2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
L 1925:2019
目
次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 試験場所························································································································· 2
5 試料,試験片の採取及び準備 ······························································································ 2
6 測定装置························································································································· 2
7 測定方法························································································································· 2
8 測定結果の評価 ················································································································ 3
9 試験報告書 ······················································································································ 3
附属書A(規定)UPF換算値の算出方法 ··················································································· 4
附属書B(規定)測定結果の評価 ···························································································· 8
附属書C(参考)測定結果の例 ······························································································· 9
(1)
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
(2)
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日本工業規格
JIS
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繊維製品の紫外線遮蔽評価方法
Textiles-Evaluation method of ultraviolet ray-shielding
序文
紫外線(UV)は,A波(315 nm〜400 nm),B波(280 nm〜315 nm)及びC波(280 nm未満)に分類さ
れるが,地表面に降り注ぐ紫外線(UV)は,A波及びB波の290 nm〜400 nmであるといわれている。こ
れらの地表面に降り注ぐ紫外線は,肌の老化促進,しみ,そばかす,皮膚がんなどの原因となるといわれ
ている。
このため,繊維製品によって紫外線遮蔽を行うことの重要性がますます高まっており,的確な紫外線遮
蔽率及び紫外線防護係数の測定方法並びにその評価方法を定める必要性がある。
紫外線遮蔽加工には,大別して2種類の方法があり,一つは,紫外線吸収剤を生地の表面に付与(コー
ティング)する方法で,他の一つは,紫外線を反射する微粒子物質を繊維に練り込むことによって,光線
を遮蔽する方法である。綿などの天然素材には前者の紫外線吸収剤による加工が一般的であり,後者はセ
ラミックスをポリエステルに練り込むなど,合成繊維に行われている。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,繊維製品,例えば,ブラウス,スポーツウェア,レッグウェア,カーテン,帽子,傘など
に使用される生地の紫外線遮蔽率及び紫外線防護係数(UPF)の測定方法並びにその評価方法について規
定する。
なお,色柄物,組織など部位の違いがある試料は,受渡当事者間の合意によって測定部位を決めること
ができる。
注記 伸張着用を想定している製品は,その伸長率を受渡当事者間の合意によって決めて実施するの
がよい。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則
JIS L 0208 繊維用語−試験部門
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0115,JIS L 0105及びJIS L 0208によるほか次による。
3.1
紫外線防護係数,UPF(Ultraviolet protection factor)
地表面に降り注ぐ紫外線波長領域(290 nm〜400 nm)での試料の透過率に,太陽光による皮膚への影響
を加味した係数。
4
試験場所
試験場所の温湿度状態は,JIS Z 8703に規定する常温常湿状態[温度20 ℃±15 ℃,相対湿度(65±
20) %]による。
5
試料,試験片の採取及び準備
試料及び試験片は,JIS L 0105の6.3(布状の試料及びその試験片)又は6.4[製品(縫製品)状の試料
の試験片]によって採取する。試料から,約50 mm×約50 mm1) の試験片を,たて方向又はウェール方向
に2枚以上,よこ方向又はコース方向に2枚以上,合計4枚以上採取する。
ストレッチ素材の場合は,張力がかからないよう自然な状態で採取する。
注1) 試験片の寸法は,使用する機器の指定がある場合は,それに合わせて採取するのがよい。
6
測定装置
6.1
分光光度計
分光光度計は,JIS K 0115の4.1.2(分光光度計)に規定するもので次の性能をもつものか,又はこれと
同等の性能をもつものとする。
6.1.1
測定波長範囲 測定波長範囲は,290 nm〜400 nmを含むもの。
6.1.2
照射光 測定波長範囲において連続光光源をもっているもの。
6.1.3
幾何条件 試料をあらゆる方向から均等に照射し,試料面の法線方向に透過する光を測定するため
に,照射部に積分球が備え付けてあるもの。
6.1.4
有効波長幅 出射スリットから出る放射束の有効波長幅は,5 nm以内。
6.1.5
波長目盛 波長目盛を任意の呼び波長に設定したとき,分光光度計の透過波長帯の重心波長は,呼
び波長から1 nm以内。
6.1.6
6.2
波長精度 波長精度は,±1 nm。
バンドパスフィルタ
試料中の蛍光物質による測定への影響を防ぐために,400 nmより長い波長域を遮蔽するフィルタ。
注記 バンドパスフィルタとして,例えば,ショットUG5フィルタがある。
7
測定方法
バンドパスフィルタを取り付けた分光光度計を用い,波長範囲290 nm〜400 nmの紫外線を照射し,試
験片を透過した光の分光強度を検出する。照射方式には,波長選択した光を試料に照射するもの又は試料
に白色光を照射し,試料を透過した光を波長選択するものがあるが,いずれを用いてもよい。また,試験
は,採取した全ての試験片について行う。
紫外線遮蔽率及び紫外線防護係数は,次によって求める。
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a) 紫外線遮蔽率 波長範囲290 nm〜400 nmにおける試料の透過光と試料への入射光との割合を,紫外
線遮蔽率として算出する。
紫外線遮蔽率(PA)は,式(1)によって求める。
P
A
=
1
−
1
400
∑
T
(
λ
)
×
100
························································· (1)
m
290
ここに,
PA: 紫外線遮蔽率(%)
T(λ): 波長λにおける分光透過率
λ: 波長(nm)
m: 測定波長域での測定数
試験結果は,測定した全ての試験片の紫外線遮蔽率(%)の平均値を,四捨五入によって,小数第
1位に丸める。
b) UPF 波長範囲290 nm〜400 nmの紫外線透過率に,波長ごとの皮膚の影響度合いを表す数値と分光放
射照度の相対エネルギー値とを乗じてUPFを算出する。UPF換算値の算出方法は,附属書Aによる。
8
測定結果の評価
紫外線防護係数の換算値は,附属書Bによって紫外線格付け値として評価する。
参考までに,測定結果の例を,附属書Cに示す。
9
試験報告書
試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 試験年月日
b) 規格番号及び試験方法
c) 試験結果
紫外線遮蔽率及び/又はUPF格付け値
d) この規格からの逸脱についての詳細
e) 受渡当事者間で合意があった事項
注記 伸張の有無も含めて伸張率を記載するのがよい。
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附属書A
(規定)
UPF換算値の算出方法
A.1 分光透過率の算出
分光透過率(TB)は,測定波長領域290 nm〜400 nmにおいて,試験片に照射した紫外線の波長ごとの
分光透過率を1 nm間隔で測定した結果から,次の式によって算出する。
400
T
Β
=
1
T
(
λ
)
m
290
∑
ここに,
TB: 分光透過率
T(λ): 波長λにおける分光透過率
λ: 波長(nm)
m: 測定波長域での測定数
A.2 UPF換算値の算出
UPF換算値の算出は,次による。
a) UPFの算出 紫外線防護係数(UPF)は,波長λにおける分光透過率T(λ)から,次の式によって算出
する。
400
∑
E
(
λ
) S
(
λ
) Δ
(
λ
)
UPF
=
290
400
∑
E
(
λ
) S
(
λ
) T
(
λ
) Δ
(
λ
)
290
ここに,
UPF: 紫外線防護係数
S(λ): 太陽分光放射照度の相対エネルギー値(W・m−2・nm−1)(表
A.2による。)
E(λ): 波長ごとの皮膚の影響度合いを表す数値(表A.3による。)
Δ(λ): 測定波長の間隔(nm)
T(λ): 波長λにおける分光透過率
N枚の試験片の計算結果の平均値を,四捨五入法によって整数に丸めUPF平均値とする。
b) UPF平均値の標準偏差(SD)の算出 UPF平均値の標準偏差(SD)は,次の式によって算出する。
=∑
平均値
SD
N
−
1
ここに,
SD: UPF平均値の標準偏差
N: 試験片数
c) UPF平均値の標準誤差(E)の算出 信頼水準99 %におけるUPF平均値の標準誤差(E)は,次の式
によって算出する。
k,×
E
=
t
α
SD
/ N
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ここに,
E: UPF平均値の標準誤差
α
: t変量(α=0.005)片側確率
k,t
k: N−1
SD: UPF平均値の標準偏差
N: 試験片数
なお,計算は,試験片数に応じて表A.1の変数を使用する。
表A.1−試験片数に対応する変数一覧
(t変量)
(試験片数)
k(自由度)
d) UPF換算値の算出 UPF換算値は,次の式によって算出する。
UPF換算値=UPF平均値−E (最も近い5の倍数に切り下げ)
上記計算式による換算値が,その試験片のUPF最低測定値より低い場合は,次の式による。
UPF換算値=a) におけるUPF最低測定値 (最も近い5の倍数に切り下げ)
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表A.2−波長ごとのS(λ)の値
波長(nm)
波長(nm)
波長(nm)
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表A.3−波長ごとのE(λ)の値
波長(nm)
波長(nm)
波長(nm)
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附属書B
(規定)
測定結果の評価
測定結果の評価として,UPF格付け値を表B.1に示す。
注記 繊維製品の性能を評価するものではなく,製品に使用されている生地の性能を評価するもので
ある。
表B.1−UPF格付け値a)
UPF換算値
UPF格付け値
55以上
10以下
UPF 適用外
注a) 製品用途に応じて,UPF格付け値及び/又は紫外線遮蔽率の実測値を適用す
る。
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附属書C
(参考)
測定結果の例
C.1 概要
測定は,市販の紫外線遮蔽繊維製品13種及び未加工製品5種の全18種で行った。試料の明細を表C.1
に示す。測定の実施団体は3団体である。測定結果は,紫外線遮蔽率の算出方法及びUPF格付け値の算出
方法で実施した。
表C.1−市販品試料の明細
品名
色・柄
素材の表示
UV加工の表示
ラッシュガード:スイミング用
白/青
ポリエステル100 %
トレーニングウェア(ストレッチタイプ)
赤/黒
ポリエステル84 %
ポリウレタン16 %
ジャージ
ブラック
ポリエステル100 %
遮蔽90 %以上
ジャージ(UV未加工)
ブラック
ポリエステル100 %
表示なし
ウィンドブレーカー(雨・風避け)
ブラック
ポリエステル100 %
パーカー(極小ストライプ柄)
グレー
ポリエステル70 %
コットン30 %
UV避け帽子(垂れつき)
赤/白
ナイロン92%
ウレタン8 %
Tシャツ
ブルー
ポリエステル100 %
UPF15-25,遮蔽85 %
以上
Tシャツ(UV未加工)
白
ポリエステル100 %
表示なし
Tシャツ
白
コットン100 %
遮蔽90 %以上
Tシャツ(UV未加工)
白
コットン100 %
表示なし
ストール
グラデーシ
ョン
コットン100 %
UV対策品
ストール(UV未加工)
アイボリー
コットン100 %
表示なし
ストッキング
ベージュ
ナイロン
ポリウレタン
UV加工
ストッキング(UV未加工)
ベージュ
ナイロン
ポリウレタン
表示なし
日除け傘
ブラウン
ポリエステル100 %
遮蔽97 %
カーテン(レース)
白
ポリエステル100 %
遮蔽86 %
アームカバー
ブルー/黒
コットン100 %
遮蔽90 %以上
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C.2 試験結果
紫外線遮蔽率及びUPF格付け値の結果を,表C.2に示す。
表C.2−紫外線遮蔽率及びUPF格付け値の結果
遮蔽率(%)
試験機関
UPF格付け値
平均
標準偏差
試験機関
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
UPF適用外
参考文献 AS/NZS 4399:2017,Sun protective clothing−Evaluation and classification