ,厚さ,光学特性(光透過性及び光拡散性)及び測定光束の大きさの比

によって異なる。測定光束の大きさを一定とすれば,試験片の大きさが大きいほど,また,厚さが薄いほ

どエッジロスが小さくなる。エッジロスは,試験片への入射光が試験片内部を拡散・透過して試験片端部

から散逸する現象であり,光透過性及び/又は光拡散性が高い試料ほどエッジロスが大きくなる。したが

って,試験片の大きさに対して入射光束の大きさを小さくすると,入射光束から試験片端部までの距離が

長くなるので試験片内部を透過・拡散して試験片端部から散逸する光が少なくなり,エッジロスが小さく

なる。

A.2 全光線透過率及び全光線反射率の測定例

各種プラスチック材料の測定値の例を,表A.1に示す。

PMMA乳半板では可視光線領域の光の吸収がほとんどないため,全光線透過率と全光線反射率との和が

理論値100 %に近い値となっている。

ここに示す測定例は,試験片の厚さが6 mmまでの値(表A.1及び表A.2)である。これらの結果では,

試験片の厚さ/試験片の大きさ=1/8以下で実用上の値が得られている。

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K 7375:2008

表A.1−全光線透過率及び全光線反射率の例

材質

色調

厚さ

全光線透過率 (τt)

全光線反射率 (ρt)

透明

乳半(高透過A)

乳半(高透過B)

乳半(中透過A)

乳半(中透過B)

乳半(低透過A)

乳半(低透過B)

乳半(低透過)

乳半(低透過)

乳半(中透過)

乳半(中透過)

フィルムa) 1

乳半(中透過)

半透明

フィルムa) 2

半透明

注a) 廃棄物収集用

A.3 求め方の相違による全光線透過率の例

この規格の方法及びJIS K 7361-1の方法で同一サンプルの全光線透過率を求めた例を,表A.2に示す。

透明材料又は厚さの比較的薄いPMMA(2 mm程度)乳半板では,この規格の方法とJIS K 7361-1の方

法とで近い値が求められたが,厚い (6 mm) 乳半板では測定値の差が大きくなる傾向にある。

特に光線透過率の比較的高い乳半板の場合,試験片中心部付近に入射した光が試験片内部で拡散し,試

験片端部まで届く割合が高く,エッジロスの影響を受けやすくなる。

表A.2−求め方の相違による全光線透過率の例

測定法

材質

色調

厚さ

透明

乳半(高透過B)

乳半(低透過B)

乳半(高透過B)

乳半(低透過B)

全光線透過率 (τt )